くりーくの中間調教チェック 函館2歳ステークス2021
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こんにちは、くりーくです。このコラムでは、今週行われる重賞競走の中間の調教内容を中心に分析してご紹介します。私の予想の基幹部分でもある調教分析術を是非あなたの予想にお役立て下さい。
今回も前走からの中間の調整内容(評価はA~F)を中心に各馬コメントをしていきたいと思います。
7月17日(土)函館11R 第53回函館2歳ステークス(2歳G3・芝1200m)
【登録頭数:12頭】(フルゲート:16頭)
<賞金上位馬>
イチローイチロー(牡馬、前走422kg、連闘)<C>
前走時しっかり乗り込まれていて、時計はそれほど目立たなかったが最終追い切りでは外を回って先行して粘り込む良い動きだった。パドックでは小柄な馬の割にまだ多少緩さが感じられ、連闘で馬体が締ってくれば上積みもあるかもしれない。
カイカノキセキ (牝馬、前走472kg、中4週)<A>
デビュー前は栗東で乗り込まれて、札幌移動後もダート、芝コースで好時計をマーク。パドックでは、太め感もなく馬体面からも好仕上りといった感じだった。今回、中4週で1週前には札幌の芝コースを馬なりで前走以上の好時計で駆け抜けており、上積みが期待できそう。
カワキタレブリー(牡馬、前走422kg、中1週)<D>
前走時は乗り込み量は少なかったが、最終追い切りでは3頭併せの内に併せて好時計で先着。小柄な馬で滞在競馬という点がプラスになった感じ。前走時のパドックではトモが寂しく映ったので、中1週での反動が心配。
トーセンサンダー(牡馬、前走472kg、中4週)<A>
デビュー前には美浦の南W(杉浦厩舎の馬だが外を回って好時計)で乗り込まれて、札幌での追い切りでも力強い動きを見せていて、調教通りレースでも強い競馬で新馬勝ち。この中間は函館での調整で、1週前追い切りでは併せ馬の外を力強く伸びて好時計と上積みは十分期待できそう。
フェズカズマ(牡馬、前走486kg、中3週)<C>
前走時の追い切りでは坂路で好時計が出ていた。動きを見るとスッとダッシュ良く好時計が出るタイプではないので、今回は芝替わりで速いスピードにどれだけついていけるかだろう。
ポメランチェ(牝馬、前走392kg、中3週)<D>
デビュー前には栗東でかなり乗り込まれていた。この中間も函館Wで乗り込まれているが時計平凡で、かなり小柄な牝馬、とくればプラスになる材料はあまりない。
メリトクラシー(牡馬、前走490kg、中4週)<C>
デビュー前は栗東で入念な乗り込みで、坂路での時計も優秀とあって仕上がりは良さそうだったが、パドックではかなり緩さがあった。この中間は栗東から函館に移動しての調整も、目立つ時計なし。
ナムラリコリス(牝馬、前走466kg(+2)、中1週)<C>
前走は叩き2戦目での上積みがあった感じだが、この中間は中1週が続き状態キープが課題。
ベルウッドブラボー(牡馬、前走462kg(-2)、連闘)<C>
前走時は南Wで2週連続好時計が出ていて、パドックでも出来はかなり良く見せた。今回連闘で函館への輸送もあり、2歳馬には厳しい条件が続く。
リトス(牝馬、前走404kg(±0)、中2週)<B>
小柄な馬だが、この中間は1週前に函館芝コースを併せ馬で追われ好時計。引き続き調子は良さそう。
グランデ(牝馬、前走458kg、中3週)<B>
前走時は乗り込み量乏しく時計も平凡で息が持たなかったが、この中間は札幌に移動して併せ馬3本を消化。いずれも好時計で上積みが見込める。
トーセンヴァンノ(牝馬、前走478kg(+4)、連闘)<C>
2着が続いたが、全体的に乗り込み量が少ないここまで。レースを使いながら仕上げていく、ということだろうが今回は連闘となる。疲れが取れるかが心配。
<地方馬>
ラブミードール(牝馬、前走470kg(-6)、中2週)<B>
門別で、世代最初の新馬戦を勝っている馬で、前走の栄冠賞は敗れたが先行力のある馬。この中間も門別坂路で好時計が出ていて仕上りは良さそう。あとは、初芝でどこまでこの馬のレースができるか。
