【TAROの競馬研究室】成長力溢れるリオンディーズ産駒/天皇賞(春)展望
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フローラSは内枠を生かしてラチ沿いを追走したエリカヴィータが、直線もインを捌いて抜け出して勝利。人気を集めたルージュスティリアは最下位という結果に終わった。
もっとも、勝ったエリカヴィータは枠順などに恵まれた面も大きい。2着に逃げたパーソナルハイ、3着に2番手追走のシンシアウィッシュ、4着にもイン追走のマイシンフォニーが入り、開幕週らしい逃げ先行&イン有利の決着となった。
そもそも今年のフローラSはメンバー自体がやや低調で、エリカヴィータは1勝馬でまだ条件戦にも出られる立場。それ以外の出走馬も大半が条件クラスで、オークスに繋がるかはかなり疑問の残るところ。今年は桜花賞組に関しても上位勢の適性が怪しいのでで、フローラSを終えてオークス戦線はますます混沌とした状況になって来た。
~年齢を重ねるごとに成績が上がるリオンディーズ産駒
さて、先週もう一つ気になったのは土曜の福島牝馬ステークス。勝ったアナザーリリックはリオンディーズ産駒。リオンディーズは2015年の朝日杯FS勝ち馬。その後は勝利を挙げられずに故障で早期引退をしてしまったが、産駒は今年に入ってこれまで以上に活躍が目立つようになっている。現時点での代表産駒の一頭、テーオーロイヤルは天皇賞(春)でも印を集めそうな位置にいる馬だし、前述のアナザーリリック、先週の晩春Sでは6着に敗れたが、それまでは年明けから4戦して2勝2着2回とオール連対のショウナンアレスなど、初年度産駒が4歳になり地力とつけて来ている。
そこで気になって調べてみると、やはりリオンディーズ産駒は年齢とともに成績が上がることがわかる。
・リオンディーズ産駒の年齢別成績(データの数字は先週末終了時点)
2歳 勝率 7.8%
3歳 勝率 9.3%
4歳 勝率 16.2%
ご覧の通り、年齢を経るごとに明らかに成績の向上が見られる。初年度産駒は今4歳。リオンディーズ自身、現役時代は志半ばの引退となってしまったが、これから種牡馬として花開くかもしれない。馬券的にも妙味があるので、上手く手の内に入れて成長のサインを見極めたい。
では、今回も先週の競馬から次走狙えそうな馬を一頭挙げておきたい。
【次走狙い馬】ルビーカサブランカ(土曜福島11レース・福島牝馬S/5着)
小回り1800mは絶望的に合わないと思うのだが、なぜか連続して使われるという少々かわいそうな状況。今回も適性がない舞台を使われた分の敗戦で、騎手や馬の能力の問題ではない。恐らくこの後はマーメイドSあたりでは? いずれにしても2000m以上への延長なら即巻き返し可能。
~天皇賞(春)展望
さて、今週末から再びG1が続く。まずは天皇賞(春)。今年も阪神が舞台となる。例によって注目馬を一頭挙げて締めたい。
・ヒートオンビート(池添謙一騎手)
ディープボンドやタイトルホルダーは当然有力だが、それでは面白くないので、伏兵勢の中からヒートオンビートを推奨したい。ヒートオンビートは前走の日経賞で3着と健闘。逃げ&インが有利な流れだったが、上位勢の中では多少ロスがありながらの好走は評価できる。もともと未勝利を勝ち上がってからはほぼ崩れ知らずで、大きな不利があった2020年の西宮Sと大外枠から先行する形で流れに乗れなかった京都大賞典以外は馬券圏内を外していない。大一番での決め打ちが怖い池添騎手が騎乗する今回、上手く道中ロスなく立ち回れればチャンスがあって良い。
※週末の重賞の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。 |
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くりーくの中間調教チェック 阪神ジュベナイルフィリーズ2021
