2021年10月10日(日) 15:00
伊吹雅也
【伊吹雅也のピックアップ競馬データ2021年10月10日号】特選重賞データ分析編(275)~2021年秋華賞
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次週の注目重賞を、伊吹雅也プロが様々なデータを駆使していち早く分析! もっとも重要と思われる<ピックアップデータ>に加え、<追い風データ/向かい風データ>や<注目馬チェック>など、貴重な情報が満載なウマニティ会員専用コラムとなっております。ぜひ皆様の予想にお役立て下さい。
■【伊吹雅也のピックアップ競馬データ】コラム内容について詳しくはこちらをご覧ください。
⇒https://umanity.jp/racedata/columndet_view.php?cid=7321
<次週の特選重賞>
G1 秋華賞 2021年10月17日(日) 阪神芝2000m内
<ピックアップデータ>
【前走の着順別成績(2017年以降)】
○4着以内 [4-4-3-35](3着内率23.9%)
×5着以下 [0-0-1-23](3着内率4.2%)
直近のパフォーマンスを素直に評価したい一戦。2017年以降の3着以内馬12頭中11頭は、前走の着順が4着以内でした。たとえ実績上位であっても、前哨戦で大きく敗れた馬は高く評価できません。
主な「○」該当馬→スルーセブンシーズ・ソダシ・ファインルージュ・ユーバーレーベン
主な「×」該当馬→クールキャット・タガノパッション
<他にも気になる! 追い風データ/向かい風データ>
【追い風データ】
○「オークスにおいて5着以内となった経験がある」馬は2017年以降[4-3-1-5](3着内率61.5%)
主な該当馬→タガノパッション・ユーバーレーベン
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【TAROの競馬研究室】馬を気分よく走らせる大野騎手/セントライト記念展望
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秋競馬開幕週の先週末は、土日ともにスピードを問われる一戦となった。
土曜の紫苑ステークスはマイル重賞勝ちの実績があるファインルージュが差し切って勝利、2着に内枠のスリーセブンシーズ、3着にも内枠のミスフィガロが入った。
日曜の京成杯AHは千二から距離を延ばして来たコントラチェックがスンナリ逃げ、勝ったのは2番枠のカテドラル、2着にコントラチェックが逃げ粘り、3着には最内枠のグレナディアガーズが入った。
そして、土日いずれの重賞でも好走を果たしたのが大野騎手だ。
~土日とも大野騎手の騎乗馬が重賞で好走した理由
先週の当コラムで、
「近年は内枠有利に戻りつつある中山芝」
と書いたが、両レースでその特徴を上手く生かしたのが大野騎手だ。紫苑ステークスでは内枠のスリーセブンシーズを上手く馬群でなだめ、直線もインに突っ込んだ。多少詰まるところもあったが、それ以上にロスなく立ち回ったメリットが大きかった。じっくりロスなく溜める大野騎手らしい騎乗が呼び込んだ2着だった。
日曜のコントラチェックは行く気に任せてスッとハナに立たせての逃げ粘り。最後は勝ち馬に惜しくも交わされたが、馬をリラックスして走らせる、やはり同騎手らしい逃げ粘りだった。
差しと逃げ、道中のスタイルは真逆だが、ともに共通しているのは馬を気分よく走らせて道中のスタミナロスを抑えていること。大野騎手は馬を気分よく走らせるのが上手いジョッキーだ。だから溜めるとキッチリ脚を伸ばすし、スピードのある馬で逃げればラストの粘りを生み出す。やや強引さには欠けるので基本的に位置取りは後ろになることが多いが、脚を溜めるのが上手いのでハマれば伸びて来る。イメージとしては昨年の秋華賞でデアリングタクトに迫ったマジックキャッスルや、今年のクイーンSで最後に外から伸びてきたサトノセシルなどがわかりやすい。もちろんもっと古い例で良いなら、スノードラゴンやサウンドトゥルーでのG1制覇を思い浮かべると良いだろう。
基本的なスタイルは一貫しているので、あとはハマる条件で狙えば良い。非常にわかりやすく、馬券的にも重宝するジョッキーだ。
~セントライト記念の注目馬
さて、今週末は久々の3日間開催。(今週ではないが)月曜日には中山で菊花賞トライアル・セントライト記念が行われる。ココではいつも通り注目馬を一頭挙げておきたい。
・タイトルホルダー(横山武騎手)
