2023年6月27日(火) 11:10
山崎エリカ
【山崎エリカのダートグレード攻略】~帝王賞2023~
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いよいよ上半期のダート総決算となる帝王賞。帝王賞は2011年から昨年までの過去10年で地方馬の連対はゼロだったが、2021年に大井のノンコノユメが2着に善戦した。また、一昨秋のJBCクラシックを大井のミューチャリーが制したように、JRAの降級制度の廃止に伴い、地方競馬が底上げしているのは確か。中距離路線も地方馬を侮れない。
さて、帝王賞ではどのような馬が活躍しているのかを紹介すると、前年のJBCクラシックと東京大賞典の連対馬が、このレース上位の大半を占める。特に前年のJBCクラシックと東京大賞典ともに連対していた馬は有力だが、2021年に1番人気に支持されたオメガパフュームが前記の条件を満たしながらも5着に敗れている。オメガパフュームは、川崎記念以来の休養明けの一戦だった。
このことから前年のJBCクラシックと東京大賞典ともに連対かつ、同年の2月以降に出走していた馬を本命候補としたい。それらの過去10年のこのレースでの成績は【1・1・1・0】と複勝率100%だ。1着の該当馬は2014年のワンダーアキュート、2着の該当馬は2020年オメガパフューム、3着の該当馬も2022年のオメガパフュームだ。遡れば2009年のヴァーミリアン、2011年のスマートファルコンも前記に該当し、このレースを優勝している。
また2021の帝王賞で4歳馬のテーオーケインズが優勝したように、
海外のレースに出走していた場合はカウントせず、国内の近2走で一度はダートグレードを優勝の2連勝以上馬も、過去10年のこのレースでは【4・4・1・0】と活躍している。
1着の該当馬は、2013年と2015年ホッコータルマエ、2020年のクリソベリル、2021年の1着テーオーケインズ。2着の該当馬は、2014年のコパノリッキー、2019年のチュウワウィザード、2020年のオメガパフューム、2022年の2着オメガパフューム。2021年の3着クリンチャー。特に近年はのJBCクラシックや東京大賞典の優勝馬は海外へ行くことが多いせいか、このタイプの活躍が目立つ。
他では、前々走でダートレースに出走し、0.8秒差以上の圧勝を収めていた馬も有力。過去10年のこのレースでの成績は【0・3・1・0】。2着の該当馬は、2017年のクリソライト、2019年と2022年のチュウワウィザード。3着の該当馬は、クリンチャーである。過去10年では1着こそないが、2011年には前記パターンのスマートファルコンが優勝していることから、このパターンも注意したい。
最後に穴馬のパターンを紹介すると、過去10年で4番人気以下で連対した13頭中、約半数の6頭が前走でダ1600m戦に出走して、3着以下に敗れているという共通項があった。該当馬は2013年のワンダーアキュート(3着)、2015年のクリソライト(2着)、ハッピースプリント(3着)、2016年のコパノリッキー(1着)、2018年のサウンドトゥルー(3着)、2019年のノンコノユメ(3着)。
また、それらには過去1年以内にダ1900m以上のGⅠ、jpnⅠで連対しているという共通項もあった。前走ダ1600m戦に出走して3着以下に敗れた、過去1年以内にダ1900m以上のGⅠ、jpnⅠで連対実績のある馬の巻き返しには要注意だ。
さらに4番人気以下で連対した馬の3頭は、【1】前走で平安S以外のGⅢ、jpnⅢで連対していた馬。残る3頭は【2】前走で平安Sで2着以下の馬。【1】の該当馬は、2014年の3着馬ソリタリーキング、2021年の1着馬テーオーケインズと3着馬のクリンチャー。【2】の該当馬は、2017年の1着馬ケイティブレイブと2着馬クリソライト、2022年の1着馬メイショウハリオであり、それらは前々走のダートグレードで連対か中央のオープンを勝利している実績があった。
つまり、前走でダートグレードで連対か、前々走でダートグレードで連対か、中央のオープン・リステッドを勝利していることが条件の前走平安S2着以下馬が穴メーカーとなる。
まとめるとこうなる!
