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学生団体うまカレ副代表の金沢ユウダイです。
今週は春のグランプリ、宝塚記念です。春のGI全てでコラムを書いてきましたが、ひとまずその集大成となります。今回も長いので、気になる馬or最後のまとめだけ読んでいただければと思います(笑)
注目を集めるドゥラメンテですが、
①ノーザンファームしがらきで着地検疫をした3頭の中(おそらく、ドバイ遠征をしたドゥラメンテ、リアルスティール、ラストインパクトの3頭か、今春遠征を敢行した堀厩舎のモーリス、サトノクラウン、ドゥラメンテの3頭)で最もダメージを受けていたこと(堀調教師の共同会見より)
②レース前の初輸送
この2点が気になります。
②に関しては、ノーザンファームしがらきと美浦間の輸送は経験がありますが、毎回20キロほど体重が減るそうです。今回は金曜輸送ということですが、果たしてどれくらいの体重でパドックに出てくるか。
●右回りの爆発力、トニービンの再現性
ドゥラメンテは、左手前が得意、左回り<右回りである可能性が高いです。通常、左回りでは道中左手前、直線を右手前で走るはずです。右回りではその逆。過去の東京でのレースでは、残り1Fくらいまで右手前で走り、そこから左手前に手前を替えてさらに脚を伸ばしました。
一方、右回りの皐月賞では、道中右手前で走るので、得意の左手前を温存することができます。だからこそ皐月賞では温存していた左手前で走る直線であの爆発力ある末脚を使うことができたのでしょう。
中でも日本ダービーでは、サトノラーゼンに接触した2分4秒地点、残り375mあたりで左手前に替えたように見えます。そこから一気に突き放しましたし、デムーロ騎手も談話で「手前を替えてからの脚が凄かった」と話しています。
また、この馬はHornbeam(トニービンの母父)と牝祖パロクサイドの、NasrullahとHyperionによるニアリークロスを持っているので、東京の大一番で強かった種牡馬トニービンの再現性が高い配合で、非常に持続力があります。となると、ベストは左手前で持続力を活かせる「直線の長い右回り」である可能性が高く、「直線の長い右回り」のGIは存在しませんので、気が早いですが凱旋門賞の舞台(今年はシャンティイ)はベストパフォーマンスを出せる条件だと思っています。
アンビシャス、リアルスティールといったライバルたちと、同じ休み明けでも骨折明けながら爆発力の違いを見せつけた中山記念、右前脚を落鉄しながら左手前一本で走り切り(恐らく)、欧州最強馬Postponedの2着となったドバイシーマクラシックはまさに地力の成せる業。道悪についても、トニービンが入る馬は後駆で走ることが多いので、さほど気にする必要はないでしょう。広いコース向きの走りだけれども、右回りならば、国内で負ける可能性は少ないとみます。
●阪神<京都、急坂<平坦
キタサンブラックは、500キロを超える大型馬で、母父はサクラバクシンオーですが、体質は非常に柔らかく、「フワッと」先行するスピードがあります。これは母系に入るサクラユタカオーやジャッジアンジェルーチの影響が大きいと考えられ、サクラユタカオーはPrincely Giftを通じるNasrullah3×4を持ち、ユタカオーの仔で本馬の母父であるサクラバクシンオーも母系に入ればこの軟質な体質を伝えます。菊花賞、天皇賞(春)を制していますが生粋のステイヤーではなく、体質の柔らかさや、大きなフットワークによる燃費の良さで距離を持たせ、器用さを武器にしたレース巧者の中距離馬というべきでしょう。
好走する能力を持っていたこと、こちらが思っていた以上にブラックタイドのBurgcreleのスタミナが発現していること、スローペースになりやすい日本競馬において自分でレースを作れるレースセンスは評価すべきですが、セントライト記念と有馬記念、大阪杯は展開が絶好、そして菊花賞は北村宏司騎手の好騎乗、天皇賞(春)も武豊騎手の絶妙なペース配分があったとはいえ、後続のプレッシャーが想像以上に少なったのも事実。
