2023年12月10日()シャティン競馬場 芝2400m

レース結果 ~香港ヴァーズ 2023~

  • 出走予定馬
  • 出馬表
  • レース結果



馬名 性齢 負担重量
(kg)
騎手 調教師 オッズ 人気
1 1 8    ジュンコ セ4 57.0 M.ギュイヨン A.ファーブル 17.5 5
2 3 2    ゼッフィーロ 牡4 57.0 D.レーン 池江泰寿 6.4 3
3 9 1    ウォームハート 牝3 53.0 R.ムーア A.オブライエン 2.8 2
4 7 5    ジェラルディーナ 牝5 55.5 W.ビュイック 斉藤崇史 6.5 4
5 2 3    セニョールトーバ セ6 57.0 C.ホー C.ファウンズ 160.1 8
6 4 9    ファイブジーパッチ セ5 57.0 A.バデル A.クルーズ 125.7 6
7 6 4    ラシティブランシュ セ5 57.0 Z.パートン A.クルーズ 130.8 7
8 8 7    レーベンスティール 牡3 55.0 J.モレイラ 田中博康 1.9 1
取消 5 6    ウエストウインドブローズ セ4 57.0 J.マクドナルド S&E.クリスフォード

■払戻金

単勝1 1,750円
複勝1 410円
3 220円
9 130円
馬連1-3 2,310円
ワイド1-3 660円
1-9 420円
3-9 260円
馬単1-3 5,780円
3連複1-3-9 1,380円
3連単1-3-9 15,020円

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※レース結果・払戻金・オッズなどのデータは、必ず主催者(JRA)発行のものと照合してください。

最新出走予定馬情報 ~香港ヴァーズ 2023~

香港ヴァーズを回避したシャフリヤール(栗・藤原、牡5)が12日、成田着の航空便で帰国した。千葉県白井市のJRA競馬学校に移動しており、1週間の入国検疫を受ける。香港では馬体チェックにおいて健康上の問題を抱えている疑いが指摘され、主催者側から出走が認められなかった。

有馬記念(24日、中山、GⅠ、芝2500メートル)に登録しており、藤原調教師は「馬次第で有馬記念を目指す。状態を見て決めていきたい」と今後について説明した。

【香港ヴァーズ】フランス馬で和風馬名のジュンコ 豪脚ごぼう抜きV12月11日(月) 04:49

ヴァーズを制したのは、和風の馬名で話題を集めていた騸馬ジュンコ(仏=A・ファーブル、父アンテロ)。超スローペースの最後方から外をまくり気味に進出し、豪快な末脚でライバルをごぼう抜きに。前走・バイエルン大賞に続くGⅠ2勝目を飾った。「香港に来てから馬の状態が非常に良かったです。硬い馬場も問題なかったです」と、ギュイヨン騎手は2014年フリントシャー以来の2勝目を喜んだ。

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【香港ヴァーズ】ゼッフィーロGⅠ初挑戦で胸張る2着 日本馬5年ぶりの勝利ならずも…12月11日(月) 04:48

【香港10日=内海裕介】香港国際競走4レース(GⅠ)がシャティン競馬場で行われ、計13頭が出走した日本馬はゼッフィーロ(栗・池江、牡4)が香港ヴァーズで2着したのが最高。2018年以来となる未勝利に終わった。地元・香港勢が4鞍中3鞍で優勝と強さを見せた。

頂点へ、あと一歩だった。日本馬3頭が参戦した香港ヴァーズ。夏のような青空の下、現地の熱気が最高潮に達した直線で、GⅠ初挑戦のゼッフィーロが懸命に末脚を伸ばす。タイトな馬群をさばいて先頭に迫ったが、外から抜け出したジュンコに1馬身、届かなかった。

「思った通りの競馬はできました。ジョッキーもよく乗ってくれました」

池江調教師は、人馬のナイスファイトに笑顔を見せた。当初、今秋はオーストラリア遠征の予定もあり、その際に騎乗をオファーしていたダミアン・レーン騎手とお待ちかねの初コンビ。内めの2番枠から巧みにエスコートした名手は「素晴らしい競馬ができた」とパートナーの走りをたたえた。

トレーナーは父の泰郎・元調教師を伴って現地入り。父の管理したステイゴールドが、このレースで有終Vを飾ったのは2001年だった。今回、記者会見でトレーナーは「電化製品を見ても自動車を見ても、こっちに来ても日本の経済の衰退を感じます。だけど、サラブレッドのレベルは非常に高い。かつては良血を求めていましたが、今はこっちがその血を世界に広める側。こういう舞台で日本馬の強さをアピールしたい」と、競馬を通じて強い日本の復活をアピールしていた。

