【TAROの競馬研究室】牡馬クラシックは共同通信杯組を中心に回る/金鯱賞展望
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先週末の弥生賞はタスティエーラが力強く抜け出し勝利。新馬勝ちの後に挑んだ共同通信杯では4着に敗れたが、中2週で挑んだ弥生賞で見事にクラシックの切符を手にした。今回勝ち切れたことはクラシックへ向けてのローテーションを考えると極めて大きく、今後は目標のレースに向けて調整していくことになりそうだ。
人気のトップナイフは2着。最後は内に突っ込む形になったが、逃げ差し自在なレースぶりは鞍上の横山典騎手が手の内に入れている証拠だろう。昆厩舎との信頼のタッグで、こちらもクラシックに挑むことになる。スケールという点では一枚落ちるが、レースを使いつつ力をつけて行くのは厩舎力の賜物といえる。
牡馬戦線も徐々にクラシックの輪郭がうっすらと見えつつあるが、今年に関していえばやはり共同通信杯組のレベルが高いように思える。今回同4着のタスティエーラが弥生賞を制したことで、改めてそのことを再確認した。
共同通信杯上位馬の今後
1着 ファントムシーフ →皐月賞へ直行
2着 タッチウッド →皐月賞へ直行
3着 ダノンザタイガー →若葉Sへ
4着 タスティエーラ →弥生賞制覇からクラシックへ
クラシック(および3歳路線)においては一つのレースが「基幹レース」としてその後に大きな影響を与えることがある。例えば2年前のクラシック戦線においてもそれは共同通信杯だった。
2021年の共同通信杯上位馬とその後
1着 エフフォーリア →皐月賞、天皇賞(秋)、有馬記念制覇
2着 ヴィクティファルス →スプリングS制覇
3着 シャフリヤール →日本ダービー制覇
4着 ステラヴェローチェ →皐月賞、日本ダービーともに3着
2022年の3歳世代でいえば朝日杯FSだろうか。
2021年朝日杯FSの上位馬とその後
1着 ドウデュース →日本ダービー制覇
2着 セリフォス →マイルCS制覇
3着 ダノンスコーピオン →NHKマイルC制覇
5着 ジオグリフ →皐月賞制覇
古くは1998年の弥生賞(スペシャルウィーク、セイウンスカイ、キングヘイロー)や、2000年のラジオたんぱ杯3歳S(アグネスタキオン、ジャングルポケット、クロフネ)がそうだったかもしれない。例が古くて申し訳ないが…。
いずれにしても、2023年のクラシック戦線は、
「共同通信杯組がハイレベル」
ということで、シンプルに考えていきたい。
~今週末の注目馬~
今週末から再び中京開催がスタートする。ココでは金鯱賞を取り上げることにする。現時点での注目馬はコチラ。
・ルビーカサブランカ(西村淳也騎手)
馬群を捌ける差し馬、ルビーカサブランカ。中京芝の金鯱賞は逃げ馬の活躍が多く、立ち回りも要求される舞台。本馬にはピタリと合いそうだ。鞍上西村淳騎手は先週の大阪城Sでスカーフェイスで勝利。抜群のコース取りが光った。小倉リーディングも獲得し、腕を上げてきている。人馬ともども期待したい。
※週末の重賞の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
栃木県出身、競馬予想家。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』(ガイドワークス)など著書多数。最新刊は『馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる』(オーパーツ・パブリッシング)。 |
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【TAROの競馬研究室】共同通信杯はクラシックに繋がる/フェブラリーS展望
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先週は東西重賞に豪華メンバーが集った。京都記念ではドウデュースが復帰戦を堂々の勝利、それも後続を3馬身半突き放す完勝劇だった。一方、東の共同通信杯もなかなかの豪華メンバー。当コラムでも推奨した◎シュタールヴィントはまったく見せ場なく終わってしまったが、上位勢はなかなかのハイレベル。先週の当コラムできさらぎ賞がやや低調だったことを書いたが、共同通信杯は文句なしに好メンバーだったといって良い。
勝ったファントムシーフは、さすがルメール騎手というリズムを重視した騎乗。同騎手は中山より東京向きで、ダートより芝向き、そして短距離より中長距離向き。これだけ押さえておけばルメール騎手のポイントは掴んだも同然で、東京芝中長距離では圧倒的な強さを誇る同騎手らしさが溢れた好騎乗だった。
2着タッチウッドも好内容。新馬勝ち直後のキャリア一戦で臨んだレースでしかも出遅れと普通であれば万事休す…となりそうなものだが、そこから巻き返して先手を取り粘り込んだ。成長力もありそうなタイプで、賞金を積めたことも大きい。
また4着タスティエーラも将来性を感じる走り。レースぶりを見ていると外国人騎手でより持ち味を発揮しそうなタイプ。父サトノクラウン自身も全7勝のうち5勝が外国人騎手騎乗時だった馬で、その血を受け継いでいるように思える。多少ズブさがあるものの、追われてからの伸びには見どころがある。皐月賞~ダービー路線で注目したいが、まずはどこかで賞金を積む必要も出てくるか。
ちなみにサトノクラウン産駒は、先週終了時点で芝1800mで2勝、芝2000mで4勝。回収率を見ても芝1800mでは単勝24%、複勝31%と低調なのに対し、芝2000mでは単複回収率ともに100%超。父の傾向や適性をよく受け継いでおり、今後キャリアを重ね距離を延ばすごとに成績を上げる産駒が出てくるはずだ。
混戦模様の今年の牡馬クラシック路線だが、クラシックを見据える上では、昨年の朝日杯FSやホープフルS、また今年のきさらぎ賞よりも、共同通信杯組に注目。敗戦組も含めて、今後も覚えておきたい。
~今週末の注目馬~
というわけで、今週末はいよいよ今年最初のJRA・G1フェブラリーS。早速現時点での注目馬を挙げておきたい。
・ドライスタウト(戸崎圭太騎手)
前走のすばるSでは最後差し遅れ脚を余したが、負けて強しといえる内容。負かされたバトルクライも次走の根岸Sで3着と好走しており、相手関係にも不足はなかった。今年は有力馬の回避で上位勢が手薄で、それならば新興勢力の本馬に出番があるはず。引き続き戸崎騎手が乗れるのも心強く、好勝負になるだろう。
※週末の重賞の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
栃木県出身、競馬予想家。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』(ガイドワークス)など著書多数。最新刊は『馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる』(オーパーツ・パブリッシング)。 |
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