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こんにちは、くりーくです。このコラムでは、今週行われる重賞競走の中間の調教内容を中心に分析してご紹介します。私の予想の基幹部分でもある調教分析術を是非あなたの予想にお役立て下さい。
今回も前走からの中間の調整内容(評価はA~F)を中心に各馬コメントをしていきたいと思います。
4月10日(日)阪神11R 第82回桜花賞(3歳G1・牝馬・芝1600m)
【登録頭数:22頭】(フルゲート:18頭)
<前走:阪神JF、フェアリーS 出走馬>
ラブリイユアアイズ(阪神JF2着 428kg(-10kg)4ヵ月)<C>【収得賞金順②】
馬体が減り続けていて、乗っている調教助手がかなり大きく見えるくらい小柄に映ったのが前走時。それでも、走りはしっかりしていて動きは良かった。この中間はトライアルを使わず本番に直行のため乗り込み量は豊富。ただ1週前の追い切りの動きを見ると体重の軽い坂井騎手が騎乗しているにも関わらず、動きが重く見えた。
ライラック(フェアリーS1着 420kg(-4kg)3ヶ月)<B>【収得賞金順④】
2走前にも関西へ輸送していて馬体が大きく減っていて今回も減る懸念はあるが、そのあたりが考慮され間隔を空けているぶん、乗り込み量豊富。1週前には終い強めに追われて伸び脚も良く、出来は悪くない。
<前走:チューリップ賞 出走馬>(中4週)
ナミュール(1着、430kg(±0kg))<A>【優先出走馬】
前走時の追い切りでもそうだったが、迫力満点の動きをする馬でこの中間も1週前追い切りで見せた動きは抜群だった。あとは馬体もそれほど大きくはないので、大きく馬体が減らなければ。
ピンハイ(2着 414kg(-6kg))<C>【優先出走馬】
小柄な馬でこれ以上馬体は減らしたくない。この中間は、1週前追い切りでは終い行きたがる面を見せていて不満の残る動き。
サークルオブライフ(3着 476kg(-2kg))<A>【優先出走馬】
前走時はこれまで追い切りに乗ったことのないデムーロ騎手が騎乗しての最終追い切りで、少しコントロールができていなかった。この中間は中4週でも乗り込み豊富で、1週前追い切りでは併走相手を抜かせないようなしぶとい動きを披露。名牝を何頭も送り出してきた国枝厩舎だけに、ここはキッチリ仕上げてきた印象を受ける。
ウォーターナビレラ(6着 478kg(+8kg))<B>【収得賞金順①】
最終追い切りは軽めの調整で出走してくる馬。それだけに、1週前追い切りが出来を左右するが、前走時よりも終いの伸び脚が良く、叩き2戦目での上積みはありそう。
<前走:フィリーズレビュー 出走馬>(中3週)
サブライムアンセム(1着 476kg(-2kg))<B>【優先出走馬】
追い切りでは時計も速く、迫力のある動きを見せる馬だが、パドックではうるさい面を見せるので気性的にこの距離は向かない感じがある。1週前追い切りの動きもかなり良く、出来自体は悪くなさそうではあるが。
ナムラクレア(2着 466kg(+12kg))<C>【優先出走馬】
前走時、そして今回と距離を意識してなのか、1週前追い切りをCWに変えてきた。坂路でも速い時計の出る馬なのでCWでもかなり速い時計が出ているが、本質的に短距離のほうが向いていることには変わりない感じがする。
アネゴハダ(3着 438kg(-6kg))<D>【優先出走馬】
使い詰めできており、前走時のパドックでもトモが寂しく、馬体はこれ以上減らしたくないところだろう。坂路では速い時計が出るタイプで、マイルは長い印象。
<前走:アネモネS 出走馬>(中3週)
クロスマジェスティ(1着 470kg(+2kg))<D>【優先出走馬】
1週前追い切りでは計測不能で時計は確認できず。動きを見ると、前走時のような素軽さと伸びが感じられず物足りないものだった。前走時のパドックでもテンションが高く、今回初めての長距離輸送も控えているのでプラスになる材料が少ない。
ラズベリームース(2着 500kg(+16kg))<B>【優先出走馬】
休み明けの前走では馬体が16kg増えていたが、パドックでは太め感はなく成長分として考えても良さそう。追い切りの時計も引き続き良く、上積みに期待。
アリシアン(6着 484kg(-4kg))<D>【抽選対象馬(2/6頭)】
前走のパドックではうるさい面を見せていた馬で、この中間は軽めの調整。長距離輸送も経験がなく、上積みは見込めそうにない。
<前走:クイーンC 出走馬>(中7週)
プレサージュリフト(1着 464kg(+12kg))<C>【収得賞金順③】
