【TAROの競馬研究室】日本ダービーの穴は皐月賞○○馬/日本ダービー展望
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オークスはリバティアイランドが好位から難なく抜け出し2冠達成。ゲートや距離など、懸念した課題をあっさりとクリアして、6馬身差の完勝だった。順調なら秋華賞もかなり有力で牝馬3冠の期待が大きく膨らみそうだ。
2着ハーパーはリバティアイランドの後ろをマークする形で追走。強い馬の後ろは進路ができるということを上手く利用した好騎乗だった。今回は相手が悪かった。3着ドゥーラは昨年札幌2歳Sの勝ち馬。札幌2歳Sでは今回穴人気していたドゥアイズを下しており、その後のチグハグな内容で人気急落だったが、ポテンシャルは高かった。
15番人気ドゥーラの3着激走により、オークスはこれで4年連続2ケタ人気馬が馬券圏内。カレンブーケドールやウインマイティー、スタニングローズはその後も活躍しており、結果的にはオークス時点での人気がなさ過ぎただけ。ドゥーラも今後の成長次第では期待できそうだ。
さて、今週末はいよいよ競馬の祭典・日本ダービー。同じ東京芝2400mが舞台になるが、オークスは桜花賞から800mの距離延長、3歳牝馬にとって過酷ともいえる2400m。一方、日本ダービーは皐月賞から400mの距離延長。中山最終週の皐月賞はスタミナも問われるレースで、そこで好走できている馬の多くは、距離不安はない。したがって、基本的には皐月賞で上位好走馬や上位評価を受けていた馬が順当に走るレースだ。
人気面の傾向を見ても明らかで、過去10年の連対馬20頭のうち19頭は5番人気以内。逆にいえば6番人気以下で連対圏まで来た馬は2019年の勝ち馬・ロジャーバローズただ一頭だけ。同じ2013年~2022年の10年間でのオークスのデータを見ると、6番人気以下の馬が5連対と健闘しており、波乱度でいえば日本ダービー<オークス。ダービーは基本的に人気馬の中から軸を選ぶレース。
一方で3着まで広げると、過去10年で6番人気以下の馬が下記の通り6頭馬券に絡んでいる。穴を狙うならこのゾーンだろうか。
2013年 アポロソニック 8番人気3着
2014年 マイネルフロスト 12番人気3着
2018年 コズミックフォース 16番人気3着
2020年 ヴェルトライゼンデ 10番人気3着
2021年 ステラヴェローチェ 9番人気3着
2022年 アスクビクターモア 7番人気3着
前述した伏兵で唯一連対(勝利)したロジャーバローズは1枠1番だったが、穴をあけた上記6頭のうち5頭も真ん中より内寄りの枠に入っていた。というわけで、日本ダービーは5番人気以内の能力上位馬と内枠の伏兵でだいたい決まるというのが過去の傾向…と書いてはみたものの、ありきたりでまったく面白くない。
加えて近年のダービー当日の馬場は以前ほど内有利にはならなくなっており、果たして上記のデータ通りに決まるのだろうか?
