【TAROの競馬研究室】「人気を背負いながら、それ以上に馬の能力を引き出す」今の川田騎手/スプリンターズS展望
閲覧 1,479ビュー コメント 0 ナイス 4
先週は東西でG2が行われた。
オールカマーはローシャムパークが勝利。ルメール騎手らしい外からジワっと押し上げるスムーズな競馬で、最後は逃げ粘るタイトルホルダーを交わして抜け出した。これで函館記念に続く重賞2勝目。跳びが大きいので、函館芝2000mよりも中山芝2200mの方が合っていた。すぐにG1で…となるとまだ連戦への不安などもあり騎手の問題も出てくるだろうが、それでも将来性は間違いなさそうだ。
また、今年のオールカマーは負けた馬たちにも注目。
タイトルホルダーはまだ状態面で上積みがありそうだし、この日の馬場は決して内有利ではなかった。地力を証明した2着といえる。3着ゼッフィーロの操縦性の高さは相手強化への対応力を感じるもので、4着マリアエレーナも豊富なスタミナを示し、エリザベス女王杯なら、と思わせる内容だった。5着ガイアフォースはセントライト記念を勝っているとはいえ現状は2000m以下の方が良さそう。相手関係を考えればやはりマイルの方が可能性があると思うので、マイルCS路線なら注目。6着ジェラルディーナは脚を余した印象で、こちらも馬場次第ではまだ巻き返しがある。
西の神戸新聞杯はサトノグランツが久々の一戦を制したが、こちらは馬もさることながら、川田騎手がねじ伏せたという印象も強かった。川田騎手は先週の日曜だけで5勝。簡単に勝っているように見えるかもしれないが、先週阪神ダートの難しい馬場、難しい枠でも上手くリカバリーしていたし、接戦を制した神戸新聞杯、ミッキーゴージャスで制した夕月特別も一瞬の判断力が光った。
以前は力強さの負の側面として荒々しさもあったが、今は本当に臨機応変、あらゆる状況に対応してくる。今夏の新潟や小倉でも、川田騎手がスポット参戦し多くの勝ち星を拾っていくシーンを見たが、今後もこれが日常になるのかもしれない。それだけ今の川田騎手にはスキがない。
データを見ても秋開催が始まり3週が過ぎたが、3週連続で川田騎手騎乗馬の複勝回収率はプラス。端的にいえば、
「川田人気を背負いながら、それ以上に馬の能力を引き出している」
という素晴らしい状況が続いているのだ。
それでは最後に先週からの狙い馬と、今週末の注目馬を。
【次走狙い馬】 9/23(土)中山12R サーマルソアリング 1番人気1着
好位抜け出し完勝、ちょっとモノが違う勝ちっぷりで重賞級! 派手な勝ちっぷりなのであえて挙げる意味もないかもしれないが、それを踏まえても好内容。バランスも良く不発も少ないタイプと見え、ラストも伸びるのでオープンまでは問題なく突破できるはず。順調に行ってほしい。
~今週末の注目馬~
今週はスプリンターズSから。
・ピクシーナイト(戸崎圭太騎手)
注目はピクシーナイト&戸崎圭太騎手。
前走は開幕週の立ち回り戦で伏兵テイエムスパーダが逃げ切る流れ。後方からでは見せ場なく敗れたのも仕方ないが、直線モタれながらもギアが入ってからは鋭く伸びて復調気配を見せていた。一昨年制した際のような立ち回り勝負ではなく、末脚勝負でも対応できそう。馬場や枠順には左右されるだろうが、ハマればそろそろ一撃があるかもしれない。
※週末の重賞の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
栃木県出身、競馬予想家。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』(ガイドワークス)など著書多数。最新刊は『馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる』(オーパーツ・パブリッシング)。 |
|
[もっと見る]
【伊吹雅也のピックアップ競馬データ2023年05月28日号】特選重賞データ分析編(360)~2023年安田記念
閲覧 2,244ビュー コメント 0 ナイス 6
