【TAROの競馬研究室】2021年になっても騎手の特徴は変わらない/シンザン記念展望
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中央競馬開幕となった金杯デーは東西とも波乱のスタート。とりわけ大波乱となったのは、中京で行われた京都金杯。
まったく想定していなかったエントシャイデンの逃げで始まったが、隊列はすんなり落ち着き先行イン有利の競馬に。結果逃げた14番人気のエントシャイデンが3着に逃げ粘り、1枠2番の12番人気ケイデンスコールが好位から差して勝利、2着は4番枠のピースワンパラディ。
終わってみれば”逃げ馬&内枠”という、現代競馬の波乱パターンのセオリー通りの結末となった。予想としてはかすりもせず…のスタートになってしまったので、今週末の3日間開催で改めて仕切り直しをしたい。
~東西金杯で改めて見えた騎手の特徴
そして、年が明けても変わらないのは騎手の特徴だ。驚きの逃げを見せた川須騎手は、決して上手くはないがとにかく積極性が武器のジョッキー。今回も持ち味を引き出す思い切った好騎乗だった。
勝った岩田騎手は昨年のカツジでも見せたような思い切った騎乗で健在ぶりをアピール。インを回ってズバッと差して来るパターンには、まだまだ注意が必要だ。白髪の上に白帽子(1枠)の岩田騎手には要注意だ。
エントシャイデンにハナを譲る形になったボンセルヴィーソの鮫島克駿騎手も、特徴通り。カデナで小倉大賞典を制した時のように、溜めて差す競馬では上手さを見せるが、反面積極性が足りないところがある。昨年のレパードSでも、楽に行けそうだったタイガーインディで控えてしまい惨敗を喫している。
東の中山金杯に目を転じても、ヒシイグアスの松山騎手は乗れる騎手としてさらに腕に磨きをかけているし、3着ウインイクシードは、やはり追う力においてはJRAの中ではトップクラスの力があるところを改めて見せてくれた。
5着に敗れたとはいえ、昨年プチ・ブレイクしたアールスターの長岡騎手の自在な立ち回りも目を引いたし、カデナの三浦騎手のある意味自分の馬のことだけを考えた騎乗も変わらなかった。
2021年に変わっても、基本的に何かが極端に変わることはない。上手い騎手は上手いし、積極的な騎手は積極的だし、逆に若手でもない限りはイマイチな騎手が劇的に上手くなることもないだろう。我々は騎手に過度な期待をすることなく、どう動くかを観察し、上手く予想に取り入れて行きたい。
なお、騎手の特徴については『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』を見て頂けると理解が進むと思うので、興味のある方は是非読んでみてほしい。
~シンザン記念展望
さて、今週末は京都金杯が行われた中京芝1600mでシンザン記念が行われる。天候にも恵まれ、引き続き先週同様の馬場状態で行われば、再び紛れが生じる可能性もある。
昨年のアルテミスSでソダシの2着に好走し、さらにルメール騎手が騎乗するククナ、朝日杯FSで差のない競馬をしたバスラットレオンあたりに人気が集まりそうだが、伏兵の出番もありそうだ。
現時点での注目はセラフィナイト。デビュー戦は不良馬場で全く持ち味を生かせなかったが、良馬場だった2戦目では馬群を縫って鋭く伸びて勝利。多頭数の競馬にも対応できそうな器用さもあり、立ち回りひとつでチャンスがありそう。丸山騎手は中山金杯でもココロノトウダイで2着に突っ込むなど好調なスタートを切っており、ココでも手綱捌きに注目したい。
※シンザン記念の本命馬は、『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。 |
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2020年12月25日(金) 14:00
TARO
【TAROの競馬研究室】関東リーディングへ躍進・横山武史騎手の凄さ/有馬記念の狙い馬
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朝日杯フューチュリティSは伏兵・グレナディアガーズが内から抜け出して勝利。人気のステラヴェローチェ、レッドベルオーブの追撃を早め先頭から振り切った。
7週目を迎えた阪神芝は引き続き良好な馬場状態で時計が速かった。私も当初はホウオウアマゾン、モントライゼあたりを本命候補として考えていたのだが、どうも外枠が有利になるような馬場には見えなかったため予定変更、最終的には前で勝負できそうな◎バスラットレオンで勝負。どのみちハズレだったのだが、当初の予定を変えたくなるほど、想定よりは軽めの馬場状態だった。
