2020年12月18日(金) 14:00
TARO
【TAROの競馬研究室】朝日杯FS展望/人気以上に走れそうな伏兵候補
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阪神ジュベナイルフィリーズは1番人気の支持を集めたソダシが勝利。直線一旦はサトノレイナスに詰め寄られるシーンもあったが、最後は接戦を制し、白毛馬による世界初のG1制覇となった。
ソダシの父はクロフネ。クロフネは牝馬の活躍が多い、いわゆるフィリーサイヤーで、国内での獲得賞金上位5頭のうち4頭までが牝馬。唯一の牡馬は障害戦で活躍したアップトゥデイト。
アエロリットやカレンチャン、ホエールキャプチャのように、産駒の多くはしぶとい成長力を見せてくれるので、ソダシには今後長きにわたる活躍で日本の競馬シーンを盛り上げてほしい。今後はクラシック路線ということになるだろうが、当面の課題は距離だろうか。タイプ的にはやはり桜花賞の方が良いだろうが、同世代戦ならギリギリオークスまではこなせるかもしれない。
2着サトノレイナスもあわやの競馬で力を見せた。こちらは走りが少し硬いので故障が心配だが、順調に行ってほしい。
3着ユーバーレーベンはいかにも距離が延びて良さそうなタイプのゴールドシップ産駒、4着メイケイエールは能力だけならトップクラスだがやはり折り合いがカギ。マイルはギリギリ、先々はスプリント~1400mが主戦場になりそうだ。
~朝日杯フューチュリティステークスの注目馬
さて、今週末は朝日杯フューチュリティS。無敗馬3頭が注目を集めた先週と比べると今週は混戦模様。マイル重賞を勝って臨むレッドベルオーブ、ステラヴェローチェあたりに人気が集まりそうだが、伏兵勢の出番もありそうだ。
その中で、字面に現れない強さを感じるのがホウオウアマゾン。デビュー以来4戦2勝2着2回とこの時期の2歳馬としては秀でた成績ではないが、内容には見どころがある。人気は前走競り負かされたレッドベルオーブの方が上だろうが、総合的な実戦での安定感、追っての良さ、伸びシロという点では本馬も負けていない。近走は少頭数の競馬が続いているが、多頭数でも相手なりに走れるタフさも感じるし、穴ならこの馬ではないか。
上位人気勢ならルメール騎手が騎乗するモントライゼに注目したい。前走は外が断然有利な馬場の中、唯一先行して早め先頭から粘り込んだ価値ある勝利。さらに距離延長となるが、前走の内容ならマイルまでは問題はなさそうだ。
現在の阪神芝外回りはフラットで紛れは少なく、各馬の潜在能力を見抜ければ的中が見えて来る。必ずしも人気=実力とはならないのがこの時期の2歳戦の面白いところで、上記2頭の走りに注目したい。
なお、最終的な本命馬は馬場状態や人気を考慮した上で結論を出します。ブログにて無料で見られるので、気になる方はそちらをご確認ください。
※週末の重賞の結論は、『TAROの競馬』にて一部無料公開予定。また、馬券の買い方や券種の選び方なども含めた結論は、競馬ノートにて限定配信の予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。
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2020年12月11日(金) 10:30
くりーく
くりーくの中間調教チェック 阪神ジュベナイルフィリーズ2020
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こんにちは、くりーくです。このコラムでは、今週行われる重賞競走の中間の調教内容を中心に分析してご紹介します。私の予想の基幹部分でもある調教分析術を是非あなたの予想にお役立て下さい。
今回も前走からの中間の調整内容(評価はA~F)を中心に各馬コメントをしていきたいと思います。
12月13日(日) 阪神11R 第72回阪神ジュベナイルフィリーズ(2歳G1・牝馬・芝1600m)
【登録頭数:20頭】(フルゲート:18頭)
<賞金上位馬>
ソダシ(A)中5週
デビュー前から吉田隼騎手が毎回のように追い切りに騎乗してきた馬で、この中間も毎週同騎手がまたがっての調整を積んでいる。3週前、2週前、1週前とCWを併せ馬で入念に乗り込まれ、すべて先着。1週前追い切りでは、重心がしっかりした走りを披露していて、仕上りは良さそう。
メイケイエール(C)中4週
