伊吹雅也のPOG分析室 (2022) ~第4回新馬勝ち馬レビュー~
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今回と次回の「POG分析室」は、2022年夏季競馬の1~3週目にJRAの新馬で優勝を果たした馬のプロフィールを順次ご紹介します。まずは6月4日(土)、6月5日(日)、6月11日(土)の勝ち馬からご覧いただきましょう。
■2022年06月04日 中京05R 芝1600m
【優勝馬】ダイヤモンドハンズ(U指数75.8)
牡 父サトノダイヤモンド/母メチャコルタ 池江泰寿厩舎
→サンデーレーシングの所属馬で、募集価格は3600万円。母のメチャコルタは現役時代にミルギニーズ(亜G1)を制しました。半姉のロジモーリスは残念ながら一度も勝てないままJRAの登録を抹消したものの、未勝利2着の実績があるうえ、通算6戦のうち3戦で単勝1番人気の支持を集めていた馬。ポテンシャルの高さを感じさせる血統ですし、次走以降も目が離せません。
■2022年06月04日 東京05R 芝1600m
【優勝馬】ノッキングポイント(U指数81.4)
牡 父モーリス/母チェッキーノ 木村哲也厩舎
→サンデーレーシングの所属馬で、募集価格は4000万円。母のチェッキーノは現役時代にフローラステークスを勝ったほか、オークスでも2着に健闘しています。初仔の本馬がデビュー戦から堂々たる勝ちっぷりを見せたことで、今後は繁殖牝馬としての評価も高まりそう。いろいろな意味で今後も注目しておきたい一頭です。
■2022年06月05日 中京05R 芝1400m
【優勝馬】ジョウショーホープ(U指数77.2)
牡 父ミッキーロケット/母スターフォーユー 新谷功一厩舎
→2021年の北海道サマーセールで購買されており、価格は715万円。母や兄姉はJRAの平地競走を勝ち上がれていないものの、近親のサークルオブライフが昨年末の阪神ジュベナイルフィリーズで優勝を果たしました。新種牡馬ミッキーロケットのポテンシャルを測る意味でも、しばらくはマークしておくべきでしょう。
■2022年06月05日 東京05R 芝1600m
【優勝馬】モリアーナ(U指数79.7)
牝 父エピファネイア/母ガルデルスリール 武藤善則厩舎
→2020年のセレクトセールで購買されており、価格は3300万円。母のガルデルスリールが現役時代にJRAで2勝をマークしているうえ、現3歳の半兄カズラポニアンはデビュー戦で、現4歳の半兄ヒストリアノワールはデビュー2戦目でJRAのレースを勝ち上がっています。早い時期のレースが得意な血統と言えそうで、昇級後も完成度の高さを武器に活躍してくれるかもしれません。
■2022年06月05日 東京06R 芝1400m
【優勝馬】クラックオブドーン(U指数75.8)
牡 父サトノクラウン/母クラックシード 中舘英二厩舎
→G1レーシングの所属馬で、募集価格は1800万円。母のクラックシードが現役時代に紫苑ステークスで2着に健闘しているほか、半兄ジャーミネイトもJRAで3勝をマークしました。新種牡馬の中でも特に初年度の種付頭数が多かったサトノクラウン産駒ですし、今後の動向が楽しみです。
■2022年06月11日 函館05R 芝1000m
【優勝馬】ニーナブランド(U指数80.3)
牝 父ダンカーク/母カルディア 高橋裕厩舎
→母のカルディアはJRA未勝利のまま現役生活を終えたものの、現3歳の半姉リトスは昨年のすずらん賞や今年の橘ステークスで3着に食い込んでいます。初仔の半兄ロードグリュックもJRAで勝ち上がりを果たしていますから、繁殖牝馬としてのポテンシャルは相当なもの。2戦目以降でもそれなりのポイントを稼いでくれるのではないでしょうか。
■2022年06月11日 中京05R 芝1600m
【優勝馬】マラキナイア(U指数80.4)
牝 父ジャスタウェイ/母カウアイレーン 吉岡辰弥厩舎
→社台レースホースの所属馬で、募集価格は3000万円。半兄のステイフーリッシュは今年に入ってからレッドシーターフハンデキャップ(沙G3)やドバイゴールドカップ(唖G2)を制しました。兄姉の勝ち上がり率もなかなか優秀ですし、POG的には絶好の狙い目だったのかもしれませんね。