※このコラムからの推奨馬はトーセンサンダー、カイカノキセキ、リトス、グランデの4頭をあげておきます。
◇今回は函館2歳ステークス編でした。
東京オリンピック延期の影響で今年も北海道シリーズは、札幌→函館→札幌と変則日程となり、函館開催は来週からもまだ3週間開催されます。
この函館2歳ステークスは昨年同様に土曜日での開催に。......とここで、ちょっと違和感が。というのも、夏競馬では障害重賞と札幌2歳S以外は土曜日に重賞が組まれることはあまりなく、しかも今年の場合次週の函館で重賞があるわけでもなし。これなら、1週間遅らせても良いのではないかと思ってしまいます。
もともとが変則日程ですから、そこは臨機応変に開催を変更しても、1週違うくらいならそれほど他に影響は出ないと思うんですけどねぇ。日曜のメインレースのほうが注目度も高まって売り上げも伸びるでしょうし。
以上、「日曜に組んであげたらよかったのに」という函館2歳ステークスのお話でした。
※函館2歳S出走各馬の最終追い切り評価については、最終予想内でコメントする予定です。
※最終結論は、レース当日のくりーくプロページでチェックしてください。
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伊吹雅也のPOG分析室 (2021) ~第5回新馬勝ち馬レビューPart2~
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前回に引き続き、JRAの新馬で優勝を果たした馬たちのプロフィールを紹介していきます。今回ご覧いただくのは6月13日(日)、6月19日(土)、6月20日(日)の勝ち馬です。
■2021年06月13日 札幌05R 芝1200m
【優勝馬】トーセンサンダー(U指数82.6)
牡 父トーセンファントム/母カグラグレイス 杉浦宏昭厩舎
→母のカグラグレイスは現役時代にJRAで1勝。近親にJRAで5勝をマークしたシンボリエンパイアがいます。単勝オッズ43.8倍(7番人気)と前評判は高くなかったのですが、勝ち時計の1分8秒9はこの時点における札幌芝1200mの2歳レコード。今後はしっかりマークしておくべきでしょう。
■2021年06月13日 中京05R 芝1200m
【優勝馬】メリトクラシー(U指数75.8)
牝 父シルバーステート/母メリオーラ 武幸四郎厩舎
→G1レーシングの所属馬で、募集価格は1600万円。母は現役時代にヴェルジェール賞(伊G3)2着の実績があります。なお、父のシルバーステートは新種牡馬。現役時代はデビュー2戦目から4連勝でオープン入りを果たしたものの、故障のためオープンクラスのレースを使うことなく引退しました。初年度産駒の血統登録頭数は百頭を超えていますし、今後は馬券的にも面白い存在となりそう。本馬はもちろん、他の産駒からも目が離せません。
■2021年06月13日 東京05R 芝1800m
【優勝馬】ヴァーンフリート(U指数71.4)
牡 父リオンディーズ/母ロスヴァイセ 手塚貴久厩舎
→キャロットファームの所属馬で、募集価格は3000万円。母のロスヴァイセは現役時代にJRAで3勝をマークしています。3代母は名繁殖牝馬として知られるソニンクで、近親にはディアドラ・ロジユニヴァースなど活躍馬が多数。重賞戦線でも注目を集めそうです。
■2021年06月19日 札幌05R 芝1200m
【優勝馬】ポメランチェ(U指数84.9)
牝 父キングカメハメハ/母オレンジティアラ 牧田和弥厩舎
→社台レースホースの所属馬で、募集価格は2400万円。母のオレンジティアラは現役時代にJRAで4勝をマークしたほか、2009年の小倉2歳ステークスで3着となった実績もあります。勝ち時計の1分7秒9は、前週にトーセンサンダーがマークした記録を1秒も上回る札幌芝1200mの2歳レコードでした。ちなみに、母のオレンジティアラは私が一口出資していた馬。典型的な“夏馬”だったことをよく覚えていますが、この馬はどうなるでしょうか。
■2021年06月19日 阪神05R ダ1200m
【優勝馬】フェズカズマ(U指数78.8)
