【TAROの競馬研究室】クラシック前に急成長するドゥラメンテ産駒/桜花賞展望
閲覧 1,774ビュー コメント 0 ナイス 1
大阪杯は武豊騎手騎乗のジャックドールが逃げ切り勝ち。最後は追い上げて来たスターズオンアースの追撃をハナ差振り切った。
ジャックドールはモーリス産駒。同産駒からはピクシーナイト、ジェラルディーナに次いで3頭目のG1ウィナーの誕生となった。モーリス産駒は、父がそうであったように、3歳秋以降、あるいは古馬になってからの成長力が武器。今回の大阪杯に出走していたジャックドール、ジェラルディーナのほか、ノースブリッジ、ラーグルフはいずれも3歳時点では重賞勝ちまであと一歩及ばず、古馬になって飛躍した。
また、力の要る馬場に強いのも特徴で、恐らく父自身がそうであったように海外の馬場への適性も高い。現状はまだ目立った成績を残せていないが、上記の馬たちや今後出てくる大物産駒が、海外で活躍する日も近いのではないか。個人的にはジャックドールも是非2000m路線の海外G1に挑んでほしいと思っている。東京芝2000mでのスピード比べでは切れ負けしても、香港や欧州の力の要る馬場なら十分好勝負になるはずだ。
一方クラシックシーズンに一気に力をつけてくるのが、今週末の桜花賞に多くの有力馬を送り出すドゥラメンテ産駒だ。
昨年はスターズオンアースが重賞でなかなか勝ち切れない中で桜花賞に出走し見事に勝利。タイトルホルダーも弥生賞で当時無敗で断然の支持を集めていたダノンザキッドを撃破。両馬のその後の成長&飛躍はもはや説明不要だろう。
今年はリバティアイランドが阪神JFを制して桜花賞へ参戦。父ドゥラメンテ自身も共同通信杯2着から皐月賞~日本ダービーを制して2冠馬となったように、産駒もこの時期の上昇度は見逃せない。
~今週末の注目馬~
というわけで、今週末の桜花賞の展望へ。もちろん前述したドゥラメンテ産駒のリバティアイランドには注目だが、恐らく断然の人気。それ以外から選ぶならば、この馬に注目したい。
・シングザットソング(岩田望来騎手)
注目はシングザットソング&岩田望来騎手。
前走のフィリーズレビューで重賞初制覇を成し遂げたこちらもドゥラメンテ産駒。デビュー戦勝利後は足踏みが続いたが、前走はこれまでの差す競馬から一転、好位からの安定した立ち回りを見せた。自在性を備えたことは本番へ向けて大きな収穫といっていい。前述通りこの時期に成長を見せるドゥラメンテ産駒で、デビュー戦ではマイルで結果を出しているように距離延長に不安がないのも強み。フィリーズレビュー組ということで桜花賞ではやや疑いの目で見られるかもしれないが、今年のシングザットソングは勝ち負けする能力アリとみている。
※週末の重賞の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
栃木県出身、競馬予想家。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』(ガイドワークス)など著書多数。最新刊は『馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる』(オーパーツ・パブリッシング)。 |
|
[もっと見る]
2022年11月18日(金) 14:00
TARO
【TAROの競馬研究室】キャリアを重ねながら一気に本格化するモーリス産駒/マイルCS展望
閲覧 2,033ビュー コメント 0 ナイス 3
エリザベス女王杯は大外枠のジェラルディーナが突き抜けて完勝。連続開催のAコースに加えて雨が降ったことで一気にタフ化&外伸び化した馬場を利して、勝ち馬以下、外を回した組が上位を独占した。
2着ライラック、同着のウインマリリン、4着アカイイト、5着ナミュールまでいずれも2ケタ馬番&外を回したことが好走に繋がった。逆に外枠から内にこだわったルビーカサブランカは実にもったいなかった。残念ながら6着に敗れたデアリングタクトはむしろ健闘といっていい内容で、次走以降に希望を持たせた。
勝ったジェラルディーナは父モーリス、そして母はジェンティルドンナ。血統背景からもデビュー時から注目を集めていたが、4歳秋を迎えてようやく本格化。前走のオールカマーで待望の重賞初制覇を果たすと、一気にG1も射止めてみせた。
