【TAROの競馬研究室】今は内枠有利が顕著な中京芝千二/高松宮記念展望
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先週の日曜は各場とも雨の影響を大いに受ける中での開催となった。
阪神大賞典は結果として超スタミナ競馬となり、気合が武器の和田騎手が騎乗したディープボンドが抜け出し勝利。アリストテレスはガス欠を起こし伸び切れず、1.3倍の断然人気を裏切る形となり、2~3着には後方待機のユーキャンスマイル、そして伏兵のナムラドノヴァンが突っ込んで来る波乱。
スプリングSもタフな馬場となり、8枠14番のヴィクティファルスが外からの差し切りを決めた。最内枠のランドオブリバティは見せ場なく惨敗。
雨が降ってタフな芝になればスタミナを問われ、通常よりは外が伸びるようになるのは当然といえば当然なのだが…。
~近年の高松宮記念は内枠勢が大活躍
そんなセオリーに反するのが最近の中京芝。先週の日曜は中京も例外ではなく雨の影響を受けたが、結果外が伸びたかといえばそうではなかった。むしろ土曜よりもインがよく粘った印象すらあり、特に短距離はイン有利が顕著。9レースの芝千二では1枠2番のワンダーカタリナが6番人気2着、1枠1番のショウナンバービーが5番人気3着。最終レースの芝千四では11番人気のビオグラフィーがサッと先手を取ると逃げ切り、2着には2枠2番のムーンライトが5番人気で2着。3着に4番枠、4着に3番枠の馬が入線した。
考えてみれば高松宮記念も最近は内枠有利傾向。過去5年はいずれも18頭立てだったが、1~3着馬の馬番は以下の通り。
2016年 4番→6番→8番
2017年 6番→3番→7番
2018年 9番→8番→7番
2019年 3番→4番→7番
2020年 16番→8番→3番
ご覧の通り2ケタ馬番で馬券に絡んだのはたった一頭だけ、それもラチ沿いを逃げたモズスーパーフレアだ。もちろん昨年は11番枠のクリノガウディーが好位から抜け出して勝利してはいるが、それでもトータルで考えれば内枠~中枠が有利で、外枠不利というのが顕著な傾向として出ている。
中京芝千二全体のデータを見ても、やはり内枠が有利で、2020年から先週終了時点までを見ても、1~2枠の馬をベタ買いするだけで複勝はプラス収支になる。その他は、5枠が71%で幾分マシだが、あとはすべて50%以下という散々な成績だ。
もちろん所詮データに過ぎないし、私はこういった数字を扱うときはむしろ最近の流れに注意しているが、いずれにしても控え目に言って外がやや不利というのは間違いない。今週は週明け段階の予報ではあるが、再び日曜の天気が怪しい模様。雨での馬場悪化時もこの傾向は特に変わらないので、予想する際はいつも以上に枠順を考慮したい。
~高松宮記念展望
というわけで、今週末からスタートする春G1戦線。昨年の高松宮記念は◎クリノガウディーで天国から地獄…を味わったので、今年は1年前の忘れ物を取りに行きたい。
というわけで、穴馬を2頭挙げてみたい。
・ミッキーブリランテ
別に昨年の悔しさを晴らしてくれ! というような期待を和田騎手に背負わせているわけではなく、単純に近走の内容を評価してのこと。前走は千四への距離短縮だったが掛かるくらいのスピードを見せ、最後は馬群を割って伸びて来た。とにかくパワーがあるので急坂コースも荒れ馬場も問題ないし、多頭数の混戦になれば根性で馬群を割れる和田騎手は頼もしい存在だ。ゴール前冷静さを失わずに、今度こその気持ち(って結局ちょっと去年のリベンジ期待してるじゃん。笑)。
・インディチャンプ
こちらは穴ってこともないだろうが、ピッチ走法でとにかくタフな馬場は上手いと思うので雨が降れば追い風。千二は初になるが千四でも掛かるスピードがあるので短縮は問題ないだろう。馬群を割って一瞬で脚を使えるので、とにかく枠順が重要になる。かつては内枠ばかり引く超ラッキーホースだったが、ココ2走は12番、10番と枠順に恵まれていない。なんとか8番より内寄りの枠を引いて、馬群で溜める形でチャンスをうかがいたい(※枠順確定前執筆)。
※高松宮記念の本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。