求めていた最高の結果とはならなかったが、指揮官は「若いスタッフでの遠征だったけど、現地のサポートも含めていい環境で調整できた。勝ち馬がしぶとかっただけ。頑張ってくれた」と胸を張った。GⅠに手が届くポテンシャルを示したゼッフィーロは、まだ4歳。前途洋々のディープインパクト産駒は来年、再びビッグタイトルを狙う。(内海裕介)

★日本馬は5年ぶりに勝利ならず

日本馬は2018年以来、5年ぶりに香港国際競走で勝ち星を挙げることができなかった。今回は地元の歴史的なスーパースターたちが健在だったうえに、日本から出走した13頭中GⅠホースは4頭で、まだキャリアの浅い馬も多かった。来年のリベンジに期待したい。

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【香港ヴァーズ】4着ジェラルディーナ、これで引退 斉藤崇師「彼女のレースはできた」12月11日(月) 04:47

4着に終わった昨年のエリザベス女王杯ジェラルディーナは、このレースを最後に引退することが決まった。好位追走からラストの追い比べで後れを取ってしまったが「ペースが遅く、彼女には合いませんでした。とてもいい牝馬です」とビュイック騎手。斉藤崇調教師は「直線もしぶとく伸びてくれたし、勝てませんでしたが、彼女のレースはできたと思います」と健闘をねぎらった。

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【香港ヴァーズ】レーベンスティール 1番人気も最下位8着にモレイラ騎手「前走時とは全然違う馬」12月11日(月) 04:46

国内オッズで単勝1・9倍の1番人気に推されたレーベンスティールは、最下位8着でゴール。中団を追走したが、直線に向くと余力なく後退していった。「能力をまったく出していません。前走時とは全然違う馬でした」とモレイラ騎手。田中博調教師は「これだけ負けてしまうと、コンディションが整ってなかったということ。この子に申し訳ない気持ちです」と肩を落とした。

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香港国際競走4レースの総売り上げは約49億円12月10日() 19:04

JRAは5日、同日に行われた香港国際競走の売り上げを発表した。JRAが発売した4レースの総売り上げは48億8428万7800円。内訳は香港ヴァーズ5億8597万9800円、香港スプリント6億6036万2400円、香港マイル17億4962万2600円、香港カップ18億8832万3000円。

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【香港ヴァーズ】フランスのジュンコが制覇 ゼッフィーロ2着、ジェラルディーナ4着、レーベンスティール8着12月10日() 16:14

香港国際競走4レースが12月10日、シャティン競馬場で行われた。

香港ヴァーズ(GⅠ、3歳以上、芝2400メートル、定量、8頭立て、1着賞金1344万香港ドル=2億5536万円=1香港ドル19円のレートで換算)は、M・ギュイヨン騎手の5番人気ジュンコ(セン4歳、フランス=A・ファーブル厩舎)が、後方待機から直線で力強く脚を伸ばして優勝した。2分30秒12(良)。

日本から参戦したゼッフィーロ(牡4歳、栗東・池江泰寿厩舎、父ディープインパクト)は1馬身差2着だった。同じく日本から参戦したジェラルディーナ(牝5歳、栗東・斉藤崇史厩舎、父モーリス)は4着、レーベンスティール(牡3歳、美浦・田中博康厩舎、父リアルスティール)は8着だった。

ジュンコは、父アンテロ、母レディーズス、母の父ダイナフォーマーという血統。英国の生産馬。フランス=A・ファーブル厩舎。馬主はヴェルテメール兄弟。成績は14戦7勝。

池江泰寿調教師(2着 ゼッフィーロ)「思った通りの競馬はできました。ジョッキーもうまく乗ってくれました。後方といっても8番手でしたし、本当、思った通りでしたね。若いスタッフでの遠征でしたが、現地でのサポートもあり、いい環境で調整できました。勝ち馬がしぶとかったですね」

◆ダミアン・レーン騎手(2着 ゼッフィーロ)「素晴らしい競馬でした」

斉藤崇史調教師(4着 ジェラルディーナ)「二の足がつかなかったですが、うまく挽回してくれました。スローペースでペースがあがったところでモタモタしましたが、直線もしぶとく伸びてくれたし、勝てませんでしたが、彼女のレースはできたと思います」