牡 父ドレフォン/母シナジーウィスパー 安田隆行厩舎
→2019年のセレクトセールで購買されており、価格は6480万円。近親にカンパニー・トーセンジョーダンらがいます。父のドレフォンは新種牡馬で、ハイアムズビーチが新馬勝ちを果たした前週に続き早くもJRA2勝目をマーク。引き続きマークしておきたいストームキャット系種牡馬の新興勢力です。
■2021年06月19日 東京05R 芝1600m
【優勝馬】アライバル(U指数77.9)
牡 父ハービンジャー/母クルミナル 栗田徹厩舎
→キャロットファームの所属馬で、募集価格は5000万円。母のクルミナルは2015年のエルフィンステークスを制したほか、同年の桜花賞で2着に、オークスで3着に健闘しています。半姉には2020年アルテミスステークス2着などの実績があるククナ。デビュー前から注目を集めていましたし、指名された皆さんはホッとしているんじゃないでしょうか。
■2021年06月19日 札幌06R ダ1000m
【優勝馬】アーリーレッグ(U指数74.5)
牡 父マジェスティックウォリアー/母ピッチシフター 伊藤圭三厩舎
→2020年の北海道セレクションセールで購買されており、価格は1650万円。母のピッチシフターは現役時代に地方で12勝をマークしたほか、2014年にはダートグレード競走のサマーチャンピオンで2着に食い込みました。芝でどれくらいやれるかは未知数ですが、少なくともダート路線においては面白い存在となりそうです。
■2021年06月20日 札幌05R 芝1200m
【優勝馬】グランアプロウソ(U指数80.2)
牡 父Gun Runner/母Fiducia 松永幹夫厩舎
→母のFiducia(フィドゥーシア)は現役時代にJRAで7勝。2017年のアイビスサマーダッシュで2着となった実績もあります。父のGun RunnerはBCクラシックなどを制した馬で、現2歳世代が初年度産駒。この馬の活躍次第では、日本国内でも人気が高まるかもしれません。
■2021年06月20日 阪神05R 芝1600m
【優勝馬】ダノンスコーピオン(U指数75.3)
牡 父ロードカナロア/母レキシールー 安田隆行厩舎
→母のレキシールーは現役時代にナッソーステークス(加G2)などを勝っています。7頭立てとはいえ、いわゆる“POG本”で大きく取り上げられていた馬も出走していましたし、レース自体のレベルを疑問視する必要はなさそう。次走以降が楽しみな一頭です。
■2021年06月20日 東京05R 芝1400m
【優勝馬】キミワクイーン(U指数76.6)
牝 父ロードカナロア/母チェリーペトルズ 奥村武厩舎
→2020年のセレクトセールで購買されており、価格は2200万円。母のチェリーペトルズは現役時代にJRAで2勝をマークしています。先手を取ってそのまま押し切った形ではあるものの、上がり3ハロンタイム順位は2位タイ。今シーズンの2歳新馬で活躍が目立っている追分ファームの生産馬ですし、引き続き注目しておきましょう。
■執筆者プロフィール
伊吹 雅也(いぶき・まさや)
埼玉県桶川市在住のフリーライター、競馬評論家。JRAホームページ内『今週の注目レース』で「データ分析」のコーナーを、TCKホームページ内『データ&コラム』で「分析レポート」を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラムなどさまざまなメディアを舞台に活動している。近著に『コース別 本当に儲かる血統大全 2019-2020』(ガイドワークス)、『ウルトラ回収率 2019-2020』(ガイドワークス)、『WIN5攻略全書 回収率150%超! "ミスターWIN5"のマインドセット』(ガイドワークス)、『コース別 本当に儲かる騎手大全2018秋~2019』(ガイドワークス)など。POG関連メディアの制作にもさまざまな形で携わっており、「ウマニティPOG 2014」では最高位クラスのスペシャルワールドにおいて優勝を果たした。 |
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