【伊吹雅也のPOG分析室 (2020) 】~第7回U指数で見る注目の既出走馬~
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8月9日をもって2回新潟と1回札幌が終了し、8月15日からは3回新潟・2回小倉・2回札幌がスタート。2020年の夏季競馬もいよいよ終盤戦です。
今夏は京都競馬場の整備工事や(開催予定だった)東京2020オリンピック・パラリンピックの影響もあって、開催日程が変則的。2歳のレースもいくつかの面で影響を受けています。現時点で施行されたオープンクラスのレースは、7月18日の函館2歳ステークス(2歳G3・函館芝1200m)のみ。ご存知の通り、リンゴアメ(マイネデセールの2018)が単勝オッズ47.3倍(10番人気)の低評価を覆して優勝しました。
今後は8月30日の新潟2歳ステークス(2歳G3・新潟芝1600m外)、9月5日の札幌2歳ステークス(2歳G3・札幌芝1800m)、9月6日の小倉2歳ステークス(2歳G3・小倉芝1200m)や、その前哨戦と位置付けられているオープン特別が立て続けに施行される予定。各ワールドのランキングにも大きめの動きが出てくるんじゃないでしょうか。
現在もスペシャル以外の各ワールドでは仮想オーナー募集枠の解放が順次行われており、既出走馬を含むすべての2歳馬が指名可能。まだまだすべてのプレイヤーに優勝のチャンスが残されています。
そこで今回は、ウマニティ独自のスピード指数「U指数(結果U指数)」をベースに、既出走馬のパフォーマンスをランキング化してみました。追加指名の参考にしていただければと思いますし、既に仮想オーナー枠が埋まっているという方も、予想のヒントとしてご活用いただければ幸いです。
まずは単純なU指数トップ10をご覧ください(8月2日終了時点。以下同)。
●07月12日 阪神01R 芝1200m内 2歳未勝利 モントライゼ 94.5
●07月19日 阪神02R 芝1400m内 2歳未勝利 マイネルジェロディ 89.3
●07月18日 阪神01R ダ1200m 2歳未勝利 ヨッシーフェイス 88.7
●07月18日 函館11R 芝1200m 函館2歳S リンゴアメ 88.5
●07月18日 函館11R 芝1200m 函館2歳S ルーチェドーロ 88.5
●08月01日 新潟02R 芝1600m外 2歳未勝利 キャロライナリーパ 87.5
●08月01日 新潟02R 芝1600m外 2歳未勝利 フォティノース 87.5
●07月18日 函館11R 芝1200m 函館2歳S フォドラ 87.4
●07月18日 函館11R 芝1200m 函館2歳S ラヴケリー 87.4
●07月12日 福島03R ダ1150m 2歳未勝利 ニシノミズカゼ 87.2
基本的にU指数は上位のクラスほど高い数字が出やすいもの。しかし、現時点におけるトップ3は、いずれも函館2歳ステークスの出走馬ではありません。
頭ひとつ抜けた数字をマークしていたのが、7月12日の阪神01R(2歳未勝利・芝1200m内)を勝ったモントライゼ(ムーングロウの2018)。デビュー戦こそ2着に敗れたものの、約1か月後の2戦目で驚異的なパフォーマンスを披露しました。現在は放牧に出ていますが、復帰を楽しみに待ちましょう。
2位のマイネルジェロディ(マイネエレーナの2018)は、デビュー3戦目となった7月19日の阪神02R(2歳未勝利・芝1400m内)を完勝。半兄に2019年シンザン記念2着のマイネルフラップがいます。勝ち上がりに時間がかかったとはいえ、マイネルフラップもレースを使いながら良化したわけですし、今後が非常に楽しみです。
3位のヨッシーフェイス(ホワイトカーニバルの2018)は、デビュー2戦目となった7月18日の阪神01R(2歳未勝利・ダ1200m)を勝利。半姉サンビスタは2015年チャンピオンズカップなどを制しました。父がサウスヴィグラスということもあり、芝のレースを使ってくる可能性は低いかもしれませんが、地方のダートグレード競走を席捲できる器かもしれません。
