夢月
豚ミンC
ジャンヌ
蒼馬久一郎
パンチ定食
暴君アッキー
セイリュウ1号
3歳最強マイラーを決めるNHKマイルCが8日、東京競馬場で行われる。注目はニュージーランドT2着から挑むマテンロウオリオン。管理する昆貢調教師(63)=栗東=は勝てば2008年ディープスカイ以来の同レースV。鞍上の横山典弘騎手(54)=美浦・フリー=は、先週の天皇賞・春で長男・和生騎手(29)=美浦・フリー=がGⅠ初制覇を果たしたばかり。今週は、父が最多タイの3勝を挙げる得意レースで大暴れする。ポテンシャルを信じて送り出す。全休日明けの3日朝の栗東トレセン。ニュージーランドT2着のマテンロウオリオンを管理する昆調教師が、不敵に笑った。「混戦ムードだからね。チャンスはあると思う。もともと素質があって、こういうところ(GⅠ)にいけると思っていた」新馬戦2着後に、万両賞(1勝クラス)で初勝利を挙げた経歴の持ち主。2走前のシンザン記念は、好位のインから抜け出し重賞初制覇。前走のニュージーランドTは2着だったが、ジャングロが逃げ切る中、メンバー最速となる上がり3ハロン34秒1の末脚で追い詰めた。「中山でよくあるパターン。負けても強いと思った」と前向きに振り返る。この中間は、心身の充実ぶりが光る。以前は胴が詰まり気味で短距離向きの体形だったが、「成長して伸びのある体になってきた。融通性のある体になってきた」とトレーナー。以前より落ち着きも増し、この日は初めて火曜に横山典騎手がまたがり、栗東CWコースをキャンターで1周半。「今はオンとオフがしっかりあります。(横山典騎手も)『言うことないよ』と言ってくれました」と榎本助手は精神面の成長を証言する。先週の天皇賞・春では、横山典騎手の長男でデビュー12年目の和生騎手がタイトルホルダーでJRA・GⅠ初制覇。「うれしいですね。それ以外に何もありません」と喜びをかみしめた名手は、NHKマイルC3勝で武豊騎手と並び最多勝ジョッキー。好相性のレースで、今週は父の威厳をみせたいところだ。昆調教師とのつながりは24年前から。トレーナーが福島信晴厩舎の調教助手だった1998年に、担当馬のテンパイがプロキオンSを制覇。その背中に名手がいた。近5年で昆厩舎が挙げたJRA重賞9勝のうち、7勝が横山典騎手という黄金コンビで、指揮官は「結果を出せるジョッキー」と全幅の信頼を置いている。昆調教師は2008年にディープスカイでNHKマイルCを制覇。両馬のタイプは違うが、師のトーンは高い。「ディープはじわじわと伸びる馬だけど、マテンロウは切れるカミソリ型。いろんな競馬ができるのも強み」と特長を語る。また、今回の内容次第ではディープスカイと同様、「(日本ダービー参戦も)あるかもしれないね」と〝変則2冠〟にも意欲をのぞかせた。シンザン記念と同じ、左回りのマイル戦。マテンロウオリオンが、府中で一番星の輝きを放つ。 (山口大輝)★最多タイ3勝のNHKマイル男横山典騎手はNHKマイルCに20回騎乗して、1999年シンボリインディ、2015年クラリティスカイ、17年アエロリットで3勝をマーク。武豊騎手と並び同レースの最多勝ジョッキーとなっている。2着も5回、3着も2回あり、複勝率50%と好相性のレースだ。ディープスカイ…2007年10月にデビュー。08年1月の初勝利まで6戦を要したが、毎日杯で重賞初制覇を飾ると、続くNHKマイルCを制覇。日本ダービーも後方から差し切り、〝変則2冠〟を達成した。同年秋の神戸新聞杯が現役最後の勝利となったが、天皇賞・秋ではウオッカ、ダイワスカーレットに次ぐ3着、ジャパンCも2着と健闘し、JRA賞・最優秀3歳牡馬を受賞。09年宝塚記念3着で引退し、種牡馬入りした。