Princely Giftの血を引く馬に多く見られる、前脚の伸びが綺麗で、トニービンを引く馬とは反対でどちらかというと前駆で走るから、京都の下り坂適性は抜群です。でもそれは阪神替わりや、タフな馬場はマイナスだし、今年の3歳牡馬クラシックを見ても分かる通り、2000mと2400m、距離が長いほどスタミナが問われるかといえばそうではありません。人気必至ならば、やはりもう1度嫌ってみたいところです。
●ドゥラメンテに次ぐ潜在能力
ドゥラメンテはもう名馬の域に達していますが、アンビシャスも相当な器です。血統をみると、究極の配合から、パワーとスタミナを伝える母父エルコンドルパサーに、母母カルニオラは1990年の凱旋門賞を制したSaumarezと3/4同血(父Rainbow Questと母母Fiesta Funが共通)で、「欧州的な重厚な血統」といえます。母はHyperion8・8・7・8・7×9・7・8・5、Nasrullah4×5だから、形としてはドゥラメンテと同じNasrullahとHyperionの斬れになっているともいえ、Hyperionが濃いので成長力も担保されています。
本来であれば、ズブくて重々しいタイプに出ても良いはずなのですが、重々しさを感じさせない馬体、軽やかなフットワーク、前向きな気性の持ち主で、この「字面の血統から逸脱したものが発現している」というのは大物に共通していることです(例えば、メジャーエンブレムも全兄がダート長距離馬だとは思えないほどのスピードが発現されていますよね)。
ディープ産駒らしい瞬発力もみせていますが、やや上がりの掛かる馬場の方がパフォーマンスは上がるはずで、だから週中の雨はプラスと考えて良いと思います。ただ、ラジオNIKKEI杯、産経大阪杯と内回りで結果を残しているものの、どちらかというと外回り向きなタイプ、また中山記念、大阪杯ともに外枠で、周りに馬がいないと折り合い、内枠で馬群に入った天皇賞(秋)では終始掛かりっぱなしだったことを考えると、「周りに馬がいない方が折り合えるタイプ」の可能性もあり、その点で今回の内枠は気かがりではあります。
●何でもできる、サトノダイヤモンド型
天皇賞(春)3着のシュヴァルグランは、ジャスタウェイやマジックタイムのように、2・3歳時に「これは大物か⁉」というパフォーマンスをみせてから少々伸び悩み、古馬になって本格化というハーツクライ産駒らしい成長曲線を描いてきました。
ヴィクトリアマイルを連覇した半姉ヴィルシーナの他にも、ダノンシャンティや種牡馬Devil’s Bagらを輩出した名門Ballade牝系で、母のクロスを継続して自身はHalo≒Red God3×4・5・5、軟質なスピードを増幅させているので、サトノダイヤモンドのように器用さがあり、外回りでも内回りでもパフォーマンスは落ちずに何でもできるタイプです。母系にメジロのスタミナ血脈が入るモーリス然り、母父サクラバクシンオーのキタサンブラック然り、母からスタミナ(≒持続力)を取り込んでいるからこそ一流マイラーが生まれ、母からスピード(によって前受けできる)を取り込んでいるからスタミナを活かすことができている。シュヴァルグランも、父のスタミナを母のスピードによって活かしているといえるでしょう。
天皇賞は負けて強しの競馬、どちらかというと上がりの競馬だったので、父のスタミナが活きたレースとはいえず、タフな馬場、急坂のあるコース替わりとなれば好走する可能性は高いですが、器用ということは勝ち切れないことと相似でもあるので、勝ち切るイメージは湧きません。
●馬場と揉まれない外枠はプラスに
サトノクラウンはすごい配合馬で、これだけで1記事かけてしまうほどなのです。Aの〇×〇というような単独のクロス、また62.5%程度に相似な血を持つ馬同士のクロスである「ニアリークロス」も効果を示しますが、たとえば、母母→母父→父と代を重ねながら重要な血脈を何本も継続的にクロスしていく、「組み合わせのクロス」もそれらに劣らない効果を示します。
サトノクラウンの場合は、各国で活躍馬を輩出している、ナスキロ(NasrullahとPrincequillo)とTom Fool的な血(Bull DogとPharamond)について、