◆ウィリアム・ビュイック騎手(4着 ジェラルディーナ)「とても良く走ってくれました。ペースが遅く彼女には合いませんでした。良い内容の4着です。とても良い牝馬です」

田中博康調教師(8着 レーベンスティール)「折り合いは許容範囲でしたが、4角過ぎで前走の反応がまるでなかったとジョッキーは言ってました。これだけ負けてしまうと、コンディションが整ってなかったということ。この子に申し訳ない気持ちです」

◆ジョアン・モレイラ騎手(8着 レーベンスティール)「能力を全く出していません。前走時と全く違う馬でした」

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【有名人の予想に乗ろう!】香港ヴァーズ2023 日本調教馬の3年連続制覇なるか!あの人の見解は!?12月10日() 10:00


※当欄では香港ヴァーズについて、競馬好きとして知られる芸能人、著名人の皆さんの予想を紹介していきます。迷ったときは彼らの予想に乗るのも手。参考になさってください。



【舩山陽司】
◎③ゼッフィーロ
○⑨ウォームハート
▲⑧レーベンスティール

【中野雷太】
◎⑨ウォームハート

【田中歩】
注目馬
⑨ウォームハート



ウマニティ重賞攻略チーム

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【香港ヴァーズ】陣営コメント12月10日() 04:41

(3)ゼッフィーロ・池江師「非常に順調。〝無問題〟です」

(7)ジェラルディーナ・団野助手「競馬でいいところが出るように調整できたと思います」

(8)レーベンスティール・田中博師「出国前からいい状態でこられていますし、いい結果を期待したいです」

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【香港ヴァーズ】UAEのウエストウインドブローズが出走取消12月09日() 18:47

香港ヴァーズ(10日、シャティン、GⅠ、芝2400メートル)に出走を予定していたUAE調教馬ウエストウインドブローズ(S&E・クリスフォード、セン4)は、9日午後の検査の結果、左前脚の負傷が判明し、獣医師のアドバイスにより出走を取り消すことが決まった。主催者の香港ジョッキークラブが発表した。繰り上がりなどはなく、レースは8頭立てで行われる。

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厳選コラム ~香港ヴァーズ 2023~

香港カップ(シャティン芝2000m)
枠順抽選が行われる直前の7日午前、衝撃のニュースが走りました。香港ヴァーズ出走予定だった日本の総大将、シャフリヤールの出走取消が香港ジョッキークラブから公表されたのです。健康上の理由としか説明されていませんが、その後の取材で心電図に不整脈が認められたことが判明しました。

「不整脈は競走馬にはつきもの。シャフリヤール自身も国内で不整脈があった。しかし競走に影響する程のものではなく、これまで何の問題もなく出走してきた。それがなぜ香港で問題になったのか? また、シャフリヤールにだけ香港で心電図を取られなければならなかったのか、それが最大の謎だ」
「11月11日、海外馬の中では一番乗りして以来、香港の水が合うのか、シャフリヤールは日に日に良化。これほどの馬はなかなかいないと感じていた。何とも残念なことだ」
ある出走関係者は大きく首を傾げました。
シャフリヤールの到着から取消前日までシャフリヤールに接してきた香港ジョッキークラブのステーブルマネージャーは大きく肩を落としていました。

日本総大将の出走取消で香港ヴァーズの予想は組み換えを余儀なくされましたが、それはさておき、香港国際競走の最高峰、香港カップの予想に移ります。

香港カップ香港マイルと同様、大本命の地元馬の取捨が最大の鍵となります。大本命とは単勝2倍以下が確実な香港中距離王、ロマンチックウォリアーです。ロマンチックは一昨季4歳クラシック三冠で香港ダービーを含む二冠、その勢いでクイーンエリザベス2世カップまで制覇し香港中距離界のトップに立ちました。そして昨季は香港カップを初の制覇、クイーンエリザベス2世カップ連覇を果たして香港中距離界、シャティン芝2000mに既に敵はないと豪州遠征を敢行。ターンブルステークス4着からコックスプレートを香港馬として初めて制覇する金字塔を立ち上げたのです。

10月29日のコックスプレートから香港カップまで僅か6週。帰国後検疫厩舎から馬場入りを再開したのが11月6日。その後の1カ月の間にピッチを上げ、11月28日のバリアトライアルではぶっつけで香港マイルに向かう香港の英雄ゴールデンシックスティを圧倒して順調な回復ぶりを示しました。

