クイーンSが2日、札幌競馬場で14頭によって争われ、吉田隼騎乗で11番人気の
レッドアネモスが、中団追走から馬群を割って突き抜けて、重賞初制覇を飾った。吉田隼騎手は
アドマイヤジャスタの
函館記念に続いて、北海道シリーズで重賞2連勝。2着は4番人気の
ビーチサンバが入り、友道厩舎のワンツー。1番人気の
スカーレットカラーは3着だった。
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強風を切り裂いて、緑一面のターフを鮮やかに突き抜けた。11番人気の
レッドアネモスが、馬群の間から鋭く抜け出し重賞初制覇。15番人気の
アドマイヤジャスタで制した
函館記念に続き、初騎乗の伏兵馬で北海道シリーズ重賞2連勝を飾った吉田隼騎手が、喜びをかみしめる。
「うれしいです。札幌で重賞を勝ったことがなかったので、いい結果を出したいと思っていました。能力のある馬ですし、結果を出せてホッとしています」
最内枠から好スタートを決めて、前半1000メートル58秒2の淀みない流れを中団のインでリズム良く進む。手応え良く直線に向くと、わずかに開いたスペースを突いて力強い末脚で抜け出した。「敏感なところがあって馬混みを少し気にするようですが、狭いところをこじ開けてくれました」と鞍上はパートナーをたたえた。
2着
ビーチサンバとワンツーを決めた友道調教師は、「何もかもうまくいきました。こういう洋芝も合いますね」と笑みを浮かべる。アネモスはデビューから芝を使われ今回が8度目の重賞挑戦だったが、きょうだいにダートでの活躍馬が多く、門別の交流GIII・ブリーダーズゴールドC(13日、ダ2000メートル)にも登録。ダートへの転向を模索していただけに、うれしい誤算だろう。
あす4日に放牧に出る予定。次走は未定だが、「芝路線で行きたいですね。賞金を加算できてよかった。ここ2、3走はちぐはぐな競馬が続いていた。もともと能力はある馬なので」と、トレーナーはうっぷんを晴らす快勝劇に手応えを感じ取る。
夏の札幌で素質を開花させた
レッドアネモスが、実りの秋に向けて確かな一歩を刻んだ。(斉藤弘樹)
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レッドアネモス 父
ヴィクトワールピサ、母マチカネハヤテ、母の父
サクラバクシンオー。鹿毛の牝4歳。栗東・
友道康夫厩舎所属。北海道千歳市・社台ファームの生産馬。馬主は(株)東京ホースレーシング。戦績13戦4勝。獲得賞金7999万4000円。重賞は初勝利。
クイーンSは
友道康夫調教師、
吉田隼人騎手ともに初勝利。馬名は「冠名+風(ギリシャ語)。母名より連想」。
★同一厩舎の重賞ワンツー…同一厩舎のJRA重賞の1、2着独占は、2018年
神戸新聞杯(1着
ワグネリアン、2着
エタリオウ)で友道厩舎が達成して以来。
★
ヴィクトワールピサ産駒…本レースは、今年の出走馬3頭を含む、延べ5頭の出走で初勝利。これまでの最高着順は昨年の
スカーレットカラーの2着。JRA重賞は通算6勝目。
★2日札幌11R「
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