【香港国際競走2020】レース展望①<香港スプリント>電撃移籍のオーストラリアのスプリント王クラシックレジェンド参戦!
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ウマニティ会員の皆さん、ご無沙汰をしました。甘粕代三です。コロナ禍の下、今年も香港競馬の祭典、香港国際競走(HKIR)4競走が13日に迫りました。昨年のHKIRは犯罪人引渡条例改定に反対する大規模反政府デモの洗礼を受けました。その混乱の下でもHKIRは通常通り開催できたのですが、今年はそれどころではありません。コロナ禍に襲われた今年は正に秋霜烈日、弱り目に祟り目。日本競馬ファンはまず競馬場を訪れることはできません。競馬関係者も大きな不自由の下、香港に向かっています。香港に遠征するただ一人の日本人騎手、松岡正海騎手は8日に成田から香港に旅立ちますが、出発直前にもPCR検査が必要だということで7日、わざわざ成田空港まで出かけて2度目の検査を受けています。何ともご苦労なことで、日本政府の検査態勢と防疫態勢の不備を呪うしかありませんが、松岡騎手をはじめとする日本の出走関係者の苦労が大きな花を咲かしてくれることを祈ってやみません。
さて、香港特別行政区政府のコロナ対策は日本よりも厳格かつ適正です。コロナ禍拡大阻止のため、いま香港に入境できるのは香港IDカードか香港のワーキングビザ所有者に限られ、空港到着後は政府指定の宿泊機関で2週間の隔離を受けなくてはなりません。隔離中はGPS付きの腕輪を嵌められ、行動も監視され、外出するなどの違反行為には多額の罰金が科せられるほど厳しい防疫体制を敷いています。このため、私自身も2月初めに香港から東京に戻り、コロナ禍が発生してしまったために東京に缶詰め。砂を噛むような虚しい毎日を送っています。
しかし、HKIRに出走する各国競馬関係者に関してはHKIRが政府を説得して特別措置が取られ、香港空港到着後、隔離なしに指定されたホテルに直行できるようになりました。ただ、その後はホテルとシャティン競馬場の検疫厩舎の往復しか外出は認められず、毎日数回のPCR検査が義務付けられます。このため調教師は一人として香港へ向かえません。帰国後にまた2週間隔離されますから、2週のG1、特に27日の有馬記念には大きな支障が出てしまうことになるからです。オーナーと同行者には香港での隔離2週間免除の特例措置が認められず、行きと帰りで併せて1カ月の時間を無駄にせざるを得ません。ですからオーナーも一人として香港に向かうことができないのです。コロナ禍に直撃され、大きな困難が伴う今年のHKIRに挑戦、遠征する松岡正海騎手をはじめとする助手、厩務員の皆さんにはコロナ禍に負けず、昨年3勝の栄誉を守ってきてほしいと期待が膨らむばかりです。
さて、私もそんな訳で今年は香港に足を踏み入れられずにおりますが、ネット時代の利点を生かして現地からの情報を収集し、今日からスプリント、マイル、カップの順で今年のHKIRを展望、レース当日の日曜日には予想をお届け致します。ご期待ください。
■香港スプリント(シャティン芝1200m)
世界一高いレベルと層の厚さを誇る香港スプリント勢に日本からは昨年のスプリンターズS覇者、タワーオブロンドン(牡5・藤沢和雄厩舎)、今年のスプリンターズSでグランアレグリアの鬼足に2着と涙を飲んだダノンスマッシュ(牡5・安田隆行厩舎)の2頭が挑戦状を叩きつけました。香港遠征が可能なスプリンター陣の中では最高の2頭といえるでしょう。
ただ、このレースでは世紀の日本スプリント王ロードカナロアが2012年、13年とこのレースを連覇した以外、日本勢は悉く香港勢に跳ね返されています。この2頭の取捨はロードカナロアとの比較、そして今年出走してくる香港勢との比較――このふたつが大きなカギを握ることになります。