春は皐月賞3着、ダービー6着とあとひと息及ばなかったが、先行して粘り込む安定のレースぶりでG1でも大崩れしなかった。今回は相性の良い中山が舞台。久々でも動けるタイプで、どちらかといえば本番よりもトライアル向きだろう。2週目でまだまだ前が有利の中山芝も合っており、中距離での横山武騎手の信頼度も高い。相手関係からも好勝負になるはずだ。
※セントライト記念の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。
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くりーくの中間調教チェック 優駿牝馬(オークス)2021
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こんにちは、くりーくです。このコラムでは、今週行われる重賞競走の中間の調教内容を中心に分析してご紹介します。私の予想の基幹部分でもある調教分析術を是非あなたの予想にお役立て下さい。
今回も前走からの中間の調整内容(評価はA~F)を中心に各馬コメントをしていきたいと思います。
5月23日(日) 東京11R 第82回優駿牝馬(オークス)(3歳G1・牝馬・芝2400m)
【登録頭数:21頭】(フルゲート:18頭)
<優先出走馬>
アカイトリノムスメ(B)中5週
これまでクイーンC以外は、1週前にジョッキー騎乗で追い切られてきていて、この中間も1週前にルメール騎手が騎乗している。馬なりも併せ馬で手応えに余裕があり、使われるごとに馬は良くなっているように見える。
アールドヴィーヴル(D)中5週
新馬戦は全体的に緩い馬体だったが、そこから無駄肉が取れて前走時の馬体が今のこの馬の本来の姿。お腹からトモにかけてかなり細く、もっと全体的に筋肉がついてこないと調教で乗り込めず成長を妨げている可能性もあるし、これ以上馬体を減らさないように加減せざるを得ないのではないかと思う。実際、この中間も乗り込み量が少ない。調教での動きに関しても、素軽い走りで長く良い脚を使うというよりは一瞬の切れを活かすタイプに映り、長い直線では脚の使いどころが難しくなるのではないか。
クールキャット(B)中3週
(映像はないが、)1週前は金曜に強めに追われて、好時計がで併せ先着。前走時の追い切りではかなり抑えるのに苦労している感じだったので、直前はあまり強く追わないほうが良さそう。
スライリー(D)中3週
前走時の追い切りでは、1週前も最終追い切りも楽な手応えでグイグイ伸びていたが、今回の1週前追い切りでは強めに追われていたが伸び脚は物足りず。小柄な馬で疲れがあるような感じ。
ソダシ(A)中5週
この中間も2週前にビッシリ追われ、この時点で仕上りは良さそう。1週前はCWで3頭併せの内に併せてレースでの折り合いを想定した内容。今回は輸送があるので最終追い切りはテンションを上げないように馬なりで十分で、ここまで順調な調整内容。
タガノパッション(C)中2週
前走が中1週、今回が中2週で、再度の関東圏輸送。なかなか追い切りを行えるローテーションではなく、状態をキープするので精一杯。前走時のパドックではトモがまだ寂しく映り、距離延長も厳しい条件となりそう。
ファインルージュ(A)中5週
前走時は休み明けだったが、最終追い切りで持ったまま抜群の手応えで先着と動きは良かった。この中間は日曜坂路での時計が前走時よりも速くなっていて、前走を一度使われての上積みがありそう。
<賞金上位馬>
ホウオウイクセル※故障のため出走回避
ウインアグライア(B)中3週
休み明けの前走時はパドックでまだ余裕がある馬体に見えた。この中間は、1週前追い切りでは強めに追われてグッと伸びていて、前走を使われての上積みが窺える。
エンスージアズム(C)中5週
かなり小柄で桜花賞のパドックでもトモが寂しく見えた馬だが、この中間は乗り込み量豊富で1週前にはかなり強く追われてきており、疲れはなさそう。非力な馬なので、この距離だと長い感じもするが。
ステラリア(A)中5週
クイーンC当時は、追い切りでは首が高めで重心も高いような走りをしていたが、ここにきての成長が感じられる一頭。今回の1週前追い切りでは、終いグッと前に伸びる感じに変わり、時計も速くなってきている。
ストライプ(E)中5週
坂路で速い時計の出る馬だが、この中間は大きな馬の割に乗り込み量も少なく1週前の坂路での時計も物足りず。
ククナ(A)中5週
桜花賞では人気が落ちたものの出来自体は良かった馬。1週前追い切りでは時計はそれほど速くないものの、動きに関しては勢いがあり今回も出来は良さそう。
ユーバーレーベン(B)中3週
