【TAROの競馬研究室】無敗、逃げ切り、高額馬…は2歳重賞ですべて過剰人気/函館2歳S展望
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夏の名物ハンデ重賞・七夕賞はセイウンハーデスが好位から抜け出し完勝。メンバーを見渡した時に逃げ馬が多く、また週末は当初雨の予報も出ていたのでタフな競馬を予想したが、予報ほどの雨は降らず、またペースも上がらなかった結果、スローの立ち回り戦になった。
地力で抜け出したセイウンハーデス以下、2~3着は道中内を立ち回った馬。2着は4番枠のククナ、3着は2番枠のホウオウエミーズ。典型的な先行&内枠競馬で、3連複は7万、3連単は27万という大波乱になった。想定外の展開ではあったが、波乱の結末は想定内。やはり夏のハンデ重賞は荒れる。今週末も同じハンデ2000m重賞の函館記念が行われるので、こちらもまた波乱の結末が楽しみだ。
~これから始まる2歳重賞の超シンプルながら大事なポイント
さて、今週末からいよいよ2歳世代の重賞戦線がスタートする。最初の重賞となるのは函館2歳ステークスだ。
2歳重賞というとキャリアの浅い馬ばかりで、よくわからないと思われて敬遠されがちだ。だが、それはもったいない。実は過去も今も受け継がれる波乱のパターン、あるいは危険な人気馬パターンのようなものが変わらずあって、そのことを押さえておくだけでも十分高配当にありつける。
例えば、「無敗の評判馬」は常に過剰人気になりがちだ。2歳戦線においては無敗馬がたくさんいるのだが、これが案外アテにならない。当然新馬勝ちした馬は未勝利勝ちした馬よりも強く見えるが、重賞となると必ずしもそうとは言い切れない。
函館2歳Sでは過去5年、1番人気馬が一度も馬券に絡めていないが、それらの馬たちはすべて1戦1勝馬。つまり新馬を派手に勝って人気を集めた馬たちだ。昨年の1番人気はスプレモフレイバーだったが、結果は8着。一昨年の1番人気はポメランチェだったが、結果は7着。スプレモフレイバーは先日ようやく1勝クラスを卒業、ポメランチェは現在も1勝クラスで苦戦している。そんな馬でも新馬の勝ちっぷり次第で人気してしまう、それが2歳重賞の怖さだ。
では、危険馬を事前に見抜く方法はないのだろうか? ひとつのヒントは脚質だ。過去5年、人気を裏切った5頭のうち3頭は新馬戦を逃げ切り勝ち。新馬は基本的にスローになることが多く、逃げ馬が圧倒的に有利。しかし重賞となると大抵は開催の後半に行われるため、逃げ一手では通用しないことが多い。この差が、人気と結果に歪みをもたらす。
「無敗」や「前走逃げ切り」は基本的に危険馬のサインとして問題ない。また、セールで高額取引された評判馬やPOG人気馬なども危ない。少なくとも本来の実力以上に人気しているケースが多く、ほとんどの場合妙味はない。レースになってしまえばその馬の値段も評判も関係ないから当然といえば当然である。
とてもシンプルではあるが、以上のことを押さえておくだけでも、比較的危険な馬を見抜くことができるのが2歳戦の魅力だ。ちなみに函館2歳Sの過去5年の勝ち馬のうち、2頭は未勝利勝ちの馬。さらにいえば前走未勝利勝ちで当日5番人気以内に支持された馬は(2-0-1-2)と好成績。特に早期の2歳重賞戦線においては、無敗馬や逃げ切って来たを嫌い、差す競馬をしてきた馬や未勝利勝ち上がりの実力馬を狙う、それだけでも十分戦略として成り立つといえる。
それでは最後に先週からの狙い馬と、今週末の注目馬を。
【次走狙い馬】ウインアクトゥール 7/9(日)福島5R 3番人気3着
スタートセンスが良くさすがゴールドアクター産駒…という立ち回りを見せたが、4コーナーでバテて下がってきた逃げ馬をパスできず、直線は追い出しが遅れた。それでも切り替えてからはキッチリ伸びており、レースセンス&追っての良さをともに示した好内容の3着。派手さはないが立ち回りも上手く不発の少ないタイプだろう。次走も芝中距離なら順当に勝ち負けになる。
~今週末の注目馬~
今週は展望でも取り上げた函館2歳ステークスから。
・ベルパッション(松田大作騎手)
注目はベルパッション&松田大作騎手。