11月22日(日)、HKIRステップレース3競走が行われました。香港スプリントに向けての前哨戦、ジョッキークラブ・スプリント(シャティン芝1200m)は香港勢10頭で争われ、葦毛のホットキングプローン(セ6・J.サイズ厩舎)が優勝しました。馬名を見て2000年の安田記念であっと言わせたフェアリーキングプローンを思い出した方は相当な香港競馬通。同じオーナー、劉錫康さんの持ち馬です。冠名前がプローン、余程のえび好きなんでしょうか(笑)
さて、ホットキングプローンは16/17年シーズン(以下、馬季)終わりに香港で新馬デビュー、新馬戦を連勝した後(未出走馬デビューが少ない香港では新馬戦は複数回出走可能)、シーズンオフを挟んで条件戦で連勝記録を5に。この5戦全てが直線1000m戦という折り紙付きのスプリンター。6戦目には2着と記録は途切れましたが、18/19馬季には初戦から重賞3連勝、香港スプリントに初挑戦しましたが、G1の厚い壁に跳ね返されてしまいます。その後は短距離重賞の常連となったものの、重賞勝ち鞍には恵まれず前走で久々の重賞勝ち、昨年は2着に敗れて悲願となった香港スプリントに3度目の王手をかけました。これまで多くのスプリント王を輩出してきた名伯楽、J.サイズ厩舎だけに断然の本命視されていました。
ところが、とんだ惑星が出現します。スプリント王国オーストラリアのスプリント最高峰、ジ・エベレストを快勝したばかりの世界の短距離王、クラシックレジェンド(セ5・C.ファウンズ厩舎)が11月9日、香港に降臨してきたのです。同馬はオーストラリアでスプリント戦ばかり使われて12戦6勝2着2回3着2回の良績。10月にはジ・エベレストを制覇したのです。オーナーが香港の何家駒さん。これはジ・エベレストを勝てば香港遠征というのが当初のプランだったようですが、何さんが故郷、香港に錦を飾りたいと強く希望し香港移籍が決まり、今馬季絶好調でリーディングをトップを驀進するC.ファウンズ厩舎に預託されました。同馬の中国馬名、川河達駒が示すように昨馬季のチャンピオンズマイルを勝った川河尊駒、英語名サザンレジェンド(香港マイル出走予定)も所有。中国語冠名は川河、英語ではレジェンドの何軍団がHKIRに2頭出しの快挙を成し遂げることになりました。香港ではオーナー1頭持ちでは4頭までの制限があるので、これは本当に名誉なことなのです。
クラシックレジェンドは移籍デビューを前に12月1日にはバリアトライアル(実戦形式の調教、地方競馬の能力検定に相当)に挑み、1000m直線のトライアルで昨馬季、ゴールデンシックスティ(セ5・F.ルイ厩舎)で4歳三冠シリーズを総なめにした香港人騎手・何澤堯(ヴィンセント・ホー)に手綱を取られ、58秒67で駆け抜け、3着と力を誇示しました。ファウンズ調教師は「世界中から注目されているのは分かっているが、皆が考えるほど簡単に事は運ばない」と慎重なコメントをしていますが、オーストラリア出国前に3週間の検疫があっただけにトライアル3着は、よくここまで仕上げたと評価すべきではないでしょうか。
昨年の覇者、ビートザクロック(J.サイズ厩舎)が姿を見せず、一昨年の勝ち馬、ミスタースタニングも引退して今年の香港スプリントには日本勢がつけ込む隙も見えたかに覚えましたが、世界最高のスプリント陣に調整途上とはいえ世界スプリント王が加わり、香港スプリントは例年通りジ・エベレスト並みの難しい頂となってしまいました。
上記2頭香港強豪に加え、国際レーティングで日本勢2頭の114よりも高い115の評価を受けているビッグタイムベイビー(セ6・K.マン厩舎)、ヴォイッジウォリアー(セ5・P.イウ厩舎)、トライアル2着のコンピューターパッチ(牡4・A.クルーズ厩舎)、ラタン(セ7・R.ギブソン厩舎)ら香港勢の伏兵も多士済々。今年も日本勢は苦戦を強いられることになりそうです。
★”日本と香港を股にかけて活躍する”海外プロ甘粕代三プロが、海外馬券販売レースの香港国際競走3レースの予想提供をいたします。当日の予想にご期待ください。
甘粕代三(あまかす・だいぞう)プロフィール