■2022年06月11日 東京05R 芝1400m
【優勝馬】ロッソランパンテ(U指数77.5)
牝 父エピファネイア/母マウロア 杉浦宏昭厩舎
→2021年のセレクトセールで購買されており、価格は770万円。母や兄姉の成績こそ地味ですが、近親に京都2歳ステークスを勝ったクラージュゲリエらがいます。現2歳世代のエピファネイア産駒はJRAの夏季競馬1~2週目で5頭がデビューし、うち4頭が2着以内に好走。まだまだ快進撃が続きそうな雰囲気です。
■執筆者プロフィール
伊吹 雅也(いぶき・まさや)
埼玉県桶川市在住のフリーライター、競馬評論家。JRAホームページ内『今週の注目レース』で「データ分析」のコーナーを、TCKホームページ内『データ&コラム』で「分析レポート」を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラムなどさまざまなメディアを舞台に活動している。近著に『コース別 本当に儲かる血統大全 2019-2020』(ガイドワークス)、『ウルトラ回収率 2019-2020』(ガイドワークス)、『WIN5攻略全書 回収率150%超! "ミスターWIN5"のマインドセット』(ガイドワークス)、『コース別 本当に儲かる騎手大全2018秋~2019』(ガイドワークス)など。POG関連メディアの制作にもさまざまな形で携わっており、「ウマニティPOG 2014」では最高位クラスのスペシャルワールドにおいて優勝を果たした。 |
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今回と次回は、JRAの新馬で優勝を果たした馬たちのプロフィールを紹介していきます。まずは6月5日(土)、6月6日(日)、6月12日(土)の勝ち馬からご覧いただきましょう。
■2021年06月05日 中京05R 芝1600m
【優勝馬】クラウンドマジック(U指数75.7)
牡 父エピファネイア/母クラウンドジャック 加用正厩舎
→母のクラウンドジャックは現役時代にJRAで1勝。2歳時の6月中旬にデビューし、7月上旬の未勝利で勝ち上がりを果たしました。ちなみに、母の母ゴールデンジャックは1994年オークスの2着馬。デアリングタクト・エフフォーリアと2世代連続でクラシックホースが出ているエピファネイアの産駒ですし、今後はグッと注目度が上がりそうです。
■2021年06月05日 東京05R 芝1600m
【優勝馬】コマンドライン(U指数77.5)
牡 父ディープインパクト/母コンドコマンド 国枝栄厩舎
→サンデーレーシングの所属馬で、募集価格は14000万円。母は現役時代にスピナウェイステークス(米G1)などを制しています。第3回でも触れた通り、POGシーズン開幕直前の人気は最上位クラス。改めて長々と解説するまでもないでしょう。評判に違わぬ勝ちっぷりでしたから、復帰戦が楽しみで仕方ありません。
■2021年06月06日 中京05R 芝1400m
【優勝馬】ブレスレスリー(U指数76.6)
牝 父アメリカンペイトリオット/母ハッシュ 藤岡健一厩舎
→母のハッシュは現役時代にJRAで4勝。2歳時の7月下旬に早々と勝ち上がりましたが、5歳時の4月に2連勝を果たすなど、長期間に渡って活躍しました。アメリカンペイトリオットは新種牡馬で、現役時代にメイカーズ46マイルステークス(米G1)などを制している馬。同じWar Front系の種牡馬からはデュードヴァンらが出ており、ダート路線でも面白そうなタイプです。
■2021年06月06日 東京05R 芝1600m
【優勝馬】クレイドル(U指数75.5)
牝 父クロフネ/母オーマイベイビー 黒岩陽一厩舎
→キャロットファームの所属馬で、募集価格は2000万円。半兄ステラヴェローチェは2020年の朝日杯フューチュリティステークスで2着に、2021年の皐月賞と日本ダービーで3着に健闘しています。さらに、同じクロフネ産駒の牝馬であるソダシは、無敗のまま2020年の阪神ジュベナイルフィリーズと2021年の桜花賞を勝利。牝馬クラシック戦線をリードしていくような存在になるかもしれません。
■2021年06月06日 東京06R 芝1400m