この馬場がピタリとハマったのが勝ったグレナディアガーズ。川田騎手は当日4レース、同舞台で行われた2歳未勝利戦で12番枠の馬をラチ沿いに促して勝たせており、この時点でインをピタリと立ち回ってくることを決めたのだろう。絶好枠、イン有利馬場、好騎乗など、すべての条件がかみ合っての勝利だった。ただ、負けた組を含めて昨年のサリオスのような翌年のクラシックに繋がりそうな存在は見当たらなかった。
~父譲りのイマジネーションで躍進中の横山武史騎手
西で開催されたG1の裏で、活躍が目立ったのは中山の横山武史騎手。今年は当初より飛躍の期待をしていたが、想像を超える躍進で現在92勝。先週終了時点で吉田隼人騎手に3勝差で関東リーディングの座を守っている。
レースぶりを見ていても父・横山典騎手を彷彿とさせるソツのなさが目立ち、特に中山をはじめとする小回りやローカルで、その戦略性の高さをいかんなく発揮している。例えば先週土曜3Rの2歳未勝利戦。前走まで父が騎乗していたユキノファラオの手綱を取ると、スタートから少し気合いをつけ先行、直線楽々と3馬身抜け出し、これまでの勝ち切れない競馬が嘘のような快勝劇を見せた。
また、準メインでは5番人気のシェダルに騎乗。530キロという巨漢馬を駆り、直線グイグイ追って差し切り勝ち。立ち回りや位置取りの妙だけでなく、大型馬を動かす腕っぷしの強さも見せてくれた。
実際横山武史騎手は大型馬との相性も良く、今年は500キロ以上の馬で17勝、単勝回収率220%、複勝回収率も92%と高い水準を維持している。今春の東風Sでは550キロ近い超大型馬のストーミーシーを思い切って先行させて押し切る騎乗も印象深い。
立ち回りが上手く、父譲りの想像力もあり、掛かることを恐れず前に行かせることもできる。加えて追っての力強さもあり、現在の関東の若手騎手の中では一歩抜きんでた存在になりつつある。短期免許の外国人騎手が来日するのももう少し先になりそうだし、来年はさらなる飛躍に期待できそうだ。横山武史ブランドが確立する前に、今のうちから狙いを定めておきたい。
~有馬記念の枠順確定後の注目馬
さて、今週末はいよいよ有馬記念。各所(ウマニティも含め)で展望については散々語っているのでこの場では枠順確定後の狙い馬を2頭挙げておきたい。
・カレンブーケドール
10番枠については何とも言えないギリギリのところだが、臨戦や適性、能力などを総合的に考えるとやはり買いの一頭。ジャパンカップは強敵相手に4着と健闘。スタート直後少しヨレて同厩舎アーモンドアイとの接触を回避するためにやや後手、4コーナーでもアーモンドアイに対して多少気を遣うシーンもあったように思え、それがロスになりラストの伸びを欠いた印象だ。それでも完全に脚色が悪かった300m地点から最後は食らいつくところまで粘っており、使った脚は3強に割って入れるものだった。中山替わりも問題なく、スムーズな立ち回りが叶えば上位争いできるはず。
・ラヴズオンリーユー
枠順確定後に評価を上げたくなったのがこの馬。エリザベス女王杯は上位2頭に屈したが、距離延長がプラスになりそうな上に、フットワークを見ても中山替わりは案外悪くなさそう。馬の状態に対して的確なコメントをする矢作厩舎の言動を見ても状態は上がってきていると推測され、4番枠を生かして好立ち回りが叶えば、上位勢の一角を崩せる可能性はありそうだ。いわば牝馬第四の矢となるが、気楽な立場で一発を狙いたい。
※週末の重賞の結論は、『TAROの競馬』にて一部無料公開予定。また、馬券の買い方や券種の選び方なども含めた結論は、競馬ノートにて限定配信の予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。
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2020年12月17日(木) 16:30
くりーく
くりーくの中間調教チェック 朝日杯フューチュリティステークス2020
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こんにちは、くりーくです。このコラムでは、今週行われる重賞競走の中間の調教内容を中心に分析してご紹介します。私の予想の基幹部分でもある調教分析術を是非あなたの予想にお役立て下さい。
今回も前走からの中間の調整内容(評価はA~F)を中心に各馬コメントをしていきたいと思います。
12月20日(日) 第72回朝日杯フューチュリティステークス(2歳G1・芝1600m)
