2023年11月2日(木) 10:00
山崎エリカ
【山崎エリカのダートグレード攻略】~JBCレディスクラシック2023~
閲覧 963ビュー コメント 0 ナイス 2
JBCレディスクラシックは、ダート牝馬路線の頂点を決める一戦。このレースは今年で12年目と歴史が浅く、1800mで行われることもあれば、浦和の1400mや金沢の1500mで行われることもあり、JBCクラシックやJBCスプリントと比べても、距離の幅が広い。しかし、距離に関係なく求められるのは、実績と順調さだ。
このレースの最有力馬は、近2走とも牡馬相手のダートグレードに出走して3着以内だった馬。該当馬は、2021年の優勝馬ヤマニンアンプリメのみだが、同馬は2着馬に2馬身、この後に紹介するファッショニスタに8馬身差をつけて圧勝している。このことからも牝馬が相手のここなら当然、本命候補となるだろう。ただ、そのような馬が出走してくるのは稀なことだ。
そこで主力として紹介したいのが、前哨戦のレディスプレリュードや日本テレビ盃に出走しなかった馬だ。育成技術が発展した近年は、前哨戦を使わないケースが目立ち、近2走ともレディスプレリュード以外の同年のダ1400m~2000mのグレードレースか、中央のダートのリステッドやオープンに出走して3着以内馬だった馬が活躍している。
それらの過去10年のこのレースでの成績は【2・2・1・0】。1着の該当馬は、2019年のヤマニンアンプリメ、2020年のファッショニスタ。2着の該当馬は、2018年のラビットラン、2022年のグランブリッジ。3着の該当馬は、2021年のリネンファッションである。今後はこのタイプがより有力になっていくだろう。
また同年の牡馬相手のダートJpnⅡ、GⅡ以上で、5着以内だった馬も有力。ただし、JBCクラシックの前哨戦である日本テレビ盃の好走馬は、前走が目標だった可能性が高いので評価を下げたい。また2017年のホワイトフーガのように、前走で1.6秒差以上も負けているような馬も、順調さという意味で狙いにくい。
そこで同年の牡馬相手のダートJpnⅡ、GⅡ以上で5着以内だった馬で、前走で日本テレビ盃で3着以内ではないことと、前走で1.6秒以上負けていないことが条件で、過去10年のこのレースでの成績は【2・0・2・0】である。1着の該当馬は、2016年のホワイトフーガ、2018年のアンジュデジール。3着の該当馬は、2015年のトロワボヌール、2022年のショウナンナデシコ。遡れば2011年に前記に該当したミラクルレジェンド、ラヴェリータが、ワン、ツーを決め、2012年にも前記に該当のミラクルレジェンドが優勝している。
さらに同年夏のスパーキングレディーカップかブリーダーズゴールドカップのどちらかで優勝し、前哨戦のレディスプレリュードでも連対した馬も有力。過去10年のこのレースでの成績は、【3・0・2・0】となっている。1着の該当馬は、2013年のメーデイア、2014年のサンビスタ、2016年のホワイトフーガ。3着の該当馬は、2015年のトロワボヌール、2019年のファッショニスタである。
今度は穴馬候補を紹介しよう。それは前走のレディスプレリュードを休養明けで凡退した馬だ。2017年の優勝馬ララベル、2018年の優勝馬アンジュデジール、遡って2011年の3着馬カラフルデイズ、2012年の2着馬クラーベセクレタらが、レディスプレリュードで4着以下から巻き返している。
クラーベセクレタこそ2番人気だったが、アンジュデジールは6番人気、ララベルは5番人気、カラフルデイズは7番人気だ。これらの共通項は同年のダートグレードで連対実績のあること。実績馬がレディスプレリュードをひと叩されて、変わるパターンが最大の穴馬候補だ。
さらにこのレースが1600m以下で行われた場合には、前走でそれよりも短い距離を使われていた馬が穴を開けている。2016年の2着馬レッツゴードンキ、3着馬トーセンセラヴィ、そして2013年の3着馬キモンレッドもこのパターン。キモンレッドこそ前走中央のオープンで3着と好走していたこともあっての3番人気だったが、レッツゴードンキは5番人気、トーセンセラヴィは6番人気だった。
逆に距離が1800mだった場合には、前走でそれよりも長い距離を使われていた馬が穴メーカーとなる。1800m戦はスピードで押し切れるような距離ではないために、前走で1600m以下のレースに出走していた馬は、1頭も馬券に絡んでいない。2017年に前走2100m戦を使われていたプリンシアコメータが4番人気で2着と好走したことが、この傾向を象徴している。
他では、芝のグレードレースで優勝実績のある今回が初ダートの馬だ。本来、初ダートの馬は不利だが、2016年にレッツゴードンキが穴を開けているように、そういうタイプはポテンシャルの高さで突破してくることがある。このパターンで人気がないようであれば、ヒモに加えて損はない。
まとめるとこうなる!