U指数は新馬のレースだと高い数値が出づらいため、新馬に限定したランキングもご紹介しましょう。
●06月20日 函館05R 芝1200m 2歳新馬 モンファボリ 86.2
●07月04日 阪神05R 芝1400m内 2歳新馬 ジャカランダレーン 82.8
●06月27日 函館06R ダ1000m 2歳新馬 ルーチェドーロ 82.8
●06月21日 函館05R 芝1200m 2歳新馬 ブルースピリット 82.2
●06月27日 函館05R 芝1200m 2歳新馬 フォドラ 82.1
●07月04日 福島06R ダ1150m 2歳新馬 ミスズグランドオー 81.8
●06月28日 阪神05R 芝1800m外 2歳新馬 ダノンザキッド 81.2
●06月07日 阪神05R 芝1400m内 2歳新馬 アスコルターレ 80.6
●07月18日 福島06R ダ1150m 2歳新馬 キモンブラウン 80.4
●06月13日 東京05R 芝1400m 2歳新馬 ノックオンウッド 80.4
●06月13日 東京05R 芝1400m 2歳新馬 レオテソーロ 80.4
トップのモンファボリ(フォエヴァーダーリングの2018)は、先日の函館2歳ステークスで13着に敗退。もっとも、このレースは枠順や展開に恵まれなかった印象ですし、どこかで巻き返してくる可能性は低くないと思います。
2位のジャカランダレーン(ウリウリの2018)は7月4日の阪神05R(2歳新馬・芝1400m内)を快勝。当時の2着馬も既に勝ち上がりを果たしました。8月8日のダリア賞(2歳オープン・芝1400m内)は3着どまりだったものの、成長力のある血統なので将来が楽しみです。
3位のルーチェドーロ(アラフネの2018)は函館2歳ステークスで2着に好走。芝替わりをまったく問題にしなかった点は高く評価すべきでしょう。
4位のブルースピリット(Jasmine Blueの2018)は、出走予定と見られていた函館2歳ステークスを回避。注目度が下がっている分、入札においては狙い目かもしれません。
なお、未勝利に限定したランキングは下記の通りとなっております。
●07月12日 阪神01R 芝1200m内 2歳未勝利 モントライゼ 94.5
●07月19日 阪神02R 芝1400m内 2歳未勝利 マイネルジェロディ 89.3
●07月18日 阪神01R ダ1200m 2歳未勝利 ヨッシーフェイス 88.7
●08月01日 新潟02R 芝1600m外 2歳未勝利 キャロライナリーパ 87.5
●08月01日 新潟02R 芝1600m外 2歳未勝利 フォティノース 87.5
●07月12日 福島03R ダ1150m 2歳未勝利 ニシノミズカゼ 87.2
●07月12日 函館01R ダ1000m 2歳未勝利 スイートアリエス 85.1
●07月19日 福島01R 芝1200m 2歳未勝利 セイウンダイモス 84.9
●08月01日 新潟01R ダ1200m 2歳未勝利 クールシャワー 84.5
●08月01日 新潟01R ダ1200m 2歳未勝利 バクシン 84.5
4位タイのキャロライナリーパ(スネガエクスプレスの2018)、フォティノース(スキアの2018)は、8月1日の新潟02R(2歳未勝利・芝1600m外)でハナ差の優勝争いを繰り広げた2頭。勝ったフォティノースの半兄ヴァンドギャルドは2020年マイラーズカップ3着などの実績がある馬ですし、敗れたキャロライナリーパにはまた未勝利でポイントを獲得するチャンスが残ったわけですから、それぞれ入札を検討する価値がありそうです。
■執筆者プロフィール
伊吹 雅也(いぶき・まさや)
