今年最後のJRA・GI
ホープフルSで、『東西現場記者走る』を担当する東京サンスポの板津雄志記者(40)は的中へ燃えている。
有馬記念を外した人にとっては、挽回する最後の
チャンスなのだ。連載初日は全休日の栗東トレセンで、東スポ杯2歳Sをレコード勝ちした
コントレイルに迫った。
いろいろな意味で衝撃的な結末だった
有馬記念。栗東へ向かう道中、映像を繰り返し見た。
リスグラシューは何回戦っても勝っただろうと思える完勝ぶり。史上最高メンバーを破っての引退はこれ以上ない花道だ。
矢作厩舎からは続々とスターホースが出ている。3歳には
オークス馬
ラヴズオンリーユー。そして、今年最後のJRA・GI
ホープフルSにスタンバイする
コントレイルも、前走の東スポ杯2歳Sが鳥肌ものの強さだった。早速、厩舎に感触を聞きに行った。
「
リスグラシューは強かった。厩舎からどんどん強い馬が出てきていますし、勢いを感じます。
コントレイルもリスくらい走って、最後を締めてくれたらいいですね」
リスに続け-と厩舎のムードは最高潮。担当の金羅助手も手応えを隠さない。デビュー前の調教から「僕が乗っていきなり坂路を(4ハロン)53秒くらいで上がってきた。これは走る」と非凡な才能を感じさせていた。
阪神芝1800メートルの新馬戦はノーステッキの楽勝。さらに圧巻だったのが前走の東スポ杯だ。中団から上がり3ハロンはメンバー最速33秒1の末脚で、2着に5馬身、3着にはさらに4馬身もの差をつけた。
驚いたのは1分44秒5の走破タイム。2歳レコードはもちろん、この秋の
毎日王冠を勝った
ダノンキングリーに0秒1差まで迫るものだ。東京芝1800メートルの3歳以上のレコードが1分44秒2で、過去を振り返っても古馬で
コントレイルより速く走った馬は6頭しかいないのだ。「新馬よりペースが(1000メートル通過が4秒も)速かったのに、上がりもさらに速くまとめてきたのはすごい」と世話役も舌を巻く内容だ。
「(異父の)兄姉は少し硬さがあったけど、この馬はすごく柔らかい。体はコンパクトだけど、全身を使って走れる。軽い走りで切れ味もあって、競馬も上手に走ってくれている」
話を聞いていると、まるで父
ディープインパクトそのままの印象に思えてくる。最強のDNAを余すことなく受け継いでいるのだろう。
馬房で“ごあいさつ”したときには、自ら近寄ってきて、私のお腹あたりをガブっと甘噛みする人懐っこさ。その気持ちの余裕には、偉大な先輩
リスグラシューに通ずるものを感じた。 (板津雄志)
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