2022年11月11日(金) 14:00
TARO
【TAROの競馬研究室】日常と異なる競馬は波乱度が高い/エリザベス女王杯展望
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アルゼンチン共和国杯はブレークアップが好位から抜け出して勝利。田辺騎手らしい、道中リラックスさせる技術が詰まった一戦だった。
田辺騎手は馬のリズムを重視するタイプのジョッキーで、ゆえにスタミナを温存することが上手い。アスクビクターモアの菊花賞制覇も同騎手の技術の賜物だったと思うが、続いての長距離重賞制覇となった。昨年のステイヤーズSも制しており、今や“長丁場の田辺”はひとつの格言になりつつある。
さて、今週末は再び4重賞。エリザベス女王杯も当然注目だが、それは最後に取り上げるとしてココでは武蔵野Sの話を少ししたい。
というのも、武蔵野ステークスは波乱度の高い重賞だ。過去5年で見ても、3連単100万超が2回、20万超が1回。1番人気の馬券圏内は4年前のサンライズノヴァ(1着)ただ一頭のみとなっている。なぜよく荒れるのかということになるが、それはいわゆる「非日常の競馬」だからだろう。
非日常とは何か、もう少しわかりやすく表現すると、普段とは異なる適性を問われる競馬…といえば良いだろうか。ダート競馬で普段問われる適性とは、いわゆる先行力、立ち回り力、パワーといった、とにかく前に行って踏ん張る力だ。基本的にダートは常に前有利。いかに上手に立ち回って粘り込めるか…というのがダート競馬だ。
しかし、武蔵野ステークスはJRAにおける唯一のダート1600mを舞台に行われる。芝スタートに加えて直線も長く、通常のダート競馬における先行力よりも直線の決め手や末脚が重要になる。つまり日常問われている適性とはまったく異なる適性が重要になる。日常と違うのだから、近走の成績などアテにならず、むしろ前年の好走馬や、同コースの実績馬が幅を利かせることになる。前述した4年前の覇者サンライズノヴァは2年前にも当レースを制覇。ソリストサンダーは一昨年11番人気で2着、昨年は3番人気で1着。エアスピネルは一昨年8番人気で3着、昨年は2番人気で2着。
この理屈だと同コースのフェブラリーSも荒れなくては道理に合わないことになるが、フェブラリーSは仮にもG1。トップホースが集まる目標の一戦だけに、紛れは少なくなる。位置づけとしては中途半端になる前哨戦のG3である武蔵野ステークスは、その分紛れも多い。
今年は恐らくレモンポップが人気を集めそうだが、馬券的な妙味はこれまでの話の流れからすれば過去2年既に好走実績があるエアスピネル。サンライズノヴァも過去2度当レースを制しており、適性的には申し分ない。新興勢力ならダートに替わって底を見せていないギルデッドミラーあたりだろうか。いずれにしても、武蔵野ステークスは非日常の競馬。今年も穴馬の台頭に期待してみたい。
~エリザベス女王杯展望
では、いつも通り最後は週末の注目馬で締めたい。今週末はエリザベス女王杯。注目馬はコチラ。
・ウインマイティー(和田竜二騎手)
これまでの話の続きになるが、実はエリザベス女王杯も非日常の競馬。数少ない「牝馬のスタミナ戦」である。通常牝馬限定戦はスピードと切れ味が重要になる。ところが長距離のこのレースはむしろスタミナや持久力を問われる。とりわけ阪神開催になると、スタミナ色は強くなる。
というわけで、注目はウインマイティー。牝馬のスタミナホースを多数輩出するゴールドシップ産駒。ウインマイティー自身も前走は長距離の京都大賞典で好走。根性のある和田騎手、追い比べでしぶとさを問われれば浮上してくるはずだ。
※週末の重賞の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。 |
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『凄馬』で今週の鉄板馬情報をゲット! 2022年01月04日
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毎週、確勝級の鉄板馬をお知らせする『凄馬(スゴウマ)』情報。
さっそく、今週の凄馬を紹介いたしましょう!
<2022年1月5日(水)の凄馬!>
極凄馬
中山2R 3歳未勝利
⑧タマモタップダンス(+4.5)
超凄馬
中山12R 4歳以上1000万以下
③セントオブゴールド(+3.4)
超凄馬
中京12R 4歳以上1000万以下
⑮レモンポップ(+2.3)
<『凄馬』の見方>
超凄馬・・・勝率36%、複勝率68%を誇る軸馬候補!