デビュー戦はスタートでやや立ち遅れたが、そこからすぐに盛り返すと、4コーナーでは前が壁になりながらも難なく捌いて伸びて来た。逃げ切りではなく差す競馬をできたことは今回に向けては大きく、馬群を一瞬で捌いてきた運動神経の良さも光っていた。多頭数の混戦にも強そうなタイプで、引き続き注目。
※週末の重賞の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
栃木県出身、競馬予想家。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』(ガイドワークス)など著書多数。最新刊は『馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる』(オーパーツ・パブリッシング)。 |
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【伊吹雅也のピックアップ競馬データ2023年07月02日号】特選重賞データ分析編(365)~2023年七夕賞
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次週の注目重賞を、伊吹雅也プロが様々なデータを駆使していち早く分析! もっとも重要と思われる<ピックアップデータ>に加え、<追い風データ/向かい風データ>や<注目馬チェック>など、貴重な情報が満載なウマニティ会員専用コラムとなっております。ぜひ皆様の予想にお役立て下さい。
■【伊吹雅也のピックアップ競馬データ】コラム内容について詳しくはこちらをご覧ください。
⇒https://umanity.jp/racedata/columndet_view.php?cid=7321
<次週の特選重賞>
G3 七夕賞 2023年07月09日(日) 福島芝2000m
<ピックアップデータ>
【血統別成績(2020年以降)】
○父がミスタープロスペクター系種牡馬 [2-3-3-14](3着内率36.4%)
×父がミスタープロスペクター系以外の種牡馬 [1-0-0-25](3着内率3.8%)
血統が明暗を分けそう。2020年以降の3着以内馬9頭中8頭は、ミスタープロスペクター系種牡馬の産駒でした。2022年も1~4着を占めていましたし、同様の決着を警戒しておくべきでしょう。
主な「○」該当馬→エヒト・グランオフィシエ・ホウオウエミーズ
主な「×」該当馬→カレンルシェルブル・サンレイポケット・フェーングロッテン
<他にも気になる! 追い風データ/向かい風データ>
【追い風データ】
○「出走数が21戦以内」の馬は2020年以降[2-3-3-18](3着内率30.8%)
主な該当馬→カレンルシェルブル・グランオフィシエ・フェーングロッテン
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2022年11月10日(木) 10:00
くりーく
くりーくの中間調教チェック エリザベス女王杯2022
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こんにちは、くりーくです。このコラムでは、今週行われる重賞競走の中間の調教内容を中心に分析してご紹介します。私の予想の基幹部分でもある調教分析術を是非あなたの予想にお役立て下さい。
今回も前走からの中間の調整内容(評価はA~F)を中心に各馬コメントをしていきたいと思います。
11月13日(日)阪神11R 第47回エリザベス女王杯(3歳以上G1・牝・芝2200m)
【登録頭数:23頭】(フルゲート:18頭)
<前走:秋華賞出走馬>(中3週)
スタニングローズ(1着、488kg(±0kg))<C>
この中間も坂路での調整。走りやすそうな馬場で行われた1週前追い切りでは、硬さが見られ前走時ほどの迫力がなく、上積みまではどうか。
ナミュール(2着、446kg(+20kg))<A>
前走は+20キロと馬体が増えていて、坂路での動きもやや重かった。この中間も坂路で追い切られているが、1週前追い切りでは迫力満点で力強く坂路を駆け上がる姿をアピール。前走からの上積みはかなり大きい。
ライラック(10着、432kg(-2kg))<B>
