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【香港国際競走2021】レース展望③<香港マイル>15連勝中ゴールデンシックスティ鉄板か!?

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【香港国際競走2021】レース展望③<香港マイル>15連勝中ゴールデンシックスティ鉄板か!? | コラム | ウマニティ

香港マイル(シャティン芝1600m)
香港マイルは国際競走(HKIR)の華、賞金こそメーンレース香港カップに劣るものの世界を圧倒する香港マイラー陣十八番の大舞台であるからです。現地9日、シャティン競馬場パドックで4レースの枠順抽選会が賑々しく行われました。華やかな演出に彩られ、盛大かつ華麗な音楽が鳴り響き、調教師やオーナーが抽選の結果に悲喜交々。2年もその興奮を取材することができないのはまことにもって寂しく、コロナとやらが恨めしくてなりません。

さて、シャティン芝1600mはスタートから長い向こう正面、ワンターンの競馬。1200mとは一転して内外の有利不利はないものの、関係者にとっては少しでも内を引きたいのが人情。ゴールデンシックスティ(セ6・K.ルイ厩舎)は2枠を引き当てました。ゴールデンの戦績は敢えて詳しくご説明することも不要かと思います。一昨シーズンから足掛け3シーズンにわたって15戦全勝、相撲で言えば全勝優勝。この間に4歳クラシック三冠を成し遂げました。三冠は1600m→1800m→2000mと距離を伸ばしますが、ルイ調教師はゴールデンの距離適性をマイルと判断。その判断に応えてゴールデンは連勝記録を15戦全勝としたのです。

今シーズンはHKIR前哨戦のジョッキークラブ・マイルから始動、単勝1.1倍の期待に応え、余裕残しの調整ながら1馬身の楽勝でした。香港ヴァーズ篇で鉄板を中国語で「穏如泰山」と表現するとご紹介しました。ゴールデンの強さ、信頼は中国一の名山である泰山どころではありません。富士山、否! 世界最高峰のチョモランマ級です。

さて、チョモランマ世界最高峰登頂を目指す日本勢、今年は史上空前の陣容。マイルG1の勝ち馬が3頭と史上空前の陣容です。打倒ゴールデンの一番槍にはダノンキングリー(牡5・萩原清厩舎)を指名しましょう。ダノンキングリーは3歳クラシックを皐月賞、ダービーと戦い3着、2着。夏の休養を経て萩原師は距離適性をマイルと見極めて、マイルから中距離路線に舵を切りました。秋初戦はG1に最も近いスーパー重賞、毎日王冠で歴戦の古馬を一蹴。日本マイル王まで8合目まで上り詰めたかに見えました。しかし、その頂は遠く中山記念を勝った以降、1年以上の長い低迷期を続けました。そして6か月休養明け、ぶっつけで安田記念に挑戦。8番人気を覆して復活を遂げました。夏休養のあとは毎日王冠で2着。ここに向け英気を養ったローテーションは絶好。ゴールデンの背中は確実に見えてきました。

続いての二番槍はインディチャンプ(牡6・音無秀孝厩舎)。2019年春秋マイル王もこの2年間はG1善戦マン。力の衰えは隠しきれません。あのオルフェーヴルアーモンドアイに有終の美を飾らせることが出来たのはノーザンファームが世界に誇る外厩、ノーザンファームしがらき、天栄でラストランにむけてしっかり休養、みっちり仕上げてトレセンに入厩させたからこそ。ただ今年はコロナ禍でノーザンファーム関係者はしがらき場長一人だけしか香港渡航が許されませんでした。これが最終調整にどう響くのか、取捨判断の鍵は、この一点にあり! 陸軍中野学校ならぬ甘粕学級が香港に残置した草からの報告を待っているところです。

20年毎日王冠以降、雌伏を続けるサリオス(牡4・堀宣行厩舎)は初の香港遠征。ここで復活の狼煙を上げるには、香港で多くの実績を残す名伯楽、堀師の辣腕に縋るしかありません。また、日本では大関クラスながら香港の水が合ってG1を勝ちまくったエイシンプレストンの顰(ひそみ)に期待するしかなく、狙い目を大きく下げています。ヴァンドギャルド(牡5・藤原英昭厩舎)も同様で、地元香港勢を上位にとります。

さてゴールデンシックスティ以外の香港勢では、モアザンディス(セ5・C.シャム厩舎)に無限の魅力を感じています。ゴールデンの三冠に2着、3着、3着とコントレイルに涙を呑み続けた香港のサリオスと言えます、昨シーズン未勝利からの復活を期します。今シーズン使い始めのジョッキークラブ・マイルでは余裕残しの調整で3馬身半差の4着。“モアザンゴールデン”の地元一番手に指名致します。

これに続くのは、わが友にして香港最大のオーナー、蕭ファイミリーの花嫁の愛馬ワイクク(セ6・J.サイズ厩舎)、昨シーズンの香港ダービー馬スカイダーシー(セ5・C.ファウンズ厩舎)の順。香港ヴァーズ以上に確信をありの香港マイル、ゴールデン一本化かぶりでは勝負はゴールデン1着固定で相手を絞って3連単に4連単で一世一代の大勝負をかけます! 11日(土)夜公開、甘粕代三畢生の予想にご期待下さい。


★”日本と香港を股にかけて活躍する”海外プロ甘粕代三プロが、海外馬券販売レースの香港国際競走4レースの予想提供をいたします。当日の予想にご期待ください。


甘粕代三(あまかす・だいぞう)プロフィール
1960年、東京生まれ。高校時代から競馬にのめりこむ。
早稲田大学第一文学部卒。在学中に中国政府官費留学生。卒業後、東京新聞記者、テレビ朝日記者、同ディレクター、同台北開設支局長などを務める。
中国留学中に香港競馬を初観戦、94年ミッドナイトベット香港カップ制覇に立ち会ったことから香港の競馬にものめりこみ、2010年、売文業に転じた後は軸足を日本から香港に。
香港の競馬新聞『新報馬簿』『新報馬経』に執筆、テレビの競馬番組にも出演。現在、香港アップルデイリー日本特約記者、北京市馬術運動協会高級顧問を務める。

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