1960年、東京生まれ。高校時代から競馬にのめりこむ。
早稲田大学第一文学部卒。在学中に中国政府官費留学生。卒業後、東京新聞記者、テレビ朝日記者、同ディレクター、同台北開設支局長などを務める。
中国留学中に香港競馬を初観戦、94年ミッドナイトベットの香港カップ制覇に立ち会ったことから香港の競馬にものめりこみ、2010年、売文業に転じた後は軸足を日本から香港に。
香港の競馬新聞『新報馬簿』『新報馬経』に執筆、テレビの競馬番組にも出演。現在、香港アップルデイリー日本特約記者、北京市馬術運動協会高級顧問を務める。 |
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2020年11月27日(金) 14:00
TARO
【TAROの競馬研究室】ジャパンカップ展望/意外とスンナリ決まらない最近の3強対決
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先週は豪華メンバーのマイルチャンピオンシップが行われた。
当日の阪神芝は前日以上にインが有利。レシステンシアが内枠からスンナリ単騎の逃げを打ったことで、レース全体も先行イン有利の決着となった。
その中で絶好位につけて抜け出して来たのは人気のグランアレグリア。道中の折り合いを心配したが結果的には全く問題なく、直線少し前が詰まるシーンもあったが、体勢を立て直してからの脚の鋭さには目を見張るものがあった。まさに完勝。不安要素もあるとみて最終的な評価は3番手に下げたが、終わってみればとんだ見立て違いだった。
レースの明暗を分けたのは展開だ。当コラムで、「恐らくレシステンシアの逃げはそれほどハイペースにはならず流れは落ち着く可能性が高い」と書いた通り、落ち着いた流れになったことで、外を回った馬はほぼノーチャンスだった。
レシステンシアの北村友騎手に「もっと飛ばして欲しかった」という意見も見られたが、そもそもレシステンシアはこれまで実質的なハイペースで逃げたことはない。阪神JFは確かにそれなりの流れだったが、隊列はスンナリ、前走で1400mを使われていたことで、馬なりでもそれなりのスピードを発揮しただけのことだ。
北村友騎手は馬の気持ちを重視する「馬なり系」のジョッキー。強引に飛ばすような逃げはまずしないので、その特徴通りだった。騎手の特徴を知っておけば、無茶な期待をすることはない。逆に騎手の特徴を知らないままだと、何でもっと違う乗り方をしないんだと、不満ばかりが溜まっていく。納得いかない騎乗があったら、文句を言う前にその騎手について調べた方が良い。
(騎手の動き・特徴については『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』を読めばわかるようになります)
…と偉そうに語ってしまったが、私の本命は◎サリオスだったので、何も言えないのが悔しい。
~意外とスンナリ決まらない”3強”のG1レース
さて、今週末はこの秋屈指の、いや、21世紀屈指の好カード・ジャパンカップが行われる。
2年前の3冠牝馬にして8冠馬のアーモンドアイに、3歳牡馬牝馬の無敗の3冠馬コントレイル&デアリングタクトの激突。この対決は海外遠征があまりできないコロナ禍がもたらした面もあり、今後も恐らく観ることのないドリームマッチとなりそうだ。
こういったレースは得てして馬券的には面白くないケースもあるが、今年はなかなか伏兵陣も充実している。昨年の香港ヴァーズを制し、前哨戦の京都大賞典をステップに臨むグローリーヴェイズ、2年前の2着馬で近走は復調気配を感じる古豪のキセキ、昨年の2着馬でオールカマー2着からココに臨むカレンブーケドールなどなど、通常ならば人気の一角を占めそうな有力どころが参戦。サートゥルナーリアの故障回避は残念だが、それでも十分豪華なメンバーと言えるだろう。
