2022年8月14日(日) 20:30
山崎エリカ
【山崎エリカのダートグレード攻略】~クラスターカップ2022~
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クラスターカップは岩手という北の土地柄、北海道でリフレッシュ放牧に出されていた実績馬が札幌競馬場で追い切られて出走してくることが多い。GⅠ連対などの実績馬も度々出走するため、能力差が大きくなり、過去10年では1番人気の勝率50%、連対率70%、複勝率90%。2番人気も勝率20%、連対率40%、複勝60%と、ほどんど荒れていない。
全体的に人気馬が信頼できるレースだが、その中でも前年のJBCスプリントの連対馬が、このレースで過酷な斤量を背負わされながらも勝ち負けするケースが目立っている。前年のJBCスプリントで連対した馬の過去10年のこのレースでの成績は、【2・1・1・0】。1着の該当馬は2015-2016年ダノンレジェンド、2着の該当馬は2013年のタイセイレジェンド、3着の該当馬は2016年のブルドックボスだ。
2016年のダノンレジェンドは斤量60㎏が嫌われたようで、珍しく1番人気ではなく2番人気の評価を受けたが、終わってみれば2馬身差の完勝。2013年時のタイセイレジェンドも、斤量59㎏に加えてドバイ大敗帰りの休養明けの一戦だったことが嫌われ、5番人気だったが2着を死守している。
また2020年のブルドックボスも4番人気ながら、強豪マテラスカイらを相手に斤量59㎏で3着と善戦している。このことからJBCスプリントの連対馬が出走している場合は、斤量が重くても素直に信頼したほうがいいと言える。
さらに同年の東京スプリントで3着以内だった馬も有力。過去10年のこのレースでの成績は【4・3・1・0】。1着の該当馬は、2013年のラブミーチャン、2015年-2016年のダノンレジェンド、2021年のリュウノユキナ。2着の該当馬は、2010年のミリオンディスク、2018年のネロ、2019年のヒロシゲゴールド。3着の該当馬は、コパノキッキングだ。
東京スプリントの3着以内馬の活躍が目立つのは、上半期に行われるダ1200m戦ではもっとも賞金が高額のため、好メンバーが集うからだろう。中央馬は東京スプリント後に放牧に出され、直行している馬が大半だが、とにかく活躍している。また、唯一の地方馬ラブミーチャンは、東京スプリントから3連勝の勢いがあった。
その他、前走でダ1200mのJRAのオープン特別やリステッド競走、交流戦を含むグレードレースに出走し、3角1番以内から連対した逃げ馬も活躍している。それらの過去10年の成績は【2・1・1・0】。1着の該当馬は、2016年のダノンレジェンド、2020年のマテラスカイ。2着の該当馬は、2020年のヒロシゲゴールド。これは盛岡1200mが他場のダ1200m戦と比べて、前が残りやすいことを示している。
また前記の理由から前走でダ1200m以内に出走し、3角2番手以内でレースを進めていた馬が穴メーカーとなる。2017年に5番人気で2着と好走したラブバレット、2020年に5番人気で2着と好走したサイクロトロン、さらに2016年に6番人気で3着と好走したラブバレットも前記の条件を満たしていた。荒れにくいクラスターCの歴史の中で、穴を開けているパターンの大半が前記に該当しているので、警戒したい。
穴パターンをもうひとつ紹介すると、前年のこのレースで3着以内だった馬だ。このレースは2012年にタイセイレジェンドが優勝し、翌年は2着。2015年はダノンレジェンドが優勝し、翌年は1着。2015年にラブバレットが3着し、2016年は3着、2017年は2着。2016年はブルドックボスが2着し、翌年は1着。2019年はヒロシゲゴールドが2着し、翌年も2着、その翌々年は3着。
ダノンレジェンドの2度目の挑戦が2番人気、タイセイレジェンドの2度目の挑戦が5番人気、ブルドックボスの2度目の挑戦が4番人気というように、2度目の挑戦のほうが人気薄になることが多いのがポイント。これは2度目の方が斤量を課せられていることや、その後の不振があるからだと見ているが、年間ベースのピークは例年同じ時期に来ることが多いもの。人気薄になるようなら、狙ってみると面白い。
まとめるとこうなる!
