【伊吹雅也のピックアップ競馬データ2019年08月25日号】特選重賞データ分析編(165)~2019年新潟記念~
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次週の注目重賞を、伊吹雅也プロが様々なデータを駆使していち早く分析! もっとも重要と思われる<ピックアップデータ>に加え、<追い風データ/向かい風データ>や<注目馬チェック>など、貴重な情報が満載なウマニティ会員専用コラムとなっております。ぜひ皆様の予想にお役立て下さい。
■【伊吹雅也のピックアップ競馬データ】コラム内容について詳しくはこちらをご覧ください。
⇒http://umanity.jp/racedata/columndet_view.php?cid=7321
<次週の特選重賞>
G3 農林水産省賞典 新潟記念 2019年09月01日(日) 新潟芝2000m外
<ピックアップデータ>
【前走の出走頭数別成績(2016年以降)】
×12頭以下 [0-0-0-22](複勝率0.0%)
○13頭以上 [3-3-3-17](複勝率34.6%)
近年は少頭数のレースを経由してきた馬が不振。13頭立てだった2018年も該当馬6頭がすべて4着以下に敗れています。もともと少頭数であればあるほど見た目の着順は良くなりやすいわけですし、レースを通じて掛かる負荷の大きさも、概ね出走頭数の多さに比例するもの。少頭数のレースにおけるパフォーマンスを過大評価しないよう心掛けたいところです。
主な「○」該当馬→カデナ、ダイワキャグニー、ブラックスピネル
主な「×」該当馬→クリンチャー、サトノキングダム、ジナンボー
<他にも気になる! 追い風データ/向かい風データ>
【追い風データ】
○「馬齢が5歳以下」だった馬は2016年以降[3-3-1-13](複勝率35.0%)
主な該当馬→カデナ、ジナンボー
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【TAROの競馬研究室】覚えておけば2度3度おいしいハイレベルレース/小倉記念展望
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先週から夏競馬は後半戦。
夏の新潟名物・直線競馬唯一の重賞アイビスサマーダッシュは1番人気のライオンボスが3連勝での重賞初制覇。田辺騎手が好スタートから外に寄せて行った時点で勝負アリだった。わかっちゃいるけど外枠有利、というのが近年のアイビスサマーダッシュ…というより直線競馬全般の傾向。今年もその通りの決着になった。2着にこそスピードの違いで先行した2枠3番のカッパツハッチが入ったが、3着に突っ込んだ9番人気の伏兵オールポッシブルも8枠16番、やっぱり”直線は外”だ。
一方、札幌の開幕を飾るクイーンSはミッキーチャームが快勝。伏兵を行かせてこの日は4番手外を追走する形だったが、余力十分に直線に入ると難なく抜け出した。クビ差とはいえ安定感抜群の立ち回りで、秋に期待を持たせる内容だった。もっとも、距離が伸びて良いタイプではないだけにエリザベス女王杯となるとやや危うさも感じる。仮に府中牝馬Sあたりを使われて重賞連勝でエリザベス女王杯に臨む場合は、少し嫌ってみても面白いかもしれない。本質的には2000m以下、マイル~1800mくらいが適距離だろう。
~ハイレベルレースを覚えておくだけでも馬券に繋がる
さて、先週は札幌と新潟で前述通り重賞が開催されたが、個人的に日曜のメインで最も面白かったのは小倉の佐世保Sだ。直線ではエイシンデネブが絶望的な位置から極上の切れ味を見せて差し切る派手なパフォーマンスを見せたが、何よりメンバーレベルが高かった。
競馬予想において、着順は数字を見ればすぐにわかるだけにその後の人気に大いに影響を与えるが、一方で盲点になりやすいのがメンバーレベルだ。
簡単にいえば、メンバーレベルが高い一戦での5着と低い一戦での2着であれば、実際は前者の方が価値のあるケースも多いのだが、人気を争う上ではやはり後者の方がより有利になる。
これは下級条件になればなるほどその傾向がある。例えば重賞であればメンバーレベルもある程度は記憶されているが、下級条件にまで及ぶとそもそもレベルなど覚えられていないケースがほとんどだからだ。
わかりやすい実例として、6月の東京開催でワーケアが制した新馬戦が挙げられる。このレースは、とてもレベルが高かったように思う。
以下はワーケアが勝った新馬組のその後の成績である。
1着ワーケア →未出走
2着ウインカーネリアン →次走未勝利勝ち
3着ゴルコンダ →次走未勝利勝ち
4着コロンドール →次走未勝利2着
5着コスモインペリウム →次走未勝利3着→その次走で未勝利勝ち
ご覧の通り、このレースの2~5着馬は全馬がその後馬券に絡んでおり、そのうち3頭は既に勝ち上がっているのだ。
