2023年8月16日(水) 10:00
山崎エリカ
【山崎エリカのダートグレード攻略】~ブリーダーズゴールドカップ2023~
閲覧 956ビュー コメント 0 ナイス 2
ブリーダーズゴールドカップはかつては牡牝混合のJpnIIとして行われていたが、2014年から牝馬限定のJpnIIIとして生まれ変わり、今年で10年目となる。このレースは南関東以外で実施される唯一の牝馬限定のダートグレード競走(JBCレディスクラシックを除く)で、北海道という土地柄から、南関東馬の出走はほとんどない。このためJRAvs道営馬の対戦図式となるが、過去9年の歴史の中で道営馬の3着以内は一度もなく、JRA勢の独壇場となっている。
JRA勢の中でも最有力は、同年のエンプレス杯で3着以内の馬。それらの過去9年のこのレースでの成績は【4・3・0・0】。1着の該当馬は、2014年のサンビスタ、2015年-2016年のアムールブリエ、2021年のマルシュロレーヌ。2着の該当馬は、2014年のワイルドフラッパー、2018-2019年のプリンシアコメータだ。
さらにエンプレス杯と同距離の同年の関東オークス馬も有力。ただし、2018年の関東オークス馬ハービンマオは中央時に1勝クラス勝ちの実績がなく、このレースでは5着に敗れていることから、中央の1勝クラス以上で勝利した実績のある同年の関東オークス3着以内馬を条件としたい。すると過去9年のこのレースの成績は【1・2・3・0】となる。
1着の該当馬は、2022年のグランブリッジ。2着の該当馬は、2016年のタイニーダンサー、2017年のクイーンマンボ。3着の該当馬は、2015年のホワイトフーガ、2019年のラインカリーナ、2020年のレーヌブランシュ。またタイニーダンサー、クイーンマンボには、それまでに牡牝混合のダ1800m以上のダートグレードで3着以内の実績があったことから、連対圏内までを狙うのであれば、それくらいの実績は欲しい。
またエンプレス杯と同格である前年のレディースプレリュードで2着以内だった馬も有力。それらの過去9年のこのレースでの成績は【0・2・1・0】。レディースプレリュードの連対馬は、マイル路線に向かうことが多く、出走頭数が少なく、優勝したこともないが、2~3着と善戦はしている。2着の該当馬は、2015年のサンビスタ、2019年のプリンシアコメータ、3着の該当馬はクイーンマンボである。
その他、夏場のこの時期は、実績馬は秋のJBCレディスクラシックに備えて放牧に出されていることも多く、前年のJBCレディスクラシックで活躍した実績馬が出走してくることは少ないが、出走してくれば有力。前年のJBCレディスクラシックで連対した馬のこのレースでの成績は、過去9年で【1・2・0・0】となっている。
1着の該当馬は、2021年のマルシュロレーヌ。2着の該当馬は、2015年のサンビスタと2018年のプリンシアコメータだ。実績馬にとっては、あくまでもこの先のJBCレディスクラシックが目標だが、地力の違いでここも通用しているようだ。また前記の3頭は、JBCレディスクラシックが1800mで行われた年の3着以内馬であることも共通項である。
また過去1年以内に牡牝混合のダートグレードで3着以内の実績馬も、前走でダートグレードに出走していることが条件で、過去9年のこのレースでは【1・1・2・0】と活躍している。1着の該当馬は、前年の名古屋グランプリを優勝した2016年で、同馬はこのレースで問答無用の圧勝を飾っている。2着の該当馬は、2014年のワイルドフラッパー。3着の該当馬は、2019年のクイーンマンボと2022年のテリオスベルである。
このように実績馬が優勢のレースだが、近2走でダ1700m以上のオープン&リステッドで3着以内だった新興勢力も、過去9年のこのレースでの成績は【2・2・3・0】と活躍している。1着の該当馬は、2014年のサンビスタ、アンデスクイーン。2着の該当馬は、2019年のプリンシアコメータ。3着の該当馬は、2016年のビービーバーレル、2021年のアッシェンプッテル、2022年のテリオスベルだ。
最後に穴パターンを紹介しよう。2017年に優勝したマイティティー(6番人気)、2018年の2着馬プリンシアコメータ(4番人気)、
2014年に3着だったマーチャンテイマー(4番人気)のように、前走が休養明け(前々走が4月以前のレースに出走)でオープン&リステッドかダートグレードに出走して0.9秒以上敗れた馬たちだ。
マイティティーは前走大沼Sで14着(5.5秒)大敗、マーチャンテイマーは前走プロキオンSで15着(1.8秒) 大敗、プリンシアコメータは前走平安Sで11着(0.9秒)大敗。しかし、休養前に3勝クラス以上を優勝した実績があった。
つまり、もともと勢いがあった馬、実力があった馬がひと叩きされて一変したパターンになる。3勝クラス以上を優勝したことがある馬が、前走で同年の4月よりも前のレースに出走していた場合は変わり身に要注意だ。
まとめるとこうなる!
