サマースプリントシリーズ最終戦の
産経賞セントウルSが13日、中京競馬場で17頭によって争われ、1番人気の
ダノンスマッシュが好位から抜け出して重賞6勝目を挙げた。優先出走権を得た次走の
スプリンターズS(10月4日、中山、GI、芝1200メートル)へ弾みをつけた。12番人気の
メイショウグロッケが2着、2番人気の
ミスターメロディが3着。同シリーズは
レッドアンシェルが優勝した。
悲願のGI制覇へ向けて、好発進を決めた。1番人気の
ダノンスマッシュが、好位から直線で突き抜けて重賞6勝目をマーク。完勝と言える内容に、前走の
安田記念8着に続いて騎乗した三浦騎手は笑みを浮かべた。
「難しい馬場でしたがいろいろ考えるより、ゲートを出てから馬を信じて乗ろうと決めていました。位置を取った瞬間に、馬の気持ちで早め先頭も考えましたし、途中からは思い描いていた通りの運びでした」
今春のGI・
高松宮記念で10着に終わった中京の芝6ハロン戦。スタートを決めて4番手を手応えよく追走すると、直線は徐々に差を詰め残り200メートル付近で先頭へ。鞍上の右ムチに応えて、力強い末脚で押し切った。
中山競馬場でレースぶりを見届けた安田隆調教師は、「スタートも道中のポジションも良かった。最後もしっかり抜け出して、完璧。前哨戦としては文句なし」と満足げだ。
これで芝1200メートル以下の“スプリント重賞”は現役最多、父
ロードカナロア(7勝)に次ぐ歴代2位タイの5勝目。次走の
スプリンターズSへ弾みをつけた。
「学習能力が高いので1400、1600メートルを使ったことが道中のゆとりにつながったと思います。春を越えて馬も成長してくれた。力はあるので無事にいってほしい」と三浦騎手が期待を込めれば、「ここで結果を出せないようならGIなんて言っていられない。これで堂々と本番に向かえます」とトレーナーも胸を張った。
GIは7度出走して昨年の
スプリンターズS3着が最高。今度こそGIの壁を乗り越えて、短距離界の頂点を奪う。(渡部陽之助)