【登録頭数:18頭】(フルゲート:18頭)
モントライゼ(B)中5週
この中間は、2週連続坂路で速い時計をマーク。終いの時計はかかっているものの、走りを見ると小倉2歳Sの頃のように重心が上がってくる感じはなく、重心が低いまま最後まで力強く走り切ることができている。出来は前走以上。
レッドベルオーブ(B)中4週
1週前追い切りの動きを見ると、馬なりで楽に先着と能力のありそうな走り。ただ一方で、これまでビシッと強く追うことが少なく、走りにも硬さがある印象を受ける。まだまだ良くなる余地を残している感じ。
ショックアクション(C)3ヶ月半
これまでは坂路中心の調教で仕上げてきた馬だが、この中間はCWと坂路での調整。デイリー杯2歳Sを使う予定が叶わず、休み明けでの出走で、この馬としては少し時計がかかっている印象。残り1週でどこまで詰めてくるかといったところ。
ステラヴェローチェ(D)中9週
前走から間隔があって乗り込み量は豊富だが、坂路での時計はかかっている。また、先週のインフィナイトと同様、悪い馬場で2連勝中と速い時計になった場合への対応に不安は残る。
ホウオウアマゾン(B)中4週
これまで同様に、1週前はCWでの追い切り。今回は、3頭併せで古馬OP馬には遅れたものの、しぶとく喰らいついており、動き自体は悪くない。前走時のパドックでは少し余裕のある馬体に映ったので、もう少し絞りたいところ。
ロードマックス(A)中5週
デビューから3戦すべて左回りを使われてきていて、今回は初の右回り。ただ、普段の調教は右回りで行われていて、多少コーナリングでぎこちない面はあるものの、直線での走りには問題は見受けられない。出来に関しても、レースを使われるごとに調教では力強さが増してて、新馬戦の頃と比べるとかなり成長してきている。
アスコルターレ (A)中8週
前走時はCWでの調整だったが、この中間は坂路中心の調教に戻し乗り込み量は豊富。1週前追い切りでは、走りやすい馬場とはいえ、この馬らしいスピード感のある走りで出来は前走以上に見せている。ただ、短距離が向いている印象の調教での走りなので、距離延長に不安は残る。
カイザーノヴァ(D)中4週
前走時は+10キロで多少余裕のある馬体に見えた。調教ではいつも首が高い走りになってしまい、1週前の坂路でも前走よりも時計こそ出ているものの、周りの馬と比べると終いの伸び脚が物足りず。ガラリ一変とまでは言えない。
ドゥラモンド(B)3ヶ月半
3ヶ月半の休み明け。乗り込み量も豊富で1週前追い切りでは先行して先着。まだ走りに力強さはないが、仕上がりは良さそうな動きだった。
ブルースピリット(B)中3週
この中間も1週前はCWで併せ馬。調教駆けする馬相手で速い時計も出ており、休み明けを一度使われて引き続き良い状態をキープできている感じ。
グレナディアガーズ(C)中5週
3戦目で未勝利勝ちも、使われるごとに調教時計が良化している。この中間も、1週前追い切りでは3頭併せの内に併せて外2頭と互角の動き。走りも新馬戦の頃と比べるとしっかりしてきたように見える。
ジュンブルースカイ(D)中3週
小柄な馬で、前走も東京でのレースで大きく馬体が減っていた。今回は阪神なので輸送で大きく減ることはなさそうだが、今の馬体重だとビシビシと追い切ることもできず上積みは期待できそうもない。
スーパーホープ(B)中4週
大きな馬で前走時のパドックではまだ絞れそうな馬体だった。この中間も、1週前には坂路で追い切られて併せて先着。速い時計も出ていて使われての上積みはありそう。
テーオーダヴィンチ(D)中3週
調教では速い時計の出る馬だが、1週前追い切りでは時計もかかり併せ馬で遅れていて物足りない内容。
バスラットレオン(B)中2週
前走は休み明けで+20キロ。パドックでも少し余裕がある馬体に映った。この中間は、中2週でも、1週前の金曜日に坂路速い時計が出ていて、状態面での上積みが期待できそう。
ビゾンテノブファロ(C)中2週
JRA転入後7戦と使い込まれているが、5度掲示板と人気の割に走っている。前走も馬体が増えていて、調教で仕上げるというよりはレースが調教のようなイメージ。そうなるとどこが目標なのか分からなくなってきてしまうが、それでもここで勝ち負けできるところまでは厳しい。
このコラムからの推奨馬は、ロードマックス、アスコルターレ、バスラットレオン、モントライゼの4頭をあげておきます。
◇今回は朝日杯フューチュリティS編でした。
昨年の秋、2021年から3歳の新馬戦(1月~3月)がなくなるという報道があったので、1月からの番組表がどのように変わるのか気になっていたのですが、3月の新馬戦がなくなり2月まではこれまで通り新馬戦が行われるようです。