●本命候補
・同年のエンプレス杯で3着以内の馬。
・中央の1勝クラス以上で勝利した実績のある同年の関東オークス馬(牡牝混合の1800m以上のダートグレードで3着以内の実績があると連対圏内まで狙える)。
・前年のレディースプレリュードの連対馬。
・前年のJBCレディスクラシック連対馬。
・前走でダートグレードに出走している、過去1年以内に牡馬相手のダートグレードで3着以内の実績がある馬。
・近2走以内に中央のダ1700m以上のオープン&リステッドで3着以内のある馬。
●穴馬候補
・前走でオープン&リステッドかダートグレードに出走し、0.9秒以上敗れた休養明け(前走が4月以前のレースに出走)の馬。 |
|
[もっと見る]
2023年7月16日(日) 10:00
山崎エリカ
【山崎エリカのダートグレード攻略】~マーキュリーカップ2023~
閲覧 1,313ビュー コメント 0 ナイス 3
海の日の前後に行われる、岩手競馬の夏の風物詩マーキュリーカップ。このレースはJpnI・JBCクラシックへ向け、上半期のダートグレードで賞金を加算しきれなかった馬が出走することが多い。
とにかく多様な路線からの参戦が目立つレースだが、最有力は前走で同年の平安Sに出走していた馬だ。平安S組は大敗していたとしても、過去半年以内にダートグレードで連対実績があれば通用している。平安Sが5月に行われるようになった2013年度以降の、平安S出走馬のこのレースでの成績は【5・1・1・1】。
1着の該当馬は、2013年のソリタリーキング、2014年のナイスミーチュー、2016年のストロングサウザー、2018年のミツバ、2021年のマスターフェンサー。2着の該当馬は、2015年のソリタリーキング。3着の該当馬は、2017年のクリノスターオー。唯一の4着以下は2022年のケイアイパープルで4着だが、同馬は3着馬とハナ差だっただけに、有効なデータと言える。
さらに同年の東京ダ2100m戦、ブリリアントSかスレイプニルSで4着以内の馬も有力。それらの過去10年のこのレースでの成績は【2・4・2・1】。1着の該当馬は、2017年のミツバ、2020年のマスターフェンサー。2着の該当馬は、2014年のクリソライト、2015年のソリタリーキング、2021年のバンクオブクラウズ、2022年のテリオスベル。3着の該当馬は、2018年のフェニックスマーク、2019年のテルペリオン。
唯一の4着以下は、2018年のザイディックメアで6着だったが、同馬は前走のブリリアントSを休養明けで2着と好走した後の一戦だった。2018年に1番人気に支持されながらも3着に敗れフェニックスマークも前走のブリリアントSを休養明けで1着と好走した後の一戦だっただけに、前走が休養明けでプリリアントSかスレイプニルSに出走し、そこで連対した馬は評価を下げたい。
ちなみに同年のブリリアントSとスレイプニルSに出走し、ともに連対していた馬のスレイプニルSが創設された2019年以降の成績は【1・1・0・0】。1着の該当馬はマスターフェンサー、2着の該当馬は2021年のバンクオブクラウズで、このパターンはより本命馬として信頼できる。
最後に穴パターンを紹介しよう。このレースの過去10年で4番人気以下で3着以内に好走した中央馬は、2013年のソリタリーキング(4番人気/1着)、2014年のシビルウォー(6番人気/3着)、2015年のユーロビート(6番人気/1着)、2021年のマスターフェンサー(4番人気/1着)の4頭には、近3走以内のダートグレードで3着以内かつ、前走でグレードレースに出走し、1.2秒差以上大敗している共通点があった。
このように実績馬が前走のダートグレードで大敗から巻き返している一方で、2018年のヨシオ(4番人気/2着)、2019年のノーブルサターン(4番人気/2着)など、上がり馬も穴を開けている。前記2頭は近2走のJRAのオープン&リステッドで3着以内の実績があることが共通点。ブリリアントSやスレイプニルSの上位馬が上位人気に支持されるのとは対照的に人気にならないので、前記に該当する馬が出走していた場合には警戒したい。
まとめるとこうなる!
●本命候補
・着順に関係なく、前走で平安Sに出走していた馬。
(過去半年以内にダートグレードで連対していることが条件)
・同年のブリリアントSかスレイプニルSで4着以内の馬。
(両レースとも出走し、ともに連対ならさらに有力)
●穴馬候補
・前走でグレードレースに出走し、1.2秒差以上で敗れた馬。
(近3走以内にダートグレードで3着以内の実績が条件)
・近2走以内にJRAのオープン&リステッドで3着以内の実績がある馬。 |
|
[もっと見る]