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【スプリンター】人馬ともにGⅠ初勝利!7歳馬ジャンダルムがレース史上初の母子制覇

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【スプリンター】人馬ともにGⅠ初勝利!7歳馬ジャンダルムがレース史上初の母子制覇

荻野極騎乗の8番人気ジャンダルムが、3番手から早め先頭で押し切り。人馬ともにGⅠ初勝利を挙げた。母ビリーヴが2002年の勝ち馬で、レース史上初、GⅠでは8例目の母子制覇も成し遂げた。2着に7番人気ウインマーベル、3着5番人気ナランフレグで3連単46万8950円の波乱。1番人気メイケイエールは好位追走も失速して14着だった。

先頭で目指すGⅠのゴール前。襲いかかる後続を振り切るように7歳の古豪と25歳の若武者の背中を押したのは、母の血の力だった。3番手でレースを進めたジャンダルムが、電撃の6ハロン戦を制覇。母ビリーヴが2002年に勝ったスプリンターズSで、レース史上初の母子制覇を果たした。 「いい枠でしたし、課題のスタートもこなしてくれて、スムーズに競馬ができました。最後も手応えどおり、しっかり伸びてくれて、力を発揮してくれました」

夢のGⅠのお立ち台で荻野極騎手が喜びを口にした。❶枠②番から好スタートを決めて道中は3番手。直線で早めに抜け出すと、2着ウインマーベルの追い上げをクビ差でしのいだ。

見守った池江調教師は「感無量です。史上初の母子制覇という物語の一役を担えたことを誇りに思います。デビュー前からビリーヴの息子ということでたくさんのファンに応援していただいたのですが、ようやく皆さんに恩返しできたかな」と感情を込めた。デビュー当初にデイリー杯2歳Sを制し、ホープフルSで2着。指揮官も「これはクラシックを目指さなきゃいけない」と、適距離ではないことを承知で皐月賞(9着)、日本ダービー(17着)に挑んだが結果が出なかった。その後は徐々に距離を短縮し、昨年4月の春雷Sでスプリント戦に初挑戦すると、母譲りの短距離適性が開花した。


エスコートした荻野極騎手は7年目にしてGⅠ初制覇だが、重賞初勝利もジャンダルムでの夕刊フジ賞オーシャンSだった。「すごくうれしいですし、ジャンダルムに感謝の気持ちでいっぱいです」と笑顔がはじける若き鞍上。次走は香港スプリント(12月11日、シャティン、GⅠ、芝1200メートル)が視野に。遅咲きの良血は世界も射程に入れている。

ジャンダルム 父キトゥンズジョイ、母ビリーヴ、母の父サンデーサイレンス。黒鹿毛の牡7歳。栗東・池江泰寿厩舎所属。米国産。馬主は前田幸治氏。戦績29戦7勝。獲得賞金4億1551万2000円。重賞は2017年GⅡデイリー杯2歳S、22年GⅢ夕刊フジ賞オーシャンSに次いで3勝目。スプリンターズS池江泰寿調教師、荻野極騎手ともに初勝利。馬名は「アルプス山脈の名峰アイガーの絶壁の名」。




★前田幸治氏も感慨深い勝利…オーナーの前田幸治さんは所用のため自宅でテレビ観戦。愛馬の完勝劇に拳を握った。「このところ弟の晋二名義の馬(キズナディープボンドコントレイル)が目立っていたので、久しぶりに兄貴の威厳を見せつけることができて、うれしい」と喜びを口にした。母のビリーヴは2002年のスプリンターズS勝ち馬。「ビリーヴは第1回セレクトセール出身の馬。忘れた人もいるだろうが、スプリンターズSは新潟開催だったね。日本ではなく米国で繁殖入り。信念を曲げずに続けてきたことが実を結んだことは喜ばしい限りです」と感慨深げに話した。




◆レースアラカルト◆

・母子制覇 母ビリーヴは2002年の優勝馬で、レース史上初の母子制覇となった。母子同一JRA・GⅠ制覇は21年に秋華賞を制したアカイトリノムスメ(母アパパネは10年の優勝馬)以来。

荻野極騎手 初騎乗で初勝利。JRA・GⅠは3回目の騎乗で初勝利。これまでの最高は本馬による今年の高松宮記念11着。JRA重賞は本馬による夕刊フジ賞オーシャンS以来で今年2勝目、通算2勝目。

池江泰寿調教師 管理馬延べ2頭の出走で初勝利。JRA・GⅠは19年大阪杯アルアイン)以来で通算21勝目。JRA重賞は鳴尾記念ヴェルトライゼンデ)以来で今年5勝目、通算88勝目。

・キトゥンズジョイ産駒 産駒延べ2頭の出走で初勝利。JRA・GⅠは産駒延べ8頭の出走で初勝利。JRA重賞は本馬によるオーシャンS以来で今年2勝目、通算4勝目。

・馬主前田幸治氏 02年(ビリーヴ)以来の通算2勝目。JRA・GⅠは14年日本ダービーワンアンドオンリー)以来で通算12勝目。JRA重賞は本馬によるオーシャンSに続く今年2勝目で、通算53勝目。

・7歳馬の勝利 06年(テイクオーバーターゲット)以来16年ぶりで通算2勝目。

・❶枠の勝利 15年(ストレイトガール)以来で通算3勝目。

・馬番②の勝利 15年(ストレイトガール)以来で通算2勝目。

・単勝8番人気の勝利 1990年のGⅠ昇格後は初めて。

・外国産馬の勝利 99年(ブラックホーク)以来23年ぶりで通算5勝目。

・払戻金 馬単②→⑦ 3万6640円は11年に記録した3万430円を更新し、本レースの式別最高払戻金額。

・売り上げ、入場者数 スプリンターズSの売り上げは149億8732万300円で前年比102・9%とアップ。入場者数は2万2920人(うち有料入場2万2166人)で同551・9%だった。

・ベストターンドアウト賞 スプリンターズSで実施された「ベストターンドアウト賞」は、ナムラクレアの疋田真志厩務員が受賞した。

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