豪州遠征を打ち上げたオーナーに対して決して前向きではなかったC.シャム調教師もバリアトライアルでの復活ぶりにこう語りました。
「90%から95%まで戻すことができた。自信をもって香港カップに臨むことができる」
シャム調教師のこの評価を額面通りに受け止めていいのか? ここには香港マイルのゴールデンシックスティ同様の死角あり、と見ます。

その死角を衝かんとするは勿論、日本勢。今春のクイーンエリザベス2世カップでロマンチックに肉薄したプログノーシスヒシイグアスローシャムパークの3騎ですが、この中ではローシャムパークを一番手と取ります。この3騎の中で実績では若干見劣りは否めないものの、函館記念を勝った洋芝適性、オールカマー快勝からここを見据えた余裕のローテーションは2騎よりも好感が持てます。

注目の枠順抽選会では大外の11番枠を引き当ててしまいました。シャティン芝2000mはスタートから1コーナーまでが短く、内枠が圧倒的に有利です、しかし、今年は11頭立て、大外とはいえフルゲートに比べればさほどの不利もないんじゃないか、田中博康調教師に振ってみました。
「……そう、ですね!」
それまで憂鬱そうだった彼の表情にいくばくかの明るさが差し込んできたように見えました。

地元香港馬ではロマンチック以外に見るべき馬はなし。アイルランドの名伯楽、A.オブライエンが送りこむルクセンブルグだけが気にかかります。欧州から初の遠征、シャティンの芝適性が果たしてあるのかどうか? 週末には小雨の予報もあり、馬場が湿れば長打一発の可能性は否定できません。

(写真提供:HKJC)


★”日本と香港を股にかけて活躍する”海外プロ甘粕代三プロが、海外馬券販売レースの香港国際競走4レースの予想提供をいたします。当日の予想にご期待ください。


甘粕代三(あまかす・だいぞう)プロフィール
1960年、東京生まれ。高校時代から競馬にのめりこむ。
早稲田大学第一文学部卒。在学中に中国政府官費留学生。卒業後、東京新聞記者、テレビ朝日記者、同ディレクター、同台北開設支局長などを務める。
中国留学中に香港競馬を初観戦、94年ミッドナイトベット香港カップ制覇に立ち会ったことから香港の競馬にものめりこみ、2010年、売文業に転じた後は軸足を日本から香港に。
香港の競馬新聞『新報馬簿』『新報馬経』に執筆、テレビの競馬番組にも出演。現在、香港アップルデイリー日本特約記者、北京市馬術運動協会高級顧問を務める。

【香港国際競走2023】レース展望③香港マイル2023

香港マイル(シャティン芝1600m)
世界のマイル王、ゴールデンシックスティの動向に世界中の注目が集まっています。明けて8歳(南半球生産馬は8月1日に加齢)の老雄は昨季4月30日チャンピオンズマイルを圧勝後に休養。今季は一度も使われることなく、香港マイルにぶっつけという異例のローテーションとなりました。このローテーションを敢えて執ったのか、取らざるを得なかったのか。

今季節開幕直後、ゴールデンのC.ホー調教師にローテーションを確認したところ、自信なさげに語っていたことを今更ながら思い出します。
「明けて8歳、人間でいえば自分と同じくらいの年寄りなんでエンジンのかかりが遅いのは仕方ない。ゆっくり仕上げていってこれまでと同じようにトライアルのジョッキークラブ・マイルから本番に迎えればいいんだけど……」

しかし、11月19日のトライアルにゴールデンの姿はありませんでした。香港ジョッキークラブは陸続きの広東省広州市郊外に、放牧用の外厩として従化トレーニングセンターを持っています。しかしゴールデンは従化に放牧されることもなく、シャティン競馬場内厩で舎飼い。夏のシーズンオフを過ごし仕上げを急いできました。香港には騎手が勝負服を着て行われる実戦形式の調教、バリヤトライアルがあり、出走直前に本追い切りとして使われています。ゴールデンはこのバリヤトライアルを開幕から3本を消化しただけ。仕上がりが万全とはとても、とても考えられません。ゴールデンには大きな死角あり、と見ています。

昨年のこのレースで4歳ながらゴールデンを破ったカリフォルニアスパングルですが、その後はゴールデンに2戦2敗。ゴールデン不在の今季こそ世代交代の狼煙を上げるものと期待されながら、今季開幕早々に鞍上をめぐって大騒動が勃発しました。今季初戦のシャティントロフィーを前に主戦だったZ.パートンがカリフォルニアを捨てて、ビューティーエターナルを選んだのです。エターナルは昨季、Z.パートンが鞭を執って10戦7勝、クラス4からプレミアカップで重賞ウィナーの上り詰めた上り馬です。Z.パートンはこの馬の将来性にかけて、実績上位のカリフォルニアを捨てたのです。