●本命候補
・前年のJBCクラシックと東京大賞典で連対かつ、同年の2月以降に出走していた馬。
・海外のレースに出走していた場合はカウントせず、国内のレース近2走で一度はダートグレードを優勝している2連勝以上の馬。
・前々走でダートグレードレースに出走し、0.8秒差以上の圧勝を収めた、同年の5月以降出走馬。
●穴馬候補
・前走ダ1600m戦に出走して3着以下に敗れた、過去1年以内にダ1900m以上のGⅠ、jpnⅠで連対実績のある馬。
・前走、平安S以外のGⅢ、JpnⅢで連対している馬。
・前々走でダートグレードで連対か、中央のオープン・リステッドで優勝していることが条件の前走平安Sで2着以下馬。 |
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2023年3月14日(火) 10:00
山崎エリカ
【山崎エリカのダートグレード攻略】~ダイオライト記念2023~
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距離2400mのダイオライト記念は、昨年から名古屋グランプリが2500mから2100mに変更されたことで、ダートグレードとしては最長距離戦となった。主に川崎記念の上位馬や浦和記念、名古屋グランプリなどの裏街道を使われてきた馬たちが集うが、川崎記念の上位馬は人気を裏切ることも少なくない。本命サイドで決着することが多いダートグレードとしては波乱の傾向で、過去10年では1番人気馬が4度も馬券圏外に敗れている。
では、これまでにどのような馬が1番人気、それも単勝オッズ1.0秒台クラスの1番人気に支持され、人気を裏切ってきたのかというと、一番は前走JpnⅠ・GⅠの川崎記念やフェブラリーSに出走し、2着、3着に好走した馬である。2014年のムスカテール、2015年のサミットストーンの2頭は、前記の該当馬だった。
また2012年には3連単13万5060円の特大万馬券が飛び出したこともあったが、これも前走のフェブラリーSで3着だった1番人気馬ワンダーアキュートと前走の川崎記念で3着だったフリーオーソともに馬券圏外に敗れて波乱になっただけのこと。ダイオライト記念はJpnⅡだが、前走の川崎記念やフェブラリーSを大目標として結果を出し、余力のない状態で通用するほど、相手が楽ではないということになる。2番人気ではあったが、2019年の川崎記念の覇者ミツバもこのレースで4着に敗れている。
しかし、これまでの実績なくして通用しないのも競馬。過去1年以内にダ2000m以上のjpnⅠで連対実績があった馬で、前走の川崎記念かフェブラリーSで3着以内だった馬を除けば、過去10年で【4・0・1・0】と複勝率100%を誇る。1着の該当馬は、2014年のニホンピロアワーズ、2015年のクリソライト、2018年のケイティブレイブだ。遡れば2011年のスマートファルコンもそれに該当する。また3着の該当馬は、2022年にミューチャリーだ。
また前年のJpnⅡ・名古屋グランプリの3着以内馬も有力。名古屋グランプリからの直行馬ではないこと、前走でダートグレードに出走していること、前走が川崎記念で3着以内ではないことが条件で、過去10年のこのレースでの成績は【3・0・0・0】。1着の該当馬は、2013年のオースミイチバン、2019年のチュウワウィザード、2020年のアナザートゥルース。
名古屋グランプリ3着以内馬から直行だった2015年のシビルウォー、2021年のマスターフェンサーはともに5着に敗れている。また前走でオープン特別に出走していた2013年のクラシカルノヴァ、2014年はナイスミーチューもともに4着に敗れているので、ご注意を!!