・母母父Vettori
・母父Rossiniの父Miswakiの母Hopespringseternal
・母父Rossiniの母Touch of Greatness
・父ラストタイクーン
で、何代にも渡り継続クロスしており(母ジョコンダⅡはRossini≒Vettori1×2ともいえる)、さらに、ナスキロ+Tom Fool的な血+最強パワー血脈のWar AmiralとLa Troiennneという見方をすれば、ラストタイクーン≒Rossini2×2ともいえるすごい配合です。
こういう配合をすれば、サンデーサイレンスの力を借りずとも日本の芝中距離GIで勝ち負けできる馬が生まれるのです。絶対に種牡馬になってほしいです(笑)
レースに関係することを書けば、昨年のダービーでドゥラメンテに勝つ馬がいるとすれば、ドゥラメンテよりも前で競馬をした時のサトノクラウンだけだ、と思い、昨年のダービーでは◎でした。天皇賞(秋)の大敗は体調面の問題、前走のクイーンエリザベス2世カップは、レース序盤でハナに立った後に馬群に包まれるなどチグハグな競馬で気性面が敗因だったと考えていますから、今回への影響は心配しないで良いように思います。また、堀厩舎は元々宝塚記念にはドゥラメンテを出走させる予定でしたし、タフな馬場だった京都記念→香港を使い、疲れが残っていれば出走させるはずがないのです。ただ1つの懸念を述べるとすれば、血統的にドゥラメンテやアンビシャスよりも成長力に劣るかもしれないということです。それでもやはりダービーでのパフォーマンスをみると、この世代のNo.2はこの馬だと思いますし、狙ってみる価値はあると思います。
●衰えは感じないが、4歳世代と比べると
昨年の宝塚記念、天皇賞(秋)を制したラブリーデイは、Ribot系のGraustark6×6などを持ち、母系にもRobertoが入るので肩が立っていて前脚の可動域が小さいです。母のダンスインザダークやトニービンのスタミナも伝わっていないわけではないですが、燃費の悪い走り方になるため距離は2000m前後がベスト。ただこの燃費の悪い走りというのは、「器用さ」とも相似なわけで、コーナリングが求められる内回りという条件は合っています。
厳しい流れの中3着を死守したジャパンカップ、重馬場で早め先頭から4着に粘り切った香港クイーンエリザベス2世カップも相当に強い競馬といえますが、どうも旬の短いタイプに思えるし、4歳勢と比べると1枚落ちる感は否めません。
●地力はトップクラス
トーホウジャッカルは体質が非常に柔らかく、この体質の柔らかさから、スピードの乗りがコーナー時より直線時の方がスムーズで、後述するタッチングスピーチとは別の意味での広いコース向き、かつ高速決着歓迎。この点を考慮すると昨年の宝塚記念4着は相当なパフォーマンス、地力の成せる業です。天皇賞(春)の一瞬伸び欠けて止まった走りは、まさに完調手前らしいといえ、中間が順調な今回は非常に楽しみです。潜在能力はメンバー中でもトップクラスで4歳のトップクラスと地力勝負でやりあえる数少ない先輩馬でしょう。しかし先述したように高速決着と広いコース向きという点がどうか。秋には無事にジャパンカップに出走してもらいたいのですが・・・。
●舞台、道悪適性は高く
ヤマカツエースはキングカメハメハ×グラスワンダーという組み合わせですので、Kingmambo≒Ameriflora2×3(Raise a Native、Graustark=His Majesty、Northern Dancerらが共通)という名牝系に属する名種牡馬と名繁殖2頭の強力なニアリークロスになります。Kingmamboのパワーを増幅しているので内回りでこそというタイプで、道悪はプラス。初めて古馬の一線級との対戦になった京都記念も2着馬と差のない5着、前走の鳴尾記念は、開幕週で終始外を回されてはさすがに厳しく、内回りで道悪が濃厚のこの舞台は合っています。昨年のラブリーデイのような新星誕生があればこの馬だと思いますが、如何せん今年は同世代のライバルが強力なためどこまでやれるか。
●底力に疑問