カリフォルニアのA.クルーズ調教師はこれに激怒、公然とZ.パートンは誤った選択をしたと非難し、気の強いZ.パートンも猛烈に反論。A.クルーズ調教師はカリフォルニアにH.ボウマンを迎え、因縁のシャティントロフィーを軽快に逃げ切って大いに面目を施しました。しかし、そのH.ボウマンが落馬負傷のため、遺恨レース第2幕のジョッキークラブ・マイルでは愛弟子、M.チャドウィックが騎乗。逃げながらエターナルに差されて5頭立ての4着と逆襲に遭ってしまいます。
ここ香港マイルで復讐を果たさんとA.クルーズ調教師は欧州からあのC.スミヨンを招きました。この遺恨対決第3幕はゴールデン復活なるかどうか、が今年の香港マイルの大きな焦点となっています。

さて、日本からはダノンザキッドセリフォスソウルラッシュナミュールディヴィーナの5頭が名乗りを上げました。これまで最多の出走頭数です。しかし、香港マイラー陣はスプリンター以上のレベルを誇り、10年で8勝。その厚い壁を破ったのは2015年モーリスと2019年アドマイヤマーズの2頭だけです。今年の5頭からモーリスアドマイヤマーズに比肩しうる馬はどうやら見当たりません。この中では4歳秋にしてようやく本格化、マイルチャンピオンシップでは並みいる牡馬を一蹴して悲願のG1ウィナーとなったナミュールが香港3騎に最も肉薄できると見ています。

明日はラストの香港カップの展望。乞う、ご期待!

(写真提供:HKJC)


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甘粕代三(あまかす・だいぞう)プロフィール
1960年、東京生まれ。高校時代から競馬にのめりこむ。
早稲田大学第一文学部卒。在学中に中国政府官費留学生。卒業後、東京新聞記者、テレビ朝日記者、同ディレクター、同台北開設支局長などを務める。
中国留学中に香港競馬を初観戦、94年ミッドナイトベット香港カップ制覇に立ち会ったことから香港の競馬にものめりこみ、2010年、売文業に転じた後は軸足を日本から香港に。
香港の競馬新聞『新報馬簿』『新報馬経』に執筆、テレビの競馬番組にも出演。現在、香港アップルデイリー日本特約記者、北京市馬術運動協会高級顧問を務める。

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【香港国際競走2023】レース展望②香港スプリント2023

香港スプリント(シャティン芝1200m)
このレースは直近10年で8勝をあげている香港スプリンター陣営難攻不落の砦です。残る2勝は記憶に新しい2020年ダノンスマッシュ、古くは2013年に前年に続いて連覇を果たしたロードカナロアの日本勢2頭だけです。さらに歴史をひもとけば1999年の開設以来、香港と日本以外で覇者となったのは2000年、2001年と連覇した豪州馬ファルバロン、2010年の南アフリカ馬ジェイジェイジェットプレーンの2頭だけ、と香港スプリンター陣営は昔も今も世界最高峰であることは言うまでもありません。

さて今年は、と言えば、香港スプリンター陣の壁は薄くなってきてはいるものの、これに挑む日本勢、欧州勢とも相当な格落ち。相対的に香港勢の優位は揺るぎありません。

香港の総大将は昨季のチェアマンズスプリントプライズの覇者、ラッキースワイネスです。今季は3戦、使い始めから2戦は勝ちきれず重ハンデに泣いて連続2着。前走定量戦のトライアル、ジョッキークラブスプリントをきっちりと勝ち上がり香港スプリンター陣最高峰にいることを改めて証明しました。
「強いことは認める。しかし、サイレントウィットネス、セイクリッドキングダム、エアロヴェロシティと比べてごらん、そこまでの馬ではないよ。紛れがないとは言えない」
5日朝、香港ジョッキークラブCEOのウィンフリード・エンゲルブレヒト・ブレスケス、通称EBがモーニングコーヒーをすすりながらささやいてきました。お説ごもっとも、とうなずかざるをえません。香港スプリンター山脈は依然として世界最高峰にありながら、その頂はかつてに比べれば低くなっている、ということなのです。