【優勝馬】ビーオンザマーチ(U指数76.7)
牝 父モーリス/母ヴィクトリーマーチ 林徹厩舎
→社台グループオーナーズの所属馬で、募集価格は1500万円。母のヴィクトリーマーチは2010年のエルフィンステークスで2着に食い込みました。兄姉にJRAの特別を勝った馬はいませんが、母の産駒で2歳時に勝ち上がったのはこの馬が初めて。第1回にもある通り、モーリス産駒はPOG期間中の勝ち馬率や1頭あたり賞金が優秀なので、今後も期待できるんじゃないでしょうか。
■2021年06月12日 札幌05R 芝1000m
【優勝馬】カイカノキセキ(U指数80.6)
牝 父キンシャサノキセキ/母カイカヨソウ 池添学厩舎
→キャロットファームの所属馬で、募集価格は2000万円。母のカイカヨソウは2012年の東京2歳優駿牝馬、2013年の東京プリンセス賞などを制した南関東の名牝です。早い時期の重賞やダート路線など、さまざまな舞台でポイントを稼いでくれそうですし、人気次第では絶好の狙い目かもしれません。
■2021年06月12日 中京05R 芝1600m
【優勝馬】セリフォス(U指数79.2)
牡 父ダイワメジャー/母シーフロント 中内田充正厩舎
→G1レーシングの所属馬で、募集価格は4000万円。母のシーフロントは現役時代にフランスのリステッド競走を勝っている馬で、現3歳の半兄フォルテデイマルミも既に勝ち上がりを果たしました。第1回で指摘しましたが、中内田充正厩舎はPOG期間中の勝ち馬率や1頭あたり賞金が非常に優秀。予想以上に注目度が高まったこともあり、私自身はプライベートのPOGで獲得に失敗してしまったものの、無事にレースを使えれば相応の賞金を稼いでくれるタイプだと思います。
■2021年06月12日 東京05R 芝1400m
【優勝馬】ハイアムズビーチ(U指数78.8)
牝 父ドレフォン/母ユキチャン 萩原清厩舎
→シルクレーシングの所属馬で、募集価格は2500万円。母のユキチャンは、2008年の関東オークスで白毛の馬としては史上初のダートグレード競走制覇を果たしたことでも有名です。デビューした兄姉4頭のうち3頭がJRAで勝ち上がっているように、見た目の華やかさだけでなく堅実さも兼ね備えた血統。新種牡馬ドレフォンの将来性を見極めるうえでも、引き続き注目しておきましょう。
■執筆者プロフィール
伊吹 雅也(いぶき・まさや)
埼玉県桶川市在住のフリーライター、競馬評論家。JRAホームページ内『今週の注目レース』で「データ分析」のコーナーを、TCKホームページ内『データ&コラム』で「分析レポート」を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラムなどさまざまなメディアを舞台に活動している。近著に『コース別 本当に儲かる血統大全 2019-2020』(ガイドワークス)、『ウルトラ回収率 2019-2020』(ガイドワークス)、『WIN5攻略全書 回収率150%超! "ミスターWIN5"のマインドセット』(ガイドワークス)、『コース別 本当に儲かる騎手大全2018秋~2019』(ガイドワークス)など。POG関連メディアの制作にもさまざまな形で携わっており、「ウマニティPOG 2014」では最高位クラスのスペシャルワールドにおいて優勝を果たした。 |
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【TAROの競馬研究室】キズナ産駒の特徴/NHKマイルカップ展望
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天皇賞(春)はワールドプレミアが制覇。最終的には3番人気だったが、本来であれば1番人気になっていたような馬だろう。不正受給の件で多少心証が悪かったと推測できるが、もちろん馬には罪がなく、結果的にオッズは美味しくなった。
あくまでも予想はフラットに…という意味では買い時だったのかもしれない。
~同期のキズナとエピファネイアの比較
その天皇賞(春)で1番人気の支持を集めたのはディープボンド。キズナ産駒初のG1勝利が懸かっていたが、残念ながら2着止まりだった。
同産駒のこれまでの重賞クラス別成績は以下の通り。(※データはいずれも先週終了時点)