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こんにちは、くりーくです。このコラムでは、今週行われる重賞競走の中間の調教内容を中心に分析してご紹介します。私の予想の基幹部分でもある調教分析術を是非あなたの予想にお役立て下さい。
今回も前走からの中間の調整内容(評価はA~F)を中心に各馬コメントをしていきたいと思います。
12月12日(日) 阪神11R 第73回阪神ジュベナイルフィリーズ(2歳G1・牝馬・芝1600m)
【登録頭数:23頭】(フルゲート:18頭)
【賞金上位馬】
ナムラクレア(前走460kg(+2kg)、中4週)<A>
前走時も追い切り、パドックともにかなり良かったが、この中間も2週前、1週前と坂路で好時計。特に1週前追い切りでは、前に馬を置いて終いの脚を活かす内容で、切れ味は前走以上。切れすぎるので外回りはマイナスで、脚の使いどころが鍵になる。
ウォーターナビレラ(前走472kg(+2kg)、中4週)<C>
デビューからの2戦はパドックではボテーとしていて緩さの残る馬体だったものの、レースでは先行してしぶといところを見せていた。それが、前走は毛艶も良く馬体も締まってきてかなり良い状態をパドックでアピールしていた。この中間は、1週前追い切りでは素軽い動きも短い距離を使ったためか行きたがる面が出ていて、距離延長で悪い面が出なければ良いが。
サークルオブライフ(前走478kg(+6kg)、中5週)<B>
デビューから使われつつ、パドックでの馬体が良く見えるようになってきているこの馬。この中間は、3週前から週2本速い時計を出していて、引き続き状態は良さそう。これまで通り強めに追われた1週前では、まだモタモタしたところをのぞかせていて、ここも終いの脚を活かす競馬になりそう。
ナムラリコリス(前走464kg(-2kg)、5ヶ月)<D>
前走重賞勝ちも滞在競馬のパドックでもややテンションが上がり気味なところがあり、休み明けで輸送もある今回はそのあたりの不安もある。この中間1週前追い切りでは先着しているが、終いの時計はかかっていてまだ仕上り途上な感じあり。
ステルナティーア(前走442kg(-2kg)、中8週)<B>
新馬戦の時は良かったが前走時はパドック、レース中と力んでいるところがあり、それもあってかなり遅いペースでも勝ち馬のように自分で動くことができなかった。馬体もこれ以上減るとマイナスになりそうで、この中間は中8週空いているが強めの追い切りはなく馬なりでの調整。輸送もあるのでテンションを上げすぎず、馬体も減らしすぎずと、そのあたりを意識した調整に映る。
ベルクレスタ(前走468kg(-2kg)、中5週)<A>
新馬、未勝利ではパドックではまだ緩さがあったが、休み明けの前走時は締まりがあって好馬体だった。ただ前走時は乗り込み量こそ豊富でも、速い時計の出るこの馬にしては物足りない時計が多く、余裕残しの仕上げだったのかもしれない。この中間は、2週前、1週前と強めに追われて好時計を出してきていて、しっかり仕上げてきたとの感触。これなら直前は軽めの調整で十分。右回りは初めてとなるが、手前を替えるのが上手な馬で左回りよりも終いの伸びは増すのではないかと思う。
ラブリイユアアイズ(前走438kg(-8kg)、中4週)<C>
滞在で2戦使い、使われるごとに馬体が減っていて、前走時はトレセンからの輸送があったこともあるかもしれないがトモが寂しく映った。この中間は追い切りでは速い時計が出ていて内容も前走時よりも良いが、今回は関西への長距離輸送もあるのでこれ以上馬体が減ると終いの伸び脚に影響が出そう。
キミワクイーン(前走418kg(-8kg)、中6週)<D>
馬格のない馬だが、パドックでは馬体を大きく見せて小柄な感じには見せない馬。ただ、これ以上減るとさすがにパワー不足になってしまうところで、特に今回は関西への輸送もあるので気を使わなくてはならない。この中間1週前追い切りでは先着も、重心が高い走りで力強さには欠ける印象。上積みはあまり見込めないか。
