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秋競馬開幕週の先週末は、土日ともにスピードを問われる一戦となった。
土曜の紫苑ステークスはマイル重賞勝ちの実績があるファインルージュが差し切って勝利、2着に内枠のスリーセブンシーズ、3着にも内枠のミスフィガロが入った。
日曜の京成杯AHは千二から距離を延ばして来たコントラチェックがスンナリ逃げ、勝ったのは2番枠のカテドラル、2着にコントラチェックが逃げ粘り、3着には最内枠のグレナディアガーズが入った。
そして、土日いずれの重賞でも好走を果たしたのが大野騎手だ。
~土日とも大野騎手の騎乗馬が重賞で好走した理由
先週の当コラムで、
「近年は内枠有利に戻りつつある中山芝」
と書いたが、両レースでその特徴を上手く生かしたのが大野騎手だ。紫苑ステークスでは内枠のスリーセブンシーズを上手く馬群でなだめ、直線もインに突っ込んだ。多少詰まるところもあったが、それ以上にロスなく立ち回ったメリットが大きかった。じっくりロスなく溜める大野騎手らしい騎乗が呼び込んだ2着だった。
日曜のコントラチェックは行く気に任せてスッとハナに立たせての逃げ粘り。最後は勝ち馬に惜しくも交わされたが、馬をリラックスして走らせる、やはり同騎手らしい逃げ粘りだった。
差しと逃げ、道中のスタイルは真逆だが、ともに共通しているのは馬を気分よく走らせて道中のスタミナロスを抑えていること。大野騎手は馬を気分よく走らせるのが上手いジョッキーだ。だから溜めるとキッチリ脚を伸ばすし、スピードのある馬で逃げればラストの粘りを生み出す。やや強引さには欠けるので基本的に位置取りは後ろになることが多いが、脚を溜めるのが上手いのでハマれば伸びて来る。イメージとしては昨年の秋華賞でデアリングタクトに迫ったマジックキャッスルや、今年のクイーンSで最後に外から伸びてきたサトノセシルなどがわかりやすい。もちろんもっと古い例で良いなら、スノードラゴンやサウンドトゥルーでのG1制覇を思い浮かべると良いだろう。
基本的なスタイルは一貫しているので、あとはハマる条件で狙えば良い。非常にわかりやすく、馬券的にも重宝するジョッキーだ。
~セントライト記念の注目馬
さて、今週末は久々の3日間開催。(今週ではないが)月曜日には中山で菊花賞トライアル・セントライト記念が行われる。ココではいつも通り注目馬を一頭挙げておきたい。
・タイトルホルダー(横山武騎手)
春は皐月賞3着、ダービー6着とあとひと息及ばなかったが、先行して粘り込む安定のレースぶりでG1でも大崩れしなかった。今回は相性の良い中山が舞台。久々でも動けるタイプで、どちらかといえば本番よりもトライアル向きだろう。2週目でまだまだ前が有利の中山芝も合っており、中距離での横山武騎手の信頼度も高い。相手関係からも好勝負になるはずだ。
※セントライト記念の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)、『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)。
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