ちなみに6着以下に目を向けると、6~7着はまだ出走せず、8着のマラジェッツは次走で11番人気4着と健闘し、9着ペリトモレノは次走8番人気3着と穴をあけている。
もしワーケアが勝った新馬戦は粒が揃っていてハイレベル、と記憶しておけたら、これまでなにがしかの馬券が取れているはずだ。いかにその把握が重要になるかおわかりいただけるだろう。
さて、そこで本題なのだが、前述した佐世保Sも非常にレベルが高かったように思われる。
勝ったエイシンデネブのド派手な差し切りはもちろん印象的だが、例えば4着に粘ったシャンデリアムーンはこの夏注目の上がり馬で、順調なら先々は重賞戦線に乗ってこられる器だ。
その他の掲示板勢も3勝クラスならいつでも好勝負できる実力があるし、6着以下に目を向けても、例えばタイセイブレーク、スターリーステージあたりはすぐに巻き返しの余地がある。また、さらなる大敗組であるブラッククローバーやショウナンアエラ、メイショウカリンあたりだってキッカケ一つで通用するはずだ。
つまりそれだけ粒揃いだったわけで、
「佐世保S組はレベルが高く、今後要注意」
と覚えておくことだけで、今後何度もおいしい思いをできる可能性があるのだ。見た目の着順だけでなく、メンバーレベルがどうだったのか。当たり前ではあるが、こういった情報をきちんと記憶しておくことで、よりカンタンに穴馬発掘をすることができるはずだ。競馬はやはり、記憶のギャンブルである。
~メールドグラースは重賞3連勝で秋G1戦線の惑星となれるか?
では最後に今週末の話を少し。
新潟では3歳のダート重賞レパードS、小倉では小倉記念が行われる。
その中で最大の注目は小倉記念のメールドグラースだろう。前走の鳴尾記念では楽々と逃げるブラックスピネルを交わして新潟大賞典に続く重賞連覇を飾った。宝塚記念に使われていればそれなりに勝負になったのでは…と思える内容で、秋以降の飛躍を感じさせた。
前走に引き続き今回もG3戦、相手関係を考えても、また秋以降に繋げるためにもココは負けられない戦いとなる。鞍上の川田騎手も脚を余すタイプではないので、ある程度信頼の軸となりそうだ。
むしろ難解なのは相手関係ではないか。ステップレースも多様で、どの馬にもチャンスがありそうな一戦。その中で、外差しレースとなった七夕賞で先行して良く粘ったタニノフランケル、宝塚記念で強敵相手に健闘を見せ復調気配が見られるノーブルマーズあたりは人気もそこそこに落ち着きそうで狙いどころではないか。
※重賞の最終結論は、『TAROの競馬』にて一部無料公開しますので、是非当日のブログをご覧ください。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)。2018年12月14日には最新刊『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)をリリース。 |
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【TAROの競馬研究室】小回りの差し決着は穴馬券の宝庫/週末の重賞展望
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宝塚記念を終え、本格的に夏のローカル競馬がスタートした先週だったが、梅雨時らしく各場とも雨に翻弄される週末となった。
ラジオNIKKEI賞はレース時こそ小雨ではあったが、雨に叩かれタフな馬場となり、早めにマクったブレイキングドーンが勝利。待望の重賞初制覇を飾った。田辺騎手らしい上手く溜めを利かせた好騎乗が光ったが、昨年の勝ち馬メイショウテッコンや2着フィエールマンのように、今後大きな飛躍が期待できるか…といえばやや疑問の残る内容&メンバーでもあった。今年に関しては、秋につながるというよりはあくまでもローカルハンデ重賞のひとつとして捉えた方が良さそうだ。
一方、中京のCBC賞は激しい雨の降る中でのレースとなった。勝ったレッドアンシェルは2年前の夏のデビュー戦が、同様に大雨の中でのレースだったが、その際もスイスイと伸びて楽勝。陣営曰く「水かきがついている」とのことだが、道悪が追い風になるタイプなのは間違いない。これでスプリント路線に転じて2連勝。正直なところ相手関係を考えると素直に新星誕生とまでは言えないが、春の高松宮記念は大波乱となり、またこの路線の主役になり得るダノンスマッシュは函館スプリントSに出走できないトラブルがあるなど混迷を極めている状況。スプリンターズS路線に割って入ってくる可能性はありそうだ。やや特殊な馬場での競馬だったので、次走に注目したい。
~小回り戦の差し決着は大万馬券になりやすい
さて、各場とも先週は雨の影響を大いに受けたことは前述した通りだが、その中でも特に大波乱となったのが土日の函館のメインレースだ。
