2023年5月30日(火) 11:20
山崎エリカ
【山崎エリカのダートグレード攻略】~さきたま杯2023~
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さきたま杯は古馬1400m戦では最高格付けで唯一のJpnII(JBCは除く)となる。このためかしわ記念の上位馬が出走がしてくることが多いが、稀にフェブラリーSの連対馬もこの距離を求めて出走してくることもある。
このレースは当然、格上の同年のかしわ記念やフェブラリーSの上位馬が有力。かしわ記念やフェブラリーSの優勝馬がここへ出走してくることはまずないが、2~3着馬の過去10年のこのレースでの成績は【1・3・2・0】。複勝率100%となっている。1着の該当馬は、2016年のソルテ。2着の該当馬は、2016年のベストウォーリア、2017年のモーニン、2021年のエアスピネル。3着の該当馬は、2014年のセイクエイムズンと2017年のベストウォーリアだ。
ただし、さきたま杯がJpnIIに格上げされた2011年に同年のかしわ記念の2着馬ラヴェリータが4着に敗れている。前記のエアスピネル以外の馬がそれまでにダートグレードで連対実績があったのに対し、ラヴェリータはなかったことから、「1400m以下のダートグレードで連対実績がある、かしわ記念やフェブラリーSの3着以内馬を中心視したい。
また前記の3着以内馬のソルテ、2016年のベストウォーリア、モーニン、セイクエイムズンは、かしわ記念で3角3番手以内でレースをしていた馬で、実際に前走で1600mのダートグレードに出走し、3角3番手以内から4着以内だった馬はよく活躍している。それらの過去10年のこのレースでの成績は【3・2・2・1】だ。
1着の該当馬は、2016年のソルテ、2017年のホワイトフーガ、2022年のサルサディオーネ。2着の該当馬は、2016年のベストウォーリア、2017年のモーニン。3着の該当馬は、2017年のベストウォーリア、2014年のセイクリムズン。唯一の4着以下は、2014年のゴールスキーで4着だったが、信頼に足る成績となっている。
また同年のかしわ記念の4~5着馬もなかなか活躍しており、1400m以下のダートグレードで3着以内の実績がある馬に限れば、過去10年のこのレースでの成績は【1・0・5・1】。1着の該当馬は、2013年テスタマッタ。3着の該当馬は、2013年のセイクリムズン、2017年-2018年のベストウォーリア、2019年のキタサンミカヅキ、2021年のワイドファラオ。2014年のゴールスキーこそ4着に敗れているが、3連系の予想ならば視野に入れたい。
その他に前年のJBCスプリント以来の別定戦となるために、好メンバーが集う傾向の同年の黒船賞の優勝馬も有力だ。過去10年のこのレースでの成績は【0・2・1・0】。2019年のサクセスエナジー2着以外に、2013年、2014年にセイクリムズンが2着、3着しているが、同馬は2012年の黒船賞の優勝馬であり、その年のさきたま杯も優勝している。
また意外と思われるかもしれないが、前走で浦和1400mのオープン・プリムローズ賞の勝ち馬も活躍している。過去10年のこのレースでの成績は【0・2・1・1】。2着の該当馬は2017年のトキノエクセレント、2022年のティーズダンク。3着の該当馬は、2015年のリアライズリンクスである。トキノエクセレントは7番人気だった。
唯一の4着以下は2018年のノブワイルドで7番人気だったが、同馬はプリムローズ賞が逃げ切り勝ちだった。逃げ馬は連続好走が難しいので、プリムローズ賞を逃げ切り勝ちした馬は例外としたい。実際に逃げ馬は連続好走が難しいことを示すように、前走で東京スプリントを逃げて3着以内だった馬は、【0・0・0・3】とここで苦戦している。
該当馬は2016年のコーリンベリー(3人気・8着)、2018年のグレイスフルリープ(2人気・4着)、2020年のジャスティン(1人気・5着)、さらに遡って2012年のスターボードも(4人気・9着)に敗れている。よって、前走で東京スプリントを逃げて3着以内だった馬は危険な人気馬としたい。
あとは前走で東京スプリントを逃げ切り勝ちした馬を除く、前年のJBCスプリントの連対馬も活躍しており、過去10年のこのレースでの成績は【0・0・4・0】。該当馬は2014年のセイクリムズン、2016年のベストウォーリア、2017年のドリームバレンチノ、2019年のキタサンミカヅキだが、2021年にはセイクリムズンが優勝している。
さて、最後に穴パターンを紹介しよう。さきたま杯は過去10年で5人気以下の地方馬6頭が3着以内に好走しているが、そのうち3頭が前走で3角2番手以内でレースを進めていた。該当馬は2013年のナイキマドリード(7番人気・3着)、2020年のノブワイルド(6人気・3着である)、2022年のサルサディオーネ(5人気・1着)。また前記3頭は同年に南関東の重賞かダートグレードで連対していたのが共通項である。浦和コースは最後の直線が短く、差し、追い込み馬は不利。逃げ馬、マクリ馬が有利なので、早めに動ける地方馬は警戒したい。
まとめるとこうなる!
