第22回
秋華賞(15日、京都11R、GI、3歳牝馬オープン国際(指)、馬齢、芝・内2000メートル、1着本賞金9200万円=出走18頭)牝馬3冠最終戦は3番人気の
ディアドラが、鮮やかに差し切り勝ち。春のクラシック惜敗の悔しさをラスト1冠で晴らした。初コンビで勝利に導いたルメール騎手は
ソウルスターリングで制した
オークスに続いて今年の牝馬2冠を達成。タイム2分0秒2(重)。2着は4番人気の
リスグラシュー、3着は5番人気の
モズカッチャン。変則2冠を狙った1番人気の
アエロリットは7着に敗れた。
降りしきる雨を自慢の豪脚で切り裂いた。春のクラシックで悔し涙を流した
ディアドラが、“三度目の正直”でGI初制覇。
オークスの
ソウルスターリングに続く牝馬2冠を飾ったルメール騎手が胸を張る。
「ごっつぁんです。素晴らしい馬です。きょうはトップコンディションになったし、GIでたくさんいい馬がいたけど、自信がありました」
初騎乗でも1週前追い切りで感触をつかみ、パートナーの末脚を信じていた。スタートでやや遅れて道中は後方4番手。描いていたレースプラン(中団追走)とは違う形になったが、そこからの判断はさすがだった。
「大外を回ったら無理だと思って内へトライした」。4コーナーまでは距離ロスが少ないインにこだわった。直線でうまく外に持ち出すと、先行勢を次々とかわしていく。重馬場をものともせず、
桜花賞(6着)、
オークス(4着)に続き、またも上がり3ハロン最速(35秒7)の末脚を発揮。最後は
リスグラシュー、
モズカッチャンの実績馬を鮮やかに差し切った。
「ラスト50メートルは前の馬が止まったけど、彼女は最後まで伸びてくれた」
この秋もルメール騎手は“モテ男”。
ソウルスターリング(天皇賞・秋予定)だけでなく、古馬にはGI2勝の
ヴィブロスと有力牝馬がめじろ押しで「楽しみ」とうれしい悩みを口にする。
橋田調教師にとっては2007年の
高松宮記念(
スズカフェニックス)以来、10年ぶりのGI制覇。
サイレンススズカをはじめ、
アドマイヤベガ、
アドマイヤグルーヴなどの名馬を育てた名伯楽は「GIはちょっとご無沙汰でしたし、うれしかったです」と晴れやかな笑みを浮かべる。
オークス後は
秋華賞を見据え、8月の札幌、
紫苑Sとコーナー4つの2000メートルにこだわった。「レースや調教を重ねるごとに、プラスの面を作っていける。春からかなり上積みを持って臨めた」。ライバル以上の成長がラスト1冠奪取につながったと分析する。
今後は状態をみて、
エリザベス女王杯(11月12日、京都、GI、芝2200メートル)に挑む。「相手は強くなるけど、距離はもう少し延びてもいいし、対応できると思う」と橋田調教師。ルメール騎手は先約の
ヴィブロスに騎乗するため、鞍上は未定だが、成長を続ける若き女王なら一気に古馬の壁を越える可能性は十分にある。初タイトルを起爆剤に、まだまだ高みを目指して突き進む。 (斉藤弘樹)
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