埼玉県桶川市在住のフリーライター、競馬評論家。JRAホームページ内『今週の注目レース』で「データ分析」のコーナーを、TCKホームページ内『データ&コラム』で「分析レポート」を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラムなどさまざまなメディアを舞台に活動している。近著に『コース別 本当に儲かる血統大全 2019-2020』(ガイドワークス)、『ウルトラ回収率 2019-2020』(ガイドワークス)、『WIN5攻略全書 回収率150%超! "ミスターWIN5"のマインドセット』(ガイドワークス)、『コース別 本当に儲かる騎手大全2018秋~2019』(ガイドワークス)など。POG関連メディアの制作にもさまざまな形で携わっており、「ウマニティPOG 2014」では最高位クラスのスペシャルワールドにおいて優勝を果たした。 |
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安田記念・2020
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ダービーは、馬券的にはメインである3連単がダメで稼げませんでしたが、見ごたえのあるいいレースだったと思います。断然人気とはいえ、勝ったコントレイルへの「相当な不利など無ければ、この相手にまず負けない、サリオスは善戦するも逆転はない」というところまでは良かった当コラム内容。が、しかし3着ヴェルトライゼンデが10番人気(執筆時点5番人気想定)なら、買っておけば良かったなあという結果に。ヴェルトライゼンデは、皐月賞コラムの際に「スミヨン騎手が、『道悪は良くない』とコメントしていた」ということに触れましたが、今回その通り、良馬場で巻き返してきました。やはり、スミヨン騎手レベルになると言っていることはきっと正しいのでしょうね。皐月賞の走りががっかりで、巻き返しよりは人気で消して妙味かと思ったのですが……。3番人気8着のワーケアや、4番人気11着のサトノフラッグの評価を下げられていただけに、惜しい結果となってしまいました。まあこればかりは仕方がないですかね、コロナで辛い日々が続きますが、5月はWIN5の分も含めて月間過去最高くらいに稼げたので、切り替えて安田記念で頑張ります(WIN5は、3週連続「4」止まりで、もうちょとやれたのではと正直思っていますが)。
今年の安田記念はフルゲート割れの14頭立てとなったが、なかなかの好メンバー。
ただアーモンドアイとインディチャンプは強く、馬券的には3着で穴を狙う程度か。
<全頭診断>
1番人気想定 アーモンドアイ:ヴィクトリアマイルが楽勝だったので、間隔は詰まるがここを使ってきた。中2週でも前走のダメージは、ほとんど無いだろうから、さっさと稼いで休ませるのが確かに正解かも。秋も、天皇賞とJCの東京限定の2戦というのが作戦的に一番良いのでは。安田記念は、ヴィクトリアマイルよりは重い斤量56kgを背負って、厳しいペースでの粘り合いとなる一戦。昨年のコラムでも書いたように、本質的にはアーモンドアイにとって適性はいまひとつなレースだが、マイル戦にも慣れが見込め、今年のメンバーならそう苦労しないで勝ってしまうのではとみる。昨年も1800mなら楽勝、というか1620mでも差し切っていた感じで(笑)、G1での勝ち星をもう一つ積むチャンス。
2番人気想定 インディチャンプ:昨年の東京新聞杯勝ち、安田記念勝ち、マイルCS勝ち、今年は読売マイラーズCで圧勝と、現役マイラーの最強クラスにはいる馬。前走マイラーズCは2馬身差の楽勝で、唯一アーモンドアイを逆転する可能性があるとすればこの馬か(とはいえ、逆転は厳しそうだが)。崩れるのは考えにくい、充実期間に入っている。
3番人気想定 ダノンキングリー:昨年は皐月賞3着、ダービー2着と活躍し、秋も毎日王冠勝ち、今年も中山記念勝ち、大阪杯3着と1600~2000mあたりでは大崩れなく走っている。前走大阪杯は逃げて3着だったが、それなりにはやれそう。いつも力通りには走るタイプで、大物喰いの激走はあまりないタイプでは。
4番人気想定 グランアレグリア:昨年の桜花賞馬で、前走の高松宮記念で2着したが、東京マイルは昨年のNHKマイルCで1番人気5着止まりだったように、あまり適性は感じない。ただ、もまれず気分よく走りさえすれば激走はあるタイプで(頭もあるが大凡走もあるタイプ)、枠や展開次第の側面も大きそう。もまれ弱いだけに、今回フルゲートとならないのは良いのでは。
