【血統アナリシス】桜花賞 我慢比べになれば本領発揮のシーンもありえるルアーヴル産駒!豊作世代のヴィクトワールピサ産駒2騎も要警戒!2019年4月6日(土) 16:00
日曜日に行われる桜花賞の出走馬について、血統的な舞台適性の有無を1頭ずつシンプルに考察していきます。予想の際にお役立てください。
①シェーングランツ
2017年のオークス馬ソウルスターリングの半妹。母のスタセリタはG1 6勝の名牝、母父であるモンズーンは優れた底力を伝えて成功を収めた万能型。その母系にディープインパクトを重ねているのだから、潜在しているレース適性だけでいえば、2017年の桜花賞で1番人気の支持を集めながら3着に敗れた半姉を上回る。脚質や母父の本質を踏まえると、もう少し距離が延びたほうがいいのかもしれないが、ディープインパクト×欧州牝系の組み合わせは当レースの活躍配合のひとつ。完全無視は禁物だ。
②エールヴォア
きょうだいの戦績は冴えないものの、4代母にダイナサッシュ、5代母にロイヤルサッシュを擁する国内有数の名牝系。叔父にドリームパスポート、一族にはサッカーボーイやステイゴールドといった面々が名を連ねるように、ポテンシャルはここに入っても見劣りしない。父のヴィクトワールピサは2016年の勝ち馬ジュエラーを輩出。500キロ前後の体格に恵まれている点はジュエラーと共通する。馬格を最大限に活かせるパワー勝負になれば、面白い存在と言えよう。
③ノーブルスコア
父は4頭の桜花賞馬を送り出しているディープインパクト。母は伊G1リディアテシオ賞の勝ち馬で、母父は凱旋門賞馬のディラントーマスという血統構成。ディープインパクト×ダンチヒ系の配合、ノーザンダンサー系同士を組み合わせた母を持つ点は、2012年優勝馬のジェンティルドンナと同じ。母系には大舞台に強いニジンスキーのクロスもある。これといって大きな減点材料は見当たらず、上位圏内に食い込んできてもおかしくない。
④クロノジェネシス
近親にフサイチエアデール、その仔としてフサイチリシャール、当レース出走予定のビーチサンバがいる一本筋が通った一族の出自。半姉には紫苑Sの勝ち馬ノームコアがいるように、ファミリーの近況が活気づいている点は好感が持てる。父のバゴは2010年の2着馬オウケンサクラを輩出。ほか菊花賞馬のビッグウィークも送り出しており、クラシックとの相性は決して悪くない。ここでも好勝負可能とみる。
⑤ルガールカルム
ロードカナロア×サンデーサイレンスの組み合わせ、さらに母母父はヌレイエフ系という、今をときめくアーモンドアイと似た配合馬。英と仏の重賞を制した祖母、3代母にBCジュベナイルフィリーズの勝ち馬を擁する牝系も上質で、血統構成については申し分がない。アネモネS組のパフォーマンスが奮わない点は気がかりだが、その悪循環を血筋の良さで一掃してしまう可能性は十分にありえる。警戒を怠れない1頭と言えよう。
⑥ホウオウカトリーヌ
母は現役時未勝利に終わったが、母父のヘンリーザナビゲーターは英・愛のマイルG1を4勝、BCクラシックでも2着に奮闘した名馬。母母父のサイフォンは伯・米で好成績を残し、ドバイワールドカップでも2着に健闘している。ゆえに、相応の爆発力を秘めているとみていい。ただ、マツリダゴッホ産駒は外回りよりも内回りに適性を示す馬が多く、阪神マイルへのコース替わりがプラスに作用するとは思えない。今回は割引が必要だろう。
⑦アウィルアウェイ
さきの東京新聞杯を制したインディチャンプを半兄に持ち、叔父にはリアルインパクトやネオリアリズムなどを擁する、ポテンシャルの高い牝系の出自。ただ、本馬の場合は短距離指向の濃い祖母トキオリアリティーの影響が濃いせいか、よりスピード指向が強い印象。そのあたりを鑑みると、距離延長のマイル戦で能力を発揮できるかどうかについては疑問が残る。クラシックの舞台となればなおさらだ。展開や馬場に恵まないと上位進出は厳しいだろう。
⑧グランアレグリア
