【血統アナリシス】キーンランドC 魅力大のUHB賞勝ち馬!高松宮記念で苦杯をなめた、ロードカナロア産駒も争覇圏内!2019年8月24日(土) 17:00
日曜日に行われるキーンランドCの出走馬について、血統的な舞台適性の有無を1頭ずつシンプルに考察していきます。予想の際にお役立てください。
①ナックビーナス
ダイワメジャー産駒は当該コースで上々の成績。そもそも本馬自身、昨年の優勝馬なのだから、高い舞台適性を備えているのは間違いない。一方、母父は主流からズレたパワータイプのヘイロー系で、瞬発力に欠けるところが難点。勝ち切るには、長所を最も活かせる持久力を必要とする展開、あるいは昨年のようなタフな馬場の出現が不可欠と言えよう。
②デアレガーロ
父はパワーと持久力に優れたマンハッタンカフェ。加えて、アレッジド(リボー系)の4×3のインブリードを内包しているのだから、潜在している持久力はかなりのもの。G1馬がズラリと並ぶ牝系の底力に関しても申し分がない。ただし、スタミナ要素が強いぶん、高速決着や速い上がりを求められるとイマイチ。持ち味を活かすためには、全体時計あるいは上がりを要する競馬になってほしいところだ。
③サフランハート
アドマイヤオーラ×カーネギーの組み合わせ。機動力と持久力がブレンドされた、まとまり型とみていいだろう。それは成績にも表れており、1400m前後かつ平均ペースの競馬が理想的。1200mかつ直線の短いコースで、前半からペースが淀みなく流れると、間に合わない可能性も出てくる。相手強化の重賞となればなおさらだ。今回の条件が適しているとは言い難く、評価は下げざるを得ない。
④セイウンコウセイ
本馬自身、昨年の函館スプリントSを制しており、高い洋芝適性を備えているとみて間違いない。ただし、ダート指向の強い母父と、内包しているミスプロのクロスが強く反映されているせいか、本馬はタメの利かないワンペース型。後半の決め脚勝負は不向きなうえに、時計の速い馬場で目標にされると案外な結果になりやすい。首位争いに絡むには、馬群がバラける展開やコンディション、あるいは自身から早めに動いて粘り込むかたちが必須となる。
⑤ペイシャフェリシタ
半姉のペイシャフェリスはオープン特別を2勝。一族には重賞4勝を挙げたエアエミネムがいる。父と母父から、やや中距離指向が強い配合に映るが、母の仔はスピード型が多く、本馬も1400m前後が合うタイプに出た様子。母方の欧州色が濃いため、力を要する馬場も向いている。上がりがかかる展開、あるいはコンディションになれば、昨年(3着)同様に圏内突入があっても不思議はない。
⑥ハッピーアワー
祖母はヨハネスブルグの半妹、一族にはテイルオブザキャットやプルピットが名を連ねる。一本筋が通った牝系に、ディープインパクトとハービンジャーを配合。相応のポテンシャルを秘めているものと推察される。ハービンジャー産駒の代表ニックスでもある、サンデーサイレンス系の肌との掛け合わせゆえに、それなりの成長力も見込めそう。展開がハマれば面白い存在になりそうだ。
⑦タワーオブロンドン
BCクラシックなどを制したレイヴンズパスを父に持ち、母父は凱旋門賞などを制したダラカニ。一族には英・愛ダービー馬のジェネラスや英オークス馬のイマジン、皐月賞馬ディーマジェスティらが名を連ねる。欧州色の濃い配合ゆえ、力を要する芝は歓迎材料。1200mの距離についても、函館スプリントSをみるに守備範囲と判断できる。持ち味を活かせる持久力勝負になれば、ここでも上位争い可能だろう。
⑧シュウジ
