【TAROの競馬研究室】芝はイン、ダートは外、通常運転の中京開幕週/阪神大賞典展望
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先週末から春の中京開催がスタート。3週目には高松宮記念が控えている。
開幕週を飾る金鯱賞は、外からプログノーシスが豪快に差し切り勝ち。不完全燃焼だった中日新聞杯4着から見事に巻き返した。2着以下は内を通った組が有利な流れ。逃げたフェーングロッテンが2着、最内枠からラチ沿いを追走したアラタが3着。
2年前にはギベオンが圧倒的人気のデアリングタクトを振り切って逃げ切るなど、春の中京開催の芝コースは内有利が定番化している。それもそのはずで、前開催のラスト2週はBコース使用。温存されていたAコースがこの開催では復活するとあって、やはり荒れていないインを通れる組が有利になる。昨年の高松宮記念では1枠2番を生かし馬群を捌いて差して来たナランフレグが勝利。外を回らされた人気のメイケイエールやグレナディアガーズは馬券にすら絡むことができなかった。今年も枠順には大いに注目したい。そういう意味では、運に左右される開催となる。
一方ダートは、最近の傾向通り外の伸びが良かった。これは以前のコラムでも書いたが、2022年あたりから中京ダートは特に乾くと外有利、差し有利になるケースが増えている。先週は差し有利とまでは言えなかったが、先行勢でも外を通る組が有利。
例えば2022年以降の中京良馬場ダートでの最内枠と大外枠の馬の成績を比べてみても顕著な違いがある。
・2022年~先週末終了時点
中京ダート良馬場&最内枠 勝率7.6% 複勝率19.2% 複勝回収値56円
中京ダート良馬場&大外枠 勝率11.8% 複勝率28.1% 複勝回収値95円
ご覧の通り明らかに最内枠よりも大外枠の方が良いことがわかる。データはデータで万能なものではないが、大まかな傾向として覚えておきたい。
今年は早くもソメイヨシノの開花の便りが届き、3月は好天が続きそうな気配で、そこまで大きな傾向の変化はなさそうだ。中京芝とダートの傾向を覚えておけば有利な戦いができるはず。1カ月後のコラムで自慢できるくらい、私自身も頑張りたいと思う。
~今週末の注目馬~
今週末は4重賞。その中でも今年は頭数が揃いそうな阪神大賞典を取り上げたい。注目馬はこの馬。
・ジャスティンパレス(ルメール騎手)
注目はジャスティンパレス&ルメール騎手。近走は鮫島駿騎手が主戦だったが前走はマーカンド騎手、そして今回がルメール騎手の騎乗となる。率直に言って前回のマーカンド騎手はやや強引な面がありあまり手が合う印象はなかったが、今回のルメール騎手とは間違いなく手が合いそう。実際これまで2度手綱を取りいずれも勝利を挙げている。芝の長丁場にも滅法強い騎手でもあり、相性的にはピッタリだ。人気にはなるだろうが、素直に信頼していいと考えている。
※週末の重賞の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
栃木県出身、競馬予想家。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』(ガイドワークス)など著書多数。最新刊は『馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる』(オーパーツ・パブリッシング)。 |
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【香港国際競走2022】レース展望②<香港スプリント>日本馬ではG1未勝利ながらメイケイエールを最上位に
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■香港スプリント(シャティン芝1200m)
あのロードカナロアが世界最強の香港スプリンター陣の牙城、香港スプリントの厚い壁を破って日本馬として初の凱歌を上げてから10年が経ちました。そのカナロアが連覇し、一昨年にはダノンスマッシュが鬨の声を上げて10年で3勝と日本のスプリンターも世界に通用することを証明しました。今年は何と、何と日本から史上最多の4頭が名乗りを上げています。
昨年このレース2着と涙を飲んだレシステンシア(牝5・松下武士厩舎)が雪辱にかけ、気性難を克服したメイケイエール(牝4・武英智厩舎)は初のG1に虎視眈々。今年の高松宮記念であっといわせたナランフレグ(牡6・宗像義忠厩舎)がもう一発を狙えば、あの名牝馬ビリーヴの子にして前走スプリンターズSで母子2代制覇を橋とげたジャンダルム(牡7・池江泰寿厩舎)は母の成し遂げられなかったこのレース制覇に狙いを付けました。頭数は史上最多、質的にも史上最高といって差し支えありません。
しかし、競馬は相手あってのもの。世界最強の香港スプリンター陣は、というとエアロベロシティ、ミスタースタニングなど世界レベルの強豪が引退し、世代交代の端境期の真っただ中にあります。香港勢の総大将格はチェアマンズスプリントプライズ一昨季、昨季と連覇したウェリントン(セ6・R.ギブソン厩舎)なのですが、今季は使い始めのプレミアム・ボウル(G2・シャティン芝1200m)では135ポンド極量を背負いながら圧勝し、その力を見せつけましたが、トライアルのジョッキークラブ・スプリント(G2・シャティン芝1200m)は1.9倍と圧倒的な一番人気に押されながら直線伸びを欠いて6着。謎の敗退にジョッキークラブは馬体検査を行いましたが何の異常は求められませんでした。本番までの間にどれだけ復調してこられるのか? 若干の心配を感じざるを得ません。