休み明け3戦目で今回も輸送が控えるが、この中間も長めから3本好タイムを計時、1週前には強めに追われて好時計をマークした。小柄な馬でこれだけ追えているだけでも、出来が良い証。
<前走:府中牝馬S出走馬>(中3週)
イズジョーノキセキ(1着、466kg(+6kg))<A>【優先出走馬】
追い切りではやや重さが残る動きだった前走を勝利。この中間、1週前追い切りでは初コンビを組むルメール騎手が騎乗して追われることはなかったが騎乗で追われたが、持ったままで楽に先着と出来は前走以上。
アンドヴァラナウト(3着、448kg(+14kg))<C>
馬体重の増減が大きい馬で、前走+14キロも馬体が戻っただけで、パドックではトモが寂しく細く映った。この中間は、1週前追い切りはCWで強めに追われて好時計をマークしている。ただ、日曜日の坂路での追い切りがいつもよりも軽めになっているあたりからすると、ちょっと強くやり過ぎたか。
クリノプレミアム(8着、496kg(+12kg))<C>
1週前は単走で動きは悪くなかったが、ここ2戦と比べると追い切りの時計が控えめ。あまり経験のない関西への輸送があるので、いつも通りではない点がマイナスになりそう。
アカイイト(10着、528kg(+16kg))<E>
昨年の勝ち馬で府中牝馬Sからのローテーションも一緒。相当大柄な馬で、昨年も今年も府中牝馬Sではかなり太く余裕がある馬体だった。昨年と違う点は、前走後の追い切り内容。府中牝馬S後に坂路でビシビシと強めに追われて好時計を連発していた昨年に対し、今年は馬なりでの調整のみとなっている。時計も平凡な内容のみで、明らかに昨年とは調整過程が異なっている。
ローザノワール(15着、476kg(+2kg))<C>
もともと追い切りでは速い時計の出る馬だが、1週前追い切りでは坂路で一杯に追われて好時計。ただ動きのほうに目を向けると、スピードが勝ったタイプとの印象はぬぐえず、初距離の2200mは長い感じがする。
<前走:オールカマー出走馬>(中6週)
ジェラルディーナ(1着、464kg(+6kg))<B>
この中間もCWで好時計が出ていて出来は変わりなく良さそう。ただ首が高めの走りで時計ほど終いの伸びはない感じ。
ウインキートス(3着、476kg(+2kg))<D>
昨年と同じオールカマーからの参戦も、1週前追い切りではいつもは使わないPコースでの追い切り。ここにきて、いつもと違う調整過程での仕上げはプラスにならない。
デアリングタクト(6着、484kg(+4kg))<A>
休み明けの前走時は単走での調整ばかりだったが、この中間は1週前に3頭併せで追い切られ、終い抜かせない勝負根性を示して良い動きを披露していた。前走を叩いての上積みが感じられる。
<前走:クイーンS出走馬>(3ヶ月半)
テルツェット(1着、436kg(+4kg))<C>
昨年同様クイーンSを勝っての参戦。1週前追い切りでは南Wで併せ馬で追われたが、終い伸びきれておらず、物足りない動きに感じられた。
ルビーカサブランカ(4着、474kg(-2kg))<D>
追い切りでは好時計が出て、併せ馬で先着することも多い馬だが、この中間は併せ馬での遅れが多い。1週前追い切りでも、軽量の見習い騎手が騎乗しているにもかかわらず、動きが重くモタモタした感じで、良い時の状態にはなさそう。
<前走:その他のレース出走馬>
ウインマリリン(札幌記念:3着、488kg(+12kg)3ヶ月)<B>
札幌記念からの参戦で、この中間はかなり乗り込まれている。時計も優秀で出来は良さそう。ただ、関西圏での競馬は実績がなく割引。
フィオリキアリ(札幌記念:8着、458kg(+8kg)3ヶ月)<D>【除外対象馬】
除外対象で、間隔が空いている割に乗り込み量が少なすぎる。
ウインマイティー(京都大賞典:3着、486kg(+2kg)中4週)<B>
この中間もDPコースでいつも通りの調整。叩き2戦目での上積みも期待できそう。
ピンハイ(西宮S:1着、414kg(+12kg)中3週)<C>
前走では馬体が増えていたがそれでも小柄な馬で、この中間も坂路での時計は物足りない。上積みはあまり期待できそうにない。
マジカルラグーン(ヨークシャーオークス:5着、3ヶ月)<C>【外国馬】