母のカストリアは異なるタイプの種牡馬と配して、ツルマルレオン、本馬と2頭の短距離重賞ホースを輩出。ジャスタウェイ産駒の半妹ラミエルも芝1200mに良績が集中しているように、スピードを受け継ぐ傾向が強い。それゆえ、今回の舞台は悪くないはずだが、芝では抑えきれず踏ん張り切れない現状。ピークアウトの感は否めず、重賞で好パフォーマンスを望むのは難しいかもしれない。
⑨カイザーメランジェ
父はエルコンドルパサーの直仔で函館記念など重賞を2勝。母の全兄に重賞3勝のほかスプリンターズS2着のサクラゴスペル、近親には米G1馬がいる。機動力と洋芝適性に優れた構成と言えよう。持久力&パワー型である父の特性上、速い上がりを求められると厳しい反面、粘度の高い馬場は歓迎のクチ。新潟千直→札幌芝1200mの臨戦過程はプラスに働く可能性が高い。警戒を怠れない1頭だ。
⑩アスターペガサス
父はマイルCSを制したエイシンアポロンを輩出。母は重賞3勝のほか、BCジュベナイルフィリーズを2着。母父は南アフリカのチャンピオンサイアーというように、額面上の血統構成はG3ならば十分足りる。ただ、北米ダート色が濃いぶん、芝なら一本調子で走れるコースがベター。函館よりコーナーが緩く、上がりも速い札幌へのコース替わりが加点材料になるとは言い難い。上がりを要する展開、馬場なら連下には、といったところか。
⑪ライオンボス
牝系をたどるとアルゼンチンの活躍馬が多く、とりわけスピードタイプの重賞勝ち馬が目立つ。本馬は牝系の速力が全面に出たタイプだろう。ただし、コーナーの有無でパフォーマンスに差が出るクチ。千直→札幌芝1200mの臨戦がプラスに転じるとは思えない。南米牝系の出自馬は、スイッチが入ると一気に上昇基調をたどる傾向が強い。その点を加味しての、連下の押さえまで、という評価に留めておくのが正解ではないか。
⑫ダイメイフジ
父アグネスデジタルに、母の父はダンスインザダーク。字面の配合に派手さはないが、半姉のダイメイプリンセスはスプリント戦線で活躍。一族には愛オークス馬やベルモントSの勝ち馬など、多数の活躍馬が並ぶ。G3ならば、十分足りる血統構成と言えよう。母母父と父母父に当レースと相性の良い、スピード&パワー型のノーザンダンサー系種牡馬を配している点も好感が持てる。軽んじて扱えない存在だ。
⑬ダノンスマッシュ
祖母はエクリプス賞最優秀3歳牝馬に選出された名牝で、伯父にはBCマイルの優勝馬がいる良血。その母系にロードカナロアを重ねているのだから、スプリンターとしての資質は申し分がない。パワー型マイラーのダンチヒ系ハードスパンと、持久力に優れたロベルト系のクリスエスを掛け合わせた母の構成をみるに、力を要する芝も問題ないはず。有力候補の1頭であることは疑いようがない。
⑭ライトオンキュー
シャマーダル×レイヴンズパスというスピードの持続力に秀でた馬同士の組み合わせ。構成と本馬自身の戦歴が示すとおり、パワー寄りのマイラータイプと判断できる。ゆえに、高速馬場でハイレベルの加速力を求められると厳しい印象。その点を踏まえると、一定以上の馬力を必要とする札幌の芝は歓迎材料だろう。ただ、強豪が揃う重賞で決め脚勝負になるとどうか。上位に食い込むには、道悪または消耗戦など、馬場や展開の助けがほしいところだ。
⑮パラダイスガーデン
父のクロージングアーギュメントは産駒として、2014年・サマースプリントシリーズ王者のリトルゲルダを輩出。欧州系の祖母に米国系の血を重ねることで、力を要する馬場に適した短距離タイプに仕上がっている。その点、コース適性はバッチリだが、秋を見据えた好メンバーが集うハイレベルの重賞で、これまでのような末一辺倒の競馬が通用するかどうか。それなりの走りを見せたとしても、馬券圏内に届くイメージまでは湧いてこない。