低くなったとはいえ頂点にあるラッキーを脅かすことができるのは、やはり香港馬。昨年の香港スプリントでラッキーを破ったウェリントンを一番手に挙げます。前走ジョッキークラブ・スプリントは昨季末の6月、イギリスはロイヤルアスコット、クイーン・エリザベス2世ジュビリー・ステークス以来の今季緒戦ではありましたが、3着と使い始めとしては上々。休み明けを叩いた上積みを十分見込めましょう。

そのウェリントンに前走ジョッキークラブ・スプリントで先着の2着と健闘したビクターザウィナーは今季の最大の上り馬。重賞こそ勝ててはいませんが、5歳馬だけに伸び代はウェリントンよりも上。ティータンからマクドナルドへの乗り替わりも好材料です。

そして、昨年の2着馬サイトサクセスも忘れてはいけません。ドバイのアルクォーツスプリントでは香港スプリント2着の力を示して4着と健闘。今季もプレミアムボウルでラッキーを下しています。

上記4頭がラッキーを頂点に山頂を連ねているのが現在の香港スプリンターの陣形、現状です。

これに挑むは我が日本の2騎、ジャスパークローネマッドクールとなります。両馬比較をすれば、米ブリーダーズカップ・ターフスプリントから香港に直行したジャスパーよりは、重賞未勝利ながらスプリンターズステークス2着の勲章を引っ提げてここに挑戦してきたマッドを上位にとります。
日本の新星、坂井瑠星からミルコことM.デムーロへの乗り替わりもプラス。ミルコは日本の通年騎手免許を取る前の1年間、香港で騎乗していたことがあり、シャティンのコースは坂井瑠星よりも熟知。近年不振にあえいでいますが、ここで復活の狼煙を上げてくれるものと期待してやまぬところです。

欧州で短距離G1を4勝しているハイフィールドプリンセスはシャティンの芝適性に疑問が残り、ここでは見送りが賢明。香港4騎に我が日本2騎がどこまで迫れるか――焦点はここ以外にありません。

明日は香港マイルの展望。乞う、ご期待!

(写真:HKJC)


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甘粕代三(あまかす・だいぞう)プロフィール
1960年、東京生まれ。高校時代から競馬にのめりこむ。
早稲田大学第一文学部卒。在学中に中国政府官費留学生。卒業後、東京新聞記者、テレビ朝日記者、同ディレクター、同台北開設支局長などを務める。
中国留学中に香港競馬を初観戦、94年ミッドナイトベット香港カップ制覇に立ち会ったことから香港の競馬にものめりこみ、2010年、売文業に転じた後は軸足を日本から香港に。
香港の競馬新聞『新報馬簿』『新報馬経』に執筆、テレビの競馬番組にも出演。現在、香港アップルデイリー日本特約記者、北京市馬術運動協会高級顧問を務める。

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【香港国際競走2023】レース展望①香港ヴァーズ2023

ウマニティ会員の皆さん、お久しぶりです。甘粕代三です。
今年も香港国際競走の季節がやって参りました。今年は史上最多の14頭の日本勢が1200mから2400mの4レースに挑戦! アタクシも負けてはいられず、と例年より早く2日(土)に香港入り、毎朝シャティン競馬場に駆け付けては日本勢、これを迎え撃つ地元香港勢に欧米、中東各馬の状態を観察しています。今年の結論を一言でいえば、日本勢2勝は当確、上手くすれば4勝のグランドスラムの可能性も十分あり!

というのは香港勢の横綱、大関であるマイル王ゴールデンシックスティ、中距離王ロマンチックウォリアーのいずれにも大きな死角があるからです。さあ、アタクシの気の早い結論が与太なのか、モーゼかキリストはたまたモハメドの如き大予言なのか、発走順に仔細に検討して参ります。

香港ヴァーズ(シャティン芝2400m)
このレースの直近10年は日本勢が4勝、欧州4勝、そのうち3勝がアイルランドの名伯楽エイダン・オブライエン厩舎、残る1勝がフランスの名門アンドレ・ファーブル厩舎、地元香港勢2勝と日欧がっぷり四つの様相を呈しています。今年も大きく言えば、この状況に変化はありません。しかし、香港唯一のA級ステイヤーで今年カタールのローカルG1、エミール・トロフィーを楽勝したロシアンエンペラーが選出後に脚部不安発生。残る香港3騎はこのメンバーでは馬場掃除が関の山。日欧が覇を競うことになります。