土曜日のメイン・TVh杯は14番人気、単勝114.4倍のパラダイスガーデンが外から差し切りを決め、3連単は73万馬券。日曜日のメイン・巴賞は最内枠から直線外に持ち出し追い込んだ13番人気のスズカデヴィアスが勝利、こちらは2~3着にも伏兵が突っ込み、3連単は140万超の大波乱となった。
両レースの共通点はいずれも、
1、立ち回り勝負になると思われる小回り戦で
2、差し馬が上位を独占したこと
である。
スローペースが常態化した現代競馬ではしきりに前有利が叫ばれる(というか、私自身もその主張をかなり前からしている)のだが、だからこそ、逆のパターンにハマると大きな馬券になる。
もちろん、小回りにおける差し馬の上位独占など正直なところ例外というか事故のようなものなのだが、馬券を買う上では案外買いやすい面もある。どう買いやすいかというと、すなわち”決め打ち”である。
逃げ馬が内枠を連れて来る…とは私が10年前にラッキーゲートという馬券術の中で唱えた法則だが、逆に、差し馬は外枠を連れて来る、あるいは当然ながら差し馬は差し馬を連れて来る、というのもまた競馬の普遍的な法則である。
手前みそにはなるが、私の競馬ノートの配信において日曜の巴賞では◎カデナを本命にして3連複ながらも14万馬券を的中することができた。この際の考え方が、まさに差し馬は外枠&差し馬を連れて来るというものだ。

マクリ差しを得意とするカデナが本命、カデナは差し追い込み脚質だからこそ2番人気の先行馬マイスタイルは軽視、3番人気の先行馬サトノフェイバーは切り捨て、相手には4番人気の外枠の差し馬ナイトオブナイツや、(結果惨敗ではあったが)15番人気の追い込み馬マイネルサージュといった面々を2列目に抜擢した。
結果的にはやはり末脚に魅力がある13番人気のスズカデヴィアスを最後の押さえに加えていたことで的中することができたが、それも本命馬の資質に沿って相手を選んだことが功を奏したわけである。
この話をなぜ今するのか? それは決して自慢したいわけではなく(全くその気がないわけでもないが)、先週各地で降り続いた雨を受けてのことだ。
先週、福島&中京は開幕週、函館もまだ3週目の段階で雨に見舞われた。このことは、今後の芝レースに大いに影響を与えるはずで、先週の函館の土日メイン同様に、
「小回りだけど差しが届く」
というシーンがこの開催ではいつも以上に見られるはずだ。小回りではなく普段もそこそこ差しが届く中京はともかく、今夏の福島&函館に関しては、同様のパターンでの波乱劇にまだまだ期待してみたい。いわゆる本来のセオリーから行けば逆張りではあるのだが、逆張りの中に大きなチャンスが眠っているかもしれない。決め打ちよろしく、思い切って振り回してみるのも悪くないだろう。
~逃げ先行馬が揃った七夕賞
最後に今週末の重賞について少し触れておこう。
中京のメインはダートのプロキオンS。ご存じの方も多いかもしれないが、夏の中京ダートは基本的にイン有利、先行有利になることが多く、先週で言えば土曜日は顕著に内有利の傾向が出ていた。週末の天候や馬場次第ではあるが、枠順も重要な一戦になる。基本的には内有利、差し馬であってもサンライズノヴァのような大外を回すタイプよりは、キングズガードのように馬群を突けるタイプの方が条件としては合うだろう。
一方、当コラムの今週のテーマの趣旨に合うのは福島の七夕賞だろう。先週末雨に降られた影響が残れば、小回りでの差し競馬となる可能性がある。
さらに、ココには現役屈指の逃げ馬マルターズアポジーが出走して来る上に、ブラックスピネル、ロードヴァンドール、ウインテンダネス、タニノフランケルなど、重賞で逃げて好走した実績のある馬がこれでもかというほど揃っているのだ。
ではどの馬を買えば良いか…と問われると現時点でまだ狙いは定まっていないのだが、平坦で強烈な脚を使えるクリノヤマトノオー、上がり掛かる2000mなら出番がありそうなエンジニアあたりの一発に期待している。
※七夕賞の最終結論は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開します。
○TARO プロフィール
大川慶次郎さんの予想に魅了され、中学2年の時にネット掲示板で予想スタート。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2009年9月『競馬最強の法則』で連載開始。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。著書に『ラッキーゲート』
(KKベストセラーズ)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(いずれも扶桑社新書)。2018年12月14日には最新刊『万馬券の教科書 -新時代のサバイバル穴予想術』(ガイドワークス)をリリース。 |
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