【TAROの競馬研究室】「津村騎手」持久力を引き出す早仕掛けお兄さん/七夕賞展望
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先週の東西重賞は波乱の結末。
3歳限定のハンデ重賞・ラジオNIKKEI賞は、4番人気ヴァイスメテオールが2馬身半差の完勝。今後に期待を抱かせる内容だった。もっとも、馬券的に波乱の主役は11番人気2着のワールドリバイバル。鞍上の津村騎手はテン乗りだったが、スタートから気合を付けて先行すると、直線もじわじわ脚を伸ばし持ち味を引き出した。
~カレンブーケドールは合っていた
津村騎手といえば最近はカレンブーケドールとのコンビのイメージが強い。同馬とはこれまで合計8回騎乗し、(1-5-1-1)と安定した成績を残している。その後残念ながら乗り替わりになってしまったが、今思えば持久力系の同馬にとって津村騎手は合っていたように思える。宝塚記念における戸崎騎手の弱気な騎乗を目の当たりにしたからこそ、なおさらそう感じるのかもしれないが…。
津村騎手はカレンブーケドールとのコンビのイメージ通り、コーナーからの強気の仕掛けが武器。馬の持久力を引き出すという点においては優れており、反面決め手を引き出すという点では早仕掛けの分、ゴール前脚が上がってしまうことが多い。
好例がカレンブーケドールとのコンビならば、逆に悪い例は今年のクールキャットで挑んだフェアリーSだろう。やや気性の難しい馬で掛かる面があるが、そこを無理に抑えないのが津村騎手らしさ。2番人気と期待された中でのレースだったが、スタート直後に掛かるそぶりを見せると、折り合いを諦めて一気にマクって先頭へ。この動きが差し馬の台頭を許し、自身は2番人気ながら10着と大敗した。
クールキャット自身はその後、横山典騎手が抑える競馬を試みたフラワーCで5着と見せ場を作り、その教育を経て出走したフローラSではルメール騎手を背に重賞制覇を成し遂げた。
もちろん、悪い面ばかりではなく、強気に動くからこそ馬の持久力を引き出す。ラジオNIKKEI賞のワールドリバイバルは典型で、キレないがバテないタイプに津村騎手の強気の先行&仕掛けは合う。その前の重賞好走は昨年のステイヤーズS、タガノディアマンテとのコンビでやはり強気に動いて途中から先頭に立ち、最後はオセアグレイトに交わされたが8番人気2着と穴をあけた。
騎手がどう乗るかを読むのも予想のうちである。現在35歳、中堅で渋い活躍を見せる津村騎手は、
”マクリ大好き早仕掛けお兄さん”
として今後も上手く付き合いたい。これから夏のローカルシーズンでは、狙うシーンも増えるはずだ。
~七夕賞の注目馬
今週末も引き続き福島競馬場での重賞が開催される。メインレースは七夕賞。今回も注目馬を一頭挙げてみたい。
・ワンダープチュック(津村騎手)
今回津村騎手を取り上げたからだろう、と言われればそうかもしれない面もなくはないのだが…ワンダープチュックは同騎手と手が合いそうなタイプ。直近2走は田辺騎手が騎乗しまずまずの内容、前走のエプソムカップでもラストはひと脚使えていた。溜めてキレるタイプではないので、本馬は津村騎手の強気の仕掛け向きだし、距離延長も近走内容を見る限りプラスに働きそうだ。まったく人気にはならないだろうが、穴として一考の余地ありとみている。
※七夕賞の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。
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【TAROの競馬研究室】最終週も外狙いを継続したい/宝塚記念展望
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先週末のユニコーンSは大波乱の結末になった。7番人気のスマッシャーが制し、2着には14番人気のサヴァ、上位人気勢は3着にケイアイロベージが突っ込んできたくらいで、ほぼ総崩れだった。同レースはこれまで人気馬が強かったが、今年は戦前から明らかに異なる気配が漂っていた。1番人気ラペルーズの単勝オッズは4.5倍。これは、ファンの迷いの証明でもある。実際、過去10年で最も高かった1番人気のオッズは2012年ストローハットの3.2倍。他はすべて2倍台以下で、今年がいかに混戦模様だったかがわかる。
データが必ずしも万能ではないのは、こうした個別事例でいくらでも例外が見られるためでもある。もっとも、例外を認めだすとキリがないので、総論としてはデータを活用することにも意味はある。あくまでもその背景に何があるのかを想像することが大事になる。ユニコーンSが堅かったのは3歳ダート路線のビッグレースが少なく、有力馬がココに集まるためにメンバーレベルが上がり波乱の余地が少なかったためだ。今年はこれといった有力馬がいなかったので、メンバーレベルが高いという前提が崩れていた。
なお、わかったようなことを言ってはいるが、馬券は外れた。期待した◎ピンクカメハメハは本当に残念な結果になってしまった…。
~東京芝は最終週の狙いも外!
