【TAROの競馬研究室】騎手のアタマの中を少し覗ける小倉の荒れ馬場/フェブラリーS展望
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京都記念はアフリカンゴールドが強気に先手を奪って、そのまま逃げ切り。2着にも最内枠の伏兵馬・タガノディアマンテが入り大波乱の決着となった。
勝ったアフリカンゴールドは7歳にして重賞初制覇。京都記念といえば、かつてはジャパンカップや有馬記念出走馬が始動戦に選ぶことも多く、もう22年前になるがテイエムオペラオーやナリタトップロード、ステイゴールドらが挙って出走してきたレースでもある。
だが近年は有力馬がそもそも多くのレースを使わなくなっており、厳寒期に行われる京都記念はメンバーが手薄になることも増えた。そんな背景もあっての大波乱だった。
~連続穴激走の陰に菅原明騎手の頭脳プレーアリ!
さて、先週引き続き外有利が継続しそうと書いた小倉芝だったが、やはりBコース替わりでも荒れ馬場は変わらなかった。加えて日曜は雨の影響も大いに受けるタフな馬場に変貌した。各馬が外に出し始めることで外差しがバシバシ決まるという状態ではなかったが、内枠の先行馬が不利には変わりなく、最終週も傾向が継続しそうだ。
先週のような馬場は、騎手の頭の中を知る上でも非常に面白い。コース取りによってまるで結果が変わってくるので、考えている騎手と考えていない騎手の差が出やすいし、いろいろ工夫していることも見えてくる。
例えば多くの騎手が外有利だと思っていた日曜の小倉7レースで2番枠から内をスルスルと上がり抜け出してきた11番人気のエンジェルサークル。鞍上の菅原明騎手は、おそらく直前の6レース、13番人気のベンガンで穴をあけた際のコース取りにヒントを得たのではないか。今の小倉のような荒れた芝になると、騎手の工夫の余地があるので、やはり考える騎手は有利になるし、逆に言えば、あまり考えずに乗っている騎手も見えてくる。
今回は具体的に誰がどうということまでは書かないが、ぜひ最終週もそういう視点で見てみると、今後にも役立つ特徴が見えてくるはずだ。余談ではあるが新潟の直線コースを見ていると、やはり馬場状態をよく考えている騎手とそうでない騎手がハッキリと見えてくる。そこで得た知見は他の舞台でも生かすことができるので、最終週の小倉も楽しみにしたい。
~フェブラリーSの注目馬
さて、今週末は今年最初のJRA・G1であるフェブラリーステークスが行われる
最後はいつも通り今週末の注目馬で締めたい。
今回はフェブラリーステークスからこの馬。
・ソリストサンダー(戸崎圭太騎手)
前走の根岸ステークスでは一番人気の支持を集めたが、直線伸び切れず9着と惨敗。追走に苦労していたことからも1400mのペースに戸惑った印象が強かった。内容的にはノーカウントでOK。本番へのステップという意味合いも強かったので、むしろ消耗せずに終われたことは良かったかもしれない。今回はベストといえる東京1600mが舞台。昨年は、穴人気を集めたが8着。しかし当時は、内しか伸びないダートだった。昨年のような極端な傾向にならなければ、今年は激走を見られるはずだ。人気も落ちそうなので楽しみにしたい。
※週末の重賞の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。
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【TAROの競馬研究室】「津村騎手」持久力を引き出す早仕掛けお兄さん/七夕賞展望
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先週の東西重賞は波乱の結末。
3歳限定のハンデ重賞・ラジオNIKKEI賞は、4番人気ヴァイスメテオールが2馬身半差の完勝。今後に期待を抱かせる内容だった。もっとも、馬券的に波乱の主役は11番人気2着のワールドリバイバル。鞍上の津村騎手はテン乗りだったが、スタートから気合を付けて先行すると、直線もじわじわ脚を伸ばし持ち味を引き出した。
~カレンブーケドールは合っていた
津村騎手といえば最近はカレンブーケドールとのコンビのイメージが強い。同馬とはこれまで合計8回騎乗し、(1-5-1-1)と安定した成績を残している。その後残念ながら乗り替わりになってしまったが、今思えば持久力系の同馬にとって津村騎手は合っていたように思える。宝塚記念における戸崎騎手の弱気な騎乗を目の当たりにしたからこそ、なおさらそう感じるのかもしれないが…。
津村騎手はカレンブーケドールとのコンビのイメージ通り、コーナーからの強気の仕掛けが武器。馬の持久力を引き出すという点においては優れており、反面決め手を引き出すという点では早仕掛けの分、ゴール前脚が上がってしまうことが多い。
好例がカレンブーケドールとのコンビならば、逆に悪い例は今年のクールキャットで挑んだフェアリーSだろう。やや気性の難しい馬で掛かる面があるが、そこを無理に抑えないのが津村騎手らしさ。2番人気と期待された中でのレースだったが、スタート直後に掛かるそぶりを見せると、折り合いを諦めて一気にマクって先頭へ。この動きが差し馬の台頭を許し、自身は2番人気ながら10着と大敗した。
クールキャット自身はその後、横山典騎手が抑える競馬を試みたフラワーCで5着と見せ場を作り、その教育を経て出走したフローラSではルメール騎手を背に重賞制覇を成し遂げた。
