有馬記念・2019
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まずは先週の回顧から。久々の帯封ゲットに、ウマニティ予想では4895%と大爆発で、このコラムで「有力とした2頭」のワンツー+「穴で一番手グランレイ」が3着で、3連単9万馬券、3連複3.8万の高配当となりました。的中のポイントとしては、3強(オッズ的には1強扱いでしたが)の一角だった10着レッドベルジュールが、「いかにもマイルは忙しく、前走デイリー杯2歳Sで内を突く競馬で上手く行き過ぎていたので事実上は2強」、ハミを替えて未勝利戦ながら4馬身差の楽勝をしてきたグランレイが、「血統的にもルーラーシップ×ファルブラヴ×フジキセキとスケール負けしない配合であることから3着ならありか」、というあたりだったでしょうか(ちなみに、接戦で4着だった初芝の9番人気タガノビューティーも「兄弟は芝でも走る」ということで、当コラム穴での2番手推奨馬)。香港みたいに4連単がもしあったらすごかったなあ、とも思うのですが、まあ欲張り過ぎない方がいいですよね(実馬券では欲をかいて、本命◎タイセイビジョンからの馬券の資金配分をより高めて買っていた、なんてのはナイショということで(笑))
では、話を有馬記念に移して。今年は香港を回避したアーモンドアイの出走が一番のポイントでしょう。寄稿させてもらった「競馬の天才」特集記事の執筆時点ではアーモンドアイは香港遠征予定だったのですが、出走してくるということで俄然、当然有力。この馬の取捨が馬券的中の焦点となりそうです。深読みすると、体調だけでなく香港の政情不安定(香港競馬は時折中止もありました)も、他の海外馬同様に回避の一因になっていたという可能性はあるんじゃないでしょうか(繁殖にまわってからは、産駒が出来の善し悪しに関わらず毎年1億円くらいにはなりそうですし)。余談ですが、香港のほうは"覆面禁止法”があるので今のキャラは良くないのかもしれません。当たると随分饒舌だなあ、と言われそうなので、本題に。
<全頭診断>
1番人気想定 アーモンドアイ:この馬にとっての中山2500mは、デビュー以来、安田記念ほどではないがあまり向かない条件だと思う。思うが、正直体調に関しては回避時点からあまり問題ないんじゃないかと思っているし、前走を見ても「最も強い馬に、最内を通ってください」という忖度競馬で、敢えて厳しくマークしてくる騎手というのもいないだろう(外から蓋程度ならまだしも、前をカットしたりぶつけたりしてしまうと人気度合いからしばらくネット上で叩かれそう)し......。
2番人気想定 リスグラシュー:私自身とは非常に相性の悪い馬で、これで引退してくれると思うと正直ほっと胸をなでおろしている(笑) 若いうちは、末脚にはいいものあるが、不器用でやや人気先行くらいに思っていたのだが、ハーツクライ産駒らしい成長力で本当に強くなってしまい、牡馬相手でも国内でも海外でもG1を勝つ馬となってしまった。春のグランプリ馬であり普通は本命視される立場でもあるのだろうが、歴史的名牝レベルとなってしまった今は、海外帰りでそう厳しく仕上げる必要もないのでは?とみたい(「恥ずかしくない」程度のそこそこ好走でOKではないだろうか。さすがに、タイキシャトルのように、春より結局20kg増えちゃいましたというデブデブで出てはこないだろうが)。
3番人気想定 サートゥルナーリア:ホープフルSと皐月賞のG1・2勝の中山巧者の可能性も高い一頭だが、ダービーで4着、秋の天皇賞ではアーモンドアイを負かしに行って6着と敗れ、そんなに強くないのかなあと評価を下げつつある。確かに牡馬はそう強くない世代で、成長力の問題か気性の問題か、緊張が途切れると極端に走らなくなる傾向のこの一族のせいか。