今後どのように変わっていくのか分かりませんが、仕上がりの早い馬ばかりではないので2月くらいまでは新馬戦は行ってほしいものです。馬主さんにしてみれば、新馬戦でデビューするのと未勝利戦でデビューするのでは気持ちが違うと思います。あとは出走希望馬が多い時期にはレース数を増やして、2回除外されてやっと出走というような馬が出ないようにすることも大事だと思います。種付け、出産、育成、調教とたくさんの人たちの手がかかり、時間もかけてやっとデビューできるのが競走馬。悔いのない状態に仕上げて出走できることが、馬にとっても馬主さんにとっても納得できる形なのではないかと思います。新馬戦は、その馬の未来が決まるレースでもあるわけで、希望するレースに万全の状態で出走させてあげたいと願うばかりです。
それでは次回、ホープフルS、有馬記念編(予定)でお会いしましょう。
※朝日杯FS出走各馬の最終追い切り評価については、最終予想内でコメントする予定です。
※最終結論は、レース当日のくりーくプロページでチェックしてください。
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【伊吹雅也のPOG分析室 (2020) 】~第8回ワールド別上位ランカーまとめ~
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9月7日をもっておよそ3か月に渡る夏季競馬シーズンが閉幕。先週9月12日からは4回中山・4回中京がスタートし、秋季競馬シーズンに突入しました。
先週までに“JRA、かつ2歳のレース”は計197レース施行されており、188頭が勝ち上がり済み。7月18日の函館2歳ステークス(2歳G3・函館芝1200m)をリンゴアメ(マイネデセールの2018)が、8月30日の新潟2歳ステークス(2歳G3・新潟芝1600m外)をショックアクション(Reset In Blueの2018)が、9月5日の札幌2歳ステークス(2歳G3・札幌芝1800m)をソダシ(ブチコの2018)が、9月6日の小倉2歳ステークス(2歳G3・小倉芝1200m)をメイケイエール(シロインジャーの2018)が制し、それぞれ重賞ウイナーの称号を手にしています。
まだスペシャル以外の各ワールドでは仮想オーナー募集枠の解放が順次行われていますし、最終的な順位を左右するような高額賞金のレースが施行されるのはかなり先です。しかし、スタートダッシュに関する明暗がはっきりとランキングに表れているうえ、夏季競馬シーズンという最初の区切りを迎えたばかりの今は、反省や戦略の練り直しを行うちょうど良いタイミングと言えるんじゃないでしょうか。
そこで今回は、9月13日終了時点における各ワールドの上位プレイヤーと、その指名馬をひと通りチェックしていきたいと思います。
なお“JRA、かつ2歳のレース”における競走馬ごとの本賞金額(9月13日終了時点)トップ20は下記の通りでした。
●ソダシ(ブチコの2018) 3800万円
●メイケイエール(シロインジャーの2018) 3800万円
●リンゴアメ(マイネデセールの2018) 3800万円
●ショックアクション(Reset In Blueの2018) 3790万円
●ヨカヨカ(ハニーダンサーの2018) 3700万円
●カイザーノヴァ(ステラリードの2018) 2610万円
●ウインアグライア(ウインアルテミスの2018) 2300万円
●ブルーバード(エーシンベタラネリの2018) 2300万円
●ラストリージョ(コスモマクスウェルの2018) 2300万円
●ラヴケリー(ダームドゥラックの2018) 2120万円
●モントライゼ(ムーングロウの2018) 1990万円
●フォドラ(セイングレンドの2018) 1950万円
●ブルーシンフォニー(ブルーストーンの2018) 1900万円
●ユーバーレーベン(マイネテレジアの2018) 1900万円
●ルーチェドーロ(アラフネの2018) 1900万円
●ドゥラモンド(シーズインクルーデッドの2018) 1710万円
●バスラットレオン(バスラットアマルの2018) 1480万円
●フラーズダルム(クーデグレイスの2018) 1480万円
●ショウナンラスボス(プリンセスオブザスターズの2018) 1340万円
●セレッソフレイム(ボストンサクラの2018) 1340万円