というわけで、別の視点でもう一つ。近年は皐月賞当日の馬場悪化が顕著で、明らかに当日は内枠が不利な馬場になっている。その視点で見ると、ヴェルトライゼンデは皐月賞で4枠8番、ステラヴェローチェは同2枠3番、アスクビクターモアは同1枠2番。いずれも不利な内枠でひとケタ着順に踏ん張っていた。
この理論で行くならば、今年も皐月賞内枠馬の巻き返しが怖い。4番枠で5着のショウナンバシット、8番枠で7着のトップナイフ、5番枠で9着のフリームファクシが該当するが…。どうも歯切れが悪いのはこの3頭いずれも中山の方が合っていそうな点。そこでもう一頭穴馬を考えるならばベラジオオペラはどうか。皐月賞は外枠だったが、道中外からマクられ、内で苦しい競馬。それでもラストはそこそこ粘っていた。スタミナもありそうなので、少し相手に加えてみてもいいかもしれない。
~今週末の注目馬~
というわけで今週も、最後は日本ダービーの注目馬で締めたい。
・タスティエーラ(ダミアン・レーン騎手)
注目はタスティエーラ&ダミアン・レーン騎手。
共同通信杯→弥生賞→皐月賞→日本ダービーという最近のトップホースにしてはやや詰まったローテでの参戦になるが、差し遅れた共同通信杯から弥生賞ではキッチリ巻き返し、皐月賞でもソールオリエンスの差し脚には屈したものの2着と好走。トップレベルの能力を見せた。
今回さらにプラスになりそうなのがレーン騎手の騎乗。前2走の手綱を取った松山騎手も上手く乗っていたが、本馬に関していえば追わせるタイプなので外国人騎手と手が合いそう。実際デビュー戦でムーア騎手が騎乗した際の伸びが一番良かった。ヴィクトリアマイルのソダシ、オークスのコナコーストと、レーン騎手はG1での乗り替わりで結果を出し切れていない影響で多少人気面が甘くなりそうな点もプラス。ソフトタイプ向きでいかにも手が合わなそうだったコナコーストとは異なり、タスティエーラはハードに追われて伸びる馬。この乗り替わりはプラスになる。
※週末の重賞の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
栃木県出身、競馬予想家。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』(ガイドワークス)など著書多数。最新刊は『馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる』(オーパーツ・パブリッシング)。 |
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【TAROの競馬研究室】JRA史上最高配当から考える複勝戦略/オークス展望
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先週のヴィクトリアマイルはソングラインが馬群を抜け出して勝利。昨年の無念を晴らした。戸崎騎手は基本的に馬群を突くよりも外に出したいジョッキー。今回も外に持ち出す予定だったようだが、結果的には内枠で外に出せなかったことが功を奏した形。馬場自体は外も伸びていたが、ヴィクトリアマイルはスンナリ隊列が決まり先行イン有利の競馬だった。2着のソダシとともに順調ならば安田記念で再戦する可能性があるので、改めての対決を楽しみにしたい。
さて、先週G1以外で大きな話題を集めたのが、JRA史上最高の複勝配当が飛び出した土曜の京都5R。最低人気のニホンピロパークスが2着に入り、複勝は18,020円という超高額配当になった。
このことから我々が学べることを少しまとめてみたい。
複勝配当は当然のことながら、人気がない馬が走れば高額になるのだが、それ以上に重要なのが残る2頭との兼ね合いだ。今回のニホンピロパークスも複勝オッズは、以下の通りかなりレンジ(幅)があった。
ニホンピロパークス 複勝オッズ 39.2-201.5倍
最低だと3,920円、最高だと20,150円。今回はかなり最高値に近い結果となったわけだが、それをアシストしたのは単勝1.6倍で敗れたスイープアワーズだろう。スイープアワーズはこのレースで8着と複勝圏内に入れず。1倍台の断然人気馬が敗れたことで複勝配当がかなり高めにブレることとなった。実はこれまでの複勝配当の記録を持っていたヴィヴィアンも同様のケースだった。ヴィヴィアンは、2010年6月26日福島2Rで16番人気3着と激走し、複勝配当は16,110円。このレースでも単勝1.6倍のユキノラムセスが9着に敗れていた。
複勝配当は1倍台の人気馬が圏外に敗れると一気に跳ね上がる。つまり、複勝を狙う場合はその馬自身が走るかどうかがもちろん最も大事なのだが、同時に、断然の支持を集める馬が4着以下に敗れる可能性があるかを判断することも大事ということ。複勝で勝負する際は、心に留めておきたい。
また、ニホンピロパークスは水口騎手、ヴィヴィアンは中谷騎手が騎乗していた。そして、ともに大手の牧場の生産馬ではなく、新ひだか町生まれだ。穴をあけるのはいつの時代も、どちらかといえば地味なジョッキー、地味な育ちの馬だというのは間違いなさそうだ。
~今週末の注目馬~
さて今週も、最後はオークスの注目馬で締めたい。
・ゴールデンハインド(菅原明良騎手)
注目はゴールデンハインド&菅原明良騎手。