⑯リナーテ
父ステイゴールドの系統産駒は当該コースで好成績。母父は当レースと相性が良い持続力型のノーザンダンサー系で、母は南米の中距離G1で活躍。サトノダイヤモンドを半兄に持ち、近親には複数の南米G1馬が名を連ねる。少なくとも牝系の質で見劣ることはない。1400mベストのサンデーサイレンス系産駒という点は、近年の当レースにおけるトレンドのひとつ。血統魅力度の高い1頭だ。
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【血統アナリシス】函館スプリントS ここでもヒケをとらない葵S2着馬!血統構成は水準以上のアグネスデジタル産駒!2019年6月15日(土) 17:00
日曜日に行われる函館スプリントSの出走馬について、血統的な舞台適性の有無を1頭ずつシンプルに考察していきます。予想の際にお役立てください。
①サフランハート
アドマイヤオーラ×カーネギーの組み合わせ。機動力と持久力がブレンドされた、まとまり型とみていいだろう。それは成績にも表れており、1400m前後かつ平均ペースで流れる競馬が理想的。力を要する馬場も問題ない。一方で、欧州型の母父が影響しているせいか速い上がりを要求されると、どうしてもラストの詰めが甘くなる。血の良さを活かすには、上がりを要する競馬、あるいは自身から早めに動いて持続質勝負に持ち込みたい。
②ペイシャフェリシタ
持続力に優れたハーツクライに、パワー型のケープクロスの肌馬を重ねたバランスタイプ。ただし、中距離指向が強い配合ゆえに、中央場の芝1200m重賞で速い時計を求められるとパンチが足りない。その点、適度に時計を要する洋芝コースは歓迎材料。昨年のキーンランドカップ(3着)のように、一定以上の持久力を必要とする競馬になれば、圏内に食い込む余地はある。
③シュウジ【競争除外】
母のカストリアはハーツクライと重ねてツルマルレオン、キンシャサノキセキと組み合わせて本馬と、異なるタイプの父から短距離重賞ホースを輩出。ジャスタウェイ産駒の半妹ラミエルも芝1200mに良績が集中しているように、スピードを受け継ぐ傾向が強い。それゆえ、今回の舞台は悪くないはずだが、芝では抑えきれず踏ん張り切れない現状。ダートを転戦したことで、多少なりとも制御が効くようであれば、面白い存在だが……。当日の気配には十分な注意を払いたい。
④ライトオンキュー【競争除外】
シャマーダル×レイヴンズパスというスピードの持続力に秀でた馬同士の組み合わせ。構成と本馬自身の戦歴が示すとおり、パワー寄りのマイラータイプと判断できる。それゆえ、高速馬場でハイレベルの加速力を求められると厳しい印象。その点を踏まえると、一定以上の馬力を要求される洋芝コースはプラスに転じる可能性もある。持ち味の機動力を活かせるようなら、上位争いに絡んできても不思議はない。
⑤リナーテ【競争除外】
ステイゴールド産駒の当該コース成績こそ可もなく不可もなし、といったところだが、母父は当レースと相性が良い持続力型のノーザンダンサー系。母は南米の中距離G1で活躍。半兄にサトノダイヤモンド、近親に複数の南米G1馬が名を連ねる、牝系の質についても申し分がない。1400mベストのサンデーサイレンス系産駒という点は、近年の当レースにおけるトレンドのひとつ。持ち味を最大限に活かせる決め脚比べになれば、ここでも見劣りしない。
⑥ダノンスマッシュ【競争除外】
祖母はエクリプス賞最優秀3歳牝馬に選出された名牝で、伯父にはBCマイルの優勝馬がいる良血。その母系に名スプリンターのロードカナロアを配しているのだから、スプリント重賞の舞台はもってこいのはず。パワー型マイラーのダンチヒ系ハードスパンと、持久力に優れたロベルト系のクリスエスを組み合わせた母の構成をみるに、力を要する洋芝コースも問題ない。コレといった減点材料は見当たらず、状態ひとつで勝機は十分にある。