次週の注目重賞を、伊吹雅也プロが様々なデータを駆使していち早く分析! もっとも重要と思われる<ピックアップデータ>に加え、<追い風データ/向かい風データ>や<注目馬チェック>など、貴重な情報が満載なウマニティ会員専用コラムとなっております。ぜひ皆様の予想にお役立て下さい。
■【伊吹雅也のピックアップ競馬データ】コラム内容について詳しくはこちらをご覧ください。
⇒https://umanity.jp/racedata/columndet_view.php?cid=7321
<次週の特選重賞>
G1 競馬法100周年記念 農林水産省賞典 安田記念 2023年06月04日(日) 東京芝1600m
<ピックアップデータ>
【“前年以降の、JRAの、G1のレース”において“着順が5着以内、かつ4コーナー通過順が9番手以内”となった経験の有無別成績(2017年以降)】
○あり [4-6-6-30](3着内率34.8%)
×なし [2-0-0-48](3着内率4.0%)
ビッグレースを主戦場としてきた馬が中心。2017年以降の3着以内馬18頭中16頭は、前年以降のJRAG1で“着順が5着以内、かつ4コーナー通過順が9番手以内”となった実績のある馬でした。G2・G3や重賞以外のレースにおけるパフォーマンスを高く評価されている馬は強調できません。
主な「○」該当馬→ジャックドール・セリフォス・ソダシ・ナミュール
主な「×」該当馬→ガイアフォース・レッドモンレーヴ
<他にも気になる! 追い風データ/向かい風データ>
【追い風データ】
○「“東京の、重賞のレース”において“着順が1着、かつ上がり3ハロンタイム順位が5位以内”となった経験がある」馬は2017年以降[5-6-6-24](3着内率41.5%)
主な該当馬→セリフォス・ソダシ・レッドモンレーヴ
|
|
[もっと見る]
【TAROの競馬研究室】単複配当逆転現象が起こった背景とは?/根岸S展望
閲覧 1,975ビュー コメント 0 ナイス 5
AJCCは岩田康誠騎手騎乗のノースブリッジが勝利。道中は内でじっくりと脚を溜めて抜け出す、ジョッキーの得意パターンだった。
岩田康誠騎手は、継続騎乗で手の内に入れていくのが最近の勝負パターン。ノースブリッジには2歳時から騎乗しており、今回も2週連続で調教にまたがっていた。まさに「満を持して」の一戦だった。ノースブリッジ自身も最近にしては珍しく2年以上放牧に出さず在厩調整を続けている。これで重賞2勝目、成長力のあるモーリス産駒だけに、今年はG1戦線でも期待できそうだ。
敗れた中ではユーバーレーベンが久々に好走。東京でG1を制したことで東京を使われる機会が多かったが、本来は上りが掛かる中山の方が合うタイプ。これをキッカケに再浮上できれば面白い。
期待した◎ラーゴムは、4コーナーで外から上がって来た際にはやったかと思ったが、あとひと伸びを欠いてしまった。昨年ほど外が伸びる馬場にはならなかった点も痛かった。
また、1倍台の支持を集めたガイアフォースは5着どまり。すっかり白くなった馬体の美しさに画面越しとはいえ目を奪われたが、同コースで行われたセントライト記念の時のような伸びが見られなかった。そんなガイアフォースに絡めて、今回は配当の話を少ししてみたい。
今回1倍台のガイアフォースが飛んだことにより、上位3頭の複勝配当は、
ノースブリッジ 300円
エヒト 380円
ユーバーレーベン 270円
ご覧の通り、人気を考えればなかなかの高配当だった。複勝オッズは1倍台の馬が4着以下に敗れると期待値以上に跳ねる傾向にあり、今回もまさにその傾向通り。
さらに象徴的だったのは、土曜小倉の3R。このレースでは単勝1.3倍という断然の支持を集めたカンフーダンスが6着に敗れる波乱が起こり、複勝が大波乱。
勝った2番人気のメタマックスは、なんと単勝340円、複勝400円という理論上は考えれない逆転現象が起こった。2着のクリーデンスも、単勝オッズ17.5倍ながら複勝配当は1,160円、3着コスモジョセフも同様に、単勝オッズ22.8倍ながら、複勝配当1,220円。
単勝1倍台の馬が4着以下に敗れると、複勝は期待値以上に跳ねるケースが多い。心情的には逆転を期待できるほかの馬の単勝を買いたくなるが、相手筆頭1番手の単勝は逆に売れ過ぎになることが多い。