●本命候補
・近2走とも牡馬相手のダートグレードに出走して3着以内の実績馬。
・近2走とも前哨戦の日本テレビ盃やレディスプレリュード以外の同年のダ1400m~2000mのグレードレースか中央のリステッドやオープンに出走して3着以内馬の馬。
・同年に牡馬相手のダートJpnⅡ、GⅡ以上に出走して5着以内の実績馬。(前走で日本テレビ盃に出走して3着以内だった馬、前走で1.6秒以上も大敗した馬を除く)。
・同年のスパーキングレディーカップかブリーダーズゴールドカップのどちらかで優勝し、前哨戦のレディスプレリュードでも連対した馬。
●穴馬候補
・前走のレディスプレリュードが休養明けで4着以下の馬(同年のダートグレードで連対実績があることが条件)。
・JBCレディスクラシックが1600m以下の場合は、前走でそれ以下の短い距離を使われていた馬。
・JBCレディスクラシックが1800mの場合は、前走でそれ以上の長い距離を使われていた馬。
・芝のグレードレースを優勝した実績がある、今回が初ダートの馬。 |
|
[もっと見る]
2023年8月16日(水) 10:00
山崎エリカ
【山崎エリカのダートグレード攻略】~ブリーダーズゴールドカップ2023~
閲覧 981ビュー コメント 0 ナイス 2
ブリーダーズゴールドカップはかつては牡牝混合のJpnIIとして行われていたが、2014年から牝馬限定のJpnIIIとして生まれ変わり、今年で10年目となる。このレースは南関東以外で実施される唯一の牝馬限定のダートグレード競走(JBCレディスクラシックを除く)で、北海道という土地柄から、南関東馬の出走はほとんどない。このためJRAvs道営馬の対戦図式となるが、過去9年の歴史の中で道営馬の3着以内は一度もなく、JRA勢の独壇場となっている。
JRA勢の中でも最有力は、同年のエンプレス杯で3着以内の馬。それらの過去9年のこのレースでの成績は【4・3・0・0】。1着の該当馬は、2014年のサンビスタ、2015年-2016年のアムールブリエ、2021年のマルシュロレーヌ。2着の該当馬は、2014年のワイルドフラッパー、2018-2019年のプリンシアコメータだ。
さらにエンプレス杯と同距離の同年の関東オークス馬も有力。ただし、2018年の関東オークス馬ハービンマオは中央時に1勝クラス勝ちの実績がなく、このレースでは5着に敗れていることから、中央の1勝クラス以上で勝利した実績のある同年の関東オークス3着以内馬を条件としたい。すると過去9年のこのレースの成績は【1・2・3・0】となる。
1着の該当馬は、2022年のグランブリッジ。2着の該当馬は、2016年のタイニーダンサー、2017年のクイーンマンボ。3着の該当馬は、2015年のホワイトフーガ、2019年のラインカリーナ、2020年のレーヌブランシュ。またタイニーダンサー、クイーンマンボには、それまでに牡牝混合のダ1800m以上のダートグレードで3着以内の実績があったことから、連対圏内までを狙うのであれば、それくらいの実績は欲しい。
またエンプレス杯と同格である前年のレディースプレリュードで2着以内だった馬も有力。それらの過去9年のこのレースでの成績は【0・2・1・0】。レディースプレリュードの連対馬は、マイル路線に向かうことが多く、出走頭数が少なく、優勝したこともないが、2~3着と善戦はしている。2着の該当馬は、2015年のサンビスタ、2019年のプリンシアコメータ、3着の該当馬はクイーンマンボである。
