【TAROの競馬研究室】安心してみていられる横山武史騎手/スプリンターズS展望
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オールカマーは期待した◎ウインキートスが、ほぼ想定していた通りの競馬で2着確保。唯一心配していたのが、隣の枠にいたセダブリランテスとの位置取り争いで、この馬に前に行かれると厄介だったのだが、そこを上手くパスして丹内騎手が良い位置を確保してくれた。
道中は前に同馬主のウインマリリン、1番人気のレイパパレがいたので、進路の確保は容易だった。セントライト記念のように逃げ先行勢に力のない馬がいると失速してくるため内が詰まりやすくなるが、今回はその心配がなかったので安心して内枠の先行馬を狙えた。隊列の考え方はいつでも大事だ。
それにしても改めて感じたのは横山武史騎手の安定感だ。
~若手ではすでに抜きんでた存在感
横山武史騎手といえば同じコースのセントライト記念では人気のタイトルホルダーに騎乗し、直線は進路がなくなっていた。人気馬での目立つ不利だったので一見すると騎乗ミスのように思えるかもしれないが、あれは勝負のアヤのようなもので、むしろ道中から直線までの運びは完璧。改めて同騎手の手腕と判断力を確認するレースとなった。
そして迎えた同コースのオールカマーでは、その判断力の的確さを見せてくれた。最内枠という幸運もあったが、それでもキッチリインの好位を確保して、いつでも動ける位置につけ、道中のスタミナロスをなくしている。2列目にいるからこそ、直線は多少詰まっても脚があるから捌いて来れる。まさに必然だった。
横山武史騎手はまだ若手という世代ではあるが、特に小回りでは本当に考えて乗っているのがわかる。結果だけ見れば人気馬を勝たせただけのレースでも、例えば7月31日(土)の2歳未勝利・コラリンの初勝利などは、騎手の手腕があってこその内容だった。先週の競馬でいえば、土曜2レースのジェットグリッター(4番人気2着)なども、難しい隊列の中で実に上手く促して2着に持って来ている。とりわけ騎手の腕が生きる中距離戦では頼りになる。札幌記念のペルシアンナイトなども、まさに騎手の腕といえる好走だった。これまで重賞6勝を挙げているが、すべて芝1800m以上というのは偶然ではない。活躍する前から光るものを見せていたジョッキーだが、若手の中では既に一歩抜きんでた存在になりつつある。
~スプリンターズステークスの注目馬
さて、今週末からはいよいよ秋のG1戦線がスタートする。開幕を飾るのはスプリンターズS。ココではいつも通り注目馬を一頭挙げておきたい。
・ファストフォース(鮫島克駿騎手)
前走の北九州記念は難しい馬場状態だったが、控える競馬で脚を伸ばして来た価値ある内容だった。もともと急坂を楽々と駆け上がるパワーが武器で、中山替わりは問題ない。相手はさらに強くなるが、今季の馬場の良い中山芝は向くだろう。JRAで勝ち上がれず地方から再び這い上がって来た反逆の新星が、G1のタイトルを射止める可能性もありそうだ。
※週末の重賞の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。
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【TAROの競馬研究室】荒れ馬場の小倉芝は騎手の特徴を確認しやすい/キーンランドカップ展望
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雨の影響を大いに受けた北九州記念は、外枠から先行したヨカヨカが力強く抜け出して勝利。デビュー当初から熊本産馬として注目されていた同馬だが、待望の重賞初制覇となった。
2着には内寄りの枠から上手く外に持ち出したファストフォース、3着には外枠から思い切って逃げたモズスーパーフレアが粘り込んだ。
8月の小倉開催は開幕週の土曜日に大雨が降り、2週目の今回、再び雨が降った。2週目の土曜段階でかなり荒れて内が悪くなっていたが、日曜になるとさらに悪化、内が悪いことが明らかになり過ぎてしまい、各馬が外に出すことが難しい馬場となった。
まさに”馬場は生き物”であった。
~面白かった福永騎手と和田騎手のコース取り
内が荒れて各馬が内外に広がる馬場になると、騎手の性格や個性を通常時以上に確認することができて面白い。象徴的だったのは日曜小倉5レースの新馬戦だ。
このレースで最内枠に入ったのが福永騎手のデヴィルズマーブル。同騎手は馬場を綿密に読むことで知られており、この日は既に内が悪いことを察して、スタートからできる限り外に持ち出す作戦。最内枠ながら4コーナーでは大外から押し上げて行くコース取りとなった。
一方、8番枠のシャイニーダイヤに騎乗した和田騎手は、基本的に常に強気にインを突いていくジョッキー。このレースでも、各馬が外に意識的に出して行く中で、ただ一頭むしろインに寄せて行き、ラチ沿いをロスなく追走。4コーナーでは各馬が避ける内を突いて押し上げてきた。
結果は福永騎手が5着、和田騎手が8着。別にどちらが正しいかを論じたいわけではなく、またそれ自体は時と場合にもよるし運にも左右されるのだが、いずれにしてもこれだけ明確に騎手によってコース取りが異なるということである。
福永騎手はメインのジャンダルムでもやはり外に持ち出す作戦、和田騎手のシゲルピンクルビーは中枠からさすがに内には行かず、かといって外にも出さず真ん中をそのまま突いて来た。結果的にメインレースでは皆が外に出したため、福永騎手のコース取りはやや外過ぎて、ココでは和田騎手に軍配が上がった。
各馬がバラける荒れた馬場は、騎手の特徴が出やすい。内を突くタイプなのか、外を回すタイプなのか、あるいは綿密に馬場を読んで臨機応変に対応するタイプなのか、あまり考えないタイプなのか。これらを知っておくだけでも、予想する上で大いに役に立つ。
ちなみに今回の北九州記念に騎乗していた騎手の中では、福永騎手意外だと、松山騎手、鮫島駿騎手、岩田望騎手などはよく馬場を見ているなと感じることが多い。
~キーンランドカップの注目馬
さて、今週末は先週に引き続きスプリント重賞・キーンランドカップが行われる。ココではいつも通り注目馬を一頭挙げておきたい。
・ミッキーブリランテ(和田騎手)
函館スプリントSはゲートでやや後手を踏み、必ずしもうまく行ったレースではなかったが、それでも直線差を詰めて3着。和田騎手はとにかくどんなときでも諦めずに追ってくれるので、フルゲートのスプリント戦では大きなアドバンテージになる。同じ舞台でも前回より開催が進んでパワーを要する馬場状態になりそうなのもプラスだろう。引き続き好勝負可能とみている。
※キーンランドカップの最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。
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