さらに前走の東海Sで連対していた馬も有力で、それらの過去10年のこのレースでの成績は【2・0・1・0】。1着の該当馬は、2014年のニホンピロアワーズ、2019年のチュウワウィザード。3着の該当馬は、2021年のアナザートゥルースだ。
その他、jpnⅡ・浦和記念で連対かつ、前走で川崎記念以外のレースに出走し、着差0.9秒以内だった馬も有力で、過去10年のこのレースでの成績は【3・0・2・0】。1着の該当馬は、2016年のクリソライト、2020年のアナザートゥルース、2021年のダノンファラオ。3着の該当馬は、2018年のマイネルバサラ、2019年のオールブラッシュだ。
またこのレースでは過去10年で前年のJBCクラシックの覇者ミューチャリーを始め、地方馬が7頭も3着以内に好走している。その中でも最有力は前走で同年の2100mの報知オールスターCか大井の金盃に出走し、着差0.4秒差以上で勝利した馬だ。それらの過去10年のこのレースでの成績は【1・1・1・1】。1着の該当馬は2022年のノーヴァレンダ、2着の該当馬は2017年のユーロビート、3着の該当馬は2020年のサウンドトゥルーだ。2012年には前走の金盃で0.6秒差の勝利を収めたトーセンルーチェが、ダイオライト記念でも3着に好走している。
唯一、4着以下に敗れたのはアウトジェネラルで12着だったが、同馬は前々走の報知オールスターCで8着(2.6秒差)に大敗していた。ユーロビートも前々走の名古屋グランプリで7着(4.9秒差)に敗れていたが、南関東の重賞を使われている馬であれば、5着以内を目安に狙いたい。前記のユーロビート、サウンドトゥルー、トーセンルーチは前々走の報知オールスターCで5着以内だった。
さて、穴馬はというと当然ながら地方馬で、半年以内にダ2100m以上の南関東の重賞で3着以内の実績がある馬だ。前記したノーヴァレンダ、ユーロビート、サウンドトゥルーは直近で地元のダ2100m以上の重賞で勝利していたが、3着以内の馬たちも人気以上の走りを見せている。2014年の2着馬サミットストーン(7番人気)、2016年の3着馬ユーロビート(5番人気)、2017年の3着馬ウマノジョー(7番人気)は前記に該当していた。特に2016年に金盃が距離2000mから2600mに変更された2016年以降は、地方馬の活躍が目立っているので要注意だ。
まとめるとこうなる!
●本命候補
・過去1年以内のダ2000m以上のjpnⅠで連対実績がある馬。
(前走の川崎記念やフェブラリーSで3着以内だった馬を除く)
・前年の名古屋グランプリ3着以内馬。
(名古屋グランプリからの直行馬ではないこと、前走でダートグレードに出走していること、前走が川崎記念で3着以内ではないことが条件)
・前走の東海Sで連対していた馬。
・浦和記念で連対かつ、前走で川崎記念以外のレースに出走し、着差0.9秒以内だった馬。
・前走で同年の報知オールスターCか、大井の金盃に出走し、着差0.4秒差以上で勝利した馬。
(前々走で報知オールスターCに出走している場合は、5着以内が条件)
●穴馬候補
・半年以内にダ2100m以上の南関東の重賞で3着以内の実績がある地方馬。
(2016年以降は、特に大井の金盃の3着以内馬が活躍) |
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2022年11月2日(水) 19:50
山崎エリカ
【山崎エリカのダートグレード攻略】~JBCクラシック2022~
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2022年6月28日(火) 09:15
山崎エリカ
【山崎エリカのダートグレード攻略】~帝王賞2022~
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いよいよ上半期のダート総決算となる帝王賞。帝王賞は2011年から昨年までの過去10年で地方馬の連対はゼロだったが、昨年は大井のノンコノユメが2着に善戦した。また、昨秋のJBCクラシックを大井のミューチャリーが制したように、JRAの降級制度の廃止により、地方競馬が底上げしているのは確か。しかし、そうは言ってもまだまだ中央勢が有利と言える。
さて、帝王賞ではどのような馬が活躍しているのかを紹介すると、前年のJBCクラシックと東京大賞典の連対馬が、このレースの上位の大半を占める。特に前年のJBCクラシックと東京大賞典ともに連対かつ、同年の2月以降に出走していた馬に限れば、過去10年で【1・1・0・0】と連対率100%を誇る。1着の該当馬は2014年のワンダーアキュート、2着の該当馬は2020年のオメガパフュームだ。遡れば2009年のヴァーミリアン、2011年のスマートファルコンも優勝している。