もちろん、悪い面ばかりではなく、強気に動くからこそ馬の持久力を引き出す。ラジオNIKKEI賞のワールドリバイバルは典型で、キレないがバテないタイプに津村騎手の強気の先行&仕掛けは合う。その前の重賞好走は昨年のステイヤーズS、タガノディアマンテとのコンビでやはり強気に動いて途中から先頭に立ち、最後はオセアグレイトに交わされたが8番人気2着と穴をあけた。
騎手がどう乗るかを読むのも予想のうちである。現在35歳、中堅で渋い活躍を見せる津村騎手は、
”マクリ大好き早仕掛けお兄さん”
として今後も上手く付き合いたい。これから夏のローカルシーズンでは、狙うシーンも増えるはずだ。
~七夕賞の注目馬
今週末も引き続き福島競馬場での重賞が開催される。メインレースは七夕賞。今回も注目馬を一頭挙げてみたい。
・ワンダープチュック(津村騎手)
今回津村騎手を取り上げたからだろう、と言われればそうかもしれない面もなくはないのだが…ワンダープチュックは同騎手と手が合いそうなタイプ。直近2走は田辺騎手が騎乗しまずまずの内容、前走のエプソムカップでもラストはひと脚使えていた。溜めてキレるタイプではないので、本馬は津村騎手の強気の仕掛け向きだし、距離延長も近走内容を見る限りプラスに働きそうだ。まったく人気にはならないだろうが、穴として一考の余地ありとみている。
※七夕賞の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。
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【TAROの競馬研究室】年明けから重賞が波乱続きの理由を考える/AJCC展望
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先週は東西で3重賞が行われた。京成杯こそルメール騎手のグラティアスが制し人気どころでの決着だったが、愛知杯は人気のセンテュリオが不発で、3連単は7万馬券。日経新春杯は7番人気の伏兵ショウリュウイクゾが制し、2着には13番人気のミスマンマミーアが突っ込んできて3連単は96万馬券と大波乱になった。
年明けから重賞は波乱続きの印象があるが、改めて調べてみると、やはりよく荒れていた。波乱の基準を3連複の万馬券とすると、7レース中6レースで万馬券が発生。3連単は10万超の配当がやはり7レース中6レースと、高配当が続いている。
◆2021年の重賞配当(3連複:3連単)
中山金杯 18,300円 : 64,390円
京都金杯 135,900円 : 1,228,010円
シンザン記念 13,750円 : 118,210円
フェアリーS 24,370円 : 120,220円
愛知杯 19,070円 : 79,590円
日経新春杯 112,200円 : 961,790円
京成杯 3,210円 : 11,750円
波乱が続く理由をザックリまとめると、大きく以下の2点ではないか。
1、例年と異なる中京での開催
ひとつめは中京競馬場での開催。例年ならば京都で開催されている各重賞が中京での代替開催となっており、それが傾向の変化をもたらしている。当然のことながら、右回りで直線平坦の京都競馬場と、左回りで直線急坂の中京競馬場ではまるで傾向が異なるため、過去のデータ等があまりアテにならず、波乱を招いている。ミスマンマミーアやウラヌスチャームなどは、いかにも中京のスタミナ戦が向いた印象だった。
2、中山芝のタフ化
ふたつめは、中山の芝の傾向だ。昨年末の有馬記念でも外枠のサラキアが台頭したように、中山の芝が荒れて来ていることも波乱の一因とみている。本来であれば立ち回り戦が多く内枠の馬や先行馬が人気を集めがちな舞台だが、年明けから差し馬、外枠の馬の台頭が目立つ。中山金杯では8枠16番で人気を落としていたウインイクシードが11番人気で3着に健闘。フェアリーSでも8番人気の低評価を覆し2着に突っ込んできたホウオウイクセルは、本来は不利とされる8枠15番だった。
そんな状況に追い打ちをかけるように今週末は各地ともに久々に雨予報が出ており、さらに予想は難しくなりそう。年明けからの傾向を踏まえれば、あまり人気や新聞の印を気にし過ぎず、思い切って狙っていくことも重要にになりそうだ。
~久々に多頭数で難解なAJCCの伏兵候補
年明けからの波乱傾向を振り返ったところで、今週末の話へ。今年のAJCCは17頭立て。過去3年は12頭以下と比較的落ち着いた頭数だったことを考えると、久々に多頭数の競馬となる。前述通り今年の傾向にしたがって、波乱に期待しつつここでは伏兵候補を2頭取り上げたい。
・ラストドラフト
アルゼンチン共和国杯は苦しい内枠から2着に健闘。昨年の当レース3着、一昨年の京成杯1着と中山芝では安定して走れており、舞台が替わるのはプラスになりそうだ。タフな馬場を得意とする三浦騎手の騎乗で、上がりが掛かる流れになれば引き続き面白い。
・タガノディアマンテ
久々のステイヤーズSでは強気に動いて2着確保と地力を見せた。相手に恵まれた面もありフロック視されそうだが、かつてスプリングS4着、皐月賞でも6着と中山芝重賞では安定した走りを見せており、万葉S圧勝歴からもスタミナを問われる馬場状態もプラス材料。思い切った騎乗が身上の津村騎手にも期待して、再度一発に期待してみたい。
※AJCCの本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。
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