5番人気想定 ダノンプレミアム:昨秋のマイルCSではインディチャンプに1馬身半負けた。ちょっと長いであろう豪クイーンエリザベスS3着と地味な結果だったが、日本の高速マイルは向いている印象。巻き返しはあり得る存在で、ここは妙味もありそう。
6番人気想定 アドマイヤマーズ:私と相性の悪い馬で、グランアレグリアに寄せてのラフプレー気味の朝日杯FS勝ちにしろ、人気のグランアレグリアがヨレて降着となったNHKマイルC勝ちにしろ、昨秋の同舞台富士Sで1番人気9着だったように、全く強いと思ったことのない馬。だが、今年は香港でG1を勝ってきた。日本でイマイチながら香港で強かったエイシンプレストンのように、時計の遅い決着が向くのかもしれない。「並ぶと耳を絞ってもうひと頑張りする」とM.デムーロ騎手が言っており、勝ち馬に並ぶと頑張るのかもしれないが、今の時計の速い東京で買おうとは今回も思わないし、アーモンドアイにラフプレー気味に寄せていくのは、日本国中誰も見たくないのではないだろうか。
7番人気想定 ノームコア:昨年のヴィクトリアマイルを勝ち、昨秋の富士Sも勝ち、今年のヴィクトリアマイルも3着と、東京マイルは最適舞台。アーモンドアイは強いにしても、好走が期待できる。
8番人気想定 ダノンスマッシュ:NHKマイルC以来の1400m以上戦だった前走の京王杯SCを逃げて勝ってきた。ただ、更に200m延びて、逃げの上手くない三浦騎手(内枠の逃げはそれなりの数値を出ているようだが、馬の力より下の騎乗ばかりと私自身は思っている)だけに、ちょっと厳しいのでは。ここまでそれなりにチャンスのある馬にも乗ってのG1での全敗は、偶然でなく必然という状況だけに、何でこの騎手指名?という印象
9番人気想定 ミスターメロディ:昨年の高松宮記念はかなり巧く乗ってのラッキーパンチ的な勝利ではあったものの、芝ダート兼用の馬で、以降いろいろと稼ぎどころはあるかと思ったが……。芝でもダートでもさっぱり。東京マイル向きではなく、激走は期待薄。
10番人気以下想定
ペルシアンナイト:昨秋のマイルCSはマーフィー騎手の力で3着にねじこんできたが、以前より力が落ちており、ここでの激走は厳しいか。
ヴァンドギャルド:前走のマイラーズCはゲートは悪かったが3着まで差してはきた。ただ爆発力のあるタイプではなさそうで、ここで上位は難しいとみる。
クルーガー:前走のダービー卿CTは、8歳ながら4番人気の支持を集め、2馬身差をつけて1着と激走を果たした。芝ダート兼用馬で、ここにきての充実で穴馬にはいいのでは。
ケイアイノーテック:前走京王杯SCはやれるのではと期待したが、8番人気6着とイマイチ。大外をまわして差し届く馬場にはならなそうで、期待できない。
セイウンコウセイ:加齢でズブくなってきても、芝マイル以上実績ゼロでの激走は期待できない。
<まとめ>
最有力:アーモンドアイ
有力:インディチャンプ
ヒモに:ダノンキングリー、ダノンプレミアム、ノームコア |
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【伊吹雅也のピックアップ競馬データ2020年05月31日号】特選重賞データ分析編(204)~2020年安田記念~
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次週の注目重賞を、伊吹雅也プロが様々なデータを駆使していち早く分析! もっとも重要と思われる<ピックアップデータ>に加え、<追い風データ/向かい風データ>や<注目馬チェック>など、貴重な情報が満載なウマニティ会員専用コラムとなっております。ぜひ皆様の予想にお役立て下さい。
■【伊吹雅也のピックアップ競馬データ】コラム内容について詳しくはこちらをご覧ください。
⇒http://umanity.jp/racedata/columndet_view.php?cid=7321