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くりーくの中間調教チェック フジテレビ賞スプリングS 2021
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こんにちは、くりーくです。このコラムでは、今週行われる重賞競走の中間の調教内容を中心に分析してご紹介します。私の予想の基幹部分でもある調教分析術を是非あなたの予想にお役立て下さい。
今回も前走からの中間の調整内容(評価はA~F)を中心に各馬コメントをしていきたいと思います。
3月21日(日)中山11R 第70回フジテレビ賞スプリングステークス(3歳G2・芝1800m)
ヴェイルネビュラ(B)中10週
ジュニアCのパドックでは気合いが乗り好馬体に見せていた。この中間は、間隔が空いたが乗り込み豊富で1週前は南Wを長めから強めに追われて力強い走りを披露している。
ヴィクティファルス(A)中4週
新馬勝ち後の前走は、マイナス体重だったが新馬戦時の余裕のある馬体が絞れてスッキリした感じで、踏み込みも力強く好パドックだった。この中間は、1週前に強めに追われて先着と、さらに上積みが期待できそう。
ランドオブリバティ(B)中2週
これまでパドックでは特にうるさい面を覗かせるという訳ではない馬なのだが、レースでは難しい面を見せてしまう。出来に関しては、この中間も1週前には馬なりで手応え良く伸びて時計も優秀と悪くない。
ヴィゴーレ(C)中3週
休み明けの前走時(1着)は、馬体重が10キロ以上増えていて余裕のある馬体、パドックでもモッサリとした感じだった。この中間もCWで追い切られているが、非力な印象が拭えず。もう少し力強さがほしい感じはする。
レインフロムヘヴン(D)中3週
前走フリージア賞勝ちも、追い切りでは首が高めで突っ張るような走りをする馬。特に追い切りの時計も目立つところはなく、調教内容からは強く推せる要素はない。
ロードトゥフェイム(B)中7週
2連勝中で、新馬戦からの2戦も勝ち馬とは差のない競馬をしてきている馬。その頃からの違いがあるとすれば、2走前のパドックで馬体がガラッと良くなったところぐらい。この中間は少し間隔が空いたが、乗り込み量は豊富。特に時計が良くなったという印象は受けないが、前走時並みの時計は出ていて出来は引き続き良さそう。
ワールドリバイバル(D)中4週
休み明けの前走時は、多少緩さはあったものの馬体重増の割には太め感はなく仕上がっていた。それでも、休み明けとしては少ない乗り込み量での好走で、この中間は長めから追い切られているがむしろ反動が懸念される状況。
アサマノイタズラ(E)中2週
レースを使われるごとに馬体が減ってきていて、前走時は-10キロ。ただそれでも緩さが感じられた。この中間も馬なりでの調整に終始し時計も目立つところなし、と特に変わり身は感じられない。
アールバロン(D)中2週
この馬も、前走のパドックでまだ緩さが見受けられた。この中間は追い切りを南Wから坂路に変えてきているが、馬なりで時計も特に目立つところはない。
イルーシヴパンサー(A)中3週
5ヶ月ぶりの前走時は、追い切りの動きは良かったもののパドックでは明らかに余裕のある馬体(+26キロ)だった。中3週となる今回、1週前追い切りでは変わらず動き良く見せ、時計も前走時よりも良化。反動よりも、上積みが期待できそう。
オンザライン(C)3ヶ月
前走時のパドックでもまだ緩さがある馬体で今回は休み明け。乗り込まれてはいるものの、特に調教時計が良好なわけでもなく出来に関して不安が残る。前走ダート勝ちも新馬戦の芝では直線良い脚で伸びていたし、芝が向かないとは言わないが、首が高い走りを見るとダートのほうがどちらかというと良いか。
セルジュ(C)中3週
パドックではキビキビと元気に周回する馬で、前走時も馬体は増えていたが馬の出来は悪くはなかったと思う。ただ前走時は乗り込み量の割に時計が平凡で、併せ馬でも遅れていたりと物足りない過程だった。この中間はガラッと良くなった感じこそないものの、前走時よりは時計良化を果たしていて上積みはありそう。
