エリザベス女王杯・2019
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三連休(今年はなんか多くてありがたかったのですが)+メルボルンCと競馬三昧のまま次の週末がすぐ来てくれて、11月はいい感じで来ています。メルボルンCは、前走でメールドグラースの2着だったのに52kgと斤量恵まれたヴァウアンドディクレア(C.ウィリアムズ騎手の悲願のメルボルンC勝ちに忖度じゃないかという恵量)に本命を打ち、当たったのですが、ヒモは繰り上がりあっても全部抜けで残念でした。
では恒例の全頭診断へ
<全頭診断>
1番人気想定 クロノジェネシス:悲願のG1制覇を秋華賞で成し遂げたが、もともと京都得意の北村友騎手の好騎乗もあってのもので、今回距離が延びるのは正直そう良くはないと思っている。ただ、外を回しての末脚一辺倒のような若い頃の競馬から、前走では先行して抜け出す器用なレースができるようになったところを見せた。成長した今、実力があるのは確かでやれてよい。
2番人気想定 ラヴズオンリーユー:4戦4勝のオークス馬。リアルスティールの下という良血で、春は能力だけで何となく勝ってしまった感じだった。順調に使えない馬で秋華賞はパスしたが、調教ではCWで猛時計を出しており、脚部不安は大丈夫そう。20kg以上馬体が増えているとの矢作調教師のコメントもあり、更なる成長を加味すると、能力断然で順調ならあっさりまであるか。
3番人気想定 ラッキーライラック:府中牝馬Sでは直線でやる気が失せたのか、3着と相変わらず勝ち切れず。桜花賞でアーモンドアイに完敗してからは、レース終盤に投げ出すようになった。成長度合いを含め人気からすると妙味の無い馬だが、スミヨン騎手の闘魂注入で最後まで力を出し切れば、能力自体は高く巻き返しの可能性はあり。ただ、やっぱり、スミヨン人気もあって……。
4番人気想定 スカーレットカラー:ヴィクトワールピサ産駒らしく晩成な感じもあり、ようやく府中牝馬S勝ちで重賞制覇。母父ウォーエンブレムはスタミナがあり、決してマイラーではなくここも狙い目。
5番人気想定 クロコスミア:一昨年のこのレースで9番人気2着と和田騎手の奇襲が決まったが、前哨戦の府中牝馬Sで5着とイマイチ。ただ、距離を問わずずっと重賞でそれなりには来ており、地味ゆえに2200mで再度輝く可能性もあるが、6歳秋だけにそう上積みは無いのでは。
6番人気想定 ゴージャスランチ:マンハッタンカフェ産駒らしく非根幹距離が得意で準オープンを勝ってきた。引き続きの非根幹距離ではあるが、大一番での激走種牡馬ではなく、力が足りないのでは。
7番人気想定 ウラヌスチャーム:距離が長く7着だった京都大賞典からの距離短縮で、マーフィー騎手への乗り替わり。ここで一発を期待してもいいかもしれない。
8番人気想定 ポンデザール:4連勝中で前走は札幌で2600m戦を圧勝してきた。2200mに関しては、正直もっと距離があった方がいいのだろうが、ギリギリやれる距離か。
9番人気想定 センテリュオ:5月に準オープンを勝ってからは重賞の壁もあり、4着→7着と冴えないのだが、ルメール騎手を確保できたあたり、まだ伸びしろのある馬なんだろう。人気次第か。
10番人気想定 サラキア:正直、逃げるのは巧くない石橋脩騎手の逃げで3着だった前走だが、川田騎手に乗り替わっても大一番でやれる力は無いのでは。
11番人気以下想定
フロンテアクイーン:府中牝馬Sでは2着と健在ぶりをアピールしたが、重賞で好走を繰り返していた昨年でも7着止まりで、2200m適性は低そう。
シャドウディーヴァ:13番人気で4着と頑張った秋華賞だったが、若い馬が有利なレースとはいえ、ここはまだトップレベルとは差がある。
アルメリアブルーム:前走は京都巧者らしく北村友騎手が6番人気で勝たせてしまったが、ちょっとまだ力が足りないのでは。
サトノガーネット:いかにも距離が足りなかった府中牝馬Sだけに距離延長は良さそうだが、オープン実績ゼロでそもそも力不足か。
レッドランディーニ:5月に2勝クラスを勝った勢いで臨んだマーメイドSでは、51kgの恵量を生かして10番人気2着。ただ、秋初戦の府中牝馬Sでは7着とイマイチで、まだトップレベルまでは強くないか。
ミスマンマミーア:前走準オープンで3着の馬で、スタミナはあるが大仕事は無いのでは。
レッドラフェスタ:準オープン2着からの参戦だが、ちょっと力が落ちるか。
レイホーロマンス:前走10着とピークを過ぎた感じの6歳秋で要らないか。
ブライトムーン:準オープン3着からの参戦だが、大仕事するには力が足りない印象。
<まとめ>
最有力:ラヴズオンリーユー
有力:スカーレットカラー、クロノジェネシス
ヒモに:ウラヌスチャーム、ポンデザール |
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先週から夏競馬は後半戦。
夏の新潟名物・直線競馬唯一の重賞アイビスサマーダッシュは1番人気のライオンボスが3連勝での重賞初制覇。田辺騎手が好スタートから外に寄せて行った時点で勝負アリだった。わかっちゃいるけど外枠有利、というのが近年のアイビスサマーダッシュ…というより直線競馬全般の傾向。今年もその通りの決着になった。2着にこそスピードの違いで先行した2枠3番のカッパツハッチが入ったが、3着に突っ込んだ9番人気の伏兵オールポッシブルも8枠16番、やっぱり”直線は外”だ。
