【TAROの競馬研究室】第2のハギノピリナはどこにいるのか?/オークス展望
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ヴィクトリアマイルはソダシが好位から力強く抜け出し。最後は後続を2馬身突き放す完勝だった。
東京の芝はBコース替わり1週目。それでも日曜日になると徐々に内の伸びが悪くなってきており、直前の9レースでは距離短縮&外枠のトウシンモンブランが差し切り勝ち。人気のディープ産駒2頭が4~5着に敗れる中波乱決着となった。
ただ、メインレースに関しては隊列が外有利にはならず。中枠のローザノワールが先手、内枠のレシステンシア、ソダシらが先団を形成したために外から差しに回った組はかなりのロスを被ることになった。内枠が先行、外枠が差し、という馬群の隊列になると、基本的に外枠の差し馬は不利になる。基本的に…と書いたのはもちろん例外もあるためで、わかりやすい例外は先団を形成する逃げ先行勢が力不足で早々に失速するようなケース。
ただヴィクトリアマイルは、レシステンシアもソダシも力のある馬。これらの馬が直線も脚を伸ばすと、内枠の馬はそのスペースを利用して加速しやすいし、外枠の馬は流れの中で押し上げるタイミングがなくなってしまう。結果的にせいぜいが中枠の差し馬までしか出番がなく、外枠の差し勢は速い上がりを使っても届かず…という結末になった。
もっとも、勝ったソダシは隊列の利もあったとはいえ完勝。スタートが速くイメージ以上に高速上がり戦にも対応できるので、力が一枚上だった。中距離やダートを使われていたことで少し忘れられていた面もあるが、これで芝のマイルでは4戦無敗、白毛伝説が再び幕を開けた。
~オークスは第2のハギノピリナ探しが予想のテーマ
さて、今週末はオークス。昨年は桜花賞馬ソダシが単勝1.9倍の支持を集めながらも8着に敗れる一方、3着に16番人気のハギノピリナが突っ込んで大波乱となった一戦。最近の東京芝G1は差し馬の台頭が見られるケースが多いが、オークスも同様の傾向が見られる。
もともとオークスは逃げ先行勢が距離不安から失速するケースが多く、馬場問わず差しが届きやすいレース。加えて近年は東京芝の外の伸びが良くなっており、これまで以上にスタミナ差しが炸裂する条件が揃っている。さらにいえば今年は桜花賞が完全な先行イン有利レースだった。つまり、枠順や馬場のメリットが大きかった桜花賞上位馬の大半は距離や馬場変化に不安を抱えている状態なのである。
昨年同様に、ハギノピリナのようなスタミナ型の大穴馬の台頭があるかもしれない。一見格下と思えるような戦績の馬でも、キッチリとこれまでのレース内容を見直す必要がありそうだ。特に距離不安のない馬や、末脚がしっかりした馬には注意が必要だろう。狙い馬については最後に。
では、今回も先週の競馬から次走狙えそうな馬を一頭挙げておきたい。
【次走狙い馬】ワールドバローズ(土曜東京11レース・京王杯スプリングC/4着)
今回は久々の1400mで追走が苦しく、いつも以上に後方の位置取りに。それでも直線はしぶとく脚を伸ばしてあと僅かの4着まで迫り地力を見せた。前走の東京新聞杯でも決して有利とはいえない内枠から7着とまずまずの結果を残しており、重賞でも通用するところまで地力をつけて来ている。今回1400mの流れを経験したことは次走に生きそうだし、改めてベストのマイル戦に戻れば出番だろう。上手く行けばサマーマイルシリーズでの活躍にも期待できそうなので、今から覚えておきたい。
~オークス展望
では、いつも通り週末の注目馬で締めたい。オークスは前述通り、今年は桜花賞とはまったく異なるレースになる可能性が高く波乱の可能性もありそうだ。というわけで、今回はこの馬。
・ベルクレスタ(吉田隼人騎手)
狙いたいのはベルクレスタ。前走の桜花賞では外枠で流れに乗れず位置を下げ、直線は外に出したが不利もあり伸び切れなかった。それでも枠順や展開を考えればラストは見せ場を作れており、距離延長を控えていることを考えれば悪くない内容だった。追って味があり、今年の世代の中では距離延長は歓迎のタイプ。クイーンCでは差して来て桜花賞馬のスターズオンアースと差のない競馬をしており、能力的にも引けを取らないだろう。直線の末脚比べになれば怖い一頭だ。
※週末の重賞の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。
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【伊吹雅也のピックアップ競馬データ2022年05月08日号】特選重賞データ分析編(305)~2022年ヴィクトリアマイル
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次週の注目重賞を、伊吹雅也プロが様々なデータを駆使していち早く分析! もっとも重要と思われる<ピックアップデータ>に加え、<追い風データ/向かい風データ>や<注目馬チェック>など、貴重な情報が満載なウマニティ会員専用コラムとなっております。ぜひ皆様の予想にお役立て下さい。
■【伊吹雅也のピックアップ競馬データ】コラム内容について詳しくはこちらをご覧ください。
⇒https://umanity.jp/racedata/columndet_view.php?cid=7321
<次週の特選重賞>
G1 ヴィクトリアマイル 2022年05月15日(日) 東京芝1600m
<ピックアップデータ>
【前走の出走頭数別成績(2017年以降)】
×12頭以下 [0-0-1-18](3着内率5.3%)
○13頭以上 [5-5-4-54](3着内率20.6%)
少頭数のレースを経由してきた馬は過信禁物。前走の出走頭数が12頭以下だった馬は期待を裏切りがちでした。今年は主要な前哨戦と位置付けられている阪神牝馬ステークスが11頭立てだったので、別路線組を重視すべきでしょう。