外国馬でこの中間は速い時計は出していない。最終追い切りを芝コースで追われ、そこで良い動きを見せてくるようなら押さえたいところだが。
ホウオウエミーズ(新潟牝馬S:1着、448kg(±0kg)中2週)<A>
関東馬で、南Wコースで追われた1週前には、大外を手応え抜群に通って、併走相手を楽に突き放してみせた。前走勝ちの勢いそのままに、ここも出来良く迎えられそう。
ソフトフルート(新潟牝馬S:7着、502kg(+18kg)中2週)<D>【除外対象馬】
前走時馬体が大きく増えていた割に、この中間は金曜に馬なりでの追い切り1本。上積みは感じられない。
シャムロックヒル(新潟牝馬S:9着、510kg(+4kg)中2週)<C>【除外対象馬】
休み明け2戦目で、1週前追い切りでは好時計マークも、追われてからの反応がまだ鈍い。
サンテローズ(関ケ原S:1着、510kg(+10kg)中5週)<B>【除外対象馬】
この中間も坂路で好時計。速い時計を出す厩舎だが、動きも力強く出来は引き続き良さそう。
コトブキテティス(アルゼンチン共和国杯:12着、444kg(±0kg)連闘)<D>【除外対象馬】
先週出走で、パドックでは好馬体を見せていた。ただ軽ハンデであの結果では、ここに入っても厳しい。
※今回このコラムでの中間の状態からの推奨馬は、ナミュール、イズジョーノキセキ、デアリングタクト、ホウオウエミーズの4頭をあげておきます。
◇今回は、エリザベス女王杯編でした。
エリザベス女王杯過去10年の連対馬を、ローテーションから見てみると最も間隔が空いていた馬が2020年勝ち馬のラッキーライラックで3ヶ月。その他の馬たちは、中6週以内にレースを使われていて、古馬は府中牝馬S勢が中心(10頭)、オールカマーが3頭の状況。3歳馬に関しては、秋華賞経由がほとんどで5頭、鳴滝特別からが1頭という結果になっていました。春からの休み明けで使ってくる馬が多くいる天皇賞(秋)や秋華賞とは違い、前哨戦を一度使われて本番に臨んでくる馬が多い菊花賞に似た感じの傾向があるレースという印象です。
調教に関しては、連対馬20頭のうち、1週前に強めに追われていた馬は11頭、馬なりでの調整は9頭。そして最終追い切りに関しては、強めに追われていた馬が6頭、馬なりでの調整が14頭という内訳に。さらに過去10年の勝ち馬のみに絞って見てみると、1週前に強めに追われていた馬5頭、馬なり5頭、最終追い切りを強めに追われていた馬2頭、馬なり8頭となっています。
この結果から見えてくる、勝ち馬に向いている理想的な調整は、1週前に強めに追われて直前は馬なりで余裕を持たせた内容、ということになりそうです。なお、過去10年の勝ち馬の中で、最終追い切りで強めに追われていたクイーンズリング、アカイイトに関しては、1週前、最終追い切りともに前走時から時計がガラリと良化し、明らかに変わり身が感じられるデキとなっていました。直前で強めに追われてきている馬に関しては、前走時の調教内容を上回っていることが条件となりそうです。
そして今年は、海外調教馬が1頭出走予定ですので、過去の外国馬の調教内容に関しても少し触れておきます。調べてみるとこのレースを連覇したスノーフェアリーは、2年連続京都の芝コースで追い切られていました。ダートコースで追い切られていたその他の外国馬は見せ場なく敗れていますので、外国馬に関してはレースと同コースで好内容の調教が行われていた場合に好走可能性ありとみて良いのかもしれません。
最後に今年の出走予定馬を見てみても、過去10年同様に秋華賞、府中牝馬S、オールカマーといった前哨戦を使われて本番に臨む馬が半分以上を占めており、上記ローテーション・データに当てはまる馬の好走が期待できそうです。予想の参考の一つにしていただければと思います。
👑今年のエリザベス女王杯は、競馬を最後まで愛されていたエリザベス女王陛下も日本の空の上から楽しんで頂ける、そんなレースになるのではないかと思っています。
※エリザベス女王杯出走各馬の最終追い切り評価については、最終予想内でコメントする予定です。
※最終結論は、レース当日のくりーくプロページでチェックしてください。
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