この中間もしっかり乗り込まれ、時計も出ているが、1週前追い切りの動きを見ると重心が高め。走りに力強さがなく、まだ走りが若い感じ。
リンゴアメ(C)中4週
調教の動きを見ると、首が上がり気味の走りをする馬。距離延長に不安は残るが、前走時の追い切りよりも今回のほうが時計は出ていて、状態面の上積みはありそう。
ヨカヨカ(D)中4週
これまでひまわり賞出走時以外は、1週前にCWで追い切られてきている馬。この中間も1週前はCWでの併せ馬を行い先着している。ただ、併走相手の馬が走らなすぎた印象で直線は併せ馬にもならなかった。前走時よりも動いているとは思うが、まだ重さの残る走り。
インフィナイト(A)中8週
この中間も前走時と同じような調教内容だが、今回のほうが時計が出ており状態は前走時以上だろう。1週前追い切りの動きを見ても、脚捌きがしっかりしていて、全体的にしっかりした走りができている。
ウインアグライア(B)中5週
この中間も1週前は美浦Pコースで直線一杯に追われてしっかりした伸びを見せている。併走馬もスピードのある走りをしていて、そのパートナーに直線だけで一気に追いついて先着した脚はなかなかで出来は良さそう。
オパールムーン(D)中4週
この中間も前走時と同じような調整内容だが、この厩舎の馬としては全体的に時計は平凡。1週前追い切りでは、楽な手応えの併走相手に対し、追われても遅れていて動きは物足りない。
ポールネイロン(B)中9週
2連勝して前走から間隔が空いているが、この中間のトレセンでの乗り込み量は少ない。ノースヒルズの馬なので、牧場で仕上げてトレセンに戻していると思われる。1週前追い切りでは、併せ馬で先着していて重い感じはなく、仕上がりは良さそう。
ユーバーレーベン(D)中5週
この中間も乗り込み量は豊富。今回は輸送があるので1週前に強めに追ってきているが、持ったままの併走馬2頭に対して追われて遅れていて、動きが物足りない。
ルクシオン(C)中3週
小柄な馬で、前走から中3週になるが1週前追い切りではCWを単走で長めから一杯に追われており疲れはなさそう。ただ前走見せた切れを見ると、距離が延びる今回のマイル戦には不安が残る。
エイシンヒテン(D)中1週
休み明けの前走がマイナス体重。パドックでは細い感じはなかったが、もう少し締まりがほしい馬体だった。今回、そこからの中1週となり、前走での馬体減から強めに追うこともできなさそうで、反動が出る心配もある。
サトノレイナス(B)中9週
デビューから間隔を空けて使われてきて、この中間も乗り込み量は豊富。前走時は速い時計が出ていたが、この中間は全体的に遅い時計の追い切りが多い。動きに関しても、まだ緩さの残る走りだが、それでも2連勝しているあたりからはこの馬の素質の高さが窺え、まだまだ良くなっていきそうな印象。現時点としては、仕上がりに物足りなさを残す。
サルビア(E)中4週
この中間は2週前が坂路、1週前がCWと追い切られているが時計は平凡。走りを見ても首が高く力強さもない。直線に坂のあるコースも向いていない印象。
<抽選対象馬(5/7)>
アオイゴールド(B)中2週
中2週となるが、1週前追い切りではともに出走するウイアグライアとの併せ馬を消化。一度、相手に前に出られたがそこからしぶとく喰らいついてなかなかの勝負根性を見せており、状態は良さそう。
ジェラルディーナ(D)中2週
お母さんと比べると小柄な馬で、トモの筋肉もまだ寂しく映る。追い切りもそれほど速い時計が出る馬でもなく、今回は間隔も詰っていて状態面での上積みはなさそう。
シゲルピンクルビー(A)中3週
前走新馬戦時の調教では好時計が出ていたが、パドックでは全体的にまだ余裕がある馬体に移った。それでも、しっかり勝ち上がるところは素質の高さ。この中間は前走時以上に速い時計が出ていて、一度使われての上積みが期待できそう。
ナムラメーテル(D)中1週
前走時馬体は増えていたがそれでも細く見えた。今回中1週で、大きな上積みは期待できそうもない。
フラリオナ(C)中9週
かなり小柄な馬で、前走から間隔を空けて使える点はプラスにはなりそう。1週前追い切りでは、CWを長めから併せ馬で追い切られており順調に調整されている感じ。
このコラムからの推奨馬は、ソダシ、インフィナイト、シゲルピンクルビーの3頭をあげておきます。
◇今回は阪神ジュベナイルフィリーズ編でした。