4番人気想定 ワールドプレミア:故障もあり大成しなかったワールドエースの下だけあり、能力は確かだが気性的に幼く、活躍は来年かなあと思っていた馬だが菊花賞を武豊騎手の神騎乗で勝ってしまった。ただ中山だとあれは難しく、やはり本格的な活躍は来年と思われる。うまく立ち回って、そこそこ上位進出も可能かといった位置づけ。
5番人気想定 フィエールマン:凱旋門賞は12着と惨敗したが、正直全然向かない条件なのによく連れていくなあ、と思って見ていた(母がフランス馬とかの問題でなく、父ディープインパクトらしい高速馬場の申し子のような馬で、凱旋門賞と適性が真逆)。その前は差しにくいコースの札幌記念と、2戦ともに使い分けの影響もあるのか適性外条件での敗戦で評価を落としており、正直秋の天皇賞とJCを使うのが良かったと思っている1頭。勝ってしまった春の天皇賞よりは、中山2500mのここはこの馬にとってはまだ乗りやすいか。海外遠征使れというのもさほど無さそうで、凱旋門賞惨敗で萎んだとかいろいろ聞こえてくるが、先述の通りあれは完全ノーカウントでいいのでは。AJCCを今年初戦で使ったのもいくら使い分けとはいえ、毎度差しにくい不向きな正直センスの無いレース選択なのだが、最後に有馬記念で頑張って「(あそこで経験してたことや、不運な使われ方や諸々あったけど)良かったね~」という一年になるのでは。
6番人気想定 スワーヴリチャード:やんちゃさが無くなり正直もう終わったかと思っていたが、JCでは得意の左回りだけあって久々の勝利。ただ中山はここまで悲惨な成績(避けて通ってきたが3回とも馬券外)で、前走JCの影響でそこそこ人気を背負いそうなここは要らないか(ただ、またマーフィー騎手が乗ってくると、右回りだろうが急坂だろうか直線が短かろうが乗りこなしてしまうのかも)。
7番人気想定 キセキ:勢いのあった昨年でもこのレースで2番人気で5着だった。菊花賞を勝ってしまったが、本質的にステイヤーではなく中距離のスピードレースくらいのほうがいいタイプなのだろう。前に行けるだけにそこそこやれそうでもあるが、調教を見ると海外遠征の疲れもあるかといった具合。週末の雨予報は、昔から「雨のキングマンボ」という格言(?)があるように父父父キングマンボがプラスに働くかもだが。
8番人気想定 ヴェロックス:皐月賞2着、ダービー3着で、ライバルの抜けた菊花賞で1番人気3着と、人気を裏切り株を下げた。ただ当コラムでも3冠のうちで最も向かないと人気ほど評価していなかった距離が長すぎる菊花賞敗戦はノーカウントで良いし、ここは巻き返す絶好の舞台だろう(年明け初戦に選びそうな2200mのAJCCなどは更にピッタリな印象だが)。
9番人気想定 レイデオロ:昨年の有馬記念2着までは非常に強かったが、今年は1番人気3回と2番人気1回ながら、6着、5着、4着、11着とボロボロの結果。気持ちが切れてしまっていそうで、正直この秋の2戦は余分で、価値を下げてしまった感じ。キングカメハメハの後継で母系もディープインパクトの母とも近く、種牡馬入りしたらサンデー牝馬にもたくさんつけられるしまた快進撃が続いていくだろう。
10番人気以下想定
アエロリット:リスグラシュー同様、これまた私自身とは非常に相性の悪い馬で(牡馬混合戦での強豪牝馬の扱いがやはり昔と違って互角に近くなってきていて、難しい時代になった)、終わったかと思わせつつしぶとく東京なら走り続ける。ダートで厳しいペースで逃げて好成績おさめたテイエムジンソクの近親だけに、厳しいペースで粘るのは得意なのだろう。ただ、中山のこの距離はちょっと違うのでは。
エタリオウ:「最強の1勝馬」などと言われていたが、シルバーコレクターと呼ばれていた父ステイゴールドからみるとスケール感がかなり小さい(ステイゴールド自身が負けていた当時は非常に強敵の多い時代で、サイレンススズカ、エルコンドルパサー、グラスワンダー、スペシャルウィーク、テイエムオペラオー、アグネスデジタル、ジャングルポケットなど、かなりの一流馬ばかり)。馬体重の増減が激しかったり、深いブリンカーに替えてみたりと、気力・体力ともに安定せずで、ここも期待薄。