ちなみに、3強対決は今年のG1でも複数回見られるが、3頭での決着はほとんど見られない。3強の定義をどうするかが難しいところだが、仮に、
1、1番人気馬が2倍以上
2、2~3番人気が5倍程度までで拮抗
3、4番人気が10倍超程度と上位3頭から離れている
以上を3強を定義すると、条件にほぼ収まる今年のG1レースは以下の4度あった。
皐月賞
2.7倍 コントレイル →1着
3.6倍 サトノフラッグ →5着
3.8倍 サリオス →2着
(4番人気ヴェルトライゼンデは13.0倍)
天皇賞(春)
2.0倍 フィエールマン →1着
5.0倍 ユーキャンスマイル →4着
5.3倍 キセキ →6着
(4番人気ミッキースワローは11.9倍)
宝塚記念
2.4倍 サートゥルナーリア →4着
4.1倍 クロノジェネシス →1着
4.9倍 ラッキーライラック →6着
(4番人気ブラストワンピースは9.9倍)
スプリンターズS
2.2倍 グランアレグリア →1着
3.9倍 モズスーパーフレア →10着
5.1倍 ダノンスマッシュ →2着
(4番人気レッドアンシェルは13.3倍)
結果はご覧の通り、3強での決着は皆無だ。
さらに遡っても、3強っぽいオッズはしばしば発生しているが、驚くほどその3頭で決まることはない。それらしい決着でいうと2017年の朝日杯だろうか。
2.3倍 ダノンプレミアム →1着
3.9倍 タワーオブロンドン →3着
5.3倍 ステルヴィオ →2着
(4番人気ダノンスマッシュは8.7倍)
オールドファンなら、マヤノトップガンが差し切り、以下サクラローレル→マーベラスサンデーで決まった1997年の天皇賞(春)などが3強対決&3強決着として思い浮かぶかもしれないが、近年は意外なほど一筋縄では収まっていない。
もし人気の3冠馬3頭で決まったらごめんなさいだが、馬券的には3頭のうち2頭くらいが馬券に絡み、1頭は別の組が入る…というような買い方が面白いのではないか。
例えば軸馬Aから、3強の残りBCを2列目に、3列目にはあえてBCを入れずに買うというような組み方は効率も良く、期待値も大きいように思う。
~ジャパンカップの有力馬&穴馬
というわけで、最後は3強のなかで最も有力と考える馬と、3強以外の伏兵候補を1頭挙げておきたい。
・コントレイル
菊花賞は外が有利な馬場状態の中での内枠。スピード豊富なこの馬には、馬場も枠も厳しい条件だった。それでもアリストテレスに詰め寄られながらも退けたのは地力の高さゆえ。東京芝2400mに替わるのは間違いなくプラスで、レースセンスも高く不発リスクの少ないタイプ。3強の中でも最有力とみる。
・ユーキャンスマイル
かなり人気は落ちそうだが侮れないのがユーキャンスマイル。前走のアルゼンチン共和国杯は馬場の悪い内を通らされたことと久々が敗因で、悲観するものではなかった。昨年は内が伸びるレースだったジャパンカップだが、その中で外からよく伸びていたし、左回りの長丁場はベスト。今年は昨年よりも外が伸びる馬場になる可能性が高く、岩田騎手の決め打ち的な騎乗がハマれば怖い存在になりそうだ。
※週末の重賞の結論は、『TAROの競馬』にて一部無料公開予定。また、馬券の買い方や券種の選び方なども含めた結論は、競馬ノートにて限定配信の予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。
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【TAROの競馬研究室】ロードカナロア産駒と相性の良い横山典騎手に注目
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先週は東西でG1へ向けて重要なトライアルレースが2つ。
神戸新聞杯はコントレイルが難なく秋初戦を制し、無敗の3冠へ向けて順調なスタートを切った。3~4コーナーでは内枠ゆえに渋滞に巻き込まれそうな場面もあったが、福永騎手とのコンビで難なく捌いて抜け出し。脚力に加えて折り合いもつく、レースセンスも良い、と3拍子揃っており、まさに現代競馬のチャンピオンにふさわしい馬。菊花賞へ王手、あとは道悪や極端な外枠を避けられれば結果もついてきそうだ。