馬体が大きく増えていた前走から中7週でここを迎える。牧場でも調整されていたとは思うが、輸送を控えた状態での1週前追い切りがそれほど強いものではなかった点が案外。内にササる面を意識してということだったのかもしれないが、前走好走の反動が気になる。
スターズオンアース(2着 474kg(±0kg))<A>【収得賞金順⑤】
追い切りでは遅れたことがない馬で、この中間も2週前、1週前と併せて先着。1週前の動きも抑えきれないくらい気合いが入っていて走りも力強く、出来は引き続き良さそう。
ベルクレスタ(3着 464kg(-2kg))<C>【収得賞金順⑧】
この中間乗り込み量は豊富も、1週前追い切りでは引っ張ったままの併走相手についていくのがやっとの内容。前走時の調教でも遅れが多く、2歳時のような勢いが感じられない。
<前走:その他のレース出走馬>
アルーリングウェイ(エルフィンS1着 454kg(-4kg)中8週)<A>【収得賞金順⑥】
エルフィンSから間隔も十分あり、この中間の乗り込み量は豊富。1週前の動きを見ても坂路で抜群の伸び脚を見せていて出来は前走以上。
フォラブリューテ(紅梅S1着 440kg(+2kg)3ヶ月)<C>【収得賞金順⑦】
前走から間隔が空いている割に牧場から戻すのが遅い感じ。1週前の動きを見ても、前走時の終いの伸びと比べ、モタモタ、フラフラした感じで動きに鋭さがない。
カフジテトラゴン(1勝クラス6着 450kg(±0kg)中2週)<D>【抽選対象馬(2/6頭)】
1週前追い切りでは坂路で好時計をマークしたが、走りに力強さがない。
カランセ(ミモザ賞5着、462kg(-12kg)中1週)<D>【抽選対象馬(2/6頭)】
前走休み明けで大きく馬体を減らし、そこからの中1週で輸送もあるとなると、上積みできる時間がない。
グランスラムアスク(1勝クラス1着 452kg(-6kg)中3週)<D>【抽選対象馬(2/6頭)】
休み明けの前走時も乗り込み量は少なく、この中間も追い切り時計に良化窺えず。叩き2戦目でも上積みは薄い。
パーソナルハイ(フラワーC6着 464kg(+2kg)中2週)<B>【抽選対象馬(2/6頭)】
休み明けの前走時は、追い切りで好時計が出ていた。この中間も、中2週となるが先週の金曜日に坂路でかなり速い時計が出せていて、叩き2戦目での上積みが期待できそう。
ビジン(未勝利1着 458kg(+2kg)中8週)<E>【抽選対象馬(2/6頭)】
前走から間隔が空いている割に、乗り込み量が少なすぎる。今週出走する馬の調整ではない。
※今回このコラムでの中間の状態からの推奨馬は、ナミュール、サークルオブライフ、スターズオンアース、アルーリングウェイの4頭をあげておきます。
◇今回は、桜花賞編でした。
近年の競馬では、アーモンドアイ、リスグラシュー、ラヴズオンリーユーなど海外でも活躍できる牝馬が多く誕生しています。
「使われ方」の性差を考えた場合、クラシック路線だけみても、牡馬は賞金を加算したら無理せず皐月賞に直行したり、皐月賞もパスしてダービー一本に絞ったりと、有力馬がトライアルを使ってくる印象があまりありません。一方で、牝馬は2歳で阪神ジュベナイルフィリーズを目指し、3歳になれば有力馬はチューリップ賞か桜花賞に直行、という馬が依然として多いように思います。チューリップ賞で有力馬同士の直接対決が見られることも多く、関東馬であれば輸送を経験することによってたとえ負けても精神的に強くなっていくのだと思います。牡馬は引退後に種牡馬になるためあまり成績を汚したくないというのも分かるところなのですが、リスグラシューやラヴズオンリーユーのように海外で活躍できる馬を作るには、若い時期に様々な経験を積み、強くしていくという考えを持たなければならないのではと感じてしまいます。そうでなければ、凱旋門賞を勝てる牡馬は出てこないのではないかと思いますし、ファンの立場からしても半年に1回しかレースに出てこないような馬よりは、1~2ヶ月に1回は競馬場で走ってくれる馬の方が愛着も生まれます。強い馬でも負けることはありますし、そこから復活して強い競馬も見せてくれるからドラマが生まれるのだと思います。完璧を求めるよりも経験を積み強くなっていく――そういう姿をこれからたくさん見せていってもらえればと願っています。
※桜花賞出走各馬の最終追い切り評価については、最終予想内でコメントする予定です。
※最終結論は、レース当日のくりーくプロページでチェックしてください。
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