<次週の特選重賞>
G1 農林水産省賞典 安田記念 2020年06月07日(日) 東京芝1600m
<ピックアップデータ>
【血統別成績(2016年以降)】
×父がサンデーサイレンス系種牡馬 [2-0-2-29](3着内率12.1%)
○父がサンデーサイレンス系以外の種牡馬 [2-4-2-21](3着内率27.6%)
サンデーサイレンス系種牡馬の産駒は基本的に過信禁物。なお、父がサンデーサイレンス系種牡馬、かつ“前年以降、かつ東京、かつ重賞のレース”において1着となった経験のない馬は2016年以降[0-0-1-23](3着内率4.2%)でした。該当馬は思い切って評価を下げるべきでしょう。
主な「○」該当馬→アーモンドアイ・ダノンスマッシュ・ノームコア
主な「×」該当馬→ヴァンドギャルド・グランアレグリア・ダノンプレミアム
<他にも気になる! 追い風データ/向かい風データ>
【追い風データ】
○「前走の着順が1着、もしくは前走の1位入線馬とのタイム差が0.4秒以内」だった馬は2016年以降[4-4-4-35](3着内率25.5%)
主な該当馬→アーモンドアイ・グランアレグリア・ダノンスマッシュ
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【TAROの競馬研究室】短距離レースにおける決め打ちの重要性
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先週は東京で根岸S、京都でシルクロードSが行われた。
根岸Sはコパノキッキングの連覇が有力視されたが、直線早め先頭もラストで脚が上がってしまい、最後はモズアスコットの強襲に屈した。そのモズアスコットは6歳にして初のダート挑戦だったが、出遅れながらすぐに中団にとりつき、直線も力強い伸びを見せて差し切り。フェブラリーSに向けて、遅咲きの新星が誕生した。なお、2着のコパノキッキングはこの後フェブラリーSはスキップする模様。改めて1200m路線を歩むようだ。
一方、波乱の結末となったのが西のシルクロードS。人気を集めたのは内枠のレッドアンシェル、モズスーパーフレアといった組だったが、6番人気馬までが単勝オッズひと桁台に収まる大混戦模様で戦前から波乱の香りが漂っていた。そんなレースを制したのは、道中は後方待機となった3番人気のアウィルアウェイ。
アウィルアウェイはスタートで今回も後手を踏み後方からの追走となったが、連続開催で荒れて来た馬場も味方につけ、直線では鋭く伸びた。その後をなぞるように伸びて来た四位騎手のエイティーンガール、さらに大外を回した丸田騎手のナランフレグとともに、1200m重賞としては珍しい追い込み馬のワンツースリー決着だった。上位勢はこの後高松宮記念を目指すことになるだろうが、今回のレースのバイアスは頭に入れておきたい。
~Bコース替わりでも逃げ先行馬には厳しかった京都芝
さて、先週の当コラムではシルクロードSの注目馬をカラクレナイとしたが、その後枠順を確認し、また週末の馬場を確認した段階で大きく予想を変更した。というのも、土曜日からBコース替わりとなった京都芝だが、相変わらず…というよりもAコース使用時以上に外の伸びがよく、カラクレナイの2番枠、また近走先行力が出て来ている点はかなり不利に思えたためだ。
というわけで同馬は最終的に7番手まで印を落とし、本命には◎アウィルアウェイを抜擢、対抗に○エイティーンガールを据えた。有料配信・競馬ノートでお送りしている予想の中では今年初の勝負度【B】という自信ありの勝負となった。
レースは4コーナー付近の段階でまだモズスーパーフレアの余力があり、一方購入している馬たちは軒並み後方だったために、
「終わった…」
というのが偽らざる心境だったが、直線の入り口で上手く馬群を捌いて◎アウィルアウェイが外に出したのを見て、
「もしからしたら…」