●本命候補
・1400m以下のダートグレードで連対実績がある同年のかしわ記念やフェブラリーSの3着以内馬。
・前走で1600mのダートグレードに出走し、3角3番手以内で4着以内の馬。
・同年の黒船賞の優勝馬。
・1400m以下のダートグレードで3着以内の実績がある、同年のかしわ記念の4~5着馬。
・前走のプリムローズ賞で勝利した馬(逃げ切り馬を除く)。
・前年のJBCスプリントの連対馬(前走の東京スプリントを逃げ切った馬を除く)
●穴馬候補
・前走で3角2番手以内でレースを進めていた、同年の南関東重賞かダートグレードで連対実績のある馬。
●危険な人気馬
・前走の東京スプリントを逃げて3着以内の馬。 |
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2023年4月18日(火) 13:40
山崎エリカ
【山崎エリカのダートグレード攻略】~東京スプリント2023~
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大井1200mで行われる東京スプリントは、過去10年で地方馬は2勝を挙げ、2着3回、3着5回と健闘が目立っている。特に2017年以降はその勢いが顕著で、2019年のキタサンミカヅキ(船橋)の優勝を始め、5年連続で地方馬が3着以内に入っており、古馬のダートグレード競走の中では、もっとも地方馬が活躍している。スプリント路線は以前から地方馬が度々活躍を見せていたが、2019年度のJRA降級制度の廃止が、地方競馬の底上げに繋がったと言える。
最初にこのレースの最有力馬から紹介すると、前年暮れのカペラSか同年の根岸Sのどちらかで3着以内の馬だ。ただし、2020年に根岸Sから直行したコパノキッキングが5着に敗れていることから、カペラSや根岸Sから直行ではないことを条件としたい。それらの過去10年の成績は【2・4・0・0】。1着の該当馬は、2014年のノーザンリバー、2019年のキタサンミカヅキ。2着の該当馬は、2013年のセイクリムズン、2016年のグレープブランデー、2019年のコパノキッキング、2022年のリュウノユキナである。
また同年のJRAの3勝クラスやオープン、リステッドを制した新興勢力も、カペラSや根岸Sの上位馬に見劣りしない活躍を見せている。しかし、2016年にJRAのオープンを2連勝したブルドックボスが、2番人気を裏切り、4着に敗れていることから闇雲には狙えない。そこで「同年に3勝クラス以上で2勝以上」「一度は0.5秒差以上で勝利」という2つの条件を加えると、過去10年の成績は【2・0・1・0】となる。1着の該当馬は、2020年のジャスティン、2021年のリュウノユキナ。3着の該当馬は、2019年のヒロシゲゴールドである。
さらに前年のJBCスプリントで3着以内の実績で、前走の黒船賞でも1着と順調さを欠かなかった馬も有力。「前年のJBCスプリントで3着以内」と「前走の黒船賞で1着」の条件を満たしていた馬の過去10年の成績は【0・2・1・0】である。2着の該当馬は、2013年-2014年のセイクリムズン、3着の該当馬は2016年のダノンレジェンドだ。また2012年の優勝馬セイクリムズンも前記の条件を満たしている。
その他、前年の東京盃で3着以内だった、いわゆる大井1200m巧者もなかなかの活躍を見せており、過去10年の成績は【1・1・3・1】。1着の該当馬は、2019年のキタサンミカヅキ。2着の該当馬は、2013年のセイクセイクリムズン、2022年のリュウノユキナ。3着の該当馬は、2015年のノーザンリバー、2016年のダノンレジェンド。2020年のコパノキッキングこそ5着に敗れているが、基本的には信頼できる。
あとは東京スプリントは時期的に軽い馬場で行われることが多く、逃げ、先行馬の活躍が目立っている。このためタフな馬場の高知・黒船賞で、スピードを見せていた馬が顕著に活躍。前走の黒船賞で3角2番手以内から1.1秒差以内に粘った馬の、過去10年の成績は【2・1・1・0】である。1着の該当馬は、2015年のダノンレジェンド、2018年のグレイスフルリープ。2着の該当馬は、2014年のセイクリムズン。3着の該当馬は、2016年のダノンレジェンド。また2012年の優勝馬セイクリムズンも前記の条件を満たしている。