シュヴァルグラン:引退を延ばして現役続行してきたが、なぜか向くであろうオーストラリアの長距離レースを使わず、ドバイやイギリスに行ったり、もうスピード的に厳しいJCを今年は使ってみたり(香港の2400mならまだやれたはず)と、チグハグ続きの一年だった。昨年3着だったこのレースも、今年はボウマン騎手でもないし厳しいのでは。
クロコスミア:3年連続今年もエリザベス女王杯2着と、6歳秋でもまだまだ元気なところをアピールしたが、前走は絶妙ペース逃げでの藤岡佑騎手のかなりの好騎乗でのものであり、再度神騎乗というのは難しいだろう。
アルアイン:中山の中距離は得意だが常に善戦するタイプが崩れだすと脆い。この2戦が14着と16着というように気持ちが途切れた中で、いつもよりかなり長い2500mは、距離通り長く感じるのでは。
スカーレットカラー:府中牝馬S勝ちで期待したエリザベス女王杯は7着と快進撃は止まった。手ごたえの割に全然伸びなかったようでマイル前後が良さそう。初の2500mは適性が高くなさそう。
スティッフェリオ:オールカマー勝ちもあり、中山適性自体は高そうだが、アエロリットやキセキのいるここは楽逃げ不可で、好走は難しそう。
クレッシェンドラヴ:福島記念勝ちのあるステイゴールド産駒で、これまで福島での好走が多く、似た感じのある中山競馬場の適性自体はありそうなのだが、G3をやっと勝っただけに実力的にまだ足りないか。
ヴァイスブリッツ:1勝クラス辛勝直後で、実力が足りない。
<まとめ>
有力:アーモンドアイ、フィエールマン
ヒモに:ヴェロックス、キセキ、ワールドプレミア |
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【イベント】先回も馬券的中!12/20(金)『有馬記念必勝馬券検討会』を新橋Gate J.で開催!
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12/20(金)18時~新橋Gate J.にて『有馬記念必勝馬券検討会』を開催!ウマニティが誇る最強予想家4名がガチンコ討論します!

先回の天皇賞(秋)編ではアーモンドアイ⇒ダノンプレミアム⇒アエロリットの3連単88.6倍を300円的中し、2万6580円の馬券プレゼントに成功!今回も最終結論として予算1万円分の買い目を披露し、ご来場頂いた方に抽選でプレゼントいたします!
3年連続観客動員数№1を記録した立ち見必至の最強予想イベントに是非お越しください!
※尚、今回も、予想だけでなく買い目まで決定する為、結論に近い突っ込んだ討論になりますのでネット配信は行わず、ご来場頂いた方限定のマル秘公開とさせて頂きます。ご来場できない方には大変申し訳ございませんが、ご理解のほど宜しくお願い致します。
新橋駅から徒歩5分の好アクセス!当日お近くの方は是非ご参加ください!ご来場をお待ちしております!
詳しくは以下をご覧ください。
■開催日時:12月20日(金)18:00~19:00
■開催場所:「新橋Gate J.」東京都港区新橋4-5-4 JRA新橋分館1F (旧:JRA関東広報コーナー)
■席 数:約70席(立ち見有り)※無料です。
■アクセス:新橋Gate J.ページをご覧ください
■出演:
【司会】
清水久嗣(日曜競馬ニッポン 実況・司会)
山内菜緒(タレント)
【プロ予想家】
スガダイ(16開催連続プラス収支を達成した予想神)
夢月(単勝1点買いのスペシャリスト)
金子京介(孤高の馬見家)
栗山求(血統予想界の第一人者)
■抽選会:
・必勝馬券1万円分
・Gate J.グッズ
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先週の回顧~(10/26~10/27)あおまるプロが5週連続週末プラスを達成! スガダイプロは天皇賞(秋)◎▲○的中ほか好調予想連発!!
