今週の中央競馬は土、日、月曜の3日間開催。
天皇賞・秋の
アーモンドアイ、
エリザベス女王杯の
ラッキーライラックに続き、22日(日曜)に阪神で行われるGI・
マイルCSで史上6頭目の連覇を目指すのが昨年の最優秀短距離馬
インディチャンプ(牡5歳)だ。管理する
音無秀孝調教師(66)=栗東=に、3着に敗れた前走の
安田記念や中間の調整過程などを聞いた。(取材&構成・川端亮平)
--連覇を狙った
安田記念は3着だった
「右後肢を落鉄していたことに尽きる。踏ん張りが利かなかった。ちゃんと走り切れていないというか、力を出し切れていないからね」
--秋は
スプリンターズSからの始動予定だった
「(始動戦は)去年の秋が
毎日王冠(3着)、今年の春は
中山記念(4着)と1800メートルのレースを使って結果が出なかったから、1200メートルを使ってみようということになった。ただ、レースに向けて調教を進めていく中で、右後肢の筋肉痛が出たんだよ」
--当初は復帰まで時間がかかるという見立てもあった
「そうだね。放牧に出したときには、ここも厳しいかなと思ったんだけど、思ったよりも軽症だった」
-5カ月ぶりの実戦。これまでは前哨戦を使って良くなるイメージが強い
「休み明けは凡走することがあるから不安はあるね。ただ、これまでは適距離ではなかったから。今回は得意のマイル戦でどうかだね」
--10月29日、4日の追い切りをCWコースで行ったのは、休み明けを意識しての調整?
「そういう意図ではないよ。坂路は馬場状態が良くなかったからね。
スプリンターズSのときに右後肢を痛めた経緯もあるから、そのあたりは慎重に進めている」
--11日の1週前追い切りはいつも通りに坂路で、4ハロン50秒8-12秒8の好時計をマークした
「この中間で初めて思いっきりやって、動きは良かったよ。思い切りやるしかないと攻めている。追い切りの本数もいつもより1本多くしている。いつもレース当週は単走だけど、休み明けだから今回はしっかり併せ馬をする予定だよ」
--今年は京都競馬場の改修工事の影響で阪神での開催になる
「去年のレースを含めて、京都マイル(4戦3勝)で走っているけど、阪神(5戦2勝、2、3、4着が各1回)がだめなわけじゃないからね」
--GI3勝目、史上6頭目の連覇が懸かる
「メンバーが強いから、簡単ではないと思っているよ。
安田記念では
グランアレグリアに負けているからね。休み明けになるので地力に期待して、あとはこの馬のことをよく分かっている福永騎手に任せるよ」
■音無 秀孝(おとなし・ひでたか) 1954(昭和29)年6月10日生まれ、66歳。宮崎県出身。79年に騎手デビューし、93年の引退までJRA通算84勝。うち重賞は85年
オークス(ノアノハコブネ)のGI1勝を含む6勝。調教助手を経て、95年に調教師免許を取得し、同年6月に厩舎を開業。2009年に最多賞金獲得調教師、10年に最多勝利調教師を獲得。JRA通算864勝、JRA重賞はGI13勝を含む79勝(16日現在)。
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ダイワメジャー以来…JRA・GIは、2連続で前年の勝ち馬が優勝。
天皇賞・秋は
アーモンドアイが史上2頭目、先週の
エリザベス女王杯は
ラッキーライラックが史上4頭目の連覇を達成した。今週の
マイルCSを
インディチャンプが勝てば、
ダイワメジャー以来13年ぶり史上6頭目の連覇となる。
★…
福永祐一騎手(43)=栗東・フリー=はこれまで
インディチャンプと10回コンビを組み、昨年の
安田記念(GI)など5勝をマーク。4、11日と2週続けて追い切りに騎乗した鞍上は「休み明けだけど、体が締まって春より動きは良かった」と好感触を伝える。今年6月の
安田記念では3着に敗れたが、「(
グランアレグリアは)強いけどこの馬も強い。落鉄した状態でも、(2着)
アーモンドアイと差(半馬身)はなかった。能力的には遜色ないと思う」とリベンジに燃えている。
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マイルCSの特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載