今度は地方所属の有力馬を紹介すると、前年の習志野きらっとスプリントの連対馬である。前年の習志野きらっとスプリントの優勝以降、勝ち星がなかった2015年のルックスザットキルこそ5着に敗れているが、前年の習志野きらっとスプリント以降、ダートグレード競走か南関東の重賞で勝利していた馬は活躍している。それらの過去10年の成績は【1・0・1・0】で、1着の該当馬は2013年のラブミーチャン、3着の該当馬は2021年のキャンドルグラスである。出走回数は少な目だが、人気以上の走りを見せてくるので覚えておきたい。
最後に穴馬候補を紹介しよう。最大の穴は2014年のアルゴリズム(10番人気)や2022年にギシギシ(7番人気)が3着に入り、3連単の波乱の立役者となったように、ダートグレードで実績がない南関東所属馬である。また2020年は2着にサブノジュニア(5番人気)、3着にキャンドルグラス(7番人気)が食い込み、3連単8万5160円の高配当決着となったが、当時の2頭もダートグレードで実績がなかった。
アルゴリズムは中央からの移籍初戦、ギシギシは条件馬の立場でダートグレードどころか、南関東の重賞にすら出走したことがなかったが、サブノジュニアやキャンドルグラス、遡って2012年に7番人気で3着に入ったスターボードは、前々走の南関東所属馬の1000m~1200mの重賞3着以内か、準重賞で2着以内馬という条件を満たしていた。
このレースは2014年のジェネラルグラント(3番人気)や昨年のベストマッチョ(2番人気)のように、大井1400mのフジノウェーブ記念の連対馬が人気に支持されることが多い。しかし、それらは人気を裏切ることが多く、前走のフジノウェーブ記念で3着以下に敗れているか、前走で相手弱化の条件戦を使っている馬のほうが活躍を見せている。
2020年のサブノジュニアは前走のフジノウェーブ記念4着、キャンドルグラスは前走のフジノウェーブ記念8着からの巻き返しだった。キャンドルグラスは前年のこのレースでは、前走のフジノウェーブ記念2着後で9着とドボンしているが、翌年はフジノウェーブ記念大敗から巻き返している。サブノジュニアは2019年の東京スプリントでも2着と好走しているが、この時も前走フジノウェーブ記念4着からの巻き返しである。
つまり、前走のフジノウェーヴ記念で4着以下に敗れている前年の東京スプリント以降のダートグレードで3着以内の実績がある馬や前々走の1000m~1200mの南関東重賞で3着以内か、準重賞で2着以内の地方馬が穴馬ということになる。
まとめるとこうなる!
●本命候補
・前年のカペラSか同年の根岸Sのどちらかで3着以内の馬(前記レースからの直行馬を除く)。
・同年にJRAの3勝クラスかオープンで2勝以上した馬(一度は0.5秒差以上で勝利が条件)。
・前年のJBCスプリントで3着以内かつ、同年の黒船賞の優勝馬。
・前年の東京スプリントで連対かつ東京盃で3着以内の馬。
・前走の黒船賞で3角2番手以内から1.1秒差以内に粘った馬。
・前年の習志野きらっとスプリントの連対馬(前年の習志野きらっとスプリント以降、ダートグレード競走か南関東重賞で勝利していることが条件
●穴馬候補
・前々走の1000m~1200mの南関東重賞で3着以内か、準重賞で2着以内の馬。
・前年の東京スプリント以降でダートグレードで3着以内のある、前走フジノウェーブ記念4着以下馬。 |
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【ドバイワールドカップデー2023】レース展望②ドバイゴールデンシャヒーン
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前回はレースに触れることなく、「ドバイの今」ばかりに終始してしまいました。ドバイに通うようになって十数年、コロナ禍の後の凋落ぶりには驚愕を隠しえず、饒舌に語りすぎてしまいました。ご寛恕下さい。
お待たせしました。日本で発売される4レースの分析に入ります。アタクシの自信あり! 実はこの4レースには入っていないのですが(笑)。
ドバイゴールデンシャヒーン(ダート1200m)
日本勢未勝利のこのレースに昨年、一昨年2着と涙を飲んだレッドルゼル(牡7・安田隆行)が3度目の挑戦。日本勢が勝鬨の声を上げる時がいよいよ到来したようです。レッドルゼルの執念をもちろん無視はできませんが、アタクシの期待、そして自信の一頭はレモンポップ(牡5・田中博康)です。