一方オールカマーはゴール寸前でカレンブーケドールを捉えたセンテリュオが大外一気の差し切り勝ち。個人的にもセンテリュオには自信の本命を打っていたが、同時に勝ち切らない自信もあったので、2~3着馬券でズドンと勝負。ゴール前は、「差せ…でも差し過ぎるな…!」と微妙な声援を上げたのも空しく、想定以上の末脚で勝ち切ってしまった。これも競馬なので仕方ない。
それにしても、中山芝は雨の影響もあったとはいえ、特に日曜日は想定以上に外が伸びていた。今週末は雨の心配はほぼなさそうだが、先週の傾向がどう引き継がれるのか注目したい。ちなみに秋の中山3週目(つまりスプリンターズSの前の週)時点で芝が外伸び傾向になるのは、私が個人的に付けている馬場記録を見返すと2016年以来となる。その2016年のスプリンターズSはレッドファルクスが外から差し切り勝ち。果たして今年は―。
~スプリンターズS展望
というわけで、いよいよ秋G1の開幕戦・スプリンターズSの展望へ。
今年は例年以上に有力馬の乗り替わりが多く、ダノンスマッシュは三浦騎手から川田騎手に戻り、グランアレグリアは池添騎手からルメール騎手に戻る。さらにダイアトニックはココ2戦で手綱を取った武豊騎手が凱旋門賞に遠征するため、横山典騎手がテン乗りとなる。
その中で、注目はダイアトニックと横山典騎手のコンビ。ダイアトニックの父は言わずと知れたトップサイアーのロードカナロア。同産駒は操縦性が高くセンスの良い馬が多く、この特徴が横山典騎手にピタリとハマりそうだ。
実際、横山典騎手はロードカナロア産駒で重賞を3勝。これはアーモンドアイやサートゥルナーリアなどで合計10勝を挙げているルメール騎手を別格とすれば、最多タイの記録となる。他に3勝しているのは北村友騎手、武豊騎手の2人。しかし、北村騎手は騎乗機会25、武豊騎手は同12に対し、横山典騎手はわずか5回の騎乗で3勝をしている。その内訳はトロワゼトワルで2勝、そしてキングオブコージで1勝。
ココまで書いておいてなんだが、正直データはどうでも良い。ただ、レースぶりを見ていても横山典騎手とロードカナロア産駒は非常に手が合っている。同騎手のイマジネーションに対して、同産駒はきちんと応えられる運転のしやすさがあるからだろう。とりわけキングオブコージとのコンビで飾った4連勝は、世界でも横山典騎手でしか成し得なかったものだと思う。テン乗りで勝利した今年の年明け1回京都の4歳上1勝クラスでのレースぶりは、その映像を観ながらハイボールを3杯くらい飲めてしまう。
余談が過ぎたが、ダイアトニックはタイミング的にも狙いやすい。前走は完全な外差し競馬での最内枠。私自身も同レースでは評価を5番手まで下げたが、結果は想像を超える15着のいう大敗。ただ、スプリント戦の着順など馬場一つでどうにでも変わる物なので全く気にすることはない。前走は2.3倍の1番人気、今回は恐らく4番人気程度。タイミング的には反発しそうな今回こそが狙いどころだろう。
その他は、人気どころならば、再注目はグランアレグリア。純然たるスプリンターではないと思うが、単純な能力を見れば、ひたすらスプリント路線(付近)で実績を積み重ねているモズスーパーフレアやダノンスマッシュよりも能力は上位。前述した通り、今年は例年よりも外が伸びている馬場状態もプラスで、順当に最有力候補とみる。
※週末の重賞の結論は、『TAROの競馬』にて一部無料公開予定。また、馬券の買い方や券種の選び方なども含めた結論は、競馬ノートにて限定配信の予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。 |
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