主な「○」該当馬→アカイイト・アブレイズ・レイパパレ・レシステンシア
主な「×」該当馬→デアリングタクト・メイショウミモザ
<他にも気になる! 追い風データ/向かい風データ>
【追い風データ】
○「出走数が13戦以内」の馬は2017年以降[5-3-3-33](3着内率25.0%)
主な該当馬→アブレイズ・デアリングタクト・レイパパレ
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【TAROの競馬研究室】最終週まで内有利が続いた中山芝/毎日王冠展望
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スプリンターズSはピクシーナイトが完勝。4番枠から好スタートを切りサッと好位のインを取れた時点でほぼ勝負ありだった。2着に先行したレシステンシア、3着には最内枠の伏兵・シヴァージが突っ込んで来て、今回歳の中山芝を象徴するような内枠決着となった。
かねてから書いているが、近年の中山芝は再びかつてのような内枠有利が目立つようになっている。最終週は台風の影響も気にはなったが、金曜の大雨、さらに土曜夜の雨があっても、馬場発表こそ非良馬場になったものの、実態に大きな変化はなかった。
~スプリンターズS含め、4回中山はほぼ全日イン有利
4回中山芝を見る上で重要だったのは3週目の土曜日。この日は意外と外からの差しが決まっており、
「そろそろ外が伸び始めたか?」
と思いたくなる1日だったが、私自身この日の馬場について、
「記録だけ見れば差しも届いていたが、タフな馬場ではなくスピードが生きる馬場。外差しは利きづらい」
と書いた。なぜかというと、例えば直線だけ見れば派手な外差しが決まったように見えた土曜9Rのカンナステークスは明らかに内の先行馬が弱かった。むしろ逃げたジャスパークローネ、好位インのインプロヴァイザーが3~4着したことを評価すべきで、馬場の内が悪いから外からの差しが届いたわけではなかった。実際1~2着は人気馬。
馬場読みは直線の映像の印象に影響されがちだが、このように個別事例を精査すると例外はいくらでもあり、内が良い馬場でも外からの差しが届くケースも多々ある。そして、レース映像により強烈な印象だけが残ってしまい、以後の馬場判断に誤りを生じさせる。
終わってみれば開幕週からスプリンターズSまでの9日間の開催はほぼ一貫して内有利。それは以下のデータを見ても明らかだ。
4回中山芝 1~6番枠 38勝/324頭 勝率 11.7%
4回中山芝 13番~18番枠 3勝/121頭 勝率 2.5%
今週末からは秋の東京開催がスタートするが、4回中山芝はほぼ全日イン有利と記憶しておくことは、今後の秋競馬を予想する上で大いに役に立つはずだ。
~毎日王冠の注目馬
さて、今週末からはいよいよ秋の東京開催がスタートする。開幕週のメインは伝統のG2毎日王冠。ココではいつも通り注目馬を一頭挙げておきたい。
・シュネルマイスター(ルメール騎手)
NHKマイルカップを制し、古馬相手の安田記念でも3着と健闘、それ以来の復帰戦となるシュネルマイスター。キングマン産駒で本質的には1800mはやや長い可能性もあるが、同世代戦とはいえ弥生賞で2000mまでこなしていることを考えれば、開幕週の東京1800mなら問題ないだろう。鞍上のルメール騎手は距離を持たせる技術に長けているジョッキー。初戦から好勝負になるだろう。
※週末の重賞の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。
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【伊吹雅也のピックアップ競馬データ2021年09月26日号】特選重賞データ分析編(273)~2021年スプリンターズステークス
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次週の注目重賞を、伊吹雅也プロが様々なデータを駆使していち早く分析! もっとも重要と思われる<ピックアップデータ>に加え、<追い風データ/向かい風データ>や<注目馬チェック>など、貴重な情報が満載なウマニティ会員専用コラムとなっております。ぜひ皆様の予想にお役立て下さい。
■【伊吹雅也のピックアップ競馬データ】コラム内容について詳しくはこちらをご覧ください。
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<次週の特選重賞>
G1 スプリンターズステークス 2021年10月03日(日) 中山芝1200m外
<ピックアップデータ>
【前走の条件が国内のレースだった馬の、前走の4コーナー通過順別成績(2016年以降)】
○2番手以内 [0-1-1-15](3着内率11.8%)
×3番手以下 [5-4-4-47](3着内率21.7%)
前走の4コーナーを2番手以内で通過した馬はやや不振。2020年も単勝オッズ3.9倍(2番人気)の支持を集めたモズスーパーフレアが10着に敗れてしまいました。先行力の高さを活かしたいタイプは過信禁物と見るべきでしょう。
主な「○」該当馬→シヴァージ・ジャンダルム
主な「×」該当馬→ビアンフェ・メイケイエール・レシステンシア
<他にも気になる! 追い風データ/向かい風データ>
【向かい風データ】
×「“同年、かつ中央場所、かつオープンクラスのレース”において1着となった経験がない」馬は2016年以降[0-1-1-50](3着内率3.8%)
主な該当馬→シヴァージ・ダノンスマッシュ・ビアンフェ
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