休み明けの2戦とも追い切りの動きは良かったが、勝ち切れなかった。この中間も南Wでの動きは良く、引き続き良い状態で出走できそう。
<抽選対象馬(4/5)>
スルーセブンシーズ(B)中7週
跳びが大きく力強い走りをする馬で、今回の1週前追い切りでも重心が低くなって伸び脚も抜群に良かった。
ニーナドレス(C)中7週
2戦2勝でここを迎える。この中間は同厩舎の力のある馬たちと併せ大きく先着と、仕上がりの良さが漂う。
ハギノピリナ(D)中2週
2200m戦を2連勝中も、追い切りでは目立つ時計は出ておらず、間隔も詰っていて特に良い感じはない。
パープルレディー(C)中3週
休み明けの前走時にしっかり乗り込まれていて、多少良くなっている感じはある今回の1週前追い切りでの動き。ただ、力強さがなく物足りない印象は否めず。
ミヤビハイディ(C)中5週
この中間乗り込み量は少なく、1週前では速い時計は出ているが併走相手の馬たちに比べるとモタモタしていて、動き、伸び脚ともに物足りない。
<除外対象馬>
スウィートブルーム(D)中2週
小柄なタイプでもトモの踏み込みは力強い馬だが、これ以上馬体は減らしたくないところ。その点、今回中2週でここ数戦のようにジックリ乗り込めない点はマイナス。
メイサウザンアワー(B)中3週
これまで間隔を1ヶ月以上空けて使ってきている馬で、前走も休み明けでかなり入念に乗り込まれ、今回そこからの中3週。前走時のパドックではいくらか馬体に余裕、今回1週前追い切りで終い速い時計が出て、と上積みが窺える。
このコラムからの推奨馬はソダシ、ステラリア、ククナ、ファインルージュの4頭をあげておきます。
◇今回はオークス編でした。
阪神JFの勝利騎手インタビューで、ソダシについて『課題がありますし、もっと鍛えて人馬の信頼関係を築いていきたい』と吉田隼人騎手が言っていました。デビュー前から追い切りに毎回のように騎乗してきているのは知っていたので、このようなコメントは少々意外でしたが、逆に言えばそれだけソダシには見た目以上に難しい面があるということなのだろうと思います。ただ、ソダシ陣営の凄いところはそこから桜花賞までの調整過程です。桜花賞コラムでも書きましたが、チューリップ賞にも使えるような時期に厩舎に戻し、毎週のようにいろいろな課題をクリアしていくための調教内容を施し、吉田隼人騎手も信頼関係をさらに強固なものにするため毎週のように追い切りに騎乗し調整していました。
今の競馬は外厩調整が主流の時代。これだけの人気馬を在厩で育てるよう任せてもらっている厩舎、ジョッキーはかなりやりがいがあるのではないかと思います。そして、それができるオーナーも凄いと思いますし、大きなレースをいくつも勝っている背景には、運だけではなくそのこだわりや人と人との信頼関係があるようにも感じています。
そして私のように調教内容を重視した予想をしている者にとっては、外厩で調整されているとどんな調整をしているのかはっきり分からないところがあるのですが、ソダシのようにトレセンで調整してくれていると調教時計、追い切り映像とデータがたくさん手に入るので個人的にはすごく助かります。
ソダシという馬は、デビュー前の調教からこれまで併せ馬では遅れたことがないくらい勝負根性のある馬です。その一方で、切れる脚がないタイプ。だからこそ、桜花賞でサトノレイナスに騎乗したルメール騎手があの乗り方で負かしに行ったのだと思っています。倒すには外から並ぶ間もなく抜き去るしかない、と。それでもそれを凌いで勝ち切ったことは、関係者の努力と、それに応えた馬との間にある信頼関係で勝ち取った勲章と言って差し支えないものでしょう。
そしてオークス。桜花賞を先行してあの時計で走れる馬ですし、ジョッキーとの信頼関係もバッチリなので、距離は問題なさそう。コーナー4つのコースで息を入れることができますし、走りを見ると左回りのほうが断然に向いていると思いますので、ソダシにとっては桜花賞よりも向いているのではないかと思っています。なかなかコロナが終息せず暗い世の中ですが、緑のターフを駆け抜ける白馬の走りが、希望に満ちた世の中へと導いてくれることを願いたいものです。
※オークス出走各馬の最終追い切り評価については、最終予想内でコメントする予定です。
※最終結論は、レース当日のくりーくプロページでチェックしてください。
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【TAROの競馬研究室】キズナ産駒の特徴/NHKマイルカップ展望
