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クイーン賞は2004年以降11月下旬から12月の前半に行われていたが、ダート路線の整備により、今年から2月に実施されることになった。実施時期の関係で3歳以上が4歳以上に変わったが、距離1800mとハンデキャップ競走という条件は同じ。今回のみ、前走クイーン賞から2ヵ月半弱の休養明けで出走する馬が存在することになるが、それも踏まえて傾向をお伝えする。
まず、このレースは前回のJpnI・JBCレディスクラシックの上位馬に優先出走権があるが、これまで優勝馬が出走したことがない。ハンデ重量を背負わされることを嫌うからだ。しかし、JBCレディスクラシックで2着以下の上位馬は出走することが多く、同レースの2着馬の過去10年のこのレースでの成績は、【2・1・0・0】と連対率100%を誇る。
1着の該当馬は、2013年のアクティビューティ、2014年のトロワボヌール。2着の該当馬は、2022年のグランブリッジ。遡れば2012年のクラーベセクレタも2着と好走している。連対馬が出走してくれば本命候補だ。
また、前回のJBCレディスクラシックの3~5着も活躍しており、それらの過去10年の成績は【1・5・3・2】。1着の該当馬は、2016年のトロワボヌール。2着の該当馬は、2013年のカラフルデイズ、2014年のアクティビューティ、2015年のトロワボヌール、2017年のアンジュデジール、2023年のテリオスベル。3着の該当馬は、2014年のブルーチッパー、2017年のラインハート、2022年のショウナンナデシコ。4着以下に敗れたのは、2019年のミッシングリンク(4着)と2021年のリネンファッション(8着)だ。
しかし、JBCレディスクラシックで3~5着で、このレースで3着以内だったラインハート以外の馬は、次のどれかの条件を満たしているのに対して、4着以下馬は次の条件を満たしていなかった。遡って2011年のJBCレディスクラシックの4着馬パールシャドウも、前記の条件を満たしていないだけに、次の条件は必須となりそうだ。
(1)過去1年以内のGⅡ、JpnⅡで2着以内
(2)過去1年以内のGⅢ、JpnⅢで優勝
(3)過去1年以内のJBCレディスクラシックの直前のレースで2連勝以上している
さらにハンデ重量に恵まれることが多い年明け4歳馬も活躍している。特に古馬相手のダートグレードで3着以内の実績がある関東オークス馬が活躍。過去10年の成績は【1・2・2・0】と、複勝率100%を誇る。1着の該当馬は、2022年のグランブリッジ。2着の該当馬は、2016年のタイニーダンサー、2017年のアンジュデジール。3着の該当馬は、2019年のラインカリーナ、2023年のパライバトルマリン。過去10年で3着以内だった年明け4歳馬の大半がこのパターンである。
その他、過去1年以内に牡馬混合ダートグレードで連対した実績馬も活躍しており、過去10年の成績は【1・3・1・0】。1着の該当馬は、ライオットガール。2着の該当馬は、2015年のトロワボヌール、2021年のサルサディオーネ、2023年のテリオスベル。3着の該当馬は、2020年のショウナンナデシコ。遡ればジャパンダートダービーで2着(後に失格)となった2012年のクラーベセクレタも、このレースを優勝している。
他では2019年のこのレースで3、4角1~4番手以内の馬が1~4着を独占したように、ハイペースでも前から押し切れていることが多い。特に前走の距離1800mのダートグレードで4角2番手以内だった馬は、相手弱化のここで巻き返すパターンが際立っており、それらの過去10年の成績は【5・3・1・0】。
1着の該当馬は、2017年のプリンシアコメータ、2018年のアイアンテーラー、2019年のクレイジーアクセル、2020年のサルサディオーネ、2022年のテリオスベル。2着の該当馬は、2018、2021年のサルサディオーネ、2023年のテリオスベル。3着の該当馬は、2014年のブルーチッパー、2023パライバトルマリンだ。
また、このレースは今回で3、4角先頭だった馬も活躍している。それらの過去10年の成績は【4・2・3・0】。1着の該当馬は、2017年のプリンシアコメータ、2018年のアイアンテーラー、2019年クレイジーアクセル、2020年のサルサディオーネ、2022年のテリオスベル。2着の該当馬は、2013年のサクラサクラサクラ、2021年サルサディオーネ。3着の該当馬は、2014年のブルーチッパー、2015年のノットオーソリティ。
2021年のサルサディオーネ(大井)こそ前々走で格上の日本テレビ盃を優勝していたこともあって1番人気に支持されていたが、地方馬や年明け4歳馬はそれほど人気にならない。2019年の勝ち馬クレイジーアクセル(大井)は4番人気、2020年の勝ち馬サルサディオーネでさえも3番人気。2013年の2着馬サクラサクラサクラ(大井)は7番人気、2015年の3着馬ノットオーソリティ(船橋)が5番人気で逃げて3着。遡って2012年には当時3歳馬のレッドクラウディア(中央)が6番人気で郵送している。今回で逃げが予想される馬は、人気がなければ無条件に「買い」だ。
最後に穴馬候補を紹介しよう。2016年のタイムビヨンド(8番人気)、2020年のサルサレイア(7番人気)、遡れば2012年のアドマイヤインディ(12番人気)、2010年のトウホクビジン(10番人気)、2009年のパノラマビューティ(10番人気)など、6番人気以下で3着に食い込んでいる馬は全て地方馬であり、次の共通項があった。
(1)前走でダートグレード出走かそれ以外なら5着以内
(2)ハンデが51~52kg
(3)差し、追い込み馬ということ。
パノラマビューティ、トウホクビジンの活躍は、JBCレディスクラシック創設前だが、アドマイヤインディ、タイムビヨンドが3着に好走した年は、JBCレディスクラシックで5着以内だった馬が、1頭のみの出走だった背景もあるが、前記の3項目を全てクリアしている馬は、一考する価値がある。
まとめるとこうなる!
●本命候補
・前年のJBCレディスクラシックで連対した馬。
・前年のJBCレディスクラシックの3~5着馬(過去1年以内にGⅡ、JpnⅡで2着以内か、過去1年以内にGⅢ、JpnⅢ勝ちか、JBCレディスクラシックの直前のレースで2連勝以上しているかのどれかが条件)。
・古馬相手のダートグレードで3着以内の実績がある、前年の関東オークス連対馬。
・過去1年以内に牡馬混合ダートグレードで連対実績がある馬。
・前走で距離1800mのダートグレードに出走し、4角2番手以内だった馬。
・今回で3、4角先頭が予想される馬。
●穴馬候補
・前走でダートグレード出走かそれ以外なら5着以内、ハンデ51~52kg、差し、追い込み馬である条件を全て満たした地方馬。
※JBCレディスクラシックの5着以内の馬が1頭以下だとより期待できる。
(山崎エリカ)
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