極凄馬・・・凄馬の極み、断然の軸馬!勝率46%、複勝率77%
馬名の右にある数字・・・数字が大きいほど勝率が高い
(集計期間:2008年6月1日~2022年1月5日、集計数:43,261レース分)
<日曜日の『凄馬』を受信しよう!>
日曜日の凄馬情報は、ウマニティ会員登録(無料) することで受信できます。
凄馬メールは、その日に出走する馬の中から確勝級の馬を携帯メールでお知らせしてくれる無料サービスです。
<凄馬メール受信設定の仕方>
①こちら から、ウマニティ会員登録を行ってください。
仮登録メール受信→確認リンク押下→登録完了メール受信、の手順で会員登録は完了です。
②ウマニティにログインし、各種メール設定 より、凄馬メール受信をオンに設定する。
日曜日の『凄馬』は、土曜日の午後6時以降にお届けになりますのでお楽しみに! |
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【伊吹雅也のPOG分析室 (2020) 】~第10回各ワールド上位者の考察~
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早いもので、今年も残すところ1か月弱。開幕から半年が経過した「ウマニティPOG 2020」は、これからの中盤のクライマックスを迎えます。12月13日には阪神ジュベナイルフィリーズ(2歳G1・阪神芝1600m外)が、12月20日には朝日杯フューチュリティステークス(2歳G1・阪神芝1600m外)が、12月26日にはホープフルステークス(2歳G1・中山芝2000m内)が施行される予定。G1ウイナーの称号や、JRA賞最優秀2歳牡馬・JRA賞最優秀2歳牝馬のタイトルを目指し、現2歳世代の有力馬が一堂に会する見込みです。
主要なG1前哨戦が終了したこともあり、各ワールドのランキングもだいぶ勢力図が固まってきました。既にはっきり明暗が分かれつつあるとはいえ、スペシャル以外の各ワールドは最後の仮想オーナー募集枠解放(来週12月7日)を控えていますし、「仮想オーナー馬数 拡大アイテム」「未出走馬返却券」といったアイテムの存在も考慮すると、まだほとんどのプレイヤーに上位進出の目が残っていると言っても過言ではありません。
今回は11月29日終了時点における各ワールドの上位プレイヤーと、その指名馬をひと通りチェックしていきたいと思います。今後の追加入札、もしくは来シーズン以降を見据えた戦略検討のヒントとしてご活用ください。
なお“JRA、かつ2歳のレース”における競走馬ごとの本賞金額(11月29日終了時点)トップ20は下記の通りでした。
●ソダシ(ブチコの2018) 6700万円
●メイケイエール(シロインジャーの2018) 6700万円
●モントライゼ(ムーングロウの2018) 5790万円
●レッドベルオーブ(レッドファンタジアの2018) 4590万円
●ワンダフルタウン(シーオブラブの2018) 4520万円
●ステラヴェローチェ(オーマイベイビーの2018) 4000万円
●ダノンザキッド(エピックラヴの2018) 4000万円
●ヨカヨカ(ハニーダンサーの2018) 3990万円
●ホウオウアマゾン(ヒカルアマランサスの2018) 3890万円
●リンゴアメ(マイネデセールの2018) 3800万円
●ショックアクション(Reset In Blueの2018) 3790万円
●ルクシオン(ヘヴンリーヴォイスの2018) 3010万円
●カイザーノヴァ(ステラリードの2018) 2990万円
●ラヴケリー(ダームドゥラックの2018) 2850万円
●シュヴァリエローズ(ヴィアンローズの2018) 2710万円
●ラーゴム(シュガーショックの2018) 2680万円
●アスコルターレ(アスコルティの2018) 2460万円
●オーソクレース(マリアライトの2018) 2400万円
●ランドオブリバティ(ドバウィハイツの2018) 2300万円
●レモンポップ(Unreachableの2018) 2300万円
●ポールネイロン(イングランドローズの2018) 2300万円
●ラストリージョ(コスモマクスウェルの2018) 2300万円
●ウインアグライア(ウインアルテミスの2018) 2300万円
●ブルーバード(エーシンベタラネリの2018) 2300万円
●オールアットワンス(シュプリームギフトの2018) 2300万円
オープンクラスのレースを複数回勝っているのは、9月5日の札幌2歳ステークス(2歳G3・札幌芝1800m)、10月31日のアルテミスステークス(2歳G3・東京芝1600m)を制したソダシ、9月6日の小倉2歳ステークス(2歳G3・小倉芝1200m)、11月7日のファンタジーステークス(2歳G3・阪神芝1400m内)を制したメイケイエール、8月15日のフェニックス賞(2歳オープン・小倉芝1200m)、8月29日のひまわり賞(2歳オープン・小倉芝1200m)を制したヨカヨカの3頭だけ。層の厚さを問われる展開と言えるでしょう。