これに昨年のこのレースで単勝22倍の大穴をあけたスカイフィールド(セ6・C.ファウンズ厩舎)はその後勝ち星を上げられず、前走トライアルもいいところなしの8着。横綱、大関が不振とは我が国の大相撲もいいところですが、層の厚い香港スプリンター陣には必ず新星が現れます
それがトライアルを快勝したラッキースワイニーズ(セ4・K.マン厩舎)。芳紀まさに4歳と新星にふさわしく、昨季デビュー以来、シャティン1200mだけ使われて10戦7勝2着2回3着1回と着外なしの好成績。今季クラス1を快勝してプレミアム・ボウルでウェリントンの1馬身差2着、トライアルを快勝して香港スプリント制覇に大手をかけました。本番でも香港現地1番人気は必至でしょうが、モレイラなき後の香港リーディングジョッキー、Z.パートンが引き続き手綱をとる以上、恥ずかしい競馬のあろうはずもなし。この馬が中心と見ています。
この2頭以下は端境期らしく帯に短し襷に長し。トライアル上位の2頭、ラッキーパッチ(セ6)とデュークワイ(セ7)は今季新規開業の新人調教師、P.ングの管理馬。P.ングは私がかねてから親しかったPはPでもピエールではなくピーター・ング元調教師の子息で、父親によれば自信満々。父が果たせ勝ったG1制覇を叶えてくれる、とのこと。2頭は決して若馬ではありませんが、調教師の新星にも大いに期待したいところです。
このレースは日本馬対ウェリントン、ラッキースワイニーズ、ラッキーパッチ、デュークワイの対立構図は極めて拮抗している、と見ています。電撃の6ハロン故、枠の内外と一瞬の判断でレース結果は大きく変動します。枠順が決まってから最終的な判断をしますが、日本馬の中ではG1未勝利ながらメイケイエールを最上位と見ます。
7日現地から入った極秘情報では、あの気性難のメイケイが豪州の盟主、J.マクドナルドを背に全く難しいところを見せず馬場入り、軽快にキャンターを見せたとのこと。骨折のために香港渡航が出来なかった池添謙一騎手にはきつい言い方になりますが、彼とマクドナルドの間には3馬身以上の技量差があります。気性難さえ出さなければ、あのソダシの近親はソダシ以上の実力を発揮できるはず。頭すら霞んで見えてきます。日本馬グランドスラムの可能性、と前回書いたのは、この馬の存在があるからです。それも内外の有利不利が大きいシャティン芝1200m、枠順抽選会の結果が待たれるばかりです。
★”日本と香港を股にかけて活躍する”海外プロ甘粕代三プロが、海外馬券販売レースの香港国際競走4レースの予想提供をいたします。当日の予想にご期待ください。
甘粕代三(あまかす・だいぞう)プロフィール
1960年、東京生まれ。高校時代から競馬にのめりこむ。
早稲田大学第一文学部卒。在学中に中国政府官費留学生。卒業後、東京新聞記者、テレビ朝日記者、同ディレクター、同台北開設支局長などを務める。
中国留学中に香港競馬を初観戦、94年ミッドナイトベットの香港カップ制覇に立ち会ったことから香港の競馬にものめりこみ、2010年、売文業に転じた後は軸足を日本から香港に。
香港の競馬新聞『新報馬簿』『新報馬経』に執筆、テレビの競馬番組にも出演。現在、香港アップルデイリー日本特約記者、北京市馬術運動協会高級顧問を務める。 |
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【伊吹雅也のピックアップ競馬データ2022年09月25日号】特選重賞データ分析編(325)~2022年スプリンターズステークス
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【伊吹雅也のピックアップ競馬データ2022年05月29日号】特選重賞データ分析編(308)~2022年安田記念
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次週の注目重賞を、伊吹雅也プロが様々なデータを駆使していち早く分析! もっとも重要と思われる<ピックアップデータ>に加え、<追い風データ/向かい風データ>や<注目馬チェック>など、貴重な情報が満載なウマニティ会員専用コラムとなっております。ぜひ皆様の予想にお役立て下さい。
■【伊吹雅也のピックアップ競馬データ】コラム内容について詳しくはこちらをご覧ください。
⇒https://umanity.jp/racedata/columndet_view.php?cid=7321
<次週の特選重賞>
G1 安田伊左衛門生誕150周年記念 農林水産省賞典 安田記念 2022年06月05日(日) 東京芝1600m
<ピックアップデータ>
【生産者別成績(2017年以降)】
○ノーザンファーム [3-4-3-16](3着内率38.5%)
×ノーザンファーム以外 [2-1-2-47](3着内率9.6%)
基本的にノーザンファーム生産馬が強いレース。なお、生産者がノーザンファーム以外だったにもかかわらず3着以内となった5頭のうち4頭は、“東京・中山、かつG1のレース”において“着順が1着、もしくは1位入線馬とのタイム差が0.0秒”となった経験のある馬でした。今年は関東圏のG1を制したことのある馬が少ないので、例年以上にこの傾向を重視すべきでしょう。
主な「○」該当馬→ソングライン・レシステンシア
主な「×」該当馬→イルーシヴパンサー・セリフォス・ナランフレグ・ロータスランド
<他にも気になる! 追い風データ/向かい風データ>
【追い風データ】
○「“東京、かつ重賞のレース”において“着順が1着、かつ上がり3ハロンタイム順位が5位以内”となった経験がある」馬は2017年以降[4-5-5-20](3着内率41.2%)
主な該当馬→イルーシヴパンサー・ソングライン
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