父であるディープインパクトの産駒は桜花賞で4勝と相性は抜群。一方、母のタピッツフライは5歳時にマイルG1を2勝。晩成型の印象も受けるが、リステッド格当時のBCジュヴェナイルフィリーズターフを制しており、早い時期から活躍できる傾向にある。ディープインパクト×ナスルーラ系の配合馬が当レースで勝ち切れていない点は気になるものの、同系統配合馬のアルアインが先週の大阪杯を制覇。勢いづいている点は好材料だ。状態さえまともなら、上位争いに絡めるだけの下地は整っている。
⑨アクアミラビリス
半姉クイーンズリングはエリザベス女王杯を含む重賞4勝。伯母には、仏1000ギニーの勝ち馬トレストレラがいる。母父のアナバーはBMSとして、トレヴやラッシュラッシーズなどを送り出しているように、牝馬の相がすこぶるいい。父は替わったが、ヴィクトワールピサ×仏牝系配合馬という点は、2016年の勝ち馬ジュエラーと同じ。父産駒の現3歳世代は初年度以来の豊作世代。現時点の破壊力と完成度は、桜花賞出走時の半姉(4着)を凌ぐ可能性もある。要注目の1頭だ。
⑩フィリアプーラ
2011年の朝日杯FSを無敗で制したアルフレードを半兄に持ち、祖母はサクラバクシンオーの全妹、3代母はアンバーシャダイの全妹という、確かなボトムラインの持ち主。その牝系にサンデーサイレンスとハービンジャーを重ねているのだから、高いポテンシャルを秘めているのは間違いない。父がやや晩成型のため、本格化はもう少し先かもしれない半面、春を迎えて一段上の段階に変わってくる可能性もある。複穴として一考の余地がありそうだ。
⑪メイショウケイメイ
さかのぼると、5代母のアンティックヴァリュー(1993年の2冠牝馬ベガの母)に辿り着く名門の出自。父は凱旋門賞馬のワークフォースで、一見すると中距離以上に適性を示してもおかしくない。だが、本馬は母父のデュランダル、ならびにミスプロの多重クロスが強く反映されているせいなのか、スピード優先のタイプに仕上がっている。ゆえに、速い上がりの決め手勝負になると分が悪そう。上位進出には、馬場や展開など何らかの助けが欲しい。
⑫ノーワン
きょうだいに目立った存在はいないものの、母はフサイチコンコルドと同血、一族からは愛オークス2着馬など、活躍馬が多数出ている。ここで通用してもおかしくない下地はあるが、ハーツクライ×ニジンスキー系×サドラーズウェルズという配合をみるに、上がりを要する競馬がベターの印象。ゆえに、根幹距離で速い上がりを求められると苦しい。奥行きの深い馬ではあるものの、今回に限っていえば、展開や馬場など、何らかの恩恵がないと好パフォーマンスは期待できないかもしれない。
⑬ジュランビル
キンシャサノキセキ×デピュティミニスターという、スピード色の濃い組み合わせ。母母父のラーイ、ヘイロー4×5のインブリードで、速力がさらに強調されている。そのあたりを踏まえると、前回から1ハロンの距離延長はマイナス材料と言わざるを得ない。小倉、阪神、京都と異なる競馬場で崩れていない点は評価できるものの、現時点では短距離の混戦向きという印象。今回の舞台で前回以上のパフォーマンスを望むのは厳しいのではないか。
⑭ビーチサンバ
父は芝、ダートの双方でG1を制したクロフネ。母のフサイチエアデールは重賞4勝かつG1で3度の2着を記録、全兄のフサイチリシャールは2歳王者という良血馬。本馬も全兄同様、スピードとパワーを兼備したマイラータイプゆえに、東京→阪神のコース替わりは好材料。さきの紫苑S勝ち馬ノームコアや当レースに出走予定のクロノジェネシスなど、近い親族が重賞戦線で活躍している点も好感度が高い。軽んじて扱えない1頭だ。
⑮ダノンファンタジー
父であるディープインパクトの産駒は当舞台で好成績。母はアルゼンチンの中距離G1を2勝。近親にはブラジルのG1馬や南アフリカの重賞ウイナーが複数並び、各要素をバランスよく兼ね備えた優良牝系と判断できる。一方、阪神リニューアル以降の桜花賞で、サンデーサイレンス系×グレイソヴリン系配合馬の連対例がない点は気がかり。単なるめぐり合わせと言えばそれまでだが……。父と南米系牝馬の相性の良さ、ならびに底力でカバーできるかどうかが、今回の大きな焦点になるのではないか。
⑯シゲルピンクダイヤ
