クラシック3冠初戦の
皐月賞が17日、中山競馬場で行われる。昨年の最優秀2歳牡馬に輝いた
ドウデュースを管理する
友道康夫調教師(58)=栗東=に直撃インタビュー。デビュー4戦目で初黒星を喫した前走を振り返るとともに、セールスポイント、今回の相手関係などを聞いた。波乱が続く今春のGⅠシリーズ。
皐月賞も混戦ムードだが、武豊騎手とコンビを組む
朝日杯FS勝ち馬が主役を演じる。(聞き手・長田良三)
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──最優秀2歳牡馬として、今年は
弥生賞ディープインパクト記念から始動した
「2歳時は強い内容だったけど、3歳になったら勢力も変わってくるし、ここでどんな競馬をしてくれるかなと。期待はもちろんあったけど、不安も半分ありました」
──その前走は2着。デビュー4戦目で初黒星
「3コーナーを過ぎてごちゃついたけど、それがなければいい競馬になっていたと思う。最後は追い上げてきてクビ差なんでね。改めて力は見せてくれたし、負けはしたけど伸びてきてくれたのは良かったと思う」
──6日の1週前追い切りでは武豊騎手を背に、栗東CWコースで6ハロン82秒2─11秒2
「思っている以上に動きますよね。楽に走ってあの時計。豊君も言ってたけど、3頭併せで他の馬にひっつけたり離したりしても、折り合いを欠くことなくスムーズに運べた。ゴーサインを出せばすぐに反応してくれるしね」
──成長している点は
「2歳のときはコロンとした体形で、マイルかなという感じはありました。でも、今はお腹もすっきりして、胴も伸びたので、2400メートルとか距離が延びても大丈夫かなと思います」
――セールスポイントは
「勝負根性があって、オンとオフの切り替えもできる。調教が終わってもケロッとしているし、心肺機能もいい。優等生で欠点がないですね」
──前走と同じく中山2000メートルが舞台
「力通りにいかない競馬場だと思う。まぎれもあって、展開もあるしね。ただ、馬場が荒れてもパワーがあるし、操縦性も高いから対応できると思う。そういう面も含めて(1週前追い切りで)豊君が確かめてくれたと思う」
―─
ホープフルS勝ち馬
キラーアビリティや、
東京スポーツ杯2歳Sを快勝した
イクイノックスなど、初対戦の馬も多い
「強いなと感じています。パフォーマンスもいいし、インパクトのある勝ち方をしているからね。それでも
ドウデュースなら肩を並べても強いと思うし、負けない能力はあると思う。1回使っている強みもある」
──厩舎としては、2009年
アンライバルド以来の
皐月賞2勝目が懸かる
「(厩舎のダービー馬)
ワグネリアン、
マカヒキで
皐月賞を勝てなかったので、何とか取りたいですよね。それだけの能力がある馬です」
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■友道 康夫(ともみち・やすお) 1963(昭和38)年8月11日生まれ、58歳。兵庫県出身。1989年9月から栗東で厩務員、調教助手を経て2001年に調教師免許を取得。翌年に開業した。11日現在、JRA通算637勝。うち重賞は
日本ダービー(16年
マカヒキ、18年
ワグネリアン)などGⅠ15勝を含む53勝。JRA賞は18年に最多賞金獲得調教師、20年に最高勝率調教師を獲得した。
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友道厩舎は
ドウデュースを含め、
皐月賞に3頭出しで挑む。
きさらぎ賞2着の
ダンテスヴューは「体のバランスが取れて本来の動きに戻ってきました。(初の)右回りでも問題はないし、力さえ出せばGⅠでも通用すると思う」と友道調教師。
スプリングS3着の
サトノヘリオスも「変わりなく順調。2000メートルのほうが競馬はしやすいし、タフな馬場でも大丈夫」と期待を込めた。
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武豊騎手(53)=栗・フリー=は6日に
ドウデュースの追い切りに騎乗。「動きはいいよ。手が掛からないタイプで、総合力が高い。同じ中山2000メートルだし、今までのレースを踏まえて乗りたい」と意気込みを語った。勝てば1993年
ナリタタイシン、2000年
エアシャカール、05年
ディープインパクトに次ぐ
皐月賞4勝目。また、レース当日は53歳1カ月3日で、安藤勝己騎手が11年
桜花賞で記録(51歳0カ月14日)した、クラシック競走における騎手の最年長優勝記録を更新する。
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◆馬名の由来 する+テニス用語(勝利目前の意味)