考えてみればモーリス自身も早期から期待を集め2歳重賞でも1番人気に支持されるほどだったが、結局3歳シーズンは目立った活躍をできず、本格化は4歳になってから。怒涛の7連勝で春秋のマイルG1に加えて香港マイル、さらにはチャンピオンズマイルを制し、5歳秋には天皇賞(秋)→香港カップと中距離G1タイトルを獲得した。
産駒も父に近い成長曲線をたどることが多く、ピクシーナイトは3歳春から活躍したものの、NHKマイルCでは見せ場なく敗れ、G1を制したのはやはり秋になってから。ジャックドールもクラシックには間に合わなかったものの、怒涛の5連勝で金鯱賞を制し、今後のさらなる活躍が期待されている。
これから…という意味ではラーグルフも注目の存在。ホープフルS3着と2歳時から素質の一端を見せたものの、クラシックでは出番がなく、ココからが本番といったところだろう。来年の今ごろは中距離重賞、あるいはG1戦線に再度乗ってきているかもしれない。
最近は休養を挟み目標へ向けて調整するパターンが主流になっているが、使いつつ力をつけて行く「反主流のモーリス産駒」の活躍には今後も期待したい。
~マイルCS展望
では、いつも通り最後は週末の注目馬で締めたい。今週末はマイルチャンピオンシップ。注目馬はコチラ。
・ソウルラッシュ(松山弘平騎手)
注目はソウルラッシュ&松山騎手。
春の安田記念では13着と大敗を喫しているが、有利な外枠から内に入れてしまい、3コーナー、さらに直線で再三の不利を受けてのもので度外視OK。もともと急坂コース向きのパワータイプで、重賞を制している阪神芝1600mはベスト条件だろう。荒れ馬場も向いており、前走から騎乗する松山騎手もソツがなく、外国人騎手相手でも互角の戦いを挑める。人気は中穴程度に留まりそうだが、好勝負になる。
※週末の重賞の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。 |
|
[もっと見る]
【TAROの競馬研究室】メイケイエールの敗因/毎日王冠展望
閲覧 1,970ビュー コメント 0 ナイス 2
先週は秋G1開幕戦、スプリンターズSが行われた。
スプリンターズSは枠順と馬場状態がカギになる一戦。2年前はグランアレグリアがものすごく強く見えたかもしれないが、同じくらい強い競馬をしたのは内枠から踏ん張ったダノンスマッシュ。グランアレグリア、3着アウィルアウェイは展開馬場がハマっての好走でもあった。
昨年は一転して内枠先行競馬。サッと好位インを奪ったピクシーナイトが抜け出し、3着には最内枠のシヴァージ。
同じレースでもまったく対照的な内容だったのが直近2年だが、今年は昨年同様の内枠先行馬場。というわけで、最終結論は2番枠の◎ジャンダルム。当コラムでの推奨馬から変えて当たった場合は一切触れないというのを基本的なルールにしているが、今回の場合は推奨したウインマーベルも来たので例外ということにする。
なにはともあれ、勝ったジャンダルムは内枠先行馬場を生かしての快走、幸運を味方につけた面も大きかった。2着ウインマーベルは7番枠だったが、さすが松山騎手という立ち回りで持ってきた。
期待されたメイケイエールは、残念ながら14着と大敗。ただ、今回は結果的に13番枠という外枠に加えて、最もロスを被る形の先行策になってしまった。かといって控えて馬群に入れて差して来る…というのも現在の馬場ではなかなか厳しいので、隊列や枠が合わなかった=メイケイエールの日でなかった、というのが敗因といえば敗因なのかもしれない。
右回りとか、中2週とか、メンタルとか、敗因は探せば何でも出てくる(出すことができる)ものだが、競馬は必ずしもすべてに明確な理由があるわけではなく、枠や馬場が合わなければよほどの名馬でもない限り(いや、よほどの名馬でも!)、意外なほどアッサリ負けてしまうものでもある。
なので、今回のメイケイエールの大敗は、
「そういうこともある」