一方、札幌の開幕を飾るクイーンSはミッキーチャームが快勝。伏兵を行かせてこの日は4番手外を追走する形だったが、余力十分に直線に入ると難なく抜け出した。クビ差とはいえ安定感抜群の立ち回りで、秋に期待を持たせる内容だった。もっとも、距離が伸びて良いタイプではないだけにエリザベス女王杯となるとやや危うさも感じる。仮に府中牝馬Sあたりを使われて重賞連勝でエリザベス女王杯に臨む場合は、少し嫌ってみても面白いかもしれない。本質的には2000m以下、マイル~1800mくらいが適距離だろう。
~ハイレベルレースを覚えておくだけでも馬券に繋がる
さて、先週は札幌と新潟で前述通り重賞が開催されたが、個人的に日曜のメインで最も面白かったのは小倉の佐世保Sだ。直線ではエイシンデネブが絶望的な位置から極上の切れ味を見せて差し切る派手なパフォーマンスを見せたが、何よりメンバーレベルが高かった。
競馬予想において、着順は数字を見ればすぐにわかるだけにその後の人気に大いに影響を与えるが、一方で盲点になりやすいのがメンバーレベルだ。
簡単にいえば、メンバーレベルが高い一戦での5着と低い一戦での2着であれば、実際は前者の方が価値のあるケースも多いのだが、人気を争う上ではやはり後者の方がより有利になる。
これは下級条件になればなるほどその傾向がある。例えば重賞であればメンバーレベルもある程度は記憶されているが、下級条件にまで及ぶとそもそもレベルなど覚えられていないケースがほとんどだからだ。
わかりやすい実例として、6月の東京開催でワーケアが制した新馬戦が挙げられる。このレースは、とてもレベルが高かったように思う。
以下はワーケアが勝った新馬組のその後の成績である。
1着ワーケア →未出走
2着ウインカーネリアン →次走未勝利勝ち
3着ゴルコンダ →次走未勝利勝ち
4着コロンドール →次走未勝利2着
5着コスモインペリウム →次走未勝利3着→その次走で未勝利勝ち
ご覧の通り、このレースの2~5着馬は全馬がその後馬券に絡んでおり、そのうち3頭は既に勝ち上がっているのだ。
ちなみに6着以下に目を向けると、6~7着はまだ出走せず、8着のマラジェッツは次走で11番人気4着と健闘し、9着ペリトモレノは次走8番人気3着と穴をあけている。
もしワーケアが勝った新馬戦は粒が揃っていてハイレベル、と記憶しておけたら、これまでなにがしかの馬券が取れているはずだ。いかにその把握が重要になるかおわかりいただけるだろう。
さて、そこで本題なのだが、前述した佐世保Sも非常にレベルが高かったように思われる。
勝ったエイシンデネブのド派手な差し切りはもちろん印象的だが、例えば4着に粘ったシャンデリアムーンはこの夏注目の上がり馬で、順調なら先々は重賞戦線に乗ってこられる器だ。
その他の掲示板勢も3勝クラスならいつでも好勝負できる実力があるし、6着以下に目を向けても、例えばタイセイブレーク、スターリーステージあたりはすぐに巻き返しの余地がある。また、さらなる大敗組であるブラッククローバーやショウナンアエラ、メイショウカリンあたりだってキッカケ一つで通用するはずだ。
つまりそれだけ粒揃いだったわけで、
「佐世保S組はレベルが高く、今後要注意」
と覚えておくことだけで、今後何度もおいしい思いをできる可能性があるのだ。見た目の着順だけでなく、メンバーレベルがどうだったのか。当たり前ではあるが、こういった情報をきちんと記憶しておくことで、よりカンタンに穴馬発掘をすることができるはずだ。競馬はやはり、記憶のギャンブルである。
~メールドグラースは重賞3連勝で秋G1戦線の惑星となれるか?
では最後に今週末の話を少し。
新潟では3歳のダート重賞レパードS、小倉では小倉記念が行われる。
その中で最大の注目は小倉記念のメールドグラースだろう。前走の鳴尾記念では楽々と逃げるブラックスピネルを交わして新潟大賞典に続く重賞連覇を飾った。宝塚記念に使われていればそれなりに勝負になったのでは…と思える内容で、秋以降の飛躍を感じさせた。
前走に引き続き今回もG3戦、相手関係を考えても、また秋以降に繋げるためにもココは負けられない戦いとなる。鞍上の川田騎手も脚を余すタイプではないので、ある程度信頼の軸となりそうだ。
むしろ難解なのは相手関係ではないか。ステップレースも多様で、どの馬にもチャンスがありそうな一戦。その中で、外差しレースとなった七夕賞で先行して良く粘ったタニノフランケル、宝塚記念で強敵相手に健闘を見せ復調気配が見られるノーブルマーズあたりは人気もそこそこに落ち着きそうで狙いどころではないか。
※重賞の最終結論は、『TAROの競馬』にて一部無料公開しますので、是非当日のブログをご覧ください。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)。2018年12月14日には最新刊『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)をリリース。 |
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