昨年の帝王賞では、前年のJBCクラシックと東京大賞典で連対したオメガパフュームが1番人気に支持されながらも5着に敗れたが、同馬は川崎記念以来の休養明けの一戦だった。レースを順調に使われている前年のJBCクラシックと東京大賞典の連対馬が出走していれば、本命候補となるだろう。
また昨年の帝王賞で4歳馬のテーオーケインズが優勝したように、案外と新興勢力である4歳馬の活躍も目立っている。特に海外のレースを除く、近2走で一度はダートグレードレースを優勝の2連勝以上馬に限れば、過去10年で【3・1・0・0】と連対率100%。1着の該当馬は前記のテーオーケインズ他、2013年のホッコータルマエ、2020年のクリソベリル。2着の該当馬は、チュウワウィザードだ。
他では、前々走でダートレースに出走し、0.8秒差以上の圧勝を収めていた馬も有力。過去10年で【0・2・1・0】とこちらも連対率100%である。2着の該当馬は、2017年のクリソライト、2019年のチュウワウィザード。3着の該当馬は、クリンチャーである。過去10年では1着こそないが、2011年には前記パターンのスマートファルコンが優勝していることからこのパターンも注意したい。
最後に穴馬のパターンを紹介すると、過去10年で4番人気以下で連対した12頭中、半数の6頭が前走でダ1600m戦に出走して、3着以下に敗れているという共通項があった。該当馬は2013年のワンダーアキュート(3着)、2015年のクリソライト(2着)、ハッピースプリント(3着)、2016年のコパノリッキー(1着)、2018年のサウンドトゥルー(3着)、2019年のノンコノユメ(3着)。
また、それらには過去1年以内にダ1900m以上のGⅠ、jpnⅠで連対しているという共通項もあった。前走ダ1600m戦に出走して3着以下に敗れた、過去1年以内にダ1900m以上のGⅠ、jpnⅠで連対実績のある馬の巻き返しには要注意だ。
さらに4番人気以下で連対した馬の3頭は、(1)前走で平安S以外のGⅢ、jpnⅢで連対していた馬、残る2頭は(2)前走で平安Sで2着以下に敗れた馬だった。(1)の該当馬は、2014年の3着馬ソリタリーキング、2021年の1着馬テーオーケインズと3着馬のクリンチャー。(2)の該当馬は、2017年の1着馬ケイティブレイブと2着馬クリソライト。
また、それら3頭には前々走でダートグレードで連対か、中央のオープンで勝利という共通功があった。それらも合わせて注意したい。
まとめるとこうなる!
●本命候補
・海外のレースを除く、近2走で一度はダートグレードレースを優勝の2連勝以上の4歳馬。
・前年のJBCクラシックと東京大賞典で連対かつ、同年の2月以降に出走していた馬。
・前々走でダートグレードレースに出走し、0.8秒差以上の圧勝を収めた、同年の5月以降出走馬。
●穴馬候補
・前走ダ1600m戦に出走して3着以下に敗れた、過去1年以内にダ1900m以上のGⅠ、jpnⅠで連対実績のある馬。
・前走、平安S以外のGⅢ、JpnⅢで連対か平安Sで2着以下の馬。
(前々走でダートグレードで連対か、中央のオープンを勝利していることが条件) |
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【甘粕代三のドバイWCデーレース展望②】ドバイシーマクラシック・ドバイワールドカップ
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ドバイシーマクラシック(芝2410m)
日本馬が出走14頭のうち5頭を占めるドバイシーマクラシックは日本馬中心、というよりも日本馬が間違いなく上位独占を果たします。
史上最強世代と謳われる昨年のダービー馬シャフリヤール、そのダービー馬を神戸新聞杯で退けたステラヴェローチェ、シャフリヤールに昨年のジャパンカップで1馬身半先着したオーソリティ、香港ヴァーズ連覇のグローリーヴェイズ、亡き岡田繁幸の墓前にオークス制覇を手向けたユーバーレーベンと日本国内でもこれだけの顔ぶれが揃うことはあり得ません。おかげで今春のG1長距離路線は空き家といってもいい惨状。JRAも番組編成を再考する時期に来ているのではないでしょうか。
日本馬5頭は他国10頭と比べても明らかに力量上位。掲示板独占も夢じゃない、どころかその可能性は無限に高いと言えます。この5頭の中ではステラヴェローチェを狙います。重の鬼ながら晴雨兼用。後方一気の脚質ゆえ届かず涙を飲むレースが続いてきましたが、メイダンの芝は府中、東京よりは重く、香港シャティンとほぼ同じ。切れ味勝負の他の日本勢よりも有利といえます。
