秋のGIシーズンが目前に迫った中央競馬では、26日に菊花賞トライアル・
神戸新聞杯が中京競馬場で行われる。前走で世代の頂点に立った
日本ダービー馬
シャフリヤール(栗東・
藤原英昭厩舎、牡3歳)が、ここで始動。
紫苑S、
ローズSと2週連続重賞制覇と絶好調の
福永祐一騎手(44)=栗東・フリー=に、無敗2冠馬
コントレイルで制した昨年との気持ちの違いや、引き続きコンビを組む同馬への期待度を聞いた。(取材構成・川端亮平)
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シャフリヤールには過去4戦のうち3戦で騎乗。デビュー戦を勝った直後から、
日本ダービーの舞台を意識していた。改めてハナ差で制した前走を振り返って
「よく勝ってくれたよね。ダービー前に想像以上に良くなっていて、(無傷の4連勝で
皐月賞を制し、2冠を狙う)
エフフォーリアは強いけど、『これなら勝負になる』と感じていた。2400メートルに距離が延びていいタイプだと思っていたけど、期待通りの伸びを見せてくれた」
--今回は約4カ月ぶりの始動戦。調教にまたがった中で、春からの成長を感じる点は
「少し体がたくましくなった。ダービー前にだいぶ良くなっていたので、そこから劇的に変わったということはないよ」
--気性面の変化は
「気性は変わりはないけど、追い切りでは春に比べて前進気勢が強くなっている。それでも、競馬にいけば問題ないと思うよ。ここまでにいろいろと教えてきているからね」
--体の成長とともに徐々に距離適性が見えてくる時期になってきた
「
ディープインパクト産駒特有のいいばねがあって、春は440キロ台のサイズ感(前走時444キロ)も良さの一つだった。そこから少し体が大きくなって、つくり方次第では1600メートルから2000メートル向きのタイプになってくる可能性はある。(全兄
アルアインが2000メートルの
皐月賞、
大阪杯をVと)血統的にもそういう面があるからね」
--中間は追い切りに3回騎乗し、16日の1週前追い切りでは栗東CWコースで6ハロン85秒2-11秒7。仕上がり具合は
「2週前追い切り(8日)では動きに物足りなさがあったけど、(16日は)一杯にやってしっかり動けていて、最後の反応も良かった。当週(最終追い切り)に強い負荷をかけなくてもいいくらいの動きをしていた」
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神戸新聞杯には、昨年の
コントレイル(1着)に続いて、
日本ダービー馬での参戦になる
「気持ちは全然違うね。昨年は(史上3頭目の無敗での3冠達成がかかる
菊花賞を次戦に控えて)ここでは負けられなかったから。(今年は)気楽に臨めるよ」
--このレースでのテーマや確かめたいことは
「特にない。デビュー前から関わってきて、問題や課題を先送りにせずに取り組んできたからね。今から教えないといけないこともない。このままでいい。順調にさえいってくれれば大丈夫だよ」
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神戸新聞杯の特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載
★重賞4連続連対!秋も絶好調…福永騎手は2年連続で夏の新潟リーディングを獲得、秋も好調ぶりを見せつけている。18~20日の3日間開催で7勝。18日には騎乗機会4連勝で、自身が持つJRA最長記録を更新する12年連続、通算13回目のJRA年間100勝を達成した。重賞での活躍は特筆もので、9月に入って
小倉2歳S2着(5日、
スリーパーダ)、
紫苑S1着(11日、
ファインルージュ)、
産経賞セントウルS2着(12日、
ピクシーナイト)、
ローズS1着(19日、
アンドヴァラナウト)と、2週連続Vを含む騎乗機会4戦連続連対。
セントライト記念は7着(20日、
ルペルカーリア)に終わったが、
神戸新聞杯でも華麗な騎乗を見せてくれそうだ。
★10頭出走し8頭V!連対率100%…
神戸新聞杯は有力馬の参戦が多く、
日本ダービー馬の出走も多い。実際、2001年から昨年までの
日本ダービー馬20頭(2頭はレース後、故障で引退)のうち10頭がここで始動。うち8頭が1着、2頭が2着と連対率100%で、世代ナンバーワンの貫禄を示す結果になっている。
★第88回
日本ダービーVTR…前半1000メートル60秒3の平均ペースのなか、
シャフリヤールは7番手を追走。無敗2冠を狙う
エフフォーリアは4コーナーで内を回り、残り300メートルで先頭に立った。4コーナーで外を回った
シャフリヤールは、残り300メートルで進路が開いてからエンジン点火。残り50メートルは2頭の一騎打ちで、内から
エフフォーリアに並びかけた
シャフリヤールが約10センチの僅差で栄冠を手にした。