父のダイワメジャーは2017年の優勝馬レーヌミノルを輩出。一族には愛ダービー馬がいるように牝系の質も高い。ただ、母父はサドラーズウェルズ系のハイシャパラル。父×サドラーズウェルズ系の配合馬であるメジャーエンブレムは、2016年の当レースで1番人気に推されながらも4着敗退。また、父ダイワメジャーにスタミナ寄りの母、チューリップ賞を経由したあたりは、2017年16着のミスパンテールと重なる面が多い。前走の内容をストレートに評価しての、押さえ扱いが妥当とみる。
⑰レッドアステル
母のレッドエルザは未勝利に終わったが、その全兄イングリッシュチャンネルはBCターフなど6つのG1を制覇。祖母の全姉も米G1を制しているように、血統的価値は高水準。ディープインパクト×スマートストライクの組み合わせは、2013年の2着馬レッドオーヴァルと同じ。ミスプロ系×ヌレイエフ系の肌馬にディープインパクトを重ねたパターンは、ヴィルシーナとヴィブロスの姉妹など成功例が後を絶たない。相性が悪いアネモネS組と言えども、侮ってはいけない存在だ。
⑱プールヴィル
父のルアーヴルは現役時に仏ジョッケクルブ賞(仏ダービーに相当)を制し、種牡馬としても2頭の仏二冠牝馬を輩出。母のケンホープは仏G3ウイナーにして、英マイルG1でも上位争いを演じた。タフさがウリの欧州配合馬であると同時に、早期から活躍が見込めるスピードも兼ね備えている。瞬発力比べでは分が悪いものの、欧州由来のしぶとさと勝負根性はハイレベルの域。持ち味を最大限に活かせる我慢比べになれば、本領発揮のシーンもありえる。
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【血統アナリシス】阪神JF ディープインパクト産駒2騎のプロフィールに不足なし!歴史的名牝の仔に未知の魅力あり!2018年12月8日(土) 16:10
日曜日に行われる阪神JFの出走馬について、血統的な舞台適性の有無を1頭ずつシンプルに考察していきます。 予想の際にお役立てください。
①ベルスール
全姉のベルルミエールは3歳時、半姉のヴゼットジョリーは2歳時から重賞戦線で活躍。一族からは英1000ギニー勝ち馬が出ているように、スピード能力に優れた牝系である点が大きな特徴。父に短距離指向の強いスウェプトオーヴァーボードを配することで、スピードがより強調されている。視点を変えると、スタミナを問われる舞台は不向き。京都芝1400m→阪神芝1600mの臨戦過程で、好パフォーマンスを示せるかどうかについては疑問符が付く。軽い競馬質になれば3着には、といったところか。
②ジョディー
スピードの持続力に長けたダイワメジャーを父に持ち、母父のモンズーンはBMSとして2016年の勝ち馬ソウルスターリングを送り出している。さかのぼると、米国の至宝とも呼ばれた名繁殖牝馬のラトロワンヌにつながる名門牝系。相応のポテンシャルを秘めた血統構成と言えよう。半面、母がモンズーン×サドラーズウェルズという欧州色の濃い配合ゆえに、瞬発力を求められる競馬では足りない印象。血の良さを活かすためには、上がりを要する競馬になるか、あるいは早めに仕掛けて持続質の競馬に持ち込むことが肝要になる。
③プールヴィル
母父のケンダンジャルは父として仏2歳重賞勝ち馬を数多く輩出。母は仏G3ウイナーにして、英マイルG1でも上位争いを演じたケンホープ。早期から活躍が見込めるスピードタイプだ。この母に仏ダービー馬のルアーヴルを重ねることで、水準以上のスタミナが補完されている。一方で、欧州血脈で固められた配合ゆえに、瞬発力勝負ではパンチが足りない印象。持ち味を発揮するためには、上がりを要する競馬、あるいは自身から動くなど、思い切った策が不可欠となる。
④シェーングランツ
2016年の勝ち馬ソウルスターリングの半妹。母のスタセリタはG1 6勝の名牝、母父であるモンズーンは優れた底力を伝えて世界的に成功を収めた万能型。その母系にディープインパクトを掛け合わせているのだから、潜在しているレース適性だけでいえば半姉を上回る。父と母父の本質を踏まえると、もう少し距離が延びたほうがいいのかもしれないが、展開利があったとはいえ前走でマイル重賞を制しているのは事実。2歳牝馬同士の争い、かつ直線の長い阪神外回りなら好戦可能とみる。