というくらいでいいのではないか。写真集も発売され注目を集めたタイミングだっただけに期待した多くのファンは落胆も大きかったかもしれないが、また順調に使えればその能力を発揮してくれるはずだ。個人的にはまたスプリント戦以外でも見てみたいなと思わされたレースぶりでもあった。
~毎日王冠展望
では、いつも通り最後は週末の注目馬で締めたい。今週末は(特に嬉しくもないが)3日間開催。秋の東京開幕週恒例の毎日王冠が行われる。注目したいのはこの馬。
・レイパパレ(川田将雅騎手)
昨年の大阪杯を制して以降はやや迷走気味だが、不向きな条件を使われ続けている面もある。持久力を問われる2200mはそもそも合わず、前走のヴィクトリアマイルは外枠に加えてスタート直後に落馬寸前のアクシデントがありその後先行するまでに脚を使ってしまった。もともとスピードが武器で、本年も金鯱賞~大阪杯ではキッチリ2着と好走しておりまだまだ衰える段階ではないだろう。開幕週の1800mは合うはず。久々に持ち味を発揮できる条件が揃った。
※週末の重賞の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。 |
|
[もっと見る]
【TAROの競馬研究室】モーリス産駒、父譲りの成長曲線/阪神大賞典展望
閲覧 1,939ビュー コメント 0 ナイス 1
先週末の金鯱賞はジャックドールが勝利。
スンナリ先手を取ると、直線も余力十分に抜け出しこれまで通りの完勝、5連勝で重賞初制覇を成し遂げた。2着は昨年の大阪杯覇者レイパパレ。レイパパレは昨年、破竹の連勝で大阪杯に挑みコントレイルを完封する圧勝だったが、今年は新たなスター候補が勢いのまま大阪杯に挑むことになりそうだ。
もっとも、大阪杯には圧倒的な主役として現役最強馬・エフフォーリアが控えている。今から直接対決が楽しみになって来た。
~父同様に3歳夏以降に上昇するモーリス産駒
ジャックドールは血統的にも注目。父はモーリス。モーリス自身はデビュー戦で素質の高さを見せる圧勝を飾り、2戦目の京王杯2歳Sでは1.5倍という支持を集めた馬。だがそこで敗れると、3歳春時点では1勝を上積みしたのみ、本格化たのは古馬になってからだった。
モーリス産駒を見ていると父同様に3歳夏を過ぎてから、あるいは古馬になって一気に成長するタイプが多い。
現時点での代表産駒といえるピクシーナイトも、3歳早々にシンザン記念を制したものの、NHKマイルCでは12着と惨敗。本格化したのは秋になってからで、重賞2着を続けた後スプリンターズSを制した。母ジェンティルドンナの産駒としても期待が大きいジェラルディーナも、やはり本格化は3歳夏以降。3歳前半までは6戦1勝という平凡な戦績だったが、夏の小倉で1勝クラスを脱出すると、そこから3連勝。今や重賞戦線で勝ち負けまであと一歩のところまで来ている。
シゲルピンクルビー、ルークズネストといった面々も3歳春G1では通用しなかったがまだ成長の余地がありそうだし、ノースブリッジやルペルカーリアなど、今後が楽しみな素質馬も多く控えている。基本的に初年度産駒は育成が難しくなかなか大物が出にくいのが通例だが、モーリスに関していえばノウハウが蓄積された段階でまだ成長の余地を残しているタイプが多く、今後の飛躍にも期待できそうだ。馬券的には本格化のサインを見逃さないことだろう。モーリスがそうだったように、ある時期から急激に力をつけて行く印象があり、これはその父スクリーンヒーローや、そのもう一頭の代表産駒・ゴールドアクターにも通ずる特徴でもあった。
~阪神大賞典展望
さて、今週末は3日間開催。4つの重賞が行われる盛りだくさんの週末となるが、こちらでは阪神大賞典を取り上げたい。注目はこの馬。
・ユーキャンスマイル(藤岡佑介騎手)
注目はユーキャンスマイルと藤岡佑介騎手。もうずいぶんベテランの印象もあるがまだ7歳。一昨年の覇者、昨年は2着。しかも、まったく異なる馬場状態で結果を出しているのは心強い。さすがに秋のG1では通用しなかったが、自分の能力分だけはキッチリ毎回走る馬。今年はディープボンド以外はこれといった強敵はいないので、この馬の実績を素直に評価したい。
※週末の重賞の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。
|
|
[もっと見る]