前走のフローラSは相手関係や展開に恵まれたのは間違いないが、それでもゴール前は詰め寄られているように見えてむしろ差は詰まっていなかった。父ゴールドシップ譲りの豊富なスタミナを示した一戦と言えるだろう。ゴールドシップ産駒はこれまでオークスで(1-0-1-1)、ユーバーレーベンが3番人気1着、ウインマイティーが13番人気3着と好走している。ゴールデンハインドも自分の形に持ち込めればチャンスがあるはずだ。
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○TARO プロフィール
栃木県出身、競馬予想家。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』(ガイドワークス)など著書多数。最新刊は『馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる』(オーパーツ・パブリッシング)。 |
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【TAROの競馬研究室】ゴールドシップ産駒は牡馬より牝馬の方が活躍する理由/天皇賞(春)展望
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先週のフローラSは積極策を打ったゴールデンハインドが逃げ切り勝ち。人気のソーダズリング以下、差しに回った組の追撃を振り切った。
ゴールデンハインドの父はゴールドシップ。ゴールドシップといえばユーバーレーベン、ウインキートス、ウインマイティーなど牝馬の中長距離型の活躍が目立つ種牡馬で、今回そこにゴールデンハインドの名前が加わった。レースぶりを観ていてもいかにもキレないがバテないゴールドシップ産駒らしいタイプで、距離延長は望むところ。率直に言ってフローラSは相手関係にもかなり恵まれたのでオークスでどれだけやれるかは未知の面はあるが、距離への不安がないのは心強い。あとは先行力が生きる馬場になるかどうかがポイントだろうか。いずれにしても本番へ多少なりとも期待を残すレースだった。
ところで、前述した通りゴールドシップの産駒には牝馬の活躍馬が多い。同馬の産駒のJRA重賞勝ち馬は今回のゴールデンハインドを含め以下の5頭だが、そのうち4頭が牝馬となった。
ブラックホール(牡馬)
ユーバーレーベン(牝馬)
ウインキートス(牝馬)
ウインマイティー(牝馬)
ゴールデンハインド(牝馬)
なぜ牝馬の活躍が多いのだろうか? ここからはデータなどではなく推測になるが、恐らくスタミナ豊富だが決め手に欠けるゴールドシップの産駒は、牡馬に出ると現代競馬に対応できるスピードが足りなくなるのではないだろうか。基本的に競走馬は牝馬の方が基礎スピード能力が高く、牡馬の方が体力やスタミナに優れている。もともと種牡馬にスピードがあればいいのだが、ゴールドシップは現役時代の走りを観ていても軽快なスピードがあるとは言い難い。結果、牝馬に出て軽さを補わないと現代競馬向きの先行力や決め手が足りなくなってしまう。
ちなみに牡馬のこれまでの出世頭は、前述のブラックホール以外だとマカオンドール、ヴェローチェオロ。マカオンドールは2022年の万葉S(芝3000m)勝ち馬で、ヴェローチェオロは2021年のグレイトフルS(芝2500m)の勝ち馬で、ダイヤモンドS(芝3400m)の5着もある。唯一の牡馬重賞勝ち馬ブラックホールも菊花賞5着馬。
「スタミナが豊富」
といえば聞こえがいいが、逆にいえば、
「現代競馬向きのスピードが足りない」
ということでもあるか。
ちなみにゴールドシップ産駒の牡馬にはマイネルラウレアという今年の若駒S勝ち馬がいるが、この馬のレースぶりもゴールドシップ産駒らしいズブさが全面に出たもので、スピード能力が高いとは言い難い。やはりゴールドシップ産駒は牝馬の方が良いのかもしれない。
ところで、個人的な話になるが、実は今年の2歳馬で出資を迷っているゴールドシップ産駒がいる。まだ募集中なのだが、性別はどうだったかと確認すると…牡馬だった。もう少し悩むことになりそうだ。
~今週末の注目馬~
さて、今週末から再びG1。今週末はいよいよ新装なった京都競馬場に天皇賞(春)が戻ってくる。早速注目馬を挙げてみたい。
・ジャスティンパレス(ルメール騎手)
注目はジャスティンパレス&ルメール騎手。
2歳時以来久々にコンビを組んだ阪神大賞典では、ボルドグフーシュを退けて完勝。内枠から上手く立ち回れた面もあったが、改めてルメール騎手との相性の良さを示した一戦でもあった。前走を含め、これまで同騎手とは3戦3勝。もともとルメール騎手は短距離よりも長距離が得意で、天皇賞(春)ではフィエールマンとのコンビで連覇を成し遂げている。より決め手を生かせる京都開催もプラスになりそうで、長距離の名手とのタッグなら、かなり有力だろう。
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○TARO プロフィール
栃木県出身、競馬予想家。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』(ガイドワークス)など著書多数。最新刊は『馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる』(オーパーツ・パブリッシング)。 |
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