⑤メイショウショウブ
ダイワメジャー×キングカメハメハという、当レースの活躍血統同士の組み合わせ。祖母を基点とする親族に重賞級はいないが、3代母から広がる一族にはアドマイヤムーンなど活躍馬の名が多数見られる。よって、牝系の活力面については過度に不安視する必要はない。スピードに長けたヘイロー3×5のクロスならびに父の機動力と、身体能力の高さが持ち味である母父の血がマッチするようであれば、好パフォーマンスを示しても、何ら不思議はない1頭と言えよう。
⑥スタークォーツ
父はスピードとパワーを身上とするメイショウボーラー。母父に日本ダービー馬のアドマイヤベガを配し、スタミナを補完するかたちをとっているが、ヘイロー4×4のクロスが強く反映されているせいか、本馬はスピード優先のタイプに仕上がっている。スピード上位の一方、近い親族の活躍馬はトウショウシロッコが目立つ程度。マイルG1の舞台では活力面で見劣る印象を受ける。メイショウボーラー産駒の当該コースにおける成績も良いとは言えず、今回は厳しい戦いを強いられるのではないか。
⑦ウインゼノビア
父はジャパンカップを制したスクリーンヒーロー。一族にはクィーンスプマンテなどの名が見られる。意外性に富んだ血統構成と言えよう。祖母のレディゴシップはタイトル獲得こそ成らなかったが、重賞戦線で堅実駆けしていた馬。本馬のブレが少ない成績は牝系譲りなのかもしれない。父と牝系をみるに力の要る阪神コースはマッチする印象。ただし、スタミナとパワーに長けているぶん、速い上がりの決め手勝負では分が悪い。持ち味を活かすには、自ら早めに仕掛けて我慢比べに持ち込むか、もしくは道悪など馬場の恩恵が欲しい。
⑧ラブミーファイン
父は新種牡馬のジャスタウェイ、母父はアグネスデジタルという組み合わせ。トニービンのスパイスが効いた父に、北米血脈を掛け合わせた好バランスの配合と言えよう。パワーと持続力が強調された血統構成ゆえに、京都→阪神のコース替わりはプラスに作用してもおかしくはない。一方で、ジャスタウェイ産駒の当該コースにおけるパフォーマンスが悪い点は気がかり。近い親族に重賞クラスがいないところも物足りない。最も得意とする上がりを要する展開になった際の、掲示板争いまでが限界ではないだろうか。
⑨クロノジェネシス
近親にフサイチエアデール、その仔としてフサイチリシャールがいる一本筋が通った一族の出。半姉には活躍中のノームコアがいるように、ファミリーの近況が活気付いている点は好印象だ。父であるバゴ産駒の当レースにおける馴染みは薄いが、2013年にクリスマスが7番人気4着と善戦。同じコースで行われる桜花賞では、2010年にオウケンサクラが3番人気2着と好戦しており、決して相性が悪い舞台ではない。最も得意とするスピードの持続力を問われる競馬になれば、面白い1頭になりそうだ。
⑩タニノミッション
母は言わずと知れた歴史的名牝ウオッカ。父のインヴィンシブルスピリットはスピード持続力に優れた産駒を輩出する傾向が強く、2014年の欧州年度代表馬キングマンや2009年の欧州最優秀短距離馬であるフリーティングスピリットなどを送り出している。日本国内の産駒成績は芝短距離に偏っているが、東京マイルを勝ち上がった本馬には当てはまらないかもしれない。父の速力とパワー、母の持久力と爆発力が融合するようであれば、さらにパフォーマンスを上げてくる可能性もある。未知の魅力に満ちた1頭だ。
⑪ビーチサンバ
父は芝、ダートの双方でG1を制したクロフネ。母のフサイチエアデールは重賞4勝かつG1で3度の2着を記録、全兄のフサイチリシャールは2歳王者という良血馬。本馬も全兄同様、スピードとパワーを兼備したマイラータイプだろう。ゆえに、力の要る阪神コースは歓迎のクチ。さきの紫苑S勝ち馬ノームコアや当レースに出走予定のクロノジェネシスなど、近い親族が重賞で好成績を挙げている点も心強い。特長を存分に活かせる持続力勝負になれば、上位進出のチャンスは十分にある。
⑫レッドアネモス