先日行われたジャパンカップはとても素晴らしいレースでした。引退レースを勝利したアーモンドアイ、牡馬の意地を見せたコントレイル、そして苦しみながらも最後の最後に3着に滑り込んだデアリングタクト。3冠馬3頭による最初で最後の対決は、最高の形でエンディングを迎えることができました。残念ながら東京競馬場で観戦することはできませんでしたが、これだけのレースをテレビの前の特等席でじっくりと堪能できただけで幸せですし、きっと忘れることはないでしょう。
今回はどうしても記念に残しておきたいと思い、エクセル浜松で久しぶりに紙の馬券を買ってきました。ネット投票が多くを占める時代ではありますが、小さな紙一枚にそれぞれの思いと記憶がたくさん詰まっていて馬券を見ればその日の記憶が蘇ります。悔しい思い出だったり、嬉しい思い出だったり、そしてもちろんただの紙切れになることもあれば大金に変わるなんてことも。紙の馬券にはそんな不思議な力が詰まっています。今の時代、ネット投票でしか馬券を買ったことがない人たちもいるかもしれません。そういった人たちも、競馬場やウインズ、エクセル等で紙の馬券を買って観戦したら、もっと競馬が楽しめるのではないかと思います。

話は変わりますが、今年も12月31日に笠松競馬場で第5回ウマニティ杯くりーく賞と、第3回河内一秀記念の開催を予定しています。なお、年末の笠松開催は事前応募による入場制限が行われますので、当日来場をご検討の方は、こちら(https://www.kasamatsu-keiba.com/2020/12/03/年末開催の入場制限に関するお知らせ/)をご覧ください。
それでは次回、朝日杯フューチュリティS編(予定)でお会いしましょう。
※阪神JF出走各馬の最終追い切り評価については、最終予想内でコメントする予定です。
※最終結論は、レース当日のくりーくプロページでチェックしてください。
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今回と次回は、JRAの新馬で優勝を果たした馬たちのプロフィールを紹介していきます。まずは6月6日(土)、6月7日(日)、6月13日(土)の勝ち馬からご覧いただきましょう。
■2020年06月06日 阪神05R 芝1600m外
【優勝馬】ダディーズビビッド(U指数78.9)
牡 父キズナ/母ケイティーズギフト 千田輝彦厩舎
→半兄に2016年函館記念2着のケイティープライド。上水牧場の生産馬ですが、母のケイティーズギフトはもともとノーザンファームで飼養されていました。JRAでデビューした兄姉6頭のうち4頭が勝ち上がりを果たしており、まずまず堅実な血統。単勝オッズ28.3倍(6番人気)と前評判は高くなかったものの、今後が楽しみな一頭です。
■2020年06月06日 東京05R 芝1600m
【優勝馬】ウインアグライア(U指数76.4)
牝 父マツリダゴッホ/母ウインアルテミス 和田雄二厩舎
→ウインの所属馬で、募集価格は1200万円。ちなみに、所属するウインレーシングクラブのホームページでは、和田雄二調教師が出走直前に「動けませんね。追い切りを重ねていけば反応や動きが変わってくると思っていましたが、まったく変わってきません」「現状で勝ち負けは難しいですし、1頭でも頭数が少ないところでひとつでも上の着順を狙いたいというのが本音です」とコメントしていました(→ウインレーシングクラブ)。単勝オッズ109.3倍(8番人気)にとどまっていたのは仕方のないことだったと思いますし、POG、そして2歳戦の難しさを改めて実感した方も多かったんじゃないでしょうか。次走は8月15日のコスモス賞(2歳オープン・札幌芝1800m)を予定しているとのこと(→サンケイスポーツ)。実戦向きであることは証明済みですし、まだまだ別のところで驚かせてくれそうな気がします。
■2020年06月07日 阪神05R 芝1400m内
【優勝馬】アスコルターレ(U指数80.6)
牡 父ドゥラメンテ/母アスコルティ 西村真幸厩舎
→サンデーレーシングの所属馬で、募集価格は4000万円。母アスコルティはPOG期間中に2勝をマークした馬で、初仔の半兄アストンクリントンもデビュー2戦目で勝ち上がりを果たしました。祖母リッスンからはサトノルークス・タッチングスピーチらが出ており、早熟性だけでなく将来性も兼ね備えていそう。引き続き注目しておきたいところです。
■2020年06月07日 東京05R 芝1600m