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天皇賞(春)はワールドプレミアが制覇。最終的には3番人気だったが、本来であれば1番人気になっていたような馬だろう。不正受給の件で多少心証が悪かったと推測できるが、もちろん馬には罪がなく、結果的にオッズは美味しくなった。
あくまでも予想はフラットに…という意味では買い時だったのかもしれない。
~同期のキズナとエピファネイアの比較
その天皇賞(春)で1番人気の支持を集めたのはディープボンド。キズナ産駒初のG1勝利が懸かっていたが、残念ながら2着止まりだった。
同産駒のこれまでの重賞クラス別成績は以下の通り。(※データはいずれも先週終了時点)
G3(5-0-5-36)
G2(4-2-1-14)
G1(0-2-1-25)
G1ではマルターズディオサの阪神JF2着、ファインルージュの桜花賞3着、そして今回のディープボンドの天皇賞(春)2着とあと一歩勝ち切れていない。逆にG2~G3では強く、G1前のトライアルでは数多くの活躍馬を輩出している。前述のG1好走馬3頭も、直近のレースではすべて勝利して挑んでいた。
これは偶然ではなく、キズナ産駒は好位抜け出しの正攻法の競馬が得意で、よく言えば素直、悪く言えば大物感に欠ける面があるためだ。実際過去の重賞で追い込みによる馬券圏内は2000年の京成杯を制したクリスタルブラックのみで、多くが逃げ~好位抜け出し。スローになりやすく90点の競馬で勝てるトライアルはそれで通用するが、120点の競馬を必要とされる本番になると、何かにやられる…というのがこれまでのパターンになっている。
ちなみに、現役時代も、そして種牡馬としても同期となるエピファネイア産駒の重賞クラス別成績は以下の通り。
G3(1-1-5-23)
G2(1-3-2-9)
G1(4-2-1-3)
キズナ産駒とはまるで逆の傾向で、G1で圧倒的な強さを示している。もちろんこれは無敗の3冠馬デアリングタクトの成績が多く含まれているのは確かだが、それ以外にもエフフォーリアの皐月賞制覇他、オーソクレース、アリストテレスといった面々がG1で好走している。一方で相手が弱いはずのG2やG3では勝ち切れず、とりわけG3では1番人気馬4頭が出走し未勝利。デアリングタクトが金鯱賞で取りこぼしたのも傾向通りだったのかもしれない。
キズナ産駒とエピファネイア産駒の大きな違いは折り合い面。比較的素直で操縦しやすいタイプが多いキズナ産駒と比べると、エピファネイア産駒は父同様に折り合いが難しい印象がある。それだけ聞くと良くないことのようだが、逆に言えば、難しさを抱えながら結果を出しているともいえるわけで、だからこそハマれば大一番で激走するスケールの大きさがある。
さて、そんな中で今週末のNHKマイルカップにはキズナ産駒のバスラットレオンがニュージーランドトロフィーを制して挑む。バスラットレオンも同産駒らしい先行馬で、前走も逃げ切り勝ち。これまでの傾向通りならば、2~3着まで…ということになるが、手薄な印象もするメンバー構成だけに、今回は果たしてどうだろうか。
なお、念のため補足しておくと今後キズナ産駒をG1で軽視せよということではない。データは所詮データでしかないので、その中身を精査することに意味がある。
~NHKマイルカップの注目馬
というわけで、今週末はNHKマイルカップ。注目馬を一頭を挙げておきたい。
・ソングライン
桜花賞でも注目したが道中メイケイエールが掛かり気味で暴走したあおりを受ける不利を受け万事休す。2走前の紅梅ステークスの勝利内容はさらに上のクラスでも…と思わせたものだっただけに、前走が実力ではないはずだ。ちなみに本馬もキズナ産駒。同産駒らしい操縦性の高さも備えた差し馬なので、混戦の今年は出番もあるはずだ。
※NHKマイルカップの最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。
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【TAROの競馬研究室】例え距離が延びても器用なソダシは有利/大混戦の皐月賞
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桜花賞は阪神ジュベナイルフィリーズからの直行2頭のワンツーフィニッシュ。休み明けの馬が好走するシーンもすっかり見慣れたものになったが、改めて時代の変化を実感させられる一戦となった。
ソダシは好位から安定した立ち回りで抜け出し。追い込んできたサトノレイナスの勢いが良かったため、距離が延びたら逆転…と思いたいが、案外この差は大きい気もする。苦しい競馬で差を詰めて来たサトノレイナスは当然オークスでも有力。だが、逆にソダシが一見恵まれる競馬ができるのはそれだけレースセンスが良く前で流れに乗れるからでもあり、器用さという点で一日の長がある。距離延長大歓迎というタイプではないが、折り合いにも不安がなく、順調ならこちらもオークスでは有力だろう。