それだけではありません。ステラヴェローチェには海の向こうと天空から無敵の味方が舞い降りたのです。海の向こうからの援軍は言うまでもなく有馬記念から主戦となったM.デムーロと彼のファミリーです。ミルコとは彼の香港遠征時代からの付き合いで、ドバイへのエミレーツ便でも一緒になりました。最終追切の木曜午前、競馬場での朝食会で再会を約束して空港で別れましたが、朝食会には乳母車を押し現れたのです。
「オㇵヨ! 僕のファミリーです。よろしくね!」
乳母車の中には来月1歳を迎えるという長男、そして傍らにはイタリア美女3人がいるじゃないですか! コロナ禍のため夫人と長女と次女はイタリアに戻り、3年以上離れ離れになっていたのです。ミルコが里帰りした11か月後に生まれたのが乳母車の中にいる長男でした。ドバイは既にコロナ禍も収まって入国制限がなくなったので、ドバイワールドカップデーにイタリアから呼びよせ、長男とは初の御対面を果たしたのです。ミルコは満面の笑みを浮かべて長男を抱いていました。
「ファミリーの前でカッコいいとこ見せないと、ね」
ミルコへの乗り替わりは大野剛嗣オーナーの強い希望からでした。オーナーはドバイワールドカップデーへの出走を終生の夢にしていて、2011年東日本大震災直後、ヴィクトワールピサで日本馬初のワールドカップ制覇を果たしたミルコに、その夢を託したのです。ところが、その大野オーナーは3月2日、終生の夢を見ることなく亡くなったのです。最終追い切りの夜、ミルコとファミリー、須貝尚介調教師と夕食を共にしました。ミルコと須貝師、2人は亡き大野オーナーの墓前にドバイシーマクラシック制覇の朗報を届ける、と誓いを立てたのです。傍らで2人の言葉を耳にし、その思いに接した身としてはステラヴェローチェを応援しない訳には参りません。
競馬の世界には葬式馬券という言葉があります。オーナー、調教師、騎手ら関係者に弔事があると、その馬は必ず走るというジンクスです。最近ではアドマイヤ軍団の総帥、近藤利一オーナーが急逝した2019年、アドマイヤマーズが12月の香港マイルを圧勝したことが思い出されます。海の向こう、そして天空からの援軍をご理解いただけたでしょうか。ステラヴェローチェを不動の本命に日本発売馬券では3連単、香港発売馬券では4連単、畢生の大勝負をかける決心を致しました。
さて、相手は言うまでもなく日本勢、海外馬ではユビアー、ドバイオナー、アレンカー、パイルドライヴァーまで手を伸ばそうか悩みは尽きません。
ドバイワールドカップ(ダート2000m)
昨年2着と涙を飲んだチュウワウィザードが雪辱に燃えています。ドバイ到着後も順調、仕上げに抜かりなし。日本では堂々の一番人気に押されることは間違いありません。
しかし、ダート2000mは何といっても米国馬の金城湯池。BCダートマイル、ペガサスWCマイルとG1を連勝しているライフイズグッドが頭抜けていることは否定のしようもない事実。チュウワウィザードとの実力差はオッズ差の十倍どころではありません。ドバイシーマクラシックのステラヴェローチェ以上の不動の本命と見ました。ライフイズグッドに続くのは世界最高賞金のサウジC2着のカントリーグラマー。そのカントリーグラマーは馬体を調教で見るにつけ、名は体を表すという諺の妙に唸りました。もちろん調教に唸らされましたよ。そして前哨戦の一つ、2月のアルマクトゥームCR2の2着馬、ホットロッドチャーリー。サウジC3着のミッドナイトバーボンまではチュウワウィザードよりも高い評価を与えざるを得ません。
地元ドバイはサウジCで惨敗したリアルワールドがホストの面目を施さんとあのC.スミヨンを鞍上に迎えました。ハヤ王妃との離婚騒動、巨額の慰謝料請求でその悪名を世界に広めたドバイの王様、シェイク・モハメドの強い意向が働いたようです。これにも注目せざるを得ません。
★”日本と香港を股にかけて活躍する”海外プロ甘粕代三プロが、海外馬券販売レースのドバイワールドカップデー3レースの予想提供をいたします。当日の予想にご期待ください。
甘粕代三(あまかす・だいぞう)プロフィール
1960年、東京生まれ。高校時代から競馬にのめりこむ。
早稲田大学第一文学部卒。在学中に中国政府官費留学生。卒業後、東京新聞記者、テレビ朝日記者、同ディレクター、同台北開設支局長などを務める。
中国留学中に香港競馬を初観戦、94年ミッドナイトベットの香港カップ制覇に立ち会ったことから香港の競馬にものめりこみ、2010年、売文業に転じた後は軸足を日本から香港に。
香港の競馬新聞『新報馬簿』『新報馬経』に執筆、テレビの競馬番組にも出演。現在、香港アップルデイリー日本特約記者、北京市馬術運動協会高級顧問を務める。 |
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