【優勝馬】サトノレイナス(U指数75.7)
牝 父ディープインパクト/母バラダセール 国枝栄厩舎
→2018年のセレクトセールで購買されており、価格は10800万円。母バラダセールは現役時代にアルゼンチンオークス1000ギニー(亜G1)やアルゼンチンオークスオークス(亜G1)などを、全兄サトノフラッグは2020年弥生賞を制しています。派手な勝ち方ではなかったものの、評判馬が無事に“第一関門”を突破し、ホッとしているプレイヤーは多いはず。今後は秋の東京開催を目標にするとのことで(→サンケイスポーツ)、順調ならば重賞戦線でも注目を集めることになるでしょう。
■2020年06月07日 東京06R 芝1400m
【優勝馬】グレイトミッション(U指数74.0)
牝 父ダイワメジャー/母アートスタジオ 菊川正達厩舎
→2019年の北海道セレクションセールで購買されており、価格は1458万円。半兄にJRA2勝のサウンドスタジオがいます。次走は7月18日の函館2歳ステークス(2歳G3・函館芝1200m)となりそう(→サンケイスポーツ)。コース替わりがプラスに働くようならば、早いうちにポイントを上積みできそうです。
■2020年06月13日 函館05R 芝1000m
【優勝馬】リンゴアメ(U指数)
牝 父マツリダゴッホ/母マイネデセール 菊川正達厩舎
→母マイネデセールは2004年カンナステークスの勝ち馬。また、全兄マイネルギャルソンは2013年中京2歳ステークスで3着に食い込みました。仕上がりの早いタイプであることは血統からも明らか。この馬も次走は7月18日の函館2歳ステークスを予定しているそうで(→サンケイスポーツ)、引き続き期待できるんじゃないでしょうか。
■2020年06月13日 阪神05R 芝1200m内
【優勝馬】ヨカヨカ(U指数)
牝 父スクワートルスクワート/母ハニーダンサー 谷潔厩舎
→2020年のJRAブリーズアップセールで購買されており、価格は1122万円。半姉に2019年ひまわり賞2着のローランダーがいます。本馬も生産地は熊本県なので、8月29日に施行される九州産馬限定のひまわり賞(2歳オープン・小倉芝1200m)に出走可能。ロマンだけでなく、実利の面でも面白そうな一頭です。
■2020年06月13日 東京05R 芝1400m
【優勝馬】ノックオンウッド(U指数)
牡 父Frankel/母トゥアーニー 堀宣行厩舎
→シルクレーシングの所属馬で、募集価格は7000万円。母トゥアーニーは現役時代にカブール賞(仏G3)などを制しました。母の初仔ということもあり、JRAのレースに対する適性が気になるところだったものの、心配は無用と見て良さそう。しっかりマークしておきましょう。
■2020年06月13日 函館06R 芝1200m
【優勝馬】ラヴケリー(U指数)
牝 父カレンブラックヒル/母ダームドゥラック 高柳大輔厩舎
→2019年の北海道サマーセールで購買されており、価格は270万円。母ダームドゥラックは2011年ラベンダー賞を勝っています。次走は7月18日の函館2歳ステークスとなる見込み(→サンケイスポーツ)。決して注目度の高い血統ではありませんが、早熟性やコース適性の高さは証明済みと言えそうで、引き続き注目しておきたい一頭です。
■執筆者プロフィール
伊吹 雅也(いぶき・まさや)
埼玉県桶川市在住のフリーライター、競馬評論家。JRAホームページ内『今週の注目レース』で「データ分析」のコーナーを、TCKホームページ内『データ&コラム』で「分析レポート」を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラムなどさまざまなメディアを舞台に活動している。近著に『コース別 本当に儲かる血統大全 2019-2020』(ガイドワークス)、『ウルトラ回収率 2019-2020』(ガイドワークス)、『WIN5攻略全書 回収率150%超! "ミスターWIN5"のマインドセット』(ガイドワークス)、『コース別 本当に儲かる騎手大全2018秋~2019』(ガイドワークス)など。POG関連メディアの制作にもさまざまな形で携わっており、「ウマニティPOG 2014」では最高位クラスのスペシャルワールドにおいて優勝を果たした。 |
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