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【TAROの競馬研究室】馬場を読める若手騎手/今週末の重賞展望
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天皇賞(秋)は2強対決が注目されたものの、レースはまさに”一強”。
アーモンドアイが直線アエロリットのインにできた進路を突き、楽々と抜け出して3馬身差。影をも踏まさぬ完勝劇だった。アーモンドアイの強さについては今さら語るまでもないが、レースに行っての走りの素晴らしさのみならず、レース前に余計なことにエネルギーを使わない精神面の強さ、折り合いに苦労せず馬群も捌ける操縦性&ギアチェンジ性能の高さなど、競走馬として必要なものを全て兼ね備えている印象だ。
これは近年の名馬でいえばキタサンブラックにもいえたことで、とりわけ立ち回りの上手さを問われる現代競馬においては勝ち続けるための必須条件なのだろう。人気を分け合ったサートゥルナーリアは本馬場入場後からイレ込みがみられるなど、精神面のモロさを露呈しただけに、より一層アーモンドアイの盤石ぶりが強く刻まれる結果となった。
~馬場をよく読めている西村淳也騎手
大いに盛り上がった天皇賞(秋)の裏で、最終週の新潟競馬場でも熱い戦いが繰り広られた。僅か3週間の開催ながら雨に降られることも多く、先週末は荒れ馬場の中での開催。荒れ馬場巧者の蛯名騎手が久々の土日連続勝利で健在ぶりを示すなど、内の伸びが悪く外からの差しが利く特徴的な馬場状態だった。
そんな中、若手騎手で目立ったのが西村淳也騎手だ。2年目となる今年は、先週末終了時点で49勝とプチブレークをしているが、騎乗ぶりを見ていても馬場の伸びどころをよく見ているように思える。
西村淳騎手はもともと芝の方が得意で、勝率・連対率・複勝率ともにダート<芝の傾向があるジョッキーだが、その理由の一つは馬場読みにあるのではないだろうか。先週末でいえばピッツィカートで制した萬代橋特別では、道中はロスを最小限に抑え、直線は思い切って外に出し勝利。2歳未勝利のキーダイヤでは、結果だけ見れば1番人気で2着に敗れたとはいえ、直線粘り混む段階で内が悪いと見るや最後は外に進路を切り替えて持たせた。
とりわけ、馬場が荒れて来て伸びどころの把握が重要になる開催終盤で馬場読み力が発揮されるイメージが強い。インが不利だった夏の小倉最終週では、最内枠のメイショウカズヒメで逃げて直線は思い切って外に出し穴をあけたのも強く印象に残っている。先週末は芝に限っても2勝2着2回。馬場読み力に長けているだけに、特徴のある馬場状態やローカルの荒れ馬場でまとめて来ることが多い。まだまだ人気薄での騎乗も多いので、今のうちから上手く特徴をつかんでおきたい。
~重賞盛りだくさんの週末の注目馬は?
さて、今週末は土日合計4重賞となる。その中でも日曜日のみやこSは、フェブラリーSの覇者インティなど、今後のG1にもつながっていきそうな好メンバーが揃った。もっとも、インティは久々に加えて59キロとなかなかシビアな条件となる。上がり馬や実績馬も揃っており、伏兵の出番もありそうな一戦だ。
現時点での注目はキングズガード。1800mは久々になるが、2000mを使われた前走でもラストは良い伸びを見せており、差し馬としては不発の少ない堅実タイプ。2年前にも好走した得意の京都で、今年も一発があるかもしれない。
一方、アルゼンチン共和国杯は目黒記念を制して以来となるルックトゥワイスに注目が集まるが、前走はレーン騎手の腕で持ってきた面もあっただけに、同じように走れるかは半信半疑。再び上昇気配のあるアフリカンゴールド、前走はスムーズさを欠いたものの完全復調しているノーブルマーズが面白いか。
穴ならオジュウチョウサンも面白そうだ。どうしても話題先行のイメージがあるものの、有馬記念だけ走れば通用しておかしくない。平地実績のない石神騎手から松岡騎手に乗り替わるのもプラスだろう。
3場開催の上に月曜日にはJBCもあるためいつも以上に数多くのレースが行われる週末になるが、何でもかんでも追い掛けるのではなく、ある程度勝負どころを見極めて狙って行きたい週末だ。
※重賞の結論は、『TAROの競馬』にて一部レースを無料公開予定。また、馬券の買い方や券種の選び方なども含めた結論は、競馬ノートにて限定配信の予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。 |
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