様々なファン心理を反映した結果の、単複逆転現象だった。こういう配当をピンポイントで狙うのは現実的ではないかもしれないが、単勝1倍台の馬が飛ぶと、途端に他の馬の複勝は跳ねる、ということくらいはアタマに入れておけば生かせるシーンがあるはずだ。
~今週末の注目馬~
というわけで、最後は根岸Sの注目馬で締めたい。現時点での狙いはコチラ。
・レモンポップ(戸崎圭太騎手)
レモンポップに注目。フェブラリーSに向けて好メンバーが揃ったが、その中でも安定感ならこの馬。戦績通りレースセンスが高く抜群の安定感を誇る馬。正攻法の戸崎騎手とも手が合っており、本番のマイルよりも、前哨戦でこそのタイプだ。この舞台なら武蔵野Sで敗れたギルデッドミラーを逆転することも可能とみる。
※週末の重賞の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
栃木県出身、競馬予想家。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』(ガイドワークス)など著書多数。最新刊は『馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる』(オーパーツ・パブリッシング)。 |
|
[もっと見る]
2022年10月28日(金) 14:00
TARO
【TAROの競馬研究室】内枠のメリット・デメリット/天皇賞(秋)展望&穴馬
閲覧 1,909ビュー コメント 0 ナイス 4
菊花賞は田辺騎手の2番人気アスクビクターモアが直線後続の追撃を振り切って勝利。見事ラスト1冠をもぎ取った。今年の菊花賞は春の2冠の連対馬が不在という異例のメンバー構成だったが、結果的には皐月賞5着、日本ダービー3着という実績馬が勝利。田辺騎手はこれがクラシック初制覇となった。
なお、田辺騎手はこれでJRA重賞41勝目。そのうち2000m以上が15勝、逆に1200m以下は2勝。道中でリズムよく運びラストの脚を残すのが上手いジョッキーだけに、特に長丁場では持ち味が生きる。次走は(もちろん順調なら…だが)是非、有馬記念で見たい。
一方1番人気に支持されたガイアフォースは8着と、またしても勝てず。2022年の平地G1における1番人気馬の初勝利はお預けとなった。ガイアフォースにとっては今回、最内枠がアダになった印象が強い。内枠のメリットは距離ロスなく運べるという点だが、一方でデメリットも多い。とりわけ道中スムーズに運べない、前が壁になりがち、というのは大きなデメリットだ。
今回のガイアフォースも、岩田康誠騎手=ビーアストニッシドに前を取られたのが大きかった。結果的に終始岩田康誠騎手の後ろを追走することになり、3~4コーナーでも行き場がなく仕掛けが遅れた。これが強い馬の後ろならば自然と押し上げが利くのだが…。
また、開幕週から内有利ではない阪神の馬場も、内枠のメリットを生かせなかった要因の一つ。厳しい流れになった上に、3~4コーナーでは続々と外から各馬が押し上げていき、外から押し上げることによって内の馬は加速がつきづらくなる。まさに、内枠のデメリットだらけという内容で、逆に言えば距離が敗因ではない。長距離をあきらめず、また是非来年の天皇賞(春)あたりで父仔制覇に挑んでほしい。
~天皇賞(秋)展望
では、いつも通り最後は週末の注目馬で締めたい。今週末は天皇賞(秋)が行われる。注目はこの馬。
・カラテ(菅原明騎手)
注目したい穴馬はカラテ。新潟記念からの参戦となるが前走内容はなかなか強かった。馬場の悪い内枠から押し上げて、徐々に外に持ち出すと直線は後続を突き放し最後は1馬身3/4差をつける完勝。2着17番、3着18番、4着12番と明らかに外有利の馬場を6番枠から押し切っており、10番人気での勝利とはいえ中身は濃い。
もともとマイルではギアの入りが遅く、むしろ中距離での持続力戦で能力が開花した印象。追える菅原明騎手とも手が合っており、直線の追い比べになれば怖い一頭だ。
※週末の重賞の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。 |
|
[もっと見る]