1週間の密着取材で勝ち馬を探るGI連載『東西現場記者走る』。GI昇格3年目を迎える
大阪杯は、大阪サンスポの渡部陽之助記者(40)が担当する。連載初日は
マカヒキ、
ワグネリアンと
日本ダービー馬2頭を送り出す友道厩舎に注目。叩いて上昇ムードの前者と、3歳時から心身の成長を遂げている後者。レースでは初の直接対決となるが、どちらも力を発揮してきそうだ。
波乱決着の
高松宮記念をテレビで見届けてから栗東トレセンへ。山口記者の見事なホームラン(◎△的中)に比べ、自分は空振り。ため息が漏れたが、気持ちを切り替えて、今年最初の連載担当だ。昨年の年度代表馬
アーモンドアイ、昨年の覇者
スワーヴリチャードがともにドバイ遠征で不在だが、GI馬8頭と豪華な顔ぶれ。どの馬にもチャンスはありそうだ。
初日に取り上げるのは友道厩舎の2騎。ともに
日本ダービー馬で地力は証明済みだが、それぞれ気になる点がある。
京都記念で◎を託した
マカヒキは後方から3~4コーナーで押し上げ、直線で抜群の伸び。0秒1差の3着に敗れたが、大外(12)番も影響したのだろう。レースぶりには復調気配が十分感じられた。
その点を大江助手に確認すると「前走は仕掛けどころが難しかったですね。ジョッキーも2回乗ってつかんでくれていると思う。馬は段階的に良くなっているし、上積みも感じます」と頼もしい答えが返ってきた。
中間は在厩のまま坂路、芝、CW、DPと様々なコースで入念な調整。負荷をかけ過ぎないよう、気合を乗せることに重点を置いての工夫で「馬の状態、馬場状態を見ながらやっています」と同助手。2016年ニエル賞(仏GII)以来の復活Vに、手が届くところまで来ているとみた。
ワグネリアンは
神戸新聞杯V以来の一戦。予定していた天皇賞・秋を体調が整わずパスし、目標を早めに切り替えた。実戦は約半年ぶりとなるが、「3歳時は(調教で)速いところをやるとカイバ食いがよくなかったですが、今は残すことなく食べていますからね」と内臓面の成長を指摘。「精神的に大人になって、余計な力みが抜けてきた。順調に来ていますね」と同助手は心の成長を口にした。
中間はプール調教も取り入れ、疲れを残さないよう負荷をかけた。阪神コースでは2戦2勝。元々先行力があるタイプで、内回りにも対応できるはず。
ミスターメロディが
高松宮記念を制し、今年も存在感を見せる明け4歳世代。その頂点に立った逸材なら、今年初戦でいきなりやれそうな可能性を感じた。ちなみに、この2頭は初対決。新旧
日本ダービー馬の競演にも注目したい。
今週末はドバイ遠征中の
ヴィブロスと
シュヴァルグランにも期待がかかる。国内外でGI“4頭出し”の友道厩舎から、目が離せないぞ~。 (渡部陽之助)
現場記者走るとは 2014年春に始まったGI限定の連載企画。東西サンスポの精鋭記者がトレセンで1週間の密着取材を行い、勝ち馬に迫る。結論を出すのはレース当日のサンケイスポーツ紙面。渡部記者は現場復帰した昨秋、担当した
マイルCSで◎
ペルシアンナイトが2着も、1着
ステルヴィオが“抜け”。
ホープフルSは◎
サートゥルナーリア1着も相手が“抜け”で外しており、リベンジに燃えている。
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