●本命候補
・前年のJBCスプリントの連対馬。
・同年の東京スプリントで3着以内の馬。
・前走ダ1200mのJRAのオープン特別やリステッド競走、交流戦を含むグレードレースに出走し、3角1番以内から連対した馬。
●穴馬候補
・前走ダ1200m戦に出走し、3角2番手以内だった馬。
・前年のクラスターカップで3着以内の馬。 |
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伊吹雅也のPOG分析室 (2022) ~第5回新馬勝ち馬レビューPart2~
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前回に引き続き、2022年夏季競馬の1~3週目にJRAの新馬で優勝を果たした馬のプロフィールをご紹介します。今回ご覧いただくのは、6月12日(日)、6月18日(土)、6月19日(日)の勝ち馬です。
■2022年06月12日 函館05R 芝1200m
【優勝馬】クリダーム(U指数78.4)
牡 父ハーツクライ/母ブーケトウショウ 須貝尚介厩舎
→インゼルレーシングの所属馬で、募集価格は2300万円。4代母のソシアルトウシヨウは有馬記念などを制したトウシヨウボーイの半姉で、自身も3歳時のオークスで2着に食い込みました。日本競馬界を代表する名牝系の出身ですし、レースぶりにも余裕がありましたから、更なる上積みがあるかもしれません。
■2022年06月12日 中京05R 芝1200m
【優勝馬】プロトポロス(U指数82.8)
牡 父War Front/母キャヴァルドレ 西村真幸厩舎
→キャロットファームの所属馬で、募集価格は5000万円。母のキャヴァルドレは現役時代にカルヴァドス賞(仏G3)を勝っています。2着馬に0.6秒差、4着馬には2.1秒の差をつけた堂々たる勝ちっぷりからも、引き続き注目しておきたい一頭です。
■2022年06月12日 東京05R 芝1800m
【優勝馬】オンザブロッサム(U指数76.4)
牝 父ラブリーデイ/母スターズバース 大和田成厩舎
→2021年の北海道オータムセールで購買されており、価格は1320万円。近親のプロヴィナージュは3歳時の秋華賞で3着に健闘しました。単勝オッズ131.9倍(11番人気)の低評価を覆しての勝利でしたが、デビュー戦としては上々の内容でしたし、過小評価されるようであれば面白い存在と言えるのではないでしょうか。
■2022年06月18日 函館05R 芝1200m
【優勝馬】ゴキゲンサン(U指数76.6)
牝 父リアルインパクト/母マチャプチャレ 伊藤大士厩舎
→2021年の北海道サマーセールで購買されており、価格は2640万円。現3歳の半兄ベルウッドブラボーは2歳時にダリア賞を制したほか、年明け初戦のジュニアカップでも2着に食い込んでいます。現時点における完成度は高そうですから、次走以降も侮れません。
■2022年06月18日 阪神05R 芝1600m
【優勝馬】ファントムシーフ(U指数78.9)
牡 父ハービンジャー/母ルパン2 西村真幸厩舎
→ターフ・スポートの所属馬で、募集価格は2500万円。半姉ルピナスリードはデビュー2戦目で勝ち上がりを果たしました。ハービンジャー産駒はPOG期間中の勝ち馬率や一頭あたり賞金が上向いているので、今後も楽しみです。
■2022年06月18日 東京05R 芝1400m
【優勝馬】ウンブライル(U指数82.7)
牝 父ロードカナロア/母ラルケット 木村哲也厩舎
→サンデーレーシングの所属馬で、募集価格は5000万円。全兄ステルヴィオは3歳時にマイルチャンピオンシップを勝ったうえ、2歳時の朝日杯フューチュリティステークスでも2着となっています。相応の注目を集めそうですが、争奪戦に参加する価値は十分にあるのではないでしょうか。
■2022年06月18日 函館06R ダ1000m
【優勝馬】オマツリオトコ(U指数78.6)
牡 父ヴィットリオドーロ/母マツリバヤシ 伊藤圭三厩舎
→2021年の北海道サマーセールで購買されており、価格は1430万円。父のヴィットリオドーロは浦和記念などを制したプリエミネンスの仔で、自身も現役時代にJRAで4勝をマークしました。ダートが主戦場となりそうな血統ではあるものの、手堅くポイントを稼いでくれるかもしれません。
■2022年06月19日 函館05R 芝1200m
【優勝馬】スプレモフレイバー(U指数78.6)
牡 父ダイワメジャー/母キャレモンショコラ 久保田貴士厩舎
→2020年のセレクトセールで購買されており、価格は4180万円。母のキャレモンショコラと半兄サイクロトロンは、それぞれJRAで4勝しています。短距離向きの血統で、持ち味が活きるレースを使っていければ面白そうです。
■2022年06月19日 阪神05R ダ1200m
【優勝馬】ナイトキャッスル(U指数78.8)
牡 父シルバーステート/母サダムグランジュテ 音無秀孝厩舎
→シルクレーシングの所属馬で、募集価格は2400万円。母のサダムグランジュテは現役時代にJRAで5勝をマークし、オープン入りを果たしました。母もダート短距離を得意としていましたが、兄姉の中には芝をこなしている馬もいますし、条件替わりのタイミングで安易に軽視してしまわないよう注意しましょう。
■2022年06月19日 東京05R 芝1600m
【優勝馬】マイネルケレリウス(U指数74.8)
牡 父ルーラーシップ/母マイネカンナ 奥村武厩舎
→サラブレッドクラブ・ラフィアンの所属馬で、募集価格は2000万円。母のマイネカンナは現役時代に福島牝馬ステークスを勝っており、半兄にはJRA4勝のマイネルズイーガーがいます。デビュー戦の馬体重は410kgだったものの、母も小柄な馬でしたから、馬格を不安視する必要はないはずです。
■2022年06月19日 東京06R ダ1400m
【優勝馬】モルチャン(U指数79.1)
牝 父ヘニーヒューズ/母ヒアーズトウショウ 武井亮厩舎
→2021年のセレクトセールで購買されており、価格は1980万円。デビューした兄姉3頭はいずれもJRAで勝ち上がりを果たしました。この馬自身は坂東牧場の生産馬ですが、母はもともとノーザンファームに繋養されていた馬。さほど注目度が上がらないようであれば狙い目かもしれません。
■執筆者プロフィール
伊吹 雅也(いぶき・まさや)
埼玉県桶川市在住のフリーライター、競馬評論家。JRAホームページ内『今週の注目レース』で「データ分析」のコーナーを、TCKホームページ内『データ&コラム』で「分析レポート」を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラムなどさまざまなメディアを舞台に活動している。近著に『コース別 本当に儲かる血統大全 2019-2020』(ガイドワークス)、『ウルトラ回収率 2019-2020』(ガイドワークス)、『WIN5攻略全書 回収率150%超! "ミスターWIN5"のマインドセット』(ガイドワークス)、『コース別 本当に儲かる騎手大全2018秋~2019』(ガイドワークス)など。POG関連メディアの制作にもさまざまな形で携わっており、「ウマニティPOG 2014」では最高位クラスのスペシャルワールドにおいて優勝を果たした。 |
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