1頭1オーナー制のスペシャルワールドでトップに立っているのはたけぼう54さん。本賞金額トップ20にランクインしている指名馬こそヨカヨカだけですが、落札した20頭のうち15頭が獲得後のレースで勝ち上がりを果たしています。現時点で2位のddb1c93afaさんに5千万円以上、3位のムーンシュタイナーさんに1億円以上の差をつけており、今後もしばらくは主役の座に君臨しそうです。
改めてたけぼう54さんの指名馬をチェックしてみると、トーホウジャッカル産駒とハーツクライ産駒が2頭ずつ、モーリス産駒が4頭いる一方で、その他の12頭はすべて異なる父の産駒。そして、ディープインパクト直仔が一頭もいません。血統などからイメージできる各馬のレース適性や、2頭の外国産馬を含む生産者のラインナップを見ても、非常にバランス良くピックアップされているような印象を受けました。大半の馬をデビュー前の入札で獲得していますから、一般的なルールのPOGにおいても良いお手本となりそう。ぜひ一度チェックしてみてください。
複数のプレイヤーが同一馬を指名できるスペシャル以外のワールドは、どこもかなりの混戦模様となっています。3つのG1競走が終わった後には、勢力図がガラッと変わっているかもしれません。
G1ワールドは、2億4464万円を獲得したウーピンさんが、2億4338万円の蒼井光太郎さんをわずかに抑えてトップ。ウーピンさんはレッドベルオーブやワンダフルタウンを、蒼井光太郎さんはソダシやメイケイエールを指名しているプレイヤーです。なお、ウーピンさんがすべての指名馬をデビュー前の入札で獲得しているのに対し、蒼井光太郎さんはファンタジーステークス直前の入札でメイケイエールを獲得していたりと、このお二方は戦略が対照的。3位以下のプレイヤーも含め、どちらのスタイルが優勢になるのかも見どころのひとつといえるでしょう。
G2ワールドはステラヴェローチェやワンダフルタウンを指名しているてっちゃん75さんが2億4121万円を獲得し、2億3348万円のゴロウニャンさんらを上回ったところ。今後も毎週のように首位が入れ替わるのではないかと思います。もっとも、てっちゃん75さんのラインナップには、ノーザンファーム生産馬やトップトレーナーの管理馬など、これから出世してきそうな馬もたくさんいました。年明け以降は別の馬たちが獲得ポイントを底上げしてくるかもしれません。
G3ワールドでトップを走っているのは、モントライゼらを指名している雅夢。さん。このモントライゼを第1回の入札で獲得するなど、ラインナップの大半はデビュー前の入札で指名した馬です。なお、獲得した20頭はすべてデビュー済み。年末や年明けまで初陣がずれ込むと、さすがにその後のレース選択が難しくなってしまいます。私もそうなのですが、この時期になっても未出走の指名馬がたくさんいるというプレイヤーは、いま一度戦略を見直すべきでしょう。
オープンワールドは、モントライゼやワンダフルタウンらを指名しているうぐいす坊やさんが首位に君臨中。プロフィールのコメントに「基本的には同じ誕生日の馬から選択してます♪」とあり、実際に4月4日生まれの馬を7頭指名していて、その中からモントライゼやアスコルターレといったオープン馬が出ました。もちろん、これだけが勝因というわけではなく、他の日に産まれた馬を含めノーザンファーム生産馬やトップトレーナーの管理馬といったところから的確に素質馬をピックアップされているのですが、遊び心も交えたチョイスでこれだけの結果を残しているのはお見事。私もこれくらいカッコ良い指名ができるよう、まだまだ精進しなければなりません。
■執筆者プロフィール
伊吹 雅也(いぶき・まさや)
埼玉県桶川市在住のフリーライター、競馬評論家。JRAホームページ内『今週の注目レース』で「データ分析」のコーナーを、TCKホームページ内『データ&コラム』で「分析レポート」を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラムなどさまざまなメディアを舞台に活動している。近著に『コース別 本当に儲かる血統大全 2019-2020』(ガイドワークス)、『ウルトラ回収率 2019-2020』(ガイドワークス)、『WIN5攻略全書 回収率150%超! "ミスターWIN5"のマインドセット』(ガイドワークス)、『コース別 本当に儲かる騎手大全2018秋~2019』(ガイドワークス)など。POG関連メディアの制作にもさまざまな形で携わっており、「ウマニティPOG 2014」では最高位クラスのスペシャルワールドにおいて優勝を果たした。 |
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