という淡い期待に変わり、その後ラスト1Fあたりで加速がついたところで、一気に歓喜のゴールが見えてきた……と、こんな自慢話は面白くないと思うので本題に入るが、このようにとりわけ芝でもダートでも短距離重賞は極端な傾向が出る場合はまとめて来ることが多い。そしてそのようなケースではある程度決め打ちが重要になる。差しが届くなら差し追い込み、逃げが決まりそうなら逃げ先行といったように、馬場や枠順によって狙う馬が変わるのは当然として、狙う軸馬が変わればヒモもそれに応じて変わってくる。カラクレナイを本命候補→7番手という極端な評価変更を敢行した理由の大半も馬場と枠順によるもので、改めて短距離戦における決め打ちの重要性を感じさせられるレースだった。ちなみになぜ短距離戦は特にそうなりやすいのかということは長くなるので別の機会にしたいが、端的に言えば枠に準じたコース取りになりやすく、スタート後のコース取り補正がしづらい、またはコース取り補正をするとそのロスが大きくなり、いずれにしてもロスが致命的になる。出たなりで追走できるか、出た後に進路を変える、あるいは控えて外に出すか、といったこの差は極めて大きい。
だから、仮に内枠先行決着になるような馬場だったらモズスーパーフレアが逃げ切りカラクレナイは2~3着…というような結末だった可能性もある。いずれにしても特に短距離戦においては守りに入り当てに行くよりも、どういうレースになるかというストーリーを頭の中で思い描いて、それに準じて思い切って印を打つのが大きな的中を生み出すコツになる。今回勝負度を今年一番高くしたのは、当たるかどうかというよりは脳内でストーリーを描くことができ、馬場とメンバー構成の中でそれが再現される可能性が高いと考えたからである。
なお、このようなことを日々自らの配信で書いていたら、最近は私自身よりも読者の方が馬券が上手くなってしまっているのが現実である。つまり、心がけ次第で予想力も買い方もすぐ上げて行けるので、私の有料媒体を無理に読む必要はない(一応末尾にリンクがある)が、当コラムにて是非今回のような考え方は参考にして身に着けて頂きたい。
↓優秀な読者の馬券例

それと余談ではあるが、シルクロードSに関しては騎手の力も大きかった。川田騎手が上手いのは今さら言うまでもなく、四位騎手が差し追い込みで技量を発揮するのは広く知られたところだが、何よりナランフレグの丸田騎手は”らしさ”を存分に発揮した騎乗だった。
丸田騎手のらしさといえば、スタートからレースの流れよりもリズムを重視し、馬の気分に任せて追走し末脚を引き出す技術の高さだろう。ナランフレグの前走や、最近の勝利でいえば昨年11月の福島ダート1150mのシルバーストーン、昨年3月中京のエミーリオなどで見せてくれた丸田スペシャルともいえる騎乗だ。こちらも今後まだまだ穴を量産してくれるはずなので、馬券検討の際には騎手の特徴として頭に叩き込んでおきたい。
~前走不利な馬場でも伸びたヴァンドギャルドは有力
さて、今週末は東西できさらぎ賞と東京新聞杯が行われる。
馬券的に面白そうなのは東京新聞杯。昨年はココを制したインディチャンプがその後春秋マイルG1制覇を達成したが、今年も各路線からメンバーの層は厚くないながらも素質馬が揃った。
もしココを制するようなら今後一気に注目が集まるという意味では、3連勝中のディープインパクト産駒・ヴァンドギャルドだろう。前走のウェルカムSは昨年のジャパンカップ前の10レースだったが、ご記憶の方も多いと思うがジャパンカップ当日は道悪だったが、馬場の伸びどころはインが断然有利。ジャパンカップではスワーヴリチャードが内を伸びて勝ったように、その他のレースでも軒並みインが優勢だった。
そのような状況下でただ一頭外から伸びて差し切ったのがヴァンドギャルド。もともと重賞でも人気を集めていた素質馬だけに、改めての重賞挑戦でもクラスの壁はないだろう。
ただ、馬券的な妙味を考えると面白い馬は他にいる。特に注目しているのはクリノガウディー。近走はイマイチ結果を出せていないが、もともと重賞戦線でも好勝負を繰り広げていた実力馬でマイルCSでも7着健闘を見せた。その前の京成杯AH~富士Sはいずれも不利を受けており、スムーズなら今回は十分勝負になりそうだ。テン乗りとなる横山典騎手の手綱にも注目したい。