ロシアンエンペラー回避後の10頭中、日本勢は4頭と最多、アイルランド・オブライエン厩舎が1頭、フランス・ファーブル厩舎1頭、イギリスの1頭を香港勢3頭が迎え撃つ顔付けになりました。この中で圧倒的な存在感を示しているのは勿論、日本4騎です。米ブリーダーズカップターフ3着と終に復活の兆しを見せ、ロスアンゼルスから香港に直行したダービー馬、シャフリヤール。前走アルゼンチン共和国杯で重賞勝ち馬となったゼッフィーロ、父に香港横綱モーリス、母にあの名牝ジェンティルドンナを持つジェラルディーナ、3歳の若駒ながら渡海の挑戦を敢行したレーベンスティールの4騎はいずれ菖蒲か杜若。この4頭だけで3連単、香港ならではの4連単も十分視野に入ります。日本勢香港ヴァーズ史上最強の顔付けと言っても差し支えありません。

この中で最も注目しなければならないのはレーベンスティールです。前走セントライト記念は休み明けながら皐月賞ソールオリエンスを子供扱いする1馬身3/4差の圧勝。セントライト記念から香港のローテーションも最適なら、香港シャティン競馬場の隅から隅まで知り尽くした雷神ことJ.モレイラが引き続き鞭を取るのは正に鬼に金棒! おまけに3歳馬ゆえ5ポンドのアローアンス。5日朝には僚馬、ローシャムパークとパドックをスクーリング。初見参のシャティン競馬場に物見することもなく2頭であたりを睥睨するかのような落ち着きぶりでした。日本勢では筆頭の評価をせざるを得ません。

残る日本勢3騎の評価は今日5日の時点でシャフリヤールゼッフィーロジェラルディーナの順。レース前日の9日までの状態を見て最終的評価を下しましょう。

さて欧州勢ですが、やはりエイダンのウォームハートが不気味です。ヨークシャー・オークス、ベルメイユ賞と欧州G1を連覇。その後、米ブリーダーズカップフィリーズ&メアで惜しくも2着に終わりましたが、サンタアニアでの2着は日本より遅く時計がかかり、欧州よりは早く時計が早い香港シャティンの芝適性を示すものです。欧州で最も時計のかかるドイツはバーデン大賞典でようやくG1ウィナーに上り詰めたジュンコよりは数段上と見ます。おまけに3歳牝馬は9ポンドのアローアンス、これが最後の直線で大きくモノをいうことは間違いありません。日本勢との比較で言えば、シャフリヤールと横一線と評価しておきます。

さて、明日は香港スプリントの展望。日本勢が苦戦したこのレース、今年は少々様相が異なってきています。明日のスプリント展望も乞う、ご期待!


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甘粕代三(あまかす・だいぞう)プロフィール
1960年、東京生まれ。高校時代から競馬にのめりこむ。
早稲田大学第一文学部卒。在学中に中国政府官費留学生。卒業後、東京新聞記者、テレビ朝日記者、同ディレクター、同台北開設支局長などを務める。
中国留学中に香港競馬を初観戦、94年ミッドナイトベット香港カップ制覇に立ち会ったことから香港の競馬にものめりこみ、2010年、売文業に転じた後は軸足を日本から香港に。
香港の競馬新聞『新報馬簿』『新報馬経』に執筆、テレビの競馬番組にも出演。現在、香港アップルデイリー日本特約記者、北京市馬術運動協会高級顧問を務める。

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過去10年の結果 ~香港ヴァーズ 2023~

開催日 勝ち馬 性齢 調教国 タイム 騎手 調教師
2022/12/11 ウインマリリン 牝5 日本 2.27.53 D.レーン 手塚貴久
2021/12/12 グローリーヴェイズ 牡6 日本 2.27.07 J.モレイラ 尾関知人
2020/12/13 モーグル 牡3 アイルランド 2.27.21 R.ムーア A.オブライエン
2019/12/08 グローリーヴェイズ 牡4 日本 2.24.77 J.モレイラ 尾関知人
2018/12/09 エグザルタント セ4 香港 2.26.56 Z.パートン A.クルーズ
2017/12/10 ハイランドリール 牡5 アイルランド 2:26.23 R.ムーア A.オブライエン
2016/12/11 サトノクラウン 牡4 日本 2:26.2 J.モレイラ 堀宣行
2015/12/13 ハイランドリール 牝3 アイルランド 2:28.43 R.ムーア A.オブライエン
2014/12/14 フリントシャー 牡4 フランス 2:29.83 M.ギュイヨン A.ファーブル
2013/12/08 ドミナント 牡5 香港 2:27.29 Z.パートン J.ムーア