ニシノオイカゼ(B)中5週
新馬戦の前走、人気はなかったもののしぶとく逃げ粘っての勝利。坂路で速い時計は出ていた一方で、パドックではまだ絞れそうな馬体に見せていた。この中間、2週前、1週前と坂路で強めに追われていて、さらに上積みがありそう。
ボーデン(A)中6週
調教でも好時計をマークしていた新馬、未勝利ともに、パドックでも柔らかみがありかなり良く見せていた。この中間は乗り込み量こそ少ないが、1週前追い切りの動きを見ると力強さが窺え仕上がり良好との印象を受ける。
ビゾンテノブファロ(E)中2週
間隔が詰まっていて軽めの調整。休み明けの前走時も乗り込み量が少なかった上に、目立つところなしで……。
このコラムからの推奨馬はヴィクティファルス、ボーデン、イルーシヴパンサーの3頭をあげておきます。
◇今回はフジテレビ賞スプリングS編でした。
今年から京都競馬場が工事に入り阪神、中京は開催日数が増えています。特に芝コースに関しては酷使により傷んでいくので、開催が進めば進むほどこれまでに経験したことのない馬場に変化していくと思われます。そんな馬場に向いている馬を見つけることも重要だと思いますが、最終的に操るのはジョッキーです。よく言われる、「乗り方ひとつで」という部分ですね。馬場が傷んでくれば差し・追い込みが決まるケースも多くなってきますが、差し・追い込みこそジョッキーのコース取り、仕掛けるタイミングが大きく明暗を分けるもの。
突き抜けられるか、差し届かないか――先週のフィリーズレビューのように、データ的には大きく浮き出てこない和田竜騎手や藤岡康騎手といった、差し・追い込みの仕掛けどころが上手なジョッキーもいますので、それぞれのコースでの穴ジョッキーを見つけて狙ってみるのも良いかもしれません。
それでは次回、大阪杯編でお会いしましょう。
※スプリングS出走各馬の最終追い切り評価については、最終予想内でコメントする予定です。
※最終結論は、レース当日のくりーくプロページでチェックしてください。
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【伊吹雅也のピックアップ競馬データ2021年03月14日号】特選重賞データ分析編(245)~2021年フジテレビ賞スプリングステークス
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次週の注目重賞を、伊吹雅也プロが様々なデータを駆使していち早く分析! もっとも重要と思われる<ピックアップデータ>に加え、<追い風データ/向かい風データ>や<注目馬チェック>など、貴重な情報が満載なウマニティ会員専用コラムとなっております。ぜひ皆様の予想にお役立て下さい。
■【伊吹雅也のピックアップ競馬データ】コラム内容について詳しくはこちらをご覧ください。
⇒http://umanity.jp/racedata/columndet_view.php?cid=7321
<次週の特選重賞>
G2 フジテレビ賞 スプリングステークス 2021年03月21日(日) 中山芝1800m内
<ピックアップデータ>
【前走の条件が“JRAのレース”だった馬の、前走の上がり3ハロンタイム順位別成績(2014年以降)】
○3位以内 [6-7-5-32](3着内率36.0%)
×4位以下 [1-0-2-32](3着内率8.6%)
末脚に注目したい一戦。前走の上がり3ハロンタイム順位が4位以下だった馬は安定感を欠いていました。直近のレースで先行力の高さを活かすような競馬をしていた馬は過信禁物と見るべきでしょう。
主な「○」該当馬→ボーデン・ランドオブリバティ
主な「×」該当馬→アールバロン・ヴィクティファルス・ニシノオイカゼ・レインフロムヘヴン
<他にも気になる! 追い風データ/向かい風データ>
【追い風データ】
○「父がサンデーサイレンス系種牡馬」だった馬は2014年以降[5-5-4-32](3着内率30.4%)
主な該当馬→ヴィクティファルス・ニシノオイカゼ・ランドオブリバティ
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