レモンポップはフェブラリーSでG1ホースとなり、堂々とドバイに名乗りを上げてきました。しかし、ここまでには紆余曲折がありました。マイルのフェブラリーSを勝ったものの最適距離は1400m。根岸Sを勝って重賞ウィナーとなった直後、田中博康調教師とドバイ挑戦に関して電話で話をしました。田中調教師はゆったりとしたローテーション求めて根岸Sからドバイに直行したい意向でした。しかし、オーナーサイドの強い意向で1ハロン長いフェブラリーSを使わざるを得なくなってしまったのです。
オーナーサイドとはドバイ首長のシェイク・モハメドが日本に設けた競馬大本営、ダーレージャパン、即ち世界のゴドルフィン日本支店です。ダーレージャパンが開場して既に15年、生産馬からはG1ホ-スを輩出しているものの、自らの服飾で出走させた所有馬からはG1ホースを出すことはありませんでした。昨今は世界の競馬シーンで黄昏を感じさせる成績しか残せていないゴドルフィンとしては何としても日本でのG1の勲章が欲しかったのです。
レモンポップはオーナーサイドの期待に応えて横綱相撲といえるような堂々のG1初勝利をおさめました。レース直後に田中調教師に祝いの電話を入れたのですが、その声は思ったほど弾んではいませんでした。
「まだまだ足りないところがあるんですよ。1ハロン長いフェブラリーSは坂井君の好騎乗に助けられて勝ったようなものです。ローテーションは厳しくなりましたが、最適の1400mから1ハロン短い1200mならマイルほどの心配はありません」
田中調教師は謙虚を絵に描いたような誠実な人柄、その控えめな表現からは十分な自信が感じ取られました。中心はレモンポップで不動、さてレモンの前に立ちはだかるのはもちろん日本勢。前出のレッドルゼルは外せず、これに有終の美とまでは行かなかったもののリヤドダートスプリント3着と引退する福永祐一に快心のラストライドを飾らせたリメイク(牡4・新谷功一)、そのリメイクに僅かに及ばぬ4着だったジャスティン(牡7・矢作芳人)も挽回を図ります。
海外勢は昨年の覇者、スイッツァランド(首・セ9・B.シーマー・9‐3‐4‐12)、昨年BCスプリント2着のシーズィーロケット(米・セ9・P.ミラー・12-7-5-12)とも既に9歳、上がり目は期待できず、この2頭よりは格下ながらリヤドダートスプリント2着のガナイト(米・牡4・S.アスムッセン・7‐5‐1‐2)、ホプキンズ(米・牡5・B.バファート・3-3-0-1)、シベリウス(米・セ5・J.オドワイヤー・6-3-3-6)の3頭が前出老齢馬よりは遥かに上位。リメイク、ジャスティン以上レッドルゼル未満の評価をしたいと思います。特にL.デットーリ騎乗のホプキンズとR.ムーア騎乗のシベリウスからは目が離せません。
日本では日本の4頭が圧倒的な人気を集めること必至ですが、高配当は日本では人気薄の外国勢から。レモンポップから上記3頭の外国勢を買わない訳にはいかないと展望します。
さて、当地22日夕方から注目の枠順抽選。ドバイゴールデンシャヒーンよりも枠の内外が影響するドバイシーマクラシック、ドバイターフ、ドバイワールドカップは枠順が決まってから展望させて下さい。
※外国馬馬名の後の丸括弧は調教国・性齢・調教師・成績の順。※国名:首=ドバイ
甘粕代三(あまかす・だいぞう)プロフィール
1960年、東京生まれ。高校時代から競馬にのめりこむ。
早稲田大学第一文学部卒。在学中に中国政府官費留学生。卒業後、東京新聞記者、テレビ朝日記者、同ディレクター、同台北開設支局長などを務める。
中国留学中に香港競馬を初観戦、94年ミッドナイトベットの香港カップ制覇に立ち会ったことから香港の競馬にものめりこみ、2010年、売文業に転じた後は軸足を日本から香港に。
香港の競馬新聞『新報馬簿』『新報馬経』に執筆、テレビの競馬番組にも出演。現在、香港アップルデイリー日本特約記者、北京市馬術運動協会高級顧問を務める。 |
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2022年10月4日(火) 14:10
山崎エリカ
【山崎エリカのダートグレード攻略】~東京盃2022年~
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