ステファノスはSir Gaylord≒Secretariat6×6的緩さと、クロフネの頑強さのバランスが上手く結びつき古馬になって本格化。GIで好走した昨年のクイーンエリザベス2世カップは内枠からの出し抜け、天皇賞(秋)もスローペースによるものが大きくこのメンバーで道悪の宝塚記念を勝ち負けできる底力は感じません。
●得意の馬場と捲りで
マリアライトはリアファルの3/4姉で、アンビシャスとは異なり母父エルコンドルパサー産駒らしい機動力と、この母らしいパワーが武器。昨年のマーメイドSや、潮来特別での捲りこそが本来の姿で、馬場が渋れば外回りでも牝馬のトップということはエリザベス女王杯で証明しています。良馬場の目黒記念での2着は地力の成せる業。舞台替わりと週中の雨は大歓迎で、善戦する可能性は高いとみますが、やはりこの4歳牡馬たちをまとめて差し切れるかというと疑問符が付く。
●一線級相手の内回りでは
タッチングスピーチは母リッスンが2007年のフィリーズマイル(GI、芝8F)を制している良血馬で、リッスンはBold Reason≒Never Bend3×4、母系もBetter SelfやEight Thirtyといったアメリカ血脈が流れるパワー型です。ディープインパクト産駒の中でもパワーに寄っているので週中の雨は歓迎ですが、テンのスピードがなく大飛びなので外回り向き。内回りのここで超一流牡馬相手となると相当な馬場悪化や、ハイペースなど外的要因が向いてほしいところ。
●ラブリーデイのように
鳴尾記念を制し、今年重賞を2勝しているサトノノブレスは、「重賞制覇→天皇賞(春)敗戦→鳴尾記念制覇」というローテが昨年のラブリーデイと非常に似ています。6歳になってもう一段階成長したのは、いかにも母父トニービン(Hyperion5×3・5)らしものといえます。ベガを輩出し散るアンティックヴァリュー牝系でも、RivermanやDraffic Judgeが入るのでパワーもあり舞台は合っているでしょう。4歳牡馬相手には厳しいと思いますが、人気がないなら抑えてみたい1頭ではあります。
【まとめ】
基本的にはハイレベル4歳勢の争いだとみる。
ドゥラメンテは道悪は苦にしない可能性が高く、右回りならば勝って渡仏する可能性が高いだろう。しかし、道悪適性、ダービーでの走り、堀厩舎の思惑などを考慮するとサトノクラウンにも食指が動く(私情入りまくり)。キタサンブラックは、馬場、阪神替わりはマイナスで、もう1度嫌ってみたい。アンビシャスは潜在能力ならドゥラメンテに次ぐものがあると思うし、血統的には時計の掛かる馬場はプラスで、成長力も高い。穴目では馬場&コースともに合っているマリアライトとヤマカツエースのピンク帽2頭や、サトノノブレス。
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【参考】
『日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究』(笠雄二郎著)
望田潤さんのブログ http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo
栗山求さんの連載「血統SQUARE」http://www.miesque.com/motomu/works.html
『覚えておきたい 日本の牝系100』(平出貴昭著)
「うまカレ」とは、競馬の魅力を同世代を中心に発信していこう、競馬界を若い力で持ち上げようと、関東の競馬を愛する大学生が集まり6年前に結成された学生団体です。テレビ出演や、フリーペーパー制作など様々な活動をしています。詳しくは以下のブログやSNSをご覧ください。
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金沢ユウダイ
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【ブログ】http://derby6-1.hatenablog.com/
執筆者:うまカレ(MYコロシアム>最新予想にリンク)
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