8月15日のフェニックス賞(2歳オープン・小倉芝1200m)、8月29日のひまわり賞(2歳オープン・小倉芝1200m)を連勝したヨカヨカは、重賞ウイナー4頭と同等の賞金を獲得。デビュー前から評判になっていた九州産馬で、ひまわり賞を使うことができるという明確なアドバンテージもあったわけですから、当初から狙っていた、そして狙い通りにポイントを獲得できてほくそ笑んでいるプレイヤーが多いかもしれません。
スペシャルワールドでトップに立っているたけぼう54さんも、ヨカヨカを指名しているプレイヤーのひとり。1頭1オーナー制という“特殊ルール”が影響しているとはいえ、スペシャルワールドではこの馬に2名しか入札しておらず、手頃なポイント(1500万PP)で獲得に成功していらっしゃいます。前評判通りに活躍した今だからこそ「絶好の狙い目だった」と言えますが、第1回入札で獲得を目指すにはそれなりの勇気が必要だったはず。やはり素晴らしい指名です。
もっとも、たけぼう54さんはヨカヨカのみのおかげでトップに立っているわけではありません。仮想オーナー馬の全20頭中、既に18頭がデビューを果たしており、うち11頭が勝ち上がり済み。札幌2歳ステークスではバスラットレオンが3着に食い込みました。現時点で2位のよ~じさんに1億円近い差をつけているうえ、これだけ指名馬の層が厚いとなると、しばらくは“天下”が続くのではないかと思います。
G1ワールドは1億0841万円を獲得しているGrecaleさんがトップ。こちらもヨカヨカが稼ぎ頭です。このヨカヨカを仮想オーナー募集枠が解放された第6回入札で獲得していらっしゃるように、Grecaleさんはデビュー後の指名も併用していくスタイル。まだ仮想オーナー馬の頭数は上限に達していません。2位以下との差はわずかですが、今後の指名やレース結果によっては、後続をじわじわ引き離していくような展開になるんじゃないでしょうか。
G2ワールドで首位をキープしているフジノウェーブさんも、デビュー直前に行われた第2回入札でヨカヨカを獲得していました。さらに、札幌2歳ステークスでユーバーレーベンが2着、9月12日のアスター賞(2歳1勝クラス・中山芝1600m外)でドゥラモンドが1着となるなど、短距離路線以外の手駒も豊富。今のところ仮想オーナー馬20頭のうち12頭しかデビューしていませんから、先々まで優勝争いを引っ張っていくことになるのではないかと思います。
G3ワールドもヨカヨカをデビュー前に指名しているダートムーアさんがトップに君臨中。ただし、こちらは新潟2歳ステークスを勝ったショックアクション、札幌2歳ステークスを勝ったソダシもいるという、素晴らしいラインナップです。ちなみに、ショックアクションとソダシは、それぞれレース直前の入札で獲得に成功した模様。おそらく、メンバー構成を確認したうえでの指名だったんじゃないでしょうか。仮想オーナー募集枠が順次解放されていくスペシャル以外のワールドならば、目前に迫ったレースの予想を入札に反映させていく作戦が有効。POG経験が浅い方はぜひ参考にしてみてください。
オープンワールドは、ヨカヨカの獲得に成功したプレイヤーたちを抑え、ウインアグライア・ユーバーレーベンらを指名しているずーさんが首位に立っていました。オープンワールドは1頭あたりの仮想オーナー募集枠が多く、ランキング上位勢は概ね似たようなラインナップになると思っていたのですが、今年はなかなかバラエティ豊か。どういう指名を行ったプレイヤーがここから抜け出すのか、はたまた数か月後にはランキング上位勢の顔触れがガラッと入れ替わっているのか、しっかり観察しておこうと思います。
■執筆者プロフィール
伊吹 雅也(いぶき・まさや)
埼玉県桶川市在住のフリーライター、競馬評論家。JRAホームページ内『今週の注目レース』で「データ分析」のコーナーを、TCKホームページ内『データ&コラム』で「分析レポート」を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラムなどさまざまなメディアを舞台に活動している。近著に『コース別 本当に儲かる血統大全 2019-2020』(ガイドワークス)、『ウルトラ回収率 2019-2020』(ガイドワークス)、『WIN5攻略全書 回収率150%超! "ミスターWIN5"のマインドセット』(ガイドワークス)、『コース別 本当に儲かる騎手大全2018秋~2019』(ガイドワークス)など。POG関連メディアの制作にもさまざまな形で携わっており、「ウマニティPOG 2014」では最高位クラスのスペシャルワールドにおいて優勝を果たした。 |
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