参加する事に意義がある…否定はしない。
しかし参加するのと勝ちに行くのではアプローチの仕方が全く違うと思う。
日本馬が凱旋門賞で勝てない理由は大きく3つ。
・1つ目は輸送距離の問題。
国内でさえ栗東所属馬が関東開催に向かう際に「輸送の問題が…」とよく言うのに、遠く離れたフランスに直行して勝てる筈がない。
現に最低でも前走を海外で走らせている方が直行組より平均着順は上である。
日本競馬史上最強と呼び名の高いディープインパクトでさえ3着入線(後に失格)が最高。
2着になったオルフェーヴル、ナカヤマフェスタ、エルコンドルパサーは3頭共に前走を海外で経験している。
国内でちょっといい成績を残したからと、凱旋門賞をついでで勝てるほど甘くはない。
・2つ目に斤量の問題。
1キロ1馬身と言われたり、斤量に意味はないと一部では論争もあるようだが、古馬の牡馬で歴代優勝馬が98回開催の内27頭しかいない所を見ると凱旋門賞ではネックであることに間違いないだろう。
日本馬が出走する場合、3歳で結果を出し4歳で挑戦、もしくは4歳の年末から5歳の春次第で挑戦となるだろうから、牡馬の場合は必然的に最重量になる。
デメリットしかない所に自ら飛び込んで、より強豪を相手にレースをしに行くのだ。
再び言うが、凱旋門賞をついでで勝てるほど甘くはない。
・最後に馬場の問題。
日本馬が負けた際によくコメントで聞く「馬場が合わなかった」「馬場が緩かった」
え?そんな事も想定外で挑戦しに行ったの?と聞き返したくなりますw
先人(馬?)達の経験は全く活かされてないと言ってる様なもんです…
ご存知の様に日本の馬場はスピード型有利で、世界各国で行われている主要レース(芝1000~3600)の世界レコードの約半数が日本開催です。
例えが悪いかもしれませんが、人間が同じ距離の上り坂と下り坂を走る場合、どっちが早いかと言うようなもの。
戦うステージが違うのだ。
向こうのステージで戦うのだからこちらが合わせなければいけない。
三度言うが、凱旋門賞をついでで勝てるほど甘くはない。
ではどうしたら日本馬が凱旋門賞で勝てるのか。
①、3歳の時点で挑戦する。
②、ディープインパクト、オルフェーヴル以上の実力がある。
③、国内の栄光より凱旋門賞。
①は規定を逆手に取りレースを有利にする為には有効であろう。
②は日本の近代競馬の三冠馬が凱旋門賞で勝てなかったのだから当然。
③、これは絶対条件だろう。
上記した様に斤量が重くて走れない、馬場が合わなくて走れないなら、じっくり慣れさせればいい。
エルコンドルパサーという良い前例があるではないか。
国内G1勝てる実力はNHKマイルやジャパンCで証明済み。
国内に留まっていればあと2つや3つはタイトルを取れたであろう。
しかしそれを捨ててまで凱旋門賞挑戦を決断。
約1年かけて準備した結果、凱旋門賞では惜しくも負けてしまったが、海外メディアに「2頭のチャンピオンホースがいた」と称賛された程だ。
そこまでしても勝てなかったのにJRAは更に高速馬場化を進めようとしている…
ステージの差が出来れば出来る程、凱旋門賞で勝つ可能性は低くなる。
勿論日本人であるからには日本馬が凱旋門賞を勝って欲しいという気持ちは強い。
いつの日か日本馬が凱旋門賞のゴール板を最初に駆け抜ける時を願っている。
だからこそ最後に敢えて言おう、凱旋門賞をついでで勝てるほど甘くはないと。