歴史・概要 ~香港ヴァーズ 2023~

香港ヴァーズは香港競馬年度シーズンの最初の中長距離路線のGI競走。香港では2000m以上の競走があまり日程に組み込まれていないため、ヨーロッパなど他地区の競走馬が地元勢を圧倒する事が多く見られる。1994年に国際リステッドとして【香港国際ヴァーズ】の名称で創設され、2000年に【香港ヴァーズ】に改称された。
開催時期の影響もあり、一線級の日本調教馬は、ほとんど有馬記念香港カップへ向かう傾向にあり、賞金などの理由で有馬記念に出走できない馬の挑戦が多い。日本馬ではステイゴールド(2001年)、サトノクラウン(2016年)、グローリーヴェイズ(2019、2021年)、ウインマリリン(2022年)が優勝している。

挑戦した日本馬 ~香港ヴァーズ 2023~

ステイゴールド 1着/香港ヴァーズ(2001年)
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血統
父:サンデーサイレンス
母:ゴールデンサッシュ
成績
50戦7勝
7億6299万+120万USドル+800万香港ドル
主な勝ち鞍
香港ヴァーズ(GI)
ドバイシーマクラシック(GII)
目黒記念(GII)
日経新春杯(GII)
引退レースで掴んだ金メダル

 現在は3冠馬オルフェーヴルを輩出するなどトップサイアーとして活躍しているステイゴールド、その現役時代は決して平坦な道のりではなかった。2歳の12月にデビューし、5戦目で初勝利。その後2勝を条件戦で挙げるも京都新聞杯、菊花賞では見せ場なく敗退した。しかし、年が明けるとステイゴールドのその秘めた素質が徐々に花開く。天皇賞春(GI)で10番人気の低評価ながら2着に入ると宝塚記念(GI)2着、天皇賞秋(GI)2着、有馬記念(GI)3着、その翌年も宝塚記念(GI)3着、天皇賞秋(GI)3着と第一線で活躍。
 その実力は誰もが認めていたが、GIIでも勝ちきれない善戦マンという印象が強く、池江泰郎調教師は主戦の熊沢騎手から武豊騎手へ乗り代わりの決断を下し、目黒記念(GII)へ出走。2年9ヶ月ぶりの勝利を飾った。レース後、武豊騎手は「クラシック並の大拍手だった」と語るほど多くのファンが歓喜したレースであった。その翌年、日経新春杯(GII)で重賞2勝目を挙げたステイゴールドはドバイシーマクラシック(GII)に出走。12番人気の低評価であったが、前年のワールドシリーズ王者ファンタスティックライトを競り落とし、大金星を挙げた。
 その後も国内レースに出走するも勝ちきれず、迎えた引退戦、香港ヴァーズ。これまで49戦し、GI未勝利のステイゴールドがついに報われる。レースでは後方でじっと脚を溜め、直線勝負へ。残り200mの時点で先頭馬と5馬身以上あり、厳しい展開であったが、1完歩ごとに差を詰め、「まるで背中に羽が生えたようだった」と武豊が語る鬼脚で初GI制覇を引退戦で飾った。同レースは競馬史に残るドラマチックレースに数えられ、多くのファンの語り草になっている。

施行年馬名性齢騎手調教師着順
2022年ウインマリリン牝5D.レーン手塚貴久1着
グローリーヴェイズ牡7J.モレイラ尾関知人3着
2021年グローリーヴェイズ牡6J.モレイラ尾関知人1着
ステイフーリッシュ牡6C.ホー矢作芳人5着
2019年グローリーヴェイズ牡4J.モレイラ尾関知人1着
ラッキーライラック牝4C.スミヨン松永幹夫2着
ディアドラ牝5O.マーフィー橋田満4着
2018年リスグラシュー牝4J.モレイラ矢作芳人2着
クロコスミア牝5岩田康誠西浦勝一10着
2017年トーセンバジル牡5J.モレイラ藤原英昭3着
キセキ牡3M.デムーロ角居勝彦9着
2016年サトノクラウン牡4J.モレイラ堀宣行1着
ヌーヴォレコルト牝5岩田康誠斎藤誠4着
スマートレイアー牝6武豊大久保龍志5着
2014年カレンミロティックセン6池添謙一平田修5着
2013年アスカクリチャン牡6岩田康誠須貝尚介7着
2012年ジャガーメイル牡8D.ホワイト堀宣行2着