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【皐月賞】躍れ日高産馬!2頭出し相沢郁師インタビュー

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【皐月賞】躍れ日高産馬!2頭出し相沢郁師インタビュー

 3歳3冠レースの第1弾、皐月賞(GI、芝2000メートル)が19日に中山競馬場で行われる。2頭を大舞台に送り出す相沢郁(いくお)調教師(60)=美浦=の胸の内に迫った。札幌2歳Sの優勝馬ブラックホール(牡)、共同通信杯2着のビターエンダー(牡)は、ともに一発の可能性を秘めた素材だ。今では競走馬生産牧場の主流ではなくなった日高地方生まれの2頭が、桜花賞を快勝したデアリングタクトに続き、エリート撃破に挑む。(取材構成・内海裕介)

 ◇

 --ブラックホールは母ヴィーヴァブーケも管理

 「けがで1勝で引退したけど、スカーレット(インク)のいい血統だから繁殖に残しましょうとなったんだ。岡田繁幸さんの勧めでゴールドシップを種付けしたと聞いているけど、最初は小さくて目立たない馬だった」

 --それが札幌2歳Sで重賞奪取

 「稽古に乗った裕紀人(石川騎手)から走るとは聞いていたけど、当週の追い切りが速過ぎてしまってね。心配した分、レースで強かったのには驚いた」

 --前走の弥生賞は勝ち馬から0秒4差の4着

 「ホープフルS(9着)のときに内枠((1)番)で押して行ったら気持ちが乗らない感じだったので、脚をためる競馬をした。4コーナーで不利もあったし、勝ち馬は別として2着以下とは差はなかったから、ある程度、本番への手応えもつかめた」

 --8日は坂路で4ハロン50秒5の一番時計

 「オーナー(芹澤精一氏)の考えもあって坂路でビシビシ鍛えている。やればいくらでも動くけど、このメニューに耐えているのがすごい。稽古も裕紀人がずっとつけているけど、関係者の理解で競馬で乗せ続けてもらえるのだから、結果で応えないとね」

 --ビターエンダー共同通信杯で2着

 「オルフェーヴルの子にしてはのんびりしていて、デビュー戦(3着)では出遅れたりしていたけど、前走はミナリク騎手が前に行く競馬をしたね。結果オーライで違った一面を見せてくれた」

 --デビューから着実に成長

 「良化ぶりは半端じゃないよ。デビュー当初は走るときにハミに頼ったり、すぐソエが出たりしていたけど、今は馬が固まって、稽古でも素晴らしい動きを見せている」

 --中山は京成杯で4着

 「あの頃とは馬が全然違うし、中山が駄目ということはないと思う。ただ東京の方がいいことはいいので、最低でもダービーの出走権(5着以内)は獲ってほしい」

 --2頭出しは2000年(ジョウテンブレーヴ4着、マイネルコンドル17着)以来

 「今の時代、日高の個人牧場の馬がフルゲート18頭の中に潜り込むのは本当に大変なこと。それがウチに2頭いるのは、大げさじゃなく奇跡的なことだと思う。何とかいい競馬をして、日高にエールを届けたい。強い良血馬にひと泡吹かせるので、応援してください」

 14日の2頭茨城県・美浦トレセンで翌日の追い切りに備えた。ブラックホールは坂路を2本(4ハロン68秒3、同65秒0)消化。相沢調教師は「先週にビッシリやって、雰囲気はいい。中山は合っている」。ビターエンダーは坂路を4ハロン70秒9で駆け上がり、「具合はすごく良くなっている。体重は前走より絞れるかも」と、ともに好ムードだ。

相沢郁(あいざわ・いくお) 1959(昭和34)年6月19日生まれ。北海道出身。麻布大獣医学部で獣医師免許を取得。98年に美浦トレセンで厩舎を開業。同年にウメノファイバーが京王杯3歳Sに優勝し、翌年にオークスを制覇した。2012年に優秀調教師賞(関東3位)、13年に優秀厩舎賞(関東4位)を受賞。14日現在、JRA通算430勝。JRA重賞はほかに13年GII産経賞オールカマーヴェルデグリーン)など計18勝を挙げている。

★ノーザンファーム強し…北海道日高地区は日本一の馬産地と言われ、シンザン、ミスターシービーシンボリルドルフナリタブライアンの三冠馬、ハイセイコー、オグリキャップのスターホースを生んだ。しかし、1990年代から社台グループが大躍進。胆振(いぶり)地区・安平町のノーザンファームは、生産馬が過去5年で日本ダービー4勝、皐月賞3勝。石狩地区・千歳の社台ファームは、皐月賞9勝を挙げている。個人経営の牧場は厳しい時代だが、桜花賞は日高町・長谷川牧場のデアリングタクトが制した。GI7勝テイエムオペラオーを出した浦河・杵臼牧場生まれのブラックホール高松宮記念優勝セイウンコウセイの故郷、静内・桜井牧場出身のビターエンダーも続きたい。

★父子制覇だ…皐月賞の父子制覇は過去に10頭。オルフェーヴルの産駒は、2018年にエポカドーロが勝っており、ビターエンダーが勝てば2頭目となる。12年皐月賞などGI6勝を挙げたゴールドシップは今年の3歳が初年度産駒で、ブラックホールが勝てばGI初制覇。オルフェーヴルゴールドシップともにステイゴールドの産駒で、大舞台に強い血統だけに楽しみだ。

皐月賞の特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載

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