その他、夏場のこの時期は、実績馬は秋のJBCレディスクラシックに備えて放牧に出されていることも多く、前年のJBCレディスクラシックで活躍した実績馬が出走してくることは少ないが、出走してくれば有力。前年のJBCレディスクラシックで連対した馬のこのレースでの成績は、過去9年で【1・2・0・0】となっている。
1着の該当馬は、2021年のマルシュロレーヌ。2着の該当馬は、2015年のサンビスタと2018年のプリンシアコメータだ。実績馬にとっては、あくまでもこの先のJBCレディスクラシックが目標だが、地力の違いでここも通用しているようだ。また前記の3頭は、JBCレディスクラシックが1800mで行われた年の3着以内馬であることも共通項である。
また過去1年以内に牡牝混合のダートグレードで3着以内の実績馬も、前走でダートグレードに出走していることが条件で、過去9年のこのレースでは【1・1・2・0】と活躍している。1着の該当馬は、前年の名古屋グランプリを優勝した2016年で、同馬はこのレースで問答無用の圧勝を飾っている。2着の該当馬は、2014年のワイルドフラッパー。3着の該当馬は、2019年のクイーンマンボと2022年のテリオスベルである。
このように実績馬が優勢のレースだが、近2走でダ1700m以上のオープン&リステッドで3着以内だった新興勢力も、過去9年のこのレースでの成績は【2・2・3・0】と活躍している。1着の該当馬は、2014年のサンビスタ、アンデスクイーン。2着の該当馬は、2019年のプリンシアコメータ。3着の該当馬は、2016年のビービーバーレル、2021年のアッシェンプッテル、2022年のテリオスベルだ。
最後に穴パターンを紹介しよう。2017年に優勝したマイティティー(6番人気)、2018年の2着馬プリンシアコメータ(4番人気)、
2014年に3着だったマーチャンテイマー(4番人気)のように、前走が休養明け(前々走が4月以前のレースに出走)でオープン&リステッドかダートグレードに出走して0.9秒以上敗れた馬たちだ。
マイティティーは前走大沼Sで14着(5.5秒)大敗、マーチャンテイマーは前走プロキオンSで15着(1.8秒) 大敗、プリンシアコメータは前走平安Sで11着(0.9秒)大敗。しかし、休養前に3勝クラス以上を優勝した実績があった。
つまり、もともと勢いがあった馬、実力があった馬がひと叩きされて一変したパターンになる。3勝クラス以上を優勝したことがある馬が、前走で同年の4月よりも前のレースに出走していた場合は変わり身に要注意だ。
まとめるとこうなる!
●本命候補
・同年のエンプレス杯で3着以内の馬。
・中央の1勝クラス以上で勝利した実績のある同年の関東オークス馬(牡牝混合の1800m以上のダートグレードで3着以内の実績があると連対圏内まで狙える)。
・前年のレディースプレリュードの連対馬。
・前年のJBCレディスクラシック連対馬。
・前走でダートグレードに出走している、過去1年以内に牡馬相手のダートグレードで3着以内の実績がある馬。
・近2走以内に中央のダ1700m以上のオープン&リステッドで3着以内のある馬。
●穴馬候補
・前走でオープン&リステッドかダートグレードに出走し、0.9秒以上敗れた休養明け(前走が4月以前のレースに出走)の馬。 |
|
[もっと見る]