あとは大穴となるが、スウィングビートにも少しだけ注目。タピット産駒の芝初挑戦など常識的に考えれば買いたくはないが、走り自体は素軽く、芝でも…と思わせる。近走は1800mでやや掛かり気味なだけにマイルへの短縮はプラスだろうし、今年は相手関係を見渡してもメンバーレベルはそこまで高くないので、どのみち人気もないだろうし一枚押さえておいても面白いかもしれない。
※重賞の結論は、『TAROの競馬』にて無料公開予定。また、馬券の買い方や券種の選び方なども含めた結論は、競馬ノートにて限定配信の予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。 |
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【U指数で斬る今週のひと鞍】土曜阪神12R 別格の雰囲気漂う3歳馬のアタマ固定で勝負!
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皆さん、こんにちは。ウマニティU指数攻略チームです。『予想力・回収率UP大作戦!』との連動企画コラム『U指数で斬る今週のひと鞍』をお送りします。U指数が持つ圧倒的なポテンシャルにご期待ください。
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当コラムは『凄馬』のように推奨馬を個々に挙げるのではなく、期待値の高い連勝馬券の組み合わせを推奨するもの。過去データから導き出された回収率の高いパターンに合致するU指数配列のレースに注目し、当週土日に行われるレースのなかからオススメのひと鞍をピックアップします。丸ノリするもよし。アレンジするもよし。馬券購入の際の参考になさってください。
※データは2016年以降の結果をもとに集計。今年については前週までが対象
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【今週の推奨レース】
■7日(土)阪神12R 3歳以上1勝クラス■
秋競馬の開幕週は、初日の阪神最終レースを狙ってみます。芝1600mの3歳以上1勝クラスの一戦。この条件はU指数1位の破壊力が満点で、過去に何度もオイシイ配当を提供してくれています。集計期間内の成績は、勝率33.3%、連対率44.4%、複勝率50.0%、単回率208.9%、複回率91.7%。コンスタントに上位に来るというよりは、来るときはアタマまで突き抜けてくれる感がありますので、単系馬券で一発を狙ってみたくなるパターンです。しかも、昨秋から確変モードに入っており、【4.1.0.1】(今年に入ってからは2戦2勝)と勢いが止まりません。まずは1位の単勝。これがセオリーになります。
1位のヴァンドギャルドは古馬初対戦の3歳馬ながら高指数を獲得しており、潜在能力が高いことは間違いなし。戦ってきた相手も強いですし、自己条件なら負けていられないといったところでしょう。今回は馬連やワイドではなく、強気に馬単で攻めたいと思います。点数を絞るのなら、相手を2~7位に絞った6点流しですが、ヒモが狂って高配当というケースもよくありますので、総流しという手もアリです。2~7位への6点流しなら的中率22.2%、回収率116.2%。総流しなら的中率33.3%、回収率163.1%。どちらで勝負しても、かなり期待できそうですね。まずはヴァンドギャルドにしっかり勝ってもらいましょう。
1位 ⑦ヴァンドギャルド 91.3
2位 ①ミッキースピリット 89.9
3位 ⑥ハッピーゴラッキー 89.5
4位 ⑩カワイアラ 88.7
5位 ⑪セイイーグル 88.6
6位 ⑬アスタービーナス 87.2
7位 ②キングオブコージ 86.4
★結論★
単勝⑦
馬単流し⑦→①②⑥⑩⑪⑬(6点)
※もしくは馬単⑦からの総流し
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