負けた組の中では、馬体の維持がカギにはなりそうだが距離延長歓迎の5着アールドヴィーヴル。穴っぽいところでは9着に敗れたが、距離が延びて良さそうなホウオウイクセルには改めて期待したい。
~低調なトライアル戦線の中で唯一水準級なのは…
それにしてもクラシックの出走馬を見ていると、本当に直行組が増えた。このことによって、予想する上では少々悩みが増える。比較が難しくなるだめだ。桜花賞で馬券のキモになったのは3着のファインルージュ。こちらはフェアリーSからの直行ローテだったが、同レースはあまりクラシックに繋がるイメージがなく、その印象もあり8番人気という評価にとどまっていた。先週は主流路線のチューリップ賞のレベルが高くないことを当コラムで指摘したが、今週末の皐月賞においても、トライアルのレベルを考えるのは重要になりそうだ。
今年の各レースのメンバーレベルを振り返ると、まず低レベル戦だったのは京成杯。グラティアスが無敗で制したこのレースは、実質的に少しレベルの高い1勝クラス程度のメンバー構成だった。2着タイムトゥヘヴンはその後マイル重賞で好走したが、全体としては低調だった。
スプリングSも未勝利勝ち直後のボーデンが人気を集めたように、全体のレベルは高くなかった。勝ったヴィクティファルスは距離が延びて良さそうだし、2着アサマノイタズラは引き続き人気もなさそうだが、メンバーレベルを考えると積極的に買いたいとまでは言いづらい。
数々の名馬を輩出してきた弥生賞も、今年は低レベル戦。ダノンザキッドの出走こそあったが、その他はマイル路線から距離を延ばしてきたシュネルマイスターがいたくらいで、1勝クラスの馬も多数含まれる10頭立てのレース。近年はかつてほど地位が高くなくなっているが、今年もその傾向通り。タイトルホルダーが逃げ切ったレース内容も単調なもので、差し損ねた感のあるダノンザキッドは見直しが可能だろうが、それでも大きくプッシュできるかというと微妙なところだ。
ラーゴムが制したきさらぎ賞も同様で、レース内容自体も少頭数で単調なもの。好位から押し切ったラーゴムは今の荒れ馬場への適性は高そうだが、果たしていきなりのG1でどうだろうか。
その中で唯一水準のメンバーレベルにあり、当方配信の競馬ノートでも水準を意味する【C】ランクを付けたのが共同通信杯。勝ったエフフォーリアは直行となるが、2着ヴィクティファルス、3着シャフリヤールがその後重賞を制したのも納得といえば納得。
無敗でこのレースを制したエフフォーリアは、そういう意味では有力ということになるが…。そのエフフォーリアにしても気掛かりな点がひとつ。それは多頭数のレースを経験していないことだ。今は重賞が増えた上に直行組も増えたので、そもそも多頭数になる2歳戦は少なくそのこと自体は馬のせいではないのだが、揉まれた経験のなさというのはタフな馬場で行われる多頭数の皐月賞では少し不安になる。
~皐月賞の注目馬
というわけで、考えれば考えるほどあまり買いたい馬がいない皐月賞なのだが…。
個人的な期待は、ダノンザキッド。
弥生賞のレベルが高くないと言いつつ推奨するのか! という感じだが、その弥生賞はタイトルホルダーの楽逃げで単なる立ち回り戦。ホープフルSに続いてズブさを見せたダノンザキッドは差し遅れて敗れてしまったが、今回は開催終盤のタフな馬場。前走のようにただの立ち回り戦になる可能性は低く、改めて期待したい。ある程度出して行ってくれる川田騎手も、先行馬が少ないメンバー構成においてはプラス材料だろう。
もっともそうは言っても、あまり積極的に買いたいという感じでもないし、勝ち切るかと問われれば微妙な気がするのも正直なところで、安定感はあるが2~3着の可能性の方が高いような気も…。混戦模様の一戦なので、買い方も工夫して狙ってみたい。
最後にもう一つ気になるのは週末の天気。またしても中山競馬場は雨予報が出ており、今の馬場に雨が降るとタフな馬場になる可能性が高そう。内枠の先行馬は不利になり、隊列次第では中枠の差し馬、外枠の好位差し馬あたりが有利になりそうだ。枠順を眺め、気象予報を気にしつつ結論を出すことになりそうだ。
※皐月賞の最終本命は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。
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