伯父は天皇賞(秋)2着など中距離路線で活躍したアグネスアーク、近親には重賞3勝のビハインドザマスク、ヴィクトリアマイルを制したコイウタの名が見られる。スピードの持続力に優れていると同時に種牡馬の持ち味が活きる牝系だ。父は現2歳世代好調のヴィクトワールピサ。勝ち上がり率が上昇しているだけでなく、重賞での活躍も目につくようになってきている。父の勢いと総合力、母父であるサクラバクシンオーの機動力がこの舞台で巧くマッチするようであれば、上位争いに加わってきてもおかしくない。
⑬ダノンファンタジー
父であるディープインパクトの産駒は当舞台で好成績。母父にグレイソヴリン系種牡馬を持つ馬の相性も悪くない。母はアルゼンチンの中距離G1を2勝。近親にはブラジルのG1馬や南アフリカの重賞ウイナーが複数並び、各要素をバランス良く兼ね備えた優良牝系と判断できる。グレイソヴリン系×ストックウェル系という母の配合をみるに牝馬同士のレースであれば、少々タフな競馬質になっても不安はない。いかにも当レース向きの均整のとれた血統構成だ。
⑭サヴォワールエメ
父はスピード型サンデーサイレンス系のダイワメジャー。母父であるピヴォタルは、BMSとして欧州中心に中距離以上のG1で活躍。国内でもさきの宝塚記念を制したミッキーロケットを送り出している。パワーとスピードの持続力が強調された配合だ。近い親族にBCマイル勝ち馬、一族にエルグランセニョールなどがいる牝系についても上質と言えよう。血の特長を存分に活かせる持続力勝負になれば、上位争いに絡んでくる可能性はある。
⑮ローゼンクリーガー
父は2013年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスでスーパーレコードを叩き出したノヴェリスト。その父にフジキセキの肌馬を組み合わせることにより、上質の速力を実現している。一方で、近い親族をみると重賞級はゼロ。ここに入ると活力の面でパンチに欠けると言わざるを得ない。過去4戦オール連対と底をみせていない点は評価できるものの、適性に優る馬が揃った今回は強調材料に乏しい印象を受ける。積極的には手を出せない。
⑯グレイシア
母は秋華賞4着など3歳重賞戦線で活躍。さかのぼれば、4代母にシヤダイチヤツターを擁する名門一族。上質の牝系の持ち主と言えよう。ダイワメジャー×欧州型ノーザンダンサー系×欧州型ナスルーラ系の配合は2015年の勝ち馬メジャーエンブレムと同じ。その点を踏まえると、相応の潜在適性を備えていると判断できる。半面、相手強化で巻き返しが効きづらい父の産駒の特徴を鑑みると、G3大敗→G1の臨戦過程は不安材料。それなりの走りは見せるかもしれないが、馬券圏内までには届かないのではないか。
⑰トロシュナ
母は米ダ6FのG3勝ち馬。きょうだいに重賞勝ち馬はいないものの、シュプリームギフトやロワアブソリュー、デアレガーロといった重賞好走馬が並ぶ。父のタイプにかかわらず、堅実に走っているところが大きな特徴だ。その母にスクリーンヒーローを掛け合わせることで、さらにスピードの持続力を強調。加えて、アレッジド(リボー系/母母父)の血脈とノーザンダンサーの多重クロスを内包しているのだから、秘めている持久力もかなりのもの。決め手比べでは分が悪いかもしれないが、しぶとさを活かせる展開になれば、ここでも上位争いに絡んでくるかもしれない。
⑱メイショウケイメイ
さかのぼると、5代母のアンティックヴァリュー(1993年の2冠牝馬ベガの母)に辿り着く名門の出。父は凱旋門賞馬のワークフォースで、一見すると中距離以上に適性を示してもおかしくない。だが、本馬は母父のデュランダル、ならびにミスプロの多重クロスが強く反映されているせいなのか、現状はスピード優先のタイプに仕上がっている。機動力を活かせるようなら面白い存在ではある半面、ワークフォース産駒の当該コースにおける成績が芳しくない点は気がかり。上位進出するためには、馬場や展開など何らかの助けが欲しい。
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