ダークペイジ(前走448kg(±0kg)、中8週)<B>
1200mから1400mに延びた前走だったが、行きたがる面を見せながら直線早め先頭で押し切った格好。終いは脚が上がっていて、さらに強い組が相手だと差し切られていた内容だった。長く良い脚を使えるタイプではないので、1600mへの距離延長はマイナスになりそう。出来に関しては2週前、1週前と強めに追われて終い好時計が出ていて悪くないが。
ナミュール(前走440kg(+2kg)、中2週)<C>
前走関東へ輸送しての競馬で、今回はそこからの中2週。それほど大きな馬でもなく、この中間は日曜日に坂路で軽く乗り出した程度。坂路で速い時計の出る馬なので、最終追い切りでどれだけ追ってくるかで状態の回復具合が分かってきそう。
ルージュラテール(前走478kg(-6kg)、中1週)
※4日に放牧に出されたため出走回避。
ヒノクニ(前走438kg(-8kg)、中7週)<E>
九州産馬で1200mまでしか経験がない馬。1週前追い切りの動きを見ても、首を使わない走りで伸びきれず特に目立つ内容ではない。
【抽選対象馬(6/11)】
アネゴハダ(前走440kg(-6kg)、中4週)<D>
この中間の追い切りでは前走時よりも時計がかかっている。1週前追い切りの動きを見ても、走りやすそうな馬場でも終い伸びきれていない。
エンタングルメント(前走476kg(新馬戦)、中4週)<C>
1800mの新馬戦を勝ち上がったが、ペースも遅くかといって終いもそれほど切れる感じでもなかった。今回はマイル戦の流れに戸惑いそう。ただ、この中間も追い切りには横山典騎手が跨っており、馬は子どもだが鞍上の一発のほうに注意か。
サウンドビバーチェ(前走472kg(+10kg)、中1週)<B>
前走時のパドックでは、未勝利勝ち当時よりもお腹のあたりに余裕がある感じだった。その状態で勝ち馬と差のない好内容で、今回中1週で馬体が絞れてくれば前走以上の状態で出走できそう。
サク(前走446kg(新馬戦)、中1週)<C>
新馬戦時は追い切りではそれほど目立つ時計は見られず、パドックでもまだ余裕のある印象だった馬。今回中1週で疲れがあるか上積みがあるかは、最終追い切りの動きで判断したい。
シンシアウィッシュ(前走444kg(+8kg)、中1週)<D>
前走時は追い切りでは終いの時計がかかっていて、パドックではやや太い感じがあった。この中間は中1週で軽めの調整。
シークルーズ(前走420kg(新馬戦)、中2週)<C>
新馬勝ちの前走時は、追い切りでは特に目立つ時計もなくパドックでもまだ余裕がある馬体だったが、レースでは緩い流れを好位の内でジッと我慢して直線抜け出す競馬。この中間1週前は軽めの調整。小柄な馬で馬体の回復を優先しているのかもしれない。
スタティスティクス(前走438kg(+4kg)、中2週)<B>
休み明けの前走時、パドックではプラス体重も馬体が締まり好馬体。調教では速い時計の出る馬だったので、休んで中身がしっかりしていたのかもしれない。この中間も間隔は詰まるが、坂路で終い好時計が出ていて、動きを見ても重心が低い走りで上積みがありそう。
スプリットザシー(前走392kg(新馬戦)、中6週)<B>
かなり小柄でトモも寂しく映る馬だが、坂路では回転の速い走りで終いまでしっかり伸びてと能力は高そう。小柄な馬なので使い込むよりは間隔を空けて使うほうが良さそうで、この中間もしっかり乗り込まれてきている。1週前の坂路の動きもしっかりしていて、出来良好。
タナザウィング(前走456kg(新馬戦)、中9週)<D>
1600mの新馬戦を勝って間隔を空けてきたが、ズブい感じがあり距離が延びたほうが良さそう。この中間も休み明けの割には乗り込み量は少ないほうで、太め残りがあるかもしれない。
トーホウラビアン(前走426kg(-2kg)、中1週)<D>
前走は休み明けも逃げて最低人気で3着に粘り込んだ。ただ1、2着馬とは離されていて展開が向いた感じ。この中間は間隔が詰まっていて軽めの調整となり、小柄な馬で上積みよりも反動のほうがありそう。