⑦ダイメイフジ
アグネスデジタル×ダンスインザダークの組み合わせ。地味な配合に見えるが、一族に愛オークス馬やベルモントSの勝ち馬など、多数の活躍馬が並ぶ名門牝系の流れを組んでいる。半姉のダイメイプリンセスはアイビスサマーダッシュを制覇。母母父のストームバード系、父母父のダンチヒ系は、当レースと相性の良いスピード&パワー型のノーザンダンサー系というように、血統構成は水準以上と判断できる。侮れない1頭だ。
⑧トウショウピスト【競争除外】
母は函館スプリントS2勝を含む重賞5勝をマークしたシーイズトウショウ。ただ、母を除く近い親族に重賞ホースはゼロ。さかのぼれば、シスタートウショウなどがいる一族ではあるものの、ここに入ると活力の面で物足りない。そのうえ、大敗続きの現状では厳しい印象。父ヨハネスブルグの当該コースにおける相性の良さ、母の高い舞台適性を加味しても、複勝圏内に届くイメージは湧いてこない。
⑨ユキノアイオロス
当レースの好走血脈のひとつであるノーザンダンサーのインブリードを持っている点については評価できる。一方で、サクラプレジデント産駒の当該コース成績が今ひとつ。加えて、やや中距離指向の強い配合ゆえに、芝1200mの重賞で速い上がりを求められると分が悪い。ましてや11歳を数える高齢馬。望みどおりの展開や馬場になったとしても、馬券圏内には至らないのではないか。
⑩カイザーメランジェ
父はエルコンドルパサーの直仔で函館記念など重賞を2勝。母の全兄に重賞3勝のほかスプリンターズS2着のサクラゴスペル、近親には米G1馬がいる。機動力と洋芝適性に優れた当舞台向きの配合と言えよう。ただし、持久力&パワー型である父の特性上、高速時計ならびに速い上がりを求められる競馬では後れをとりやすい。上位争いに加わるには、馬場や展開など何らかの恩恵が欲しいところだ。
⑪アスターペガサス
父は北米2歳チャンピオンサイアーの肩書を持ち、日本でもマイルCSを制したエイシンアポロンを輩出。母は重賞3勝のほか、BCジュベナイルフィリーズを2着。母父は南アフリカのチャンピオンサイアー、その父はエンドスウィープというように、額面上の血統構成はここでも十分通用する。北米ダート色が濃いため、芝なら一本調子で走れる平坦小回りの短距離がベター。初の年長馬相手でも斤量差を活かせばヒケをとらない。
⑫タマモブリリアン【競争除外】
母父のストームバード系、母母父のプリンスリーギフト系はともに函館スプリントSと好相性。叔父に2015年の2着馬であるアースソニックを持つ点も好感が持てる。一方、父のダンスインザダークが中・長距離型のため、スピード決着になった場合の不安は残る。上がりを要する流れや馬場など、何らかの助けがないと、昨年(5着)を超えるパフォーマンスを望むのは厳しいのではないか。
⑬タワーオブロンドン
BCクラシックなどを制したレイヴンズパスを父に持ち、母父は凱旋門賞や仏ダービーなどを制したダラカニ。一族には英・愛ダービー馬ジェネラスや英オークス馬イマジン、皐月賞馬ディーマジェスティらの活躍馬が並ぶ。欧州色の濃い配合ゆえに、洋芝コースは歓迎のクチ。1200mの距離についても、本馬は父のスピード能力を濃く受け継いでいるので、こなせる範囲とみていいだろう。最も得意とする体力勝負になれば、チャンスはある。
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