今回と次回の「特報! POGニュース」は、2024年夏季競馬の1~3週目にJRAの新馬で優勝を果たした馬のプロフィールをご紹介します。まずは6月1日(土)、6月2日(日)、6月8日(土)の勝ち馬からご覧いただきましょう。
■2024年6月1日 京都5R 芝1600m
【優勝馬】ダノンフェアレディ
牝 父キズナ/母メチャコルタ 橋口慎介厩舎
→2023年のセレクトセールで購買されており、価格は8,800万円。母のメチャコルタはアルゼンチンのマイルG1勝ち馬、父のキズナは2013年のダービー馬で、産駒の現3歳世代は当たり年と呼ぶべき成績を収めています。キズナ自身の主戦場は中・長距離でしたが、産駒には豊かなスピード能力を伝えてきました。当馬も新馬戦を1分33秒8と優秀な時計で走破しており、2歳重賞での活躍にも期待がかかります。
■2024年6月1日 東京5R 芝1600m
【優勝馬】ウィンターベル
牡 父バゴ/母ノチェブランカ 木村哲也厩舎
→父のバゴは凱旋門賞などG1を5勝し、日本で種牡馬入りすると、G1・4勝のクロノジェネシスを輩出しました。母のノチェブランカは、JRAの芝2500m以上で3勝を挙げており、当馬はその初仔にあたります。新馬戦はマイルデビューでしたが、追走力を問われないゆったりとしたペースでした。血統的には重厚な中距離馬という印象があり、長めの距離での活躍が見込めるかもしれません。
■2024年6月2日 京都5R 芝1400m
【優勝馬】キトンインザスカイ
牝 父シスキン/母メジロトンキニーズ 高野友和厩舎
→2023年のセレクトセールで購買されており、価格は3,850万円。父のシスキンは、デビューから5連勝でアイルランドのスプリントG1、マイルG1を連勝した新種牡馬。当馬の優勝は産駒の初出走・初勝利でした。半兄に中山金杯など重賞3勝のトリオンフ、半姉にフローラSを勝ったクールキャットをもちます。母系はスタミナ寄りの構成に映り、今後は高速決着への対応がポイントでしょう。
■2024年6月2日 東京5R 芝1600m
【優勝馬】ミリオンローズ
牝 父スワーヴリチャード/母マンビア 萩原清厩舎
→2023年のセレクトセールで購買されており、価格は6,380万円。父のスワーヴリチャードは昨年の新種牡馬で、古馬以降に本格化した自身のキャリアと裏腹に、産駒は早期活躍が目立ちました。母マンビアの子、ダノンジャスティスとサンテローズも新馬勝ちを決め、そのほか4頭中3頭も新馬戦で馬券内と、仕上がりの早い血統です。調教でもしまいの伸びが目立ち、ポテンシャルは高そうです。
■2024年6月2日 東京6R 芝1400m
【優勝馬】スターウェーブ
牡 父Kingman/母コスモポリタンクイーン 武井亮厩舎
→2023年のセレクトセールで購買されており、価格は33,000万円。父のKingmanは現役時代イギリスで管理され、マイルG1を4連勝した名マイラー。日本ではNHKマイルCを勝ったシュネルマイスターを輩出しています。新馬戦は余裕ある手応えで馬群を割り、追われてからも脚取りたしかに伸びていました。1ハロン延長にも対応できそうですし、マイル戦線で楽しみな1頭です。
■2024年6月8日 函館5R 芝1000m
【優勝馬】ヒデノブルースカイ
牡 父ナダル/母ブロンシェダーム 梅田智之厩舎
→2023年の北海道セレクションセールで購買されており、価格は1,705万円。父のナダルはアメリカのダート戦を4戦4勝、アーカンソーダービーを好時計で快勝しています。当馬の優勝は産駒の初出走・初勝利でした。ナダル産駒は翌日の新馬戦でも勝ち鞍を挙げており、初年度から注目の存在となりそうです。いずれも芝での勝利でしたが、今後は芝・ダートともに期待できるかもしれません。
■2024年6月8日 京都5R 芝1600m
【優勝馬】サニーサルサ
牝 父マインドユアビスケッツ/母チカアレグレ 高橋康之厩舎
→7番人気・単勝オッズ29.0倍での逃走劇となれば、新馬戦らしい緩いペースを浮かべてしまいますが、半マイル45秒9はこの時期にしてはかなり速いペースです。ラスト2ハロンは11秒9→12秒6と、さすがに失速したものの、見事な粘りを見せました。父マインドユアビスケッツの産駒は、現状マイル付近での好走が目立ちますが、当馬に関しては短い距離でスピードを活かす競馬も良さそうです。
■2024年6月8日 東京5R 芝1600m
【優勝馬】コートアリシアン
牝 父サートゥルナーリア/母コートシャルマン 伊藤大士厩舎
→父のサートゥルナーリアは、世代G1・2勝を含む重賞4勝を挙げた新種牡馬。現役時は均整のとれた馬体を高く評価されていました。レースでは大外枠から出遅れてしまい、位置を取りにいきましたが、前に馬を置く形で我慢が利きました。直線は楽に前をかわし、終わってみれば5馬身差快勝。母コートシャルマンの子に活躍馬がいないのは気がかりですが、スケールは半姉たちを優に超えるでしょう。