パーソナルハイ(前走470kg(+10kg)、中2週)<B>
追い切りでは好時計の出る馬だが、前走時はパドックでは馬体に余裕が窺え、そのあたりが終いの粘りに影響したのかもしれない。この中間は中2週だが1週前に坂路で好時計が出ており、出来は良くなってきそう。
※今回のこのコラムからの推奨馬はベルクレスタ、ナムラクレア、ステルナティーア、サークルオブライフ、スプリットザシーの5頭をあげておきます。
<出走予定馬の近走追い切り参考VTR(小倉2歳S/サウジアラビアRC/アルテミスS/ファンタジーS)>
◇今回は阪神ジュベナイルフィリーズ編でした。
毎年このレースを予想する際に気にするのが馬体重。2歳牝馬は比較的小柄な馬が多く、詰めて使われていれば強い稽古ができなくなり馬体を維持することで精一杯ということもあるためです。また、関東馬であれば関西への長距離輸送を考慮しなくてはならず、最終追い切りはなるべく軽めに済ませテンションを上げないようにしたいところ。そう考えると、3歳クラシック戦線同様に早めに賞金を加算して余裕のあるローテーションでレースに臨める馬のほうが有利ということになります。
2歳戦は古馬と違い、数戦前がデビュー戦という馬が多く、これまでどんな状態で出走していたのか、調べようと思えばすべてのレースでも少し時間をかければできてしまいます。気になる馬がいた際には、1頭でも2頭でもジックリ調べてみると、今回本当に狙える馬が浮かび上がってくるかもしれませんよ。
※阪神ジュベナイルフィリーズ出走各馬の最終追い切り評価については、最終予想内でコメントする予定です。
※最終結論は、レース当日のくりーくプロページでチェックしてください。
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【伊吹雅也のピックアップ競馬データ2021年12月05日号】特選重賞データ分析編(283)~2021年阪神ジュベナイルフィリーズ
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次週の注目重賞を、伊吹雅也プロが様々なデータを駆使していち早く分析! もっとも重要と思われる<ピックアップデータ>に加え、<追い風データ/向かい風データ>や<注目馬チェック>など、貴重な情報が満載なウマニティ会員専用コラムとなっております。ぜひ皆様の予想にお役立て下さい。
■【伊吹雅也のピックアップ競馬データ】コラム内容について詳しくはこちらをご覧ください。
⇒https://umanity.jp/racedata/columndet_view.php?cid=7321
<次週の特選重賞>
G1 阪神ジュベナイルフィリーズ 2021年12月12日(日) 阪神芝1600m外
<ピックアップデータ>
【“JRAのレース”において4着以下となった経験の有無別成績(2013年以降)】
×あり [0-1-1-72](3着内率2.7%)
○なし [8-7-7-46](3着内率32.4%)
戦績の安定感がポイント。一度でも4着以下に敗れたことがある馬はほとんど上位に食い込めていません。ただし、出走数が1戦以下の馬は2013年以降[0-0-0-9](3着内率0.0%)。新馬を勝ち上がった直後の馬まで重視する必要はないでしょう。
主な「○」該当馬→ウォーターナビレラ・ダークペイジ・ナムラクレア・ナムラリコリス
主な「×」該当馬→キミワクイーン・シンシアウィッシュ
<他にも気になる! 追い風データ/向かい風データ>
【追い風データ】
○「“JRA、かつ1500m超のレース”において1着となった経験がある」馬は2013年以降[7-8-6-51](3着内率29.2%)
主な該当馬→ウォーターナビレラ・シンシアウィッシュ
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