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【阪神JF】アスコリピチェーノが3連勝で無敗の2歳女王に 北村宏司騎手は8年ぶりGⅠ制覇

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【阪神JF】アスコリピチェーノが3連勝で無敗の2歳女王に 北村宏司騎手は8年ぶりGⅠ制覇

北村宏司(43)=美・フリー=騎乗で3番人気のアスコリピチェーノが鮮やかに差し切り、2020年のソダシ以来となる無敗の2歳女王に輝いた。勝ち時計1分32秒6はレースレコード。鞍上はキタサンブラックで制した15年の菊花賞以来、8年ぶりのGⅠ勝利だ。2着に5番人気のステレンボッシュ、3着に2番人気のコラソンビートが入り、関東馬の1~3着独占は牝馬限定戦となった1991年以降は初めて。



師走の仁川に温かい拍手が鳴り響いた。アスコリピチェーノが無傷の3連勝でGⅠタイトルをゲット。検量室前で相棒の首筋に抱きついた北村宏騎手は、喜びをかみしめながらマイクの前に立った。

「スタッフ、牧場のみなさんが手をかけてもらって、すごくいいコンディションで自信を持って臨めたので、結果を出せてほっとしました」


過去2戦は出遅れていたが、課題のスタートをポンと決めて中団で折り合った。直線で鞍上に軽く促されると、鋭く伸びる。内からステレンボッシュが迫ってきたが、クビ差で振り切った。勝ち時計1分32秒6は2019年のレシステンシアを0秒1上回るレースレコード。無敗の2歳女王は20年のソダシ以来3年ぶり、史上14頭目だ。

北村宏騎手は15年菊花賞キタサンブラック以来、8年ぶり4度目のGⅠ勝利。同年12月に左膝を負傷して予定していた有馬記念で乗り替わりとなると、その後も度重なるけがで苦しい時間が続いた。だが、美浦トレセンでは多くの馬の稽古をつけ、騎手仲間が帰った後も一人、ジョッキールームで調教映像をチェック。前走から手綱を取ったアスコリに対しても、同学年の黒岩調教師と幾度となく意見を交わしながら取り組んできた。雌伏の時を過ごした鞍上は「スタンドを正面にしていい景色だなと思いました。馬のおかげかなと思います」とうなずいた。

アスコリピチェーノ新潟2歳S以来、3カ月半ぶりの実戦だったが、放牧先から栗東トレセンに入厩して調整。開業12年目でGⅠ初勝利の黒岩調教師は「2歳の牝馬にしてはすごく食欲があり、落ち着きもありましたので、どんどん強い調教を課すことができました。それに応えてくれたと思います」と喜んだ。

次の目標は来春の桜花賞(4月7日、阪神、GⅠ、芝1600メートル)。北村宏騎手は「まだ変わりそうな部分も感じているので、そこがいいところ」と伸びしろを強調した。さらに成長した姿で再びこの地で輝きを放つ。(増本隆一朗)

アスコリピチェーノ 父ダイワメジャー、母アスコルティ、母の父デインヒルダンサー。黒鹿毛の牝2歳。美浦・黒岩陽一厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は㈲サンデーレーシング。戦績3戦3勝。獲得賞金1億493万6000円。重賞は2023年GⅢ新潟2歳Sに次いで2勝目。阪神ジュベナイルFは北村宏司騎手、黒岩陽一調教師ともに初勝利。馬名は「イタリアの都市名」。

阪神JFアラカルト

北村宏司騎手 6回目の騎乗で初勝利。これまでの最高は00年(ダイワルージュ)の2着。JRA・GⅠは15年菊花賞キタサンブラック)以来で、通算4勝目。JRA重賞は新潟記念ノッキングポイント)以来で今年3勝目、通算37勝目。

黒岩陽一調教師 管理馬2頭目の出走で初勝利。前回は21年(ラブリイユアアイズ)の2着。JRA・GⅠは管理馬延べ11頭目の出走で初勝利。これまでの最高は21年の当レース、今年のエリザベス女王杯ルージュエヴァイユ)の2着。JRA重賞は新潟2歳S以来で今年3勝目、通算7勝目。


ダイワメジャー産駒 19年(レシステンシア)以来で4年ぶり3勝目。当レース3勝はサンデーサイレンス産駒、ディープインパンクト産駒と並び最多。JRA・GⅠは22年マイルCSセリフォス)以来で、通算10勝目。JRA重賞は新潟2歳S以来で今年3勝目、通算51勝目。

◆馬主 ㈲サンデーレーシング 22年(リバティアイランド)に続く2年連続で、通算7勝目。JRA・GⅠはエリザベス女王杯ブレイディヴェーグ)以来で今年7勝目、通算74勝目(ほかJ・GⅠを2勝)。JRA重賞もエリザベス女王杯以来で今年15勝目、通算237勝目。

◆生産者 ノーザンファーム 22年に続く2年連続で、通算13勝目。JRA・GⅠはジャパンCイクイノックス)以来で今年15勝目、通算200勝目(ほかJ・GⅠを3勝)。JRA重賞は前週のステイヤーズSアイアンバローズ)に続く今年48勝目、通算809勝目。

◆単勝3番人気馬の勝利 21年(サークルオブライフ)以来2年ぶりで、通算4回目。

◆馬番⑦の勝利 牝馬限定戦となった1991年以降では初。

◆関東馬の勝利 21年以来2年ぶり10回目。通算成績は関東馬10勝、関西馬23勝。

◆関東馬のワンツースリー 2着にステレンボッシュ、3着にコラソンビートが入り、牝馬限定戦になった91年以降では初。

◆優勝タイム 1分32秒6は、19年の1分32秒7を上回るレースレコード。


◆売り上げ、入場者数

阪神JFの売り上げは137億7416万2700円で前年比97・3%。入場者数は2万288人で同158・9%だった。

◆ベストターンドアウト賞

阪神JFのパドックで〝最もよくしつけられ、最も美しく手入れされた出走馬の担当者〟の努力をたたえて表彰する「ベストターンドアウト賞」に、アスコリピチェーノの鈴木謙治朗助手が選ばれた。

鈴木助手「ベストターンドアウト賞を受賞でき、とてもうれしく思います。普段より、馬の美しさを伝えられるよう手入れしてきました。これからも、馬をきれいに見せられるよう心掛けていきます」



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