G3(5-0-5-36)
G2(4-2-1-14)
G1(0-2-1-25)
G1ではマルターズディオサの阪神JF2着、ファインルージュの桜花賞3着、そして今回のディープボンドの天皇賞(春)2着とあと一歩勝ち切れていない。逆にG2~G3では強く、G1前のトライアルでは数多くの活躍馬を輩出している。前述のG1好走馬3頭も、直近のレースではすべて勝利して挑んでいた。
これは偶然ではなく、キズナ産駒は好位抜け出しの正攻法の競馬が得意で、よく言えば素直、悪く言えば大物感に欠ける面があるためだ。実際過去の重賞で追い込みによる馬券圏内は2000年の京成杯を制したクリスタルブラックのみで、多くが逃げ~好位抜け出し。スローになりやすく90点の競馬で勝てるトライアルはそれで通用するが、120点の競馬を必要とされる本番になると、何かにやられる…というのがこれまでのパターンになっている。
ちなみに、現役時代も、そして種牡馬としても同期となるエピファネイア産駒の重賞クラス別成績は以下の通り。
G3(1-1-5-23)
G2(1-3-2-9)
G1(4-2-1-3)
キズナ産駒とはまるで逆の傾向で、G1で圧倒的な強さを示している。もちろんこれは無敗の3冠馬デアリングタクトの成績が多く含まれているのは確かだが、それ以外にもエフフォーリアの皐月賞制覇他、オーソクレース、アリストテレスといった面々がG1で好走している。一方で相手が弱いはずのG2やG3では勝ち切れず、とりわけG3では1番人気馬4頭が出走し未勝利。デアリングタクトが金鯱賞で取りこぼしたのも傾向通りだったのかもしれない。
キズナ産駒とエピファネイア産駒の大きな違いは折り合い面。比較的素直で操縦しやすいタイプが多いキズナ産駒と比べると、エピファネイア産駒は父同様に折り合いが難しい印象がある。それだけ聞くと良くないことのようだが、逆に言えば、難しさを抱えながら結果を出しているともいえるわけで、だからこそハマれば大一番で激走するスケールの大きさがある。
さて、そんな中で今週末のNHKマイルカップにはキズナ産駒のバスラットレオンがニュージーランドトロフィーを制して挑む。バスラットレオンも同産駒らしい先行馬で、前走も逃げ切り勝ち。これまでの傾向通りならば、2~3着まで…ということになるが、手薄な印象もするメンバー構成だけに、今回は果たしてどうだろうか。
なお、念のため補足しておくと今後キズナ産駒をG1で軽視せよということではない。データは所詮データでしかないので、その中身を精査することに意味がある。
~NHKマイルカップの注目馬
というわけで、今週末はNHKマイルカップ。注目馬を一頭を挙げておきたい。
・ソングライン
桜花賞でも注目したが道中メイケイエールが掛かり気味で暴走したあおりを受ける不利を受け万事休す。2走前の紅梅ステークスの勝利内容はさらに上のクラスでも…と思わせたものだっただけに、前走が実力ではないはずだ。ちなみに本馬もキズナ産駒。同産駒らしい操縦性の高さも備えた差し馬なので、混戦の今年は出番もあるはずだ。
※NHKマイルカップの最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。
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2020年10月16日(金) 14:00
TARO
【TAROの競馬研究室】優秀さが目立つエピファネイア産駒の狙いどころ/秋華賞展望
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先週末は東西で秋G1に繋がる重要なG2が2レース行われた。
その中でも目を引いたのは毎日王冠を制したサリオスの圧倒的なパフォーマンス。今年の3歳のレベルはあまり高くないと言われる中、牡馬勢ではやはりコントレイルとサリオスの2頭が抜けていることを改めて感じさせるレースだった。
道中はゆったりと出たなりで追走、直線に入りエンジンを点火すると、追いすがるダイワキャグニー以下古馬勢を完封。相手関係に恵まれた面があるとはいえ、圧巻の内容だった。
これなら天皇賞(秋)で打倒アーモンドアイも…? と思われたが、どうやらこの後はマイル路線へ向かう模様。正直残念なのと同時に、実績があるとはいえ現状でのマイル戻りは適性的に微妙ではないかと感じたが、今年のマイルチャンピオンシップは阪神開催。阪神外回りならば全く問題なくこの馬の持ち味を生かせそうだ。もっとも適性面だけを考えるならば東京芝二千(天皇賞・秋)で観たかった気もするが、それは来年以降の楽しみにとっておきたい。
~距離に融通が利き、格負けしないエピファネイア産駒
さて、今週からは秋のG1連戦がスタートする。幕開けを飾る秋華賞はデアリングタクトが無敗の3冠達成なるかに注目が集まりそうだ。
デアリングタクトの父はエピファネイア。昨年デビューした種牡馬エピファネイアの産駒はその能力の割に人気になりづらく、デビュー以来単勝ベタ買いしても儲かる状況が続いており、特に芝では単勝回収率129%、複勝回収率も95%を平均をかなり上回る優秀な成績を残している。しかもこれは、決して一頭の穴馬に引っ張られて成績が良くなっているわけではなく、また下級条件で稼いでいるわけでもない。むしろ平場より特別戦での成績が良く、重賞での活躍も目立つようになってきている。
同産駒を観ていると、道中掛かっているように見えても直線追われるとキッチリ伸びて来る馬が多く、豊富なスタミナを備えていることがわかる。ちょうど父エピファネイア自身が掛かりながら先行してジャパンカップを圧勝した、あの時のイメージに近い。したがって距離延長を難なくこなすパターンが多い。
また、格負けしないのも特徴で、秋華賞トライアルのローズSでは、前走1勝クラスで2着だったムジカが14番人気の低評価を覆し2着に好走した。その他の産駒の重賞好走も”いきなりの重賞挑戦”パターンが多く、昨年の京王杯2歳S3着のヴァルナは前走未勝利1着。京都2歳S3着のロールオブサンダーは前走やはり未勝利1着。今年の京成杯2着のスカイグルーヴは前走新馬1着などなど、相手強化にも難なく対応している。
距離をこなす、格負けしないという特徴はそのままデアリングタクトにも出ており、エルフィンSから直行で桜花賞を制し、さらにオークスで800mの距離延長を掛かりながらこなしたその姿をイメージできる。
今週末の秋華賞では、注目していた上がり馬クラヴェル(日曜の大原Sに出走するので注目)こそ除外になってしまったが、デアリングタクトのほか、前述のムジカも出走する。さらに来週の菊花賞には伏兵として注目を集めそうなアリストテレスも出走を予定。出走が叶えば距離延長&格上げというエピファネイア産駒の狙いのパターンでもあり今週来週と、エピファネイア産駒に注目してみたい。
~秋華賞の注目馬
それでは最後に今週末の秋華賞の注目馬を2頭挙げる。
・デアリングタクト
別に穴馬を挙げるというルールがあるわけではないので、一頭目はやはりデアリングタクトだろう。もちろん断然人気は承知の上だが、それでも一連のパフォーマンスは断然で、ココでも最有力。破壊力のある末脚の印象が強いが、決して不器用なタイプではなくトリッキーな京都二千も問題ない。人気を考えればアタマ勝負というよりは3連複の軸くらいに留めて、軸を手堅く相手で捻る、それが今年の秋華賞の馬券的な狙いどころではないだろうか。
・ウインマイティー
デアリングタクトの相手で捻る…という意味において、穴候補筆頭がこのウインマイティー。オークスでは3着と健闘したものの、前哨戦の紫苑Sでは6着に敗れ今回は再び人気を落としそうだ。しかしその前走は開幕週初日の外枠でスタートでは後手を踏み流れに乗れなかったもの。ノーカウントでOKの内容で、むしろ最後に伸びて来たことを評価したい。血統的には叩き良化型のゴールドシップ産駒で、京都内回りの適性だけならばデアリングタクトよりも上だろう。混戦に強い和田騎手でもあり、デアリングタクト以外となら互角の勝負を挑めるとみている。
※週末の重賞の結論は、『TAROの競馬』にて一部無料公開予定。また、馬券の買い方や券種の選び方なども含めた結論は、競馬ノートにて限定配信の予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。 |
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