さて、先週は札幌ダート1000mの外有利傾向をお伝えした。内枠なら控えて差すタイプとも書いたが、やはりというか、先週末の3レースは外が有利の結果に。
3レース中2レースで7~8枠馬が勝利、3レース延べ9頭の馬券圏内馬のうち半数近い4頭までが7~8枠馬だった。一方1~3枠で馬券に絡んだのは8頭立てのレースで控えて直線外に出したタマモベローナのみ。日曜の札幌3レースでは1番人気スプリングローズが2番枠から先行し失速しシンガリ負け。傾向はハッキリ出ていた。
というわけで、今回は東京芝を取り上げたい。今週末で最終週だが、オークスデー以降は外有利傾向が継続、ダービー週にCコース、先週末にはDコースに替わったが、大きく変わっていない。今週末も外重視が正解だろう。
とりわけ、芝の短距離の方が枠の影響を受けやすい。
今週末の東京芝短距離戦は以下の5レース。
土曜東京1R 芝1600m
土曜東京4R 芝1400m
土曜東京12R 芝1600m
日曜東京5R 芝1600m
土曜東京11R 芝1400m
この中から、狙いを定めて行きたい。
~宝塚記念の注目馬
今週末はいよいよ春のグランプリ・宝塚記念。コントレイルをはじめ、ラヴズオンリーユー、ワールドプレミア、デアリングタクトといった面々がいないのは残念だが、無敗で大阪杯を制したレイパパレ、昨年圧勝のクロノジェネシス、悲願のG1制覇に挑むカレンブーケドールといった有力どころが揃った。
もっとも、ココでは例によって伏兵馬を推奨したい。
・ユニコーンライオン
復帰後は半ば覚醒状態で、復帰戦のストークSを最低人気で3着と激走すると、弥彦特別を完勝、鳴尾記念もスローに持ち込んで逃げ切りを決めた。弥彦特別は内が伸びない中で先行して抜け出す強い競馬で、前走の鳴尾記念も展開に恵まれた面があったとはいえ、直線は再び突き放す好内容。上がり最速とコンマ1差での逃げ切りだから、ただの展開恩恵だけでは片づけられない好内容だった。今年は10年ぶりに2週目の開催となりイン有利傾向だし、メンバーを見渡しても先行馬が少ない。距離延長も問題なく、上手く前走同様のスローに持ち込めば粘り込みも可能とみる。
※宝塚記念の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。
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【伊吹雅也のピックアップ競馬データ2021年06月20日号】特選重賞データ分析編(259)~2021年宝塚記念
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次週の注目重賞を、伊吹雅也プロが様々なデータを駆使していち早く分析! もっとも重要と思われる<ピックアップデータ>に加え、<追い風データ/向かい風データ>や<注目馬チェック>など、貴重な情報が満載なウマニティ会員専用コラムとなっております。ぜひ皆様の予想にお役立て下さい。
■【伊吹雅也のピックアップ競馬データ】コラム内容について詳しくはこちらをご覧ください。
⇒https://umanity.jp/racedata/columndet_view.php?cid=7321
<次週の特選重賞>
G1 宝塚記念 2021年06月27日(日) 阪神芝2200m内
<ピックアップデータ>
【“同年、かつJRA、かつG1・G2のレース”において4着以内となった経験の有無別成績(2012年以降)】
○あり [9-6-7-50](3着内率30.6%)
×なし [0-3-2-52](3着内率8.8%)
年明け以降の戦績を素直に評価したい一戦。キセキ・クロノジェネシスのように国外のビッグレースで善戦してきた馬ならともかく、大敗続きの馬、G3やオープン特別のレースを主戦場としてきた馬は強調できません。
主な「○」該当馬→カレンブーケドール・シロニイ・ミスマンマミーア・レイパパレ
主な「×」該当馬→キセキ・ユニコーンライオン
<他にも気になる! 追い風データ/向かい風データ>
【追い風データ】
○「“前年の有馬記念”において9着以内となった経験がある」馬は2012年